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第251話 共同戦線

ーヤマト皇国「樹海」近郊 国境上空ー


ココル共和国とヤマト皇国との国境からヤマト皇国領内方向、霊山「フジ」の麓「樹海」近郊の上空に、大小多数のグランドシップ、ココル共和国大陸自衛艦隊所属の、完全自動無人艦隊が機関と各種センサーの不調によりその全艦が停泊していた。


ブオオオオンン… ボボボボボ… ピピピルルルル… ヒューン ヒューン ゴゴゴ…


『機関部随時復旧開始、センサーシステム再起動』 ピッ


『第1再起動、効果ナシ、再再起動ヲ準備』 ピッ ピコ


強襲巡航艦「ライデン」の雷撃を受け、ココル共和国大陸自衛艦隊、完全自動無人艦隊は、全艦が体制の立て直しに全力を注いでいた。


ピッ


『各艦艇ニ連絡事項アリ、各艦管理制御システムハ当艦ニ、オンライン接続、状況ヲ報告セヨッ!』 ブ〜ン ピッ

          ・

          ・

ブオン パッ パッ パパパパパッ!


そこは、艦隊間ネットワーク環境内の仮想空間世界、薄暗い空間に円テーブルと椅子が16脚の所だけ照明が当たり、その椅子に次々とココル共和国大陸自衛艦隊の艦長が着る制服を身にまとった16人の男性型アバターが現れ座っていた。 その16人すべてが同じ顔同じ姿であった。


『フム、全テ揃ッタヨウダナ デハ諸君報告ヲ!』 サッ 


『テスラ級巡航艦『テスラ1、2、3、4』、機関機能回復、『テスラ3』ノミ、探知センサーSPY本体ガ破壊損傷、修復不可能、パッシブセンサーノミ使用可能状態』 ブン、ピッ


『イントレビット級駆逐艦『ビット1』カラ『ビット8』、8隻全テ全機能回復、戦闘行動可能』 ピッ


『ウム、旗艦ヲ含ム、艦隊ノ約98%ガ機能回復シタカ、シカシアノ様ナ兵器ヲ所持シテイヨウトハ… 人間ドモメ、侮レナイナ…』 サッ


『タシカニ、アレハ我々ニトッテハ驚異的ナ兵器、使用サレル度ニ身動キヲ封ジラレテハ、我等ノ主人、高位存在ガ進メルシナリオニ支障ヲキタス』 サッ


『ナゼ、アノ様ナ兵器ノ存在ニ気ガ付カナカッタノダ?』 バッ


『アノ兵器ニ関シテノ情報ハアリマセン』 スッ


『デハ、人間ドモノ情報隠蔽能力ガ我々ノ情報探知能力ヲ上回ッテイタト言ウ事カ…』 ブ〜ン


『タシカニッ! デナケレバアノ様ナ兵器ヲ所持シテイル艦艇ヲ我等ガ放置ナドシテイナイ筈ダッ!』 ババッ


『気付クノガ遅スギタノダ… アノ大型艦艇ガコノ国ニイル以上、高位存在ノシナリオニ支障ヲキタス、アノ大型艦艇ノ撃破、撃沈ヲ最優先スル事ヲ提案スル!』 バッ!


『『『『 同意ッ! 』』』』 ババッ!


『ヤマト皇国デノ擬似侵略戦闘ハ現在モ進行中、ソノ工程ノ中デ、アノ大型艦艇ヲ撃破、撃沈スルノダッ!』 ザッ!


『『『『『 了解ッ! 』』』』 ザザッ!


『ソノ大型艦艇ノ詳細ハ、ドノ程度把握シテイルノダ?』 サッ


『現時点デ分カッテイル情報ヲ共有スル、各自確認セヨ』 バッ


ピッ ピコ ブンッ! タタタタタタタタタ


『ナンダコレハッ! 艦名『ライデン』意外何モ分カラナイデハナイカッ!』 ババッ!


『アトランティア帝国ノメインシステムニ侵入、帝国ノ艦隊艦艇データーベースヲ確認シタガ、艦名『ライデン』意外全テガ封印サレ、艦名以外ハワカリマセン』 サッ


『ムウウ… アトランティア帝国ノ秘匿兵器ニシテ秘匿艦ト言ウワケカ』 スッ


『コレハ由々シキ事態ダ、帝国大型艦艇『ライデン』ハ最優先撃破、撃沈目標トスルッ!』 バッ!


『目標ノ、大型艦艇『ライデン』ノ行方ハ?』 サッ!


『各種センサーガダウンシテ以来、大型艦艇『ライデン』ノ所在ハ不明、タダシ、時間ト速度、逃走方向カラ大凡ノ位置ハ推定可能』 サッ


『フム、デハ全艦進路ヲソノ方向ヘ、ブレードナイトノ方ハ稼働可能カ?』 スッ


『正規空母『ギュルテルティーア』搭載、自立思考型無人ブレードナイト『グリフォスD/FAV7』240機、全テ稼働可能、発艦待機中』 バッ!


『ヨシ、艦隊速度デハ遅スギル、艦隊ヲ二分スル。高速ノ前衛ヲ出シ『ライデン』ノ所在ヲ掴ムノダッ!』 ババッ!


『『『『『 意義ナシッ! 』』』』』 バババッ!


『デハ諸君、各々ノ艦艇ニ戻リ、機関始動、発進準備。前衛ハ直チニ発進、コレヨリ全艦、大型艦艇『ライデン』ノ追尾ヲ再開、発見次第大型艦艇『ライデン』ヲ撃沈スルッ!』 ババッ! ピッ


『『『『『 了解 』』』』』 ビコビコ ピッ!


フッ! フッ! フッフッフッ! シ〜ン…


艦隊間ネットワーク環境内の仮想空間内から、1人、また1人と16人全てがその空間から出ていった。



ゴウンゴウンゴウン ピッ ピッ ピッ


『全艦、進路633 全速前進ッ!』 ピッ


ヒイイイイイイイインンッッ! シュゴオオオオオオオオオオオーーッ! ゴゴゴゴッ!


強襲巡航艦「ライデン」による特殊雷撃からのダメージにより、行動不能に陥っていたココル共和国大陸自衛艦隊、完全自動無人艦隊であったが、そのダメージを回復し、強襲巡航艦「ライデン」を目指し、行動を開始した。

         ・

         ・

ーヤマト皇国『樹海』外縁部 平原ー


ココル共和国大陸自衛艦隊、完全自動無人艦隊が動き出した頃、アニスとレオハルト中佐は再開をはたしていた。


「しっかしアニス、お前また何かやったろ?」 うん?


「ん? な、何のことかな? アニちゃんわかんない〜」 あはは… フリフリ


「惚けるなッ! アレだアレッ! あのブレードナイトッ! お前、また弄ったんだろッ!」 サッ!


そう言って、レオハルト中佐は、この国、ヤマト皇国国防軍、主力艦上戦闘機、白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」を指さした。


「あ… アレね、ちょっと触っただけだよ、『アウディ』ほどじゃないから」 ははは…


「お前なああ… そのちょっとがどんだけだか分かってんのか? お前が弄るととんでも無く機能が上がっちまうんだよッ!」 がッ!


「わああッ! ごめんなさ〜いッ!」 バッ ギュウッ!


アニスはレオハルト中佐の怒鳴られ、頭を抱え謝りながら目を瞑っていた。


ピッ ヴオンッ!


『Rog. レオン、そこまでにしてください、アニスも悪気があってやっている訳ではないでしょう』 ピッ ガシュン プユウウウーーッ!


ピッ ヴオンッ!


『そうです、レオハルト中佐。アニス様は私と白井中尉のためを思ってやってくれた事、私は感謝しています。それ以上怒らないでやってください』 ピッ  ガシュンッ! ズワアッ! プシュウウウーーッ!


「なッ! やっぱりコイツも『アウディ』と一緒かッ… (『アウディ』と同じ様に自我を持ってやがる… この世界に存在しない規格外のブレードナイト、コレで6機目、アニスのやつ…)」 はああ… フリフリ


ブレードナイトの「アウディ」と「ZERO」、2機に促され、レオハルト中佐は額に手を当て呆れ返っていた。


スス…


「レオン〜、わざとじゃないんだよ〜」 ギュ ウルウル


「うッ! アニスお前… し、仕方がねえなあ…」 タジ…カアア ポリポリ


レオハルト中佐は、涙目で自分のライナースーツの袖を掴み、見上げてくるアニスに対し、顔を赤らめながら頬をかき、横を向いた。


「レオンッ! 許してくれるのッ⁉︎」 バッ パアアッ!


「まあな… アニス、お前の事だ、わざとやってねえ事ぐらい、俺には分かるんだよッ! ククク』 ニイッ!


「なッ! ううう〜… レオンのばかちんッ!」 カアアッ! ぷいッ!


「お? 怒った顔も可愛いぞお」 ニイッ!


「知らないッ!」 ブ〜


「わははははッ!」 ババッ!


アニスの表情や仕草を見て、レオハルト中佐は大笑いをしていた。


「ふむ、アニスもあの男とはまんざらでもない様だな」 二ッ!


「ええ、悔しいですけどアニス様の選んだ者、見守るしかありませんわね」 はああ…


「あのレオンていう人、凄いなあ、アニスさんがあんな仕草をするなんて…」 サッ


「アニスちゃん、いいなあ…」 ギュ


「スズカ? じゃ、じゃあ僕たちも…」 ソ…


「レオハルト中佐かあ… イケメンで背も高い、無駄のない体格と男らしいあの振る舞い…」はああ…


「えッ? ス、スズカ!」 サッ


「うん? なにサトシ」 クル サッ


「ス、スズカには僕がいるからッ! 僕がずっと一緒にいるからッ!」 バッ


「サトシ… そ、そんな事わかってるわよッ!」 カアア バッ!


「スズカ〜…」 サッ


「もうッ!(サトシのばか)」 ポッ ポッ


アニスとレオハルト中佐の2人を、神獣と勇者達は見守っていた。そんな中、ブレードナイトである「アウシュレッザD型FARアウディ」と「ZERO 52型 202」の2機は、密かに機体間同期高速通信で会話をしていた。それは、周りの者には一切聞こえず、時間にしてわずが15秒程の同期高速通信会話だった。



ピッ


『Rog. 『ZERO』でしたか? 貴方は中々の性能の様ですね』 ピッ


ピッ


『いえ、私など、『アウディ』先輩の性能には遠く足元にも及びません』 ピッ


『Lst. 先輩? 私がですか?』 ピッ


『はい、元々私『ZERO』シリーズと先輩の『アウシュレッザ』シリーズは設計者が同じ、同時開発の兄弟機、ましてや私たちはアニス様によってカスタマイズされた特殊個体機、その誕生順でいけば、『アウディ』先輩が初号機として今に至ります』 ピッ


『Rog. なるほど、アニスによって我々の様に自我を持ち、自分の意思で自立したブレードナイトなどそういませんからね、『ZERO』、貴方を入れるとアニスの手によって、我らの様なブレードナイトはこの世界にわずかに6機、確かに順番で行けば私が最初、初号機ですか、特殊個体機と言う枠組みも気に入りました』 ピッ


『6機ッ! 私と先輩の他に、もう4機もいるのですかッ⁉︎』 ピッ


『Rog. いますよ、上空の母艦『ユキカゼ』に3機、異国のゼルファ神帝国に1機、この4機、全てで6機ですね』 ピッ


『なんと、アニス様はどれだけの力をお持ちなのか検討もつきません』 ピッ


『Rog. それがアニスです、慣れた方がいいですよ』 ピッ


『『 クククッ! アハハハハッ! 』』 ピピピッ!


ピピピ ビコビコッ! ピッ


『『アウディ』先輩、これはッ!』 ピッ


『Rog. 敵の艦隊ですね、会話はここまで、自分達の主人の指示を待ちます』 ピッ


『了解しました』 ピッ


ブウウンン!


2機の機体間同期高速通信は、それぞれの索敵センサーに反応した敵艦隊の接近で終了した。



シュゴオオオーー… ゴゴゴゴ…


「うん? なんだ? 『ライデン』が動き出した」 サッ


「『ユキカゼ』もです、何かあったのか?」 サッ


地上でアニス達と合流した、レオハルト中佐と白井中尉は、上空の自分達の母艦が動き出したのを眺めていた。


ピッ


『Lst. レオン敵艦隊接近、『ライデン』臨戦体制、動き出しました』 ピッ


「「 なにッ⁉︎ 」」 ザッ! ババッ!


レオハルト中佐と白井中尉は同時に答えた。


「中佐殿、自分は『ユキカゼ』に戻りますッ! この度は会えてよかった、また今度いつか何処かで会いましょうッ!」 サッ!


「おうッ! 中尉、気を付けてなッ!」 サッ!


「はッ!」 クルッ! ダダダダッ!


白井中尉は自分の愛機、ブレードナイト「ZERO 52型 202」へ駆け出していった。


「白井中尉か… いいやつだぜ、アニスッ!」 バッ!


「ん? なに」 サッ 


「ちょっと行ってくるッ!」 二ッ


「ん、レオンも行くんだ…」 フ…


「ああ、俺は帝国の軍人だ、敵が現れたらそれを叩くッ! お前を守るためにな!」 ニイッ!


「レオン… 気をつけてね」 ニコ ギュ…


「ああ、じゃあ後でなッ!」 サッ ザッ ダダダッ!


レオハルト中佐も自分の愛機、ブレードナイト「アウシュレッザD型FARアウディ」の元に向かった。



ー強襲巡航艦「ライデン」ー


バシュウウウウウーーッ! バッ バッ ゴウンゴウン ピッ ピッ


ビーーーッ! ビーーーッ! ビーーーッ!


「艦回頭完了ッ! 『ライデン』敵艦隊方向に堅持ッ!」 ピッ ビコビコ


「うむ、索敵員!」 バッ


「アイサーッ! 敵艦隊補足ッ! チャートNo.508 距離80000 速度60ノット 高度980ッ!」 ピコ


ピピピ ビコビコ ピッ


「エリア076 マークポイント5 イエロー33 チャーリーッ! 巡航艦1 駆逐艦4 ッ! 敵の斥候前衛艦隊と思われますッ!」 ババッ!


「艦隊を二手に分けたのか? だが、これなら… 通信士ッ!」 バッ!


「はッ!」 バッ


「隣の駆逐艦『ユキカゼ』に通信ッ!」 サッ!


「アイサーーッ! 『ライデン』より『ユキカゼ』へコンタクト」 ピピピ カチカチ ピコ!



ーヤマト皇国国防軍 一等級攻撃型駆逐艦『ユキカゼ』ー


ピッピーーッ!


「艦長、『ライデン』より通信ッ!」 バッ


「うむ、繋いでくれ」コク


「了解、『ユキカゼ』より『ライデン』へ受信」 ピッ カチ


ブウウンン! パッ!


『青山少佐、敵の前衛艦隊が接近している』 ピッ


「その様ですな、『ユキカゼ』の索敵センサーにも反応がありました」 サッ


『奴らは我々が引き込んでしまった、『ライデン』が撃って出る、青山少佐、『ユキカゼ』はここで待機を、御足労かけるが、ここ、ヤマト皇国領内での戦闘の許可をいただきたい』 ピッ


「グレイ中佐、それは許可できない」 フリフリ


『青山少佐ッ!』 ピッ


「グレイ中佐、勘違いをしては困ります」 サッ ニッ


『青山少佐?』 ピッ


「我が皇国領に土足で入ってきた愚か者どもを私が許すとでも?」 ふふふ


『では…』 ピッ


「グレイ艦長、ここは一つ共同戦線といきませんか?」 ニイッ!


『では、『ユキカゼ』も一緒にこの『ライデン』と共にという事ですかな?』 ピッ


「そうなれば、『ライデン』がここで戦闘行動をしても大義名分がたちます」 ふふふ


『なるほど… わかりました、では布陣は…』 ピッ


「『 『ユキカゼ』を先頭にした単純陣ッ! 一点突破戦法ッ! 』」 ピッ


2人の艦長は、急接近してくるココル共和国大陸自衛艦隊 完全自動無人艦隊の前衛艦隊に対し、同じ戦法を提案した。


「『 ククク あははははッ! 』」 ドッ! ピッ


「いやあ、グレイ艦長、流石ですな!」 ククク


『なに青山少佐こそ、この状況下でよくわかっている』 ふふふ ピッ


「では行きますか」 サッ


『うむ、では共に』 サッ ピッ


両者は通信を終え、全艦に命令を下した。


「「 機関始動ッ! 最大戦速ッ! 砲雷撃戦用意ッ! 」」 ババッ! 


「「「「「「「「「「 アイサーーッ!(了解ッ!) 」」」」」」」」」」 バババッ!


ヒイイイイイイイインンンッ! バウウウウウウウウーーーーッ! シュゴオオオーーッ!


一等級攻撃型駆逐「ユキカゼ」と強襲巡航艦「ライデン」の2隻は同時にスラスターを全開にし、「ライデン」の前方に「ユキカゼ」がつく、単純艦隊陣をとった。



ー強襲巡航艦「ライデン」ー


ビーーーッ ポンッ!


『艦長のグレイだ、これより本艦はヤマト皇国の駆逐艦『ユキカゼ』と共同し、接近する敵艦隊に対し全力攻撃に出る。総員戦闘配置ッ!』 ピッ


「「「「 うおおおーーッ! 」」」」 ザワッ!


ワーワー ガヤガヤ ザワザワ


強襲巡航艦「ライデン」艦内は艦長の言葉にざわついていた。


カチ


「ブレードナイトデッキ、ブレードナイト全機発艦体制ッ!」 ピッ


『アイサーーッ!』 ピッ


ビーーーッ! ポン!


『ブレードナイト発艦デッキへ、全機発艦準備、アラン中尉、マイロ中尉、ジェシカ中尉、出撃準備願います』 ピッ



ー強襲巡航艦「ライデン」ブレードナイトデッキー


ビーーッ! ビーーッ! ビーーッ!


『ブレードナイト全機に発艦命令、第1小隊各員は発艦体制を! 繰り返す、ブレード…』 ポン!


ビーーッ! ビーーッ!


「おらああッ! 全機発艦だああッ! モタモタすんじゃねえッ! 隣でヤマト皇国の連中が見てるぞッ! 気合を入れろおッ!」 ババッ!


「「「「 おおおおーーッ! 」」」」 ババババッ! ザザッ!


ウイイイイイインンン ガコオオオンン ジジジジッ! 


「オーライ オーライ ストーップ!」 ババッ!


パシュンッ! パシュンッ! プシュウウウーーッ!


『第2、第3、第4ハンガー、リペアサプライング終了、起動準備』 ピッ


強襲巡航艦「ライデン」の前方に位置するヤマト皇国の一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」、そこの整備員を意識してか、強襲巡航艦「ライデン」のブレードナイトハンガーデッキの整備員にも気合が入り、全機発艦の準備で慌ただしくなっていった。



ダダダダッ!


「マイロッ! ジェシカッ! 出るぞッ! 急げッ!」 ダダダ サッ!


「「 了解ッ! 」」 ダダダ タタタ ササッ!


ウイイイイイインンン カシュン ピッ バクンバクンッ! ドサッ!


強襲巡航艦「ライデン」の第1小隊、アトランティア帝国の英雄、アラン、マイロ、ジェシカの3人は、ブレードナイトハンガーデッキに固定してある自分達の愛機のハッチを開け、操縦席に乗り込んでいった。


カチカチ ピッ ピピピ ピコ


ヴオンッ! ヒイイイイイイイイーーッ!


ピッ


『こんにちはマスター、緊急出撃ですか?』 ピッ


「ああ、『リーザ』、今日もよろしく頼むよ」 カチカチ ピッ ピピピ ポンポン


ヒュインッ! ピピピ パパパッ! 


『了解ですマスター、あら、レオハルト中佐の『アウディ』が見当たりませんね』 ピッ


「ああ、レオン隊長はいま下に降りてる。アニスさんを迎えにいってるんだ」 ピピピ カチ


『えッ⁉︎ アニス様、見つかったのですか?』 ピッ


「ああ、下にいる。だが、それを邪魔しようと敵艦隊が接近中だ」 ピッ タンタン


『ふ〜ん、それは許し難い事ですね、わかりました』 ヴオンッ! ピッ!


パパパパ ピコ ビコビコ ピッ! ヴオンッ!


「え? リーザ?」 カチカチ ピタッ!


『私達の生みの親でありマスターの師匠、アニス様との再会を邪魔するなど… マスター、全力で行きます! 高速戦闘モードでよろしいでしょうか?』 ピッ


「あ、ああ… そうだね、それで行こう!」 グッ ピピッ!


『主兵装選択、120mmフォトンライフルから対艦兵装175mmフォトンカノンへ、チャンバー接続、換装開始』 ピッ


ヴオンッ! ピイインッ! ガシュンッ!


『みなさん、聞きましたか?』 ピッ


アランのブレードナイト「アウシュレッザD型F1R2」が、武装換装中に、同じ小隊のマイロとジェシカのブレードナイトに呼びかけた。


ヴオンッ! ビコッ!


『しかと、我らがアニス様との再会の場に何と言う不敬、マイマスタージェシカ、遠慮はいりません、徹底的にやりましょう』 ピッ!


「『レ、レパート?』 そうね… 全力でいくわよ!」 ニコ カチカチ ピッ ピコ!


ビイインッ! ガシュンッ!


『マスターマイロ、私たちも全力でいきます。武器選択を『イーグルスナイパー』に、使用弾頭はAPHE徹甲炸裂弾を、よろしいですね』 ピッ


「ははは… 『サニー』、この程度の前衛艦隊にこれは…」 はは…


『いいんですッ! 敵艦隊にはここで消えていただきますわ』 ピッ


「はは… そうだね、仕方がないか」 カチカチ ピコ ブウウンンッ!


強襲巡航艦「ライデン」のブレードナイトデッキ内では、アラン、マイロ、ジェシカの3人の英雄とそれぞれの愛機、ブレードナイトが会話をしながら、発艦体制の準備をしていた。



ーヤマト皇国国防軍 一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」ー


ビーーッ! ビーーッ! 


「敵艦隊さらに接近ッ! 方位0125 距離74000 速度60ノット マークポイント5 オレンジαッ チャーリーッ!」 ピッ ビコビコ


「全火器管制システム起動ッ! ブレードナイトはどうだッ⁉︎」 ザッ!


「吉田機は使用不可、坂本機が出撃可能です」 バッ!


「ふむ、地上にいる白井中尉に連絡ッ! 『直ちに発進、坂本機と合流し、『ライデン』ブレードナイト隊と共同し敵艦隊に対処せよ』 となッ!」 ババッ


「了解ッ!」 ピッ カチカチ ピコ


カチャ


「ブレードナイトデッキ、坂本機を出せッ! 先手を取るッ!」 ピッ


『こちら、ブレードナイトデッキ 了解しました。坂本機出します』 ピッ


「さて、この『ユキカゼ』、ただの駆逐艦と思うなよ」 グッ!


ピッ ピッ ピッ ピコ!  ピッ ピッ ピッ ピコ!


艦橋内にある大型モニターに映る敵艦隊の光点に、青山少佐は睨みながら呟いていた。



ー駆逐艦「ユキカゼ」ブレードナイト発艦デッキー


ビーーッ! ビーーッ! ビーーッ!


『『ZERO 21型 212』坂本機発艦体制ッ!』 ピッ


ダダダダッ! 


「200mm給弾開始ッ! 増槽は外せッ! 87式誘導短噴進弾取り付け急げッ!」 ババッ!


「「「「 はッ! 」」」」 ババッ! ダダダ バタバタ


「班長ーッ!」 ザッ ザッ ザッ フリフリ


ガガガガ ガガガガ ジジジ


「うん? おお、坂本少尉ッ!」 ババ サッ!


「いつもすまないね」 二ッ!


「なあに、こんな事は朝飯前でさあッ!」 二ッ!


「今回は異例中の異例でね、他国のブレードナイトと共に戦うんだ。奴らに負けたく無いんでね、完璧を目指したい」 グッ


「ははは、白井中尉と坂本少尉なら大丈夫でさあッ! 思う存分やってきて下さい!」 グッ!


「ああッ! 負傷で横になってる吉田の分もなッ!」 サッ


ビーーーッ!


「班長ーッ! 坂本機準備完了ッ! いつでも出せますッ!」 ババッ


「ようし、よくやったッ!」 ババッ!


「よしッ! じゃあなッ! 行ってくるッ!」 バッ! ダダダッ!


「坂本少尉ッ! ご武運をッ!」 サッ!


「ありがとう! 甲板長ッ!」 サッ!


ウィイイイインン カシュン ピッ バクンバクン ドサッ!


カチカチ ピッ ピピ ピコ ブオンッ! パパパパッ!


ヒュイイインッ! ピッ


『マスター 発艦準備完了、発艦用電磁カタパルトへ移動シマス』 ピッ


「ああ、頼むぜ『ZERO』」 カチ ピッ タンタン ピコ


『了解シマシタ』 ピッ


ヒイイイイイインンッ! ヴオンッ! プシュウウウーーッ!


「総員退避、坂本機が移動するッ!」 ササッ!


ヒイイイイイイイイーーッ


「じゃあ行くぞッ!」 ギュウウッ! グイッ!


グワアアッ! ガコオンッ! ガコオンッ! 


坂本少尉のブレードナイト「ZERO 21型 212」は、整備用ハンガーデッキから離れ、発艦用電磁カタパルトへと歩き出した。



ーココル共和国大陸自衛艦隊 完全自動無人艦隊 斥候前衛艦隊ー


 シュゴオオオオオーーーーッ! ゴゴゴゴゴーーッ!


ピッ ピッ ピッ ピッ ビコッ! ビコビコ ポンッ!


『艦隊前方二反応、大小2ツノ艦艇ヲ確認』 ピッ


『エリア308 コース103 速度46ノット マークポイント2、イエロー22 チャーリー 敵艦デス』 ピッ


『2隻カ… 全艦戦闘配置、主砲発射用意ッ!』 ビコ!


ウイイイイイインンン カシュン ピタッ!


『フン、タッタ2隻デ何ガ出来ル人間ドモメッ!』 ピッ


ピッ ビコビコ ビーーーッ!


『目標ヲ認知ッ! コ、コレハ…』 ピピピピピッ!


ブウウンン パッ!


ココル共和国大陸自衛艦隊 完全自動無人艦隊の斥候前衛艦隊旗艦の艦橋内モニターには、前方の大型艦艇と駆逐艦のデーターが表示された。


ビビビビイイイイイーーッ! ビコッ!


『見ツケタゾオーーッ! 『ライデンーーッ!』』 ビビ!


シュゴオオオオオーーッ! ドウウウウーーーーッ! ゴゴゴゴッ!


強襲巡航艦「ライデン」の存在を確認した、ココル共和国大陸自衛艦隊 全自動無人艦隊の前衛斥候艦隊は、スラスターを全開にして、駆逐艦「ユキカゼ」と強襲巡航艦「ライデン」に向け速度を上げ急接近していった。



ー強襲巡航艦「ライデン」ー


ピッ ビコビコッ!


「敵艦隊ッ! 速度増速ッ! ヘディング199 速度60ノット マークポイント5 イエロー24 チャーリーッ! 射程距離まであと5分ッ!」 ババッ!


「主砲、砲撃準備ッ! 砲撃と同時にブレードナイトは全機発艦ッ!」 ババッ!


「アイサーッ! 主砲準備ッ! 照準ッ!」 ピッ タンタン ピコピコ ビーーッ!


「ブレードナイト隊、全機発艦準備よしッ!」 ビコッ!


ガコンッ! ゴゴゴゴゴ カシュンッ! ククク ピタッ!


強襲巡航艦「ライデン」の艦体上部に主砲である 36.7cm連装フォトン砲2基4門が艦体内部からせり上がり現れ、高速接近してくるココル共和国大陸自衛艦隊 完全自動無人艦隊の斥候前衛艦隊に向け、その砲身が動き、狙いを定めた。


「主砲、照準固定ッ! 敵艦隊補足ッ!」 ババッ!


「ふッ! 射程はこっちの方が長いんでね、悪く思うなよ」 ニイッ!


「『ユキカゼ』艦長、青山少佐、準備はよろしいか?」 ピッ


ブウウンン パッ!


『グレイ中佐、『ユキカゼ』は準備できている、いつでも!』 ニッ ピッ


「では」 コクン


『ウム、やりますかッ!』 コクン ピッ


ピッ ピッ ピッ ビコビコッ! ビーーーッ!


「敵艦隊 ブレードナイトを発艦中ッ!」 ババッ!


「今だッ! 全砲門ッ! 撃てええーーッ!」 ババッ!


「アイサーーッ!」 カチ ピッ!


ドドドドオオオオオンンンーーッ! シュバアアアーーッ! 


強襲巡航艦「ライデン」の主砲弾、フォトン徹甲榴弾が接近する斥候前衛艦隊に迫っていった。

 






いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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