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第248話 再会 アニスと創造神ジオス

ーヤマト皇国「樹海」外縁部平原ー


ヒュウウウ… バサバサ…  


傷付き、満身創痍の勇者ケンゴの頭上に、うっすらと光り輝く金髪を風に靡かせスラっとした高身長の青年が空中で止まり、アニス達全員を見下ろしていた。 全身を黒を基調としたシャツにジャケットと手袋、細長い足にはピッタリのズボンとブーツを履いたその装いには、至る所に金の刺繍を施してあり、腰には細身の神剣を帯刀していた。


「ククク… アニス、貴様は変わらんな、相変わらず自由奔放に動いているようだ」 ニヤ バサバサ…


「ん、そう言う君も変わらないね。まだ諦めてないの?」 ニコ ファサファサ…


「当然だッ! 私は一刻も早く、この偽世界から抜け出し、本来いるべき場所へ行きたいのだッ!」 バサバサッ! シュンッ!


スタッ! ザッ! バサッ!


創造神ジオスは上空からアニス達のいる地表へと降下し、満身創痍の勇者ケンゴの前に降りてきた。


「うう… そ、創造神…てめえ、なにしに来やがったッ!」 ふらふら… ザッ


「フッ ずいぶん痛い目にあったようだな、勇者ケンゴ」 ニヤ


「う、うるせえッ! お、俺はまだやれるッ! 邪魔すんじゃねえよッ!」 ググッ ポタポタ…


「その状態では無理だな」 サッ! パアアンンッ!


「うがッ! うう…」 ドサッ!


「しばらく眠っておるがいい、まだお前を失うわけにはいかんのだ」 サッ!


創造神ジオスは勇者ケンゴに手をかざし、一瞬光った瞬間、勇者ケンゴは意識を失い倒れた。



「ねえサトシ、あの声って…」 ギュッ


「ああスズカ、間違い無いよ、あの時の… 僕たちがこの世界に召喚された時、その途中のなにも無い空間で声をかけてきた神様の声だ!」 グッ


「やっぱり… しかも創造神だったんだ… だけど前に会った時と姿が違うわ、それに… なんだか雰囲気も… あの時と同じ神様には見えない…」 スッ


サトシとスズカは、創造神ジオスの真の姿を初めて見た。 あの時、この偽世界「アーク」に召喚される途中の何も無い空間に現れたのは、優しい笑顔の少年の姿をした神だった。 それが今、目の前にいる創造神ジオスは、その少年の神とは全く別の姿、そしてその雰囲気も全くもって違っていた。 だが、同級生達と一緒に聞いたその少年、神の声は正しく創造神ジオスの声そのものだった。


「むうう、あの方が我らの神か…」 サッ!


「そのようですわね、しかも創造神…」 サッ!


「ああ、神の中でも最強の神の1人だ…」 グッ…


「ええ、神の中の神、最強にして最高位の神… そのような方は普段姿を現さないはず… なのに今、私たちの前に姿を現した。これは只事では無いと言う事ですわ…」 スッ


神獣であるヤマタノオロチとアコンカグアの2人は、現れたのが神、創造神ジオスとわかると、その場に片膝を着き頭を下げた。 神獣の彼等にとって神は絶対の存在、その神本人が眼前に現れた、ましてや神の中でも最強の創造神、最高位の神では当然の仕草であった。



「ん〜、君がいるべき場所かあ… でもね、君はこの偽世界からは抜け出せないよ」 フリフリ


「ああアニス、そんな事は分かっている… 全く忌々しいことになッ!」 ギンッ! シュバッ!


創造神ジオスはアニスに対し強力な威圧を放ち睨んだ。


ズバアアッ! バアアアアーーッ!


「ん?」


「「 わあああッ!(きゃッ!)」」 ググッ! バッ! ビリビリビリッ!


「くうッ! なんと言う威圧感ッ!」 ババッ! ザザッ!


「うう… 威圧ッ!、こ、これは正しくッ! 神のものですわッ!」 グッ! ザッ!


アニスに対して放った威圧だったが、その威力はあまりのも強大で、それは広範囲に広がり、アニス以外の者達にも及んだ。 創造神ジオスの… 神の放つ威圧である、生きとし生ける全ての者はその威圧だけで意識を刈り取られその場に立っていられなくなってしまう。 その強大な威圧の前にアニスは平然とし、アニス以外の勇者と神獣の4人は意識を保ち辛うじて立っていた。


「ほう、アニス以外にも私の威圧に耐える者がいたか…(アニスに関わった者たちか、よく耐えている)」 ニイッ!


創造神ジオスは、強力な威圧を放ちながら、意識を保ち立っているアニス以外の4人を見ていた。


「ふう… ジオス、まったく君は、《クリア》」 サッ! パアアンンッ!


シュバッ! バアアアアアーーッ! フッ ヒュウウウ…


創造神ジオスの強力な威圧攻撃だったが、アニスはそれを防御魔法のひとつ、《クリア》を唱え発動し、その全てを消し去ってしまった。


「ふむ、流石だなアニス、まあ貴様にとっては児戯にも等しい事だったな」 ニヤ サッ


「ジオス、何をやっても無駄だよ?」 サッ!


「ふッ! はたして、それはどうかな? ほかにもやってみなければわからんぞ」 ニイッ


創造神ジオスは、アニスに対し不敵な笑みを見せた。


「なんと! 神の威圧を消し去ったのかッ!」 バッ


「あれ程のものをッ! 流石アニス様ですわッ!」 サッ


「「 アニスさん(ちゃん)ッ!」」 ググッ


アニスにより、神獣と勇者の4人は創造神ジオスの神の出す威圧から解放され、4人はその事に驚いていた。


「なあジオス、君はこの世界にとどまるしか無いんだ、もう諦めたらどうかな?」 うん?


「ああ、そんなことは分かっているさ、そして、その原因もな… だから、それは認められんッ!《ウィング.ベルガエッジッ!》」 シュバッ!


ギュワアアアーーッ! ビュンビュンッ! ビュンッ!


「ん!」 サッ!


「「 うわあああッ!(きゃああッ!) 」」 ババッ! ギュッ!


「うッ!」 バッ!


「クッ!」 ギュッ!


創造神ジオスはいきなりアニス達に向かって強力な風の刃の魔法を放ってきた。 いきなり放たれた神による攻撃魔法、その威力の大きさに勇者のサトシとスズカは身構える事しかできず、神獣のヤマタノオロチとアコンカグアは神に逆らう事はできず、その場に片膝をついたままの姿勢でいた。


スッ チャキッ! グッ!


「剣技ッ!《エノーマル.エッジ》」 ザッ! シュンッ!


キンッ! シュバーーッ!


アニスは創造神ジオスのいきなり放った攻撃魔法に対し瞬時に反応し、背中腰に装備している神器ミドルダガーの「アヴァロン」を素早く抜き構え、透かさずアニスは剣技を使った。


シュバアアアアーーッ! ギュウウウンンッ! ビギイイイインンッ! パアアンンッ!


アニスと創造神ジオス、2人の剣技と魔法はお互いの中央でぶつかりあい、その威力は相殺され、その場で打ち消し消えていった。


ヒュウウウウウ…


「ふん、やはり通じぬか…」 ジイイ… バサバサ…


「まあね、他にも試してみる?」 ニコ ファサファサ…


「いや、貴様には何をやっても無駄だろうな…」 グッ! バサバサ…


技と魔法の打ち消しあった威力の余波の風が、向き合う2人の髪とアニスの純白のスカートを靡かせていた。


「ア…アニスちゃん凄い… 神様の魔法を防ぐなんて…」 スッ


「ああ、それもただの神様じゃ無い… 創造神、最高位の神様だよ、凄いなんてものじゃ無いよ」 グッ


「やはり、アニスは神にも匹敵するほどの者だったか!」 バッ!


「ヤマタノオロチ、当然ですわ! 私を神獣にまで昇華できるアニス様がただの人であるわけがないでしょ! アニス様はやはり神、私の女神様なのですわ」 ギュッ!


アニスが創造神ジオスの魔法攻撃を難なく去なす姿を見て、勇者と神獣の4人は改めて、アニスの力に驚いていた。 神獣のアコンカグアに至っては、更に一層、アニスを神聖化して見ていた。


「うぬ、神獣と勇者か…」 ジロ… ギンッ!  シュバッ!


創造神ジオスは、アニスの後方にいる神獣と勇者の4人を見て先程の威圧を超える強力な威圧と思念波を浴びせた。


「「 うわッ!(きゃあ!) 」」 ドサッ! ザザッ!


「ぬッ⁉︎ こ、これは…」 ググッ…


「うう… これしき…」 ググッ…


「ふむ… (やはり… 既にアニスによって私の支配下から抜け出していたか、忌々しい… 私の威圧に耐え、思念波も受け付けぬ… もう支配も出来ぬか…)」 むうう…


ブワアアアーーッ! ゴゴゴゴゴッ!


創造神ジオスは、自分が創造し召喚させた神獣と勇者の4人を自分の意のままに操ろうと更に強力な思念波を浴びせ続けた、しかし神獣と勇者の4人はそれを跳ね除け耐えていた。 


神獣と勇者の4人は、アニスの強力な加護と特訓により、創造神ジオスの支配下から抜け出していた。 今、創造神ジオスの強力な威圧と思念波に、勇者の2人は地面に倒れ伏しながら、神獣の2人は片膝を着いたまま必死に耐えていた。


「ん、《ヴァーバル.ランスッ!》」 サッ! パアアンンッ! キンッ!


シュバババババッ! シャシャシャシャシャッ!


「ぬッ! 《クリアッ!》」 バッ! パアアンンッ!


シュバッ! ドドドドドッ! キュインッ! ドゴオオオオオオオオーーンッ!


「うおおおッ!」 ブワっッ! ババババアアーーッ! ザザザアアアーーッ! 


ジッ ジジジ… モクモクモク パラパラ…


「ん、そこまでにしてくれるかな、創造神ジオス… 」 サッ ジッ!


「クッ アニスッ!(なんという威力ッ! ランス系通常攻撃魔法がまるで攻城砲並みの威力ではないかッ!)」 ジンジンジン… ググッ!


アニスは神獣や勇者達4人に向かって、強制力の高い強力な思念波を飛ばしていた創造神ジオスに向かって、それを止めるために通常のランス系魔法攻撃を放った。 創造神ジオスはアニスの攻撃魔法をアニスが使ったものと同じ防御魔法で防いだのだが、アニスの魔法の威力が桁違いなのか、防御魔法を出した右手が痺れていた。


「「「「 アニスッ!(様ッ!)(さんッ!)(ちゃんッ!) 」」」」 バババッ! ザザッ!


「ん、大丈夫、彼は私が相手をするから、少し待っててね」 ニコ サッ! テクテク


アニスは皆にそう言うと、創造神ジオスの元へと歩き出した。


「むう… 神である私にダメージを… アニス、やはり貴様は別格、規格外だなッ!」 ザッ!


テクテク ピタッ! ザッ!


「ん、規格外?… 何だそれ? 誰が付けた規格なんだ? 聞いた事ないけど…」 う〜ん


「ふん、相変わらずふざけたやつだ。 まあいい、今回は貴様を排除、消滅する事が目的では無いからな」 サッ! ザッ! ザッ!


創造神ジオスはアニスとは離れ、満身創痍で倒れ、意識のない勇者ケンゴの方へと歩いていった。


「ん? 私が目的ではない? と言う事は君の目的は勇者か…」 サッ!


「ククク、流石はアニス、そうだ、その通りだッ! まだ勇者ケンゴには消えてもらっては困るのでね、ここで回収させてもらう!」 ザッ! バッ!


「ん〜… そうか、君のシナリオにある最強の勇者、私と戦い、私を消滅させる事の出来る者… それが勇者ケンゴと言うことなんだ…」 サッ!


「そう、その通りだよアニス、流石は私の宿敵、いや大敵か、理解が早いな」 ニイ


「創造神ジオス、君は彼を… 勇者ケンゴを、私を消滅させる為だけの勇者にするつもりもなんだ…」 サッ


「正解だアニス、異次元世界より召喚した勇者、しかもただの勇者じゃあない、古より神々の中で密かに囁かれ、その存在を、その能力をひた隠された勇者の称号の1つ『ゴッドスレイヤー』、その者と戦えばいかに貴様でも無事では済まない、そうだろアニス」 ニヤ


「「「「 『ゴッドスレイヤーッ⁉︎』 」」」」 バババッ! ザザッ!


「アニスちゃんッ! それ本当ッ! ケンゴが、ケンゴが神殺しにされちゃうのッ⁉︎」 バッ!


「そんな、勇者が… 勇者が神様を… 」 グッ


「サトシ、スズカ… 」 ファサ…


「アニスッ! とすればあの者、勇者ケンゴは我らにとっても脅威、ここで逃がすわけにはいかん!」 ザッ! シュリンッ!


「そうですわアニス様ッ! 早急速やかに、まだ力をつけぬ今のうちに!」 シュッ! シュバッ!


神獣であるヤマタノオロチとアコンカグアの2人は、片膝をついた状態から立ち上がり、ヤマタノオロチは黒刀を、アコンカグアは白いワンピース姿から漆黒のブラウスにジャケットとスカートの戦闘服へと変わり妖刀を、それぞれが剣を抜き、勇者ケンゴを狙おうとした。


「控えろッ! 愚か者どもッ!《ディバイン.ブレスッ!》」 バサッ! キンッ! 


シュバッ! シュゴオオオーーッ! ボゴオオオオオオオオーーッ!


「「「「 うわああッ!(きゃああッ!) 」」」」 ババババアアーーッ!


創造神ジオスから高熱を超えた白熱を帯びた超高温の炎が彼らを襲った。


「んッ!《バースト.グラン.ウォールッ!》」 バッ! キュインッ!


シュバアアアーーーーッ! ドオオオオオンンンーーッ! メキメキメキメキッ!


ゴオオオオオオオオオーーッ! メラメラメラメラ ボオオオオオオーーッ!


神獣のヤマタノオロチとアコンカグアの2人に対し、創造神ジオスが放った攻撃系神級魔法をアニスは同じ防御系神級魔法でそれを防いだ。 アニスと彼ら4人との間に、両者の魔法がぶつかり合い、その場に巨大な超高温の炎の壁が構築した。その高さは尋常ではなく、ゆうに横幅は1Km、高さは100mはある炎の壁であった。


ブワアアアアアーーッ! チリチリ ジジ ジジ…


「うわああッ! 熱いッ!」 バッ!


「流石アニス様、あれの直撃を受ければ、我らは消し炭になってましたわよ」 ニッ!


「ひいいッ! け、消し炭…」 ガクガク


ゴオオオオオオオオオーーッ! メラメラメラメラ チリチリ ジジ


「ここは不味いッ! もっと後方に下がるぞッ!」 バッ!


「「 はいッ!」」 タタタ


ヤマタノオロチの指示で、4人は炎の壁から遠ざかっていった。


シュウウウウウウウ… パリパリッ パリッ!


「ちッ! またアニスか… 」 ジロッ バサバサ…


「ふうう… よかった、みんな無事のようだね」 スッ ファサファサ…


「全く、アニスめ、いつも私の邪魔をする。(私の支配下であれば即座に消し去ってやるものを…)」 ググッ!


「さあ、私たちだけだよ、どうしようか? 創造神ジオス」 ニコ


「ククク、言ったであろうアニス、今回は貴様とは闘わないと!」  サッ!


創造神ジオスは右手を天空にあげた。


「ん、ジオス?」 サッ


「我が意に従えッ! さあ来いッ!」 シュバッ!


ドオオオオオオオオオーーッ! バリバリバリッ! シュゴオオオーーッ! 


「うわああああーッ! ふッ 船えええーッ⁉︎」 ババッ! ザザアアアーーーッ!


ゴウン ゴウン ゴウン ピッ ピッ ピッ


そこに突然現れたのは、ココル共和国、大陸自衛艦隊所属、無人ステルス護衛艦「ソード1」だった。 無人ステルス護衛艦「ソード1」は、1番最初にこのヤマト皇国に国境を越え潜入し、アニス達を密かに捜索していた部隊の母艦であった。


それが今、ヤマト皇国国防軍大陸艦隊所属の一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」の追撃を振り切り、創造神ジオスの指示でここに現れたのだった。


シュゴオオオーーッ! ゴゴゴゴゴ ドオオンッ! ピッ ピッ ピッ 


プシュウウウーーッ! ウイイイイーーン ガコン


ガチャガチャガチャガチャ ダダダダッ! ピタッ! ブ〜ン ピッ!


突然現れたステルス護衛艦「ソード1」は地表に降り立ち、舷側のハッチが開いてそこから6体の自立型人型ドローンの「ソルジャー」が出てきて整列した。


『オマタセイタシマシタ』 ザッ! ピッ


「うむ、状況は?」


ガシャ


『艦後方ニ被弾箇所ガ2箇所、タダシ航行ニ支障ハアリマセン』 ピッ


「よし、この者を、勇者ケンゴを引き連れ、国境より脱出せよ!」 サッ!


ガシャ


『了解シマシタ』 ピッ 


ガシャガシャガシャ グイ ガシャン ガシャン ウィイイイインン ガシュンッ!


勇者ケンゴは、創造神ジオスの命を受けた6体の自立型人型ドローン「ソルジャー」によって、ステルス護衛艦「ソード1」に運び込まれた。


「あ、待ってッ!」 ザッ! タタタ


ザザッ! グッ!


「むッ! 行かせんッ!《バーストッ!》」 バッ!


ドオオオオオンンン


「わッ!」 バアアアッ! モクモクモク


アニスが勇者ケンゴの乗ったステルス護衛艦「ソード1」に駆け寄ろうとした時、創造神ジオスが、その行手の地面を吹き飛ばし、行手を遮った。


「ククク、さあ行けえッ! 勇者ケンゴッ!」 ニヤ


ヒイイイイインンンッ! バウウウウウウウーーッ! シュゴオオオーーッ! ブウウンンッ!


勇者ケンゴを乗せたステルス護衛艦「ソード1」は上昇し、速度を上げヤマト皇国とココル共和国の国境方面へと向かい、その姿をステルスモードで周りに溶け込みながら消えていった。


ヒュウウウウウ…


「ククク、コレでいい、コレで…」 ニヤ


テクテク ザッ!


「ジオス…」 サッ


「アニスか、勇者ケンゴはこちらのものになった、後は…むッ⁉︎」 ババッ!


ギュワアアアアーッ! ドオオオオオオオオオーーッ! ドガアアアアッ! 


バラバラ ガラガラ モクモクモク ザザアアアーーーッ!


「わああッ⁉︎」 バッ!


『アニスーーッ!』 バウウウウウウウーーーッ! シュウウウウウウウー ピッ ピッ


「ん?」 キョトン!


創造神ジオスとアニスが会話をしていた時、上空から高速でその場にフルバーストで降りてきた者がいた。


ガシュンッ! シュウウウウウウウ… バクンバクン ピッ!


「無事かああッ! アニスーーッ!」 バッ!


「あ、白井だ!」 スッ!


そこにいたのは、ヤマト皇国国防軍主力艦上戦闘機、白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」だった。その操縦席のハッチが開いて、中から得て来た人物を見てアニスはその人物を指さし名を呼んだ


「おおッ! 無事だったか!」 ウィイイイインン カシュン ダダダダ


アニスの姿を見ると、白井中尉は「ZERO 52型」操縦席から地上へと降りて、アニスの元へと駆けて来た。


ゴオオオオオオオオオ… シュバッ シュウウウウウウウ…


「ん? 炎の壁が消えた? そうか…」 ふうう… フリフリ


横幅1Kmもあった炎の壁が一瞬でその場から消えた。


ダダダダ ザザアアアーーーッ!


「アニ… いやアニス様、よくぞご無事でした」 サッ!


「ん? アニス様?」 はて?


勢いよく駆けつけて来た白井中尉は、アニスの元に来るといきなり頭を下げ、アニスを様付けで呼んだ。


「はい、数々の御無礼、この【白井隆信】皇国国防軍中尉ッ! 深くッ 深く謝罪いたします」 バッ!


「どうしたの白井? 何かあったの?」


そんな時、あの激しく燃え盛っていた炎の壁が消え、その向こう側にいた神獣と勇者の4人がアニスの方の駆け寄って来た。


ダダダッ! ザッザザッ!


「アニスちゃ〜んッ!」 トトト フリフリ


「むッ!誰だッ!」 ザッ チャッ!


白井中尉は、自分たちの方にかけてくる4人に向かって、腰に付けていたフォトン銃を抜き構えた。


「ああ、白井、アレは私の友達だよ」 スッ


「友達ですか?」 サッ


「ん、友達、白井と同じ、私の友達だよ」 ニコ


「そ、そうですか、わかりました」 スチャ


白井中尉は構えていたフォトン銃を腰のフォルスターに収め、姿勢を正した。


「アニスちゃんッ!」 タタタ ガバッ! ギュウウッ!


「わああッ! ス、スズカッ!」 ギュウウッ!


スズカは走り寄って来たかと思ったらそのままの勢いで、アニスニ抱きついた。


「うう… もうッ! すごく心配したんだからねッ!」 ギュウウッ!


「ん、ありがとう、ごめんね心配かけて、でももう大丈夫だよ」 ナデナデ


「え⁉︎ そう言えば創造神はッ⁉︎ それとケンゴも見当たらないけど」 バッ キョロキョロ


スズカはアニスから離れ、あたりを見渡した。


「ジオスは去ったよ、それと、勇者ケンゴはココル共和国だったかな? 彼も国に帰っていったよ」


「そう、創造神は消え、ケンゴは帰っていったのね…」


「ん」 コクン


ザッザッザッ トコトコ


そこへ神獣の2人と勇者サトシもやって来た。


「アニスさん、よくぞご無事で」 サッ


「まあ、アニスの事だ、心配はいらなかったな」 ニイ


「アニス様、お怪我はありませんか? あればこの私が!」 サッ!


「だ、大丈夫だよカグア、ありがとう」 ニコ


「いえ、あのような戦いをしたのです、どこかに怪我があるかもしれませんわ」 サワサワ


「ちょッ ちょっとカグアッ! あはははッ! くすぐったい、やめッ! やめてえッ!」 アハハハ


「ちょっとカグア、やめなさいよッ! アニスちゃんが嫌がってるわよ!」 サッ


「あらスズカ、ヤキモチですか?」 ニヤ


「そ、そんなんじゃあないわよッ! いいから離れなさい」 グイッ!


「いやじゃあ!」 グイイッ!


「ぐ、ぐるしいい…」 ピクピク


ワーワー キャーキャー


「はああ… なにやってんの…」 フリフリ


「全くだ、緊張のかけらもないな、これッ!アコンカグアよ、いい加減にせいッ!」 グッ!


「スズカもだよッ! アニスさんが困ってる!」 サッ!


「「 は〜い、すみません 」」 ペコ


「はああ、くるしかった…」 はああ…


「で、この人誰ですか?」 スッ!


「ん? ああ、サトシ、この人はこの国、ヤマト皇国の軍人さんで白井、そこのブレードナイトのライナーだよ」 ニコ


「ヤマト皇国国防軍、一等級駆逐艦『ユキカゼ』所属第1小隊隊長、白井隆信中尉だッ!」 サッ


「これはご丁寧に、僕は勇者、サトシです、あちらが同じ勇者のスズカ、よろしくお願いします」 ペコ


「うむ、こちらこそなッ! してそちらとあの妙蓮な女性は?」


「私はこの国の霊山フジの麓にある樹海の長、神獣のヤマタノオロチだ」 ザッ


「同じく、私も神獣のアコンカグアですわ、よしなに」 ニコ


「は? し、ししししし神獣ーーッ⁉︎」 ガタガタガタ


「ん?白井、大丈夫?」 サッ!


「アニス… 様ッ! これは一体どういう事ですかッ!」 バッ!


「ん〜、白井たちと別れた後、森の中で仲良くなったんだよ」 うん!


「神獣ですよ神獣ッ! どうしたら神獣と仲良くなるんですかッ!」 ババッ!


「あははは、わかんない」 アハハ…


「はああ、上になんて言やあいいんだよ…」 フリフリ


白井中尉は頭を抱え、上官や中央の高官にどう言えばいいか悩んでいた。


ピッ


『アニス様 お元気そうですね』 ピッ


「ん? やあッ!『ZERO 』、元気してた?」 テクテク サッ!


ピッ


『はい、アニス様のおかげで、白井中尉とも仲良く元気にやらせて貰ってます』 ピッ


「ん! それは良かったね」 スリスリ


「『 あははは 』」 ピッ


「むう、アレは人間が操る機械人形、だが何か違う アレもアニスがなせる事の結果か」 う〜む…


ヤマタノオロチは、アニスと白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」とのやりとりを見ていた。


「そう言えばアニス様、創造神ジオスはいかが致したのでしょうか?」 サッ


「そうだわ、アニスちゃん、創造神、あの神様はどうなったの⁉︎」 サッ


「うむ、どうなったのだ、私にも教えて欲しい」 ザッ


「僕も知りたいですッ!」 ザッ


「「「「 アニスッ!(様ッ!)(さんッ!)(ちゃんッ!) 」」」」 ババッ!


「うん? 創造神だと? なんの事だ、アニス?」 ザッ


その場にいる全員がアニスに質問した。


「ん、創造神ジオスはね…」 え〜っと…


「「「「「 うんッ! 」」」」」 ジイイッ!


「どっかに消えちゃった」 あははは


「「「「 はあああッ⁉︎ 」」」」 バババッ!


「どういう事だッ!」 バッ


「そうですわ、一体なにがあったんですの?」 ササッ


「「 アニスさん(ちゃん)ッ! 」」 ババッ!


「なんの事だ?」 うん?


白井中尉以外の全員がアニスに詰め寄った。


「いや、さっきまでそこにいたんだけどねえ…」 チラ…


アニスは白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」を見た。


「「「「 ま、まさか… 」」」」 スッ


全員が白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」の方を見、指さした。


「ん? ああ、違う違う、『ZERO』の下敷きにはなってないよッ! その前に転移してここから消えていったからね」 フリフリ


「「「「 転移ッ! 」」」」 バババッ!


「ん、だからまた来るよ…きっとね」 コクン


アニスが遠い空を見てそう言った時、ブレードナイト「ZERO 52型 202」が警告を出した。


ビーッ! 


『白井中尉ッ! センサーが大型の熱量を感知ッ! こちらに高速で接近中ッ!』 ピッ


「なにッ!」 ザッ!


ビコビコ ピッ!


『チャートNo.05 方位1035 速度65ノット マークポイント01 グレード5デルタ ビハインド、チャートNo.06 方位0526 速度70ノット マークポイント01 グレード3グリーンッ! 接近中ッ!』 ピッ


「なッ! ひとつじゃないのかあッ!」 ババッ!


ビーーーッ!


『来ますッ!』 ピッ


ドゴオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! バアアアアアーーッ!


「「「「「「 うわあああああーーーッ! 」」」」」」 ザババババーーッ!


「ん? コレは… うん、また会えたね…」  ニコ バサバサバサササーーーッ! 


バチバチバチ ビリビリビリ ゴゴゴゴ ゴオンゴオンゴオン ヒュ〜ン ヒュ〜ン ピッ ピッ


それは、あたりに暴風と轟音をまきちらし、莫大なエネルギーと魔素を纏いながらアニス達の頭上に現れ停止していた。






 

いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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