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第209話 アニスと教団の切り札

ー帝都上空 戦闘空母「フェリテス」-


ピッ ピッ ピコピコ カチカチ タンタン ビーッ!


戦闘空母「フェリテス」のブリッジ内は数多くの兵が、自分の持ち場に座って、手際よく作業をしていた。


ビーッ! ビコビコッ! ピッ!


「ガーナ神教団艦隊ッ 巨大艦を中心に左舷方向ッ! チャートNo.01. マーク02 オレンジ18 チャーリーッ!」 ピッ


タンタン カチャカチャ ピコッ ピコピコッ!

 

「教団艦隊、現空域を維持ッ 動きませんッ! 前方1600ッ 残存教団ブレードナイト、ベイル隊と接触ッ 交戦中ッ!」 ピッ ピコッ


「艦隊が動かない? (ブレードナイト隊を切り捨てたのね…)」 ん〜…


戦闘空母「フェリテス」の艦橋内にある大型モニターに、王城周辺の様子が映っており、戦闘状況と周りの状況が事細かく把握できた。


ピッピーッ! ピコピコ タンタン ピッ


「艦長ッ! レオハルト中佐の『アルファー小隊』、帰還しました。ライナーは全員無事、中佐のブレードナイト、『アウシュレッザ』の損傷度イエローッ! 修理作業開始します」 バッ


「ふうう…レオン君達が無事でよかったわ…」


戦闘空母「フェリテス」の艦長【アリエラ・フォン・ビクトリアス】大佐は、レオハルト達の帰還と無事を聞き安堵の表情を浮かべた。


「艦長、皇帝陛下とクリシュナ公女様の無事が確認取れました」 サッ


「皇帝陛下とレイラも…よかった…よしッ!」 グッ


副長の報告を聞き、アリエラは意を結したかのよう指示を出した。


「デルタ艦隊はこの場を堅持ッ! 皇帝と王城及び帝都『アダム』を死守しますッ!」  ババッ!


「「「「 アイサーッ‼︎ 」」」」 ザザッ!


ゴゴゴッ! シュゴオオオオオーーッ! バッ ババアーッ! グググ!


戦闘空母「フェリテス」を中心に、軽巡航艦 1 駆逐艦 4のデルタ艦隊は、王城と、ガーナ神教団、神聖艦「ルシェラス」との間に布陣し停止した。



ー戦闘空母「フェリテス」ブレードナイトデッキー


ヒュイイインン ガガガ ビッ ジジジ ジジジッ ピー ピー


「おらあッ! 第一ハンガーッ! 全面装甲引き剥がせええッ!」 バッ!


「「「「 はいッ! 班長ッ! 」」」」 ババッ! ガチャガチャ!


ピッピー ピッピーッ! ウイイイイーーン ガシュン ガシュン ガンガンッ!


ブレードナイトハンガーデッキ内は、多くの整備兵による補給と修理、整備などで慌ただしかった。


ダダダッ ザッ!


「班長ッ! ジェネレーターは有ったんですが、リアクターが在庫切れです!」 ババッ!


「ちいッ とうとう無くなったか、まずいなあ…」 ウ〜ン…


戦闘空母「フェリテス」の整備班長は、被弾したレオハルトのブレードナイト、「アウシュレッザD型FARアウディ」のハンガーデッキ前で、腕を組んで悩んでいた。


ザッ ザッ ザッ 


「おう! どうした、なんかあったのか?」 サッ!


「中佐殿ッ!」 ババッ!


そこに現れたのは、「アウシュレッザD型FARアウディ」のライナー、【レオハルト・ウォーカー】 中佐だった。 それとその後ろに3人、若き英雄達、アラン、マイロ、ジェシカの各少尉達だった。


「どうかしたんですか? 班長さん」 スッ


「ルーカス少尉ッ!」 サッ!


「ふふ、ジェシカでいいですよ班長さん」 ニコ


「そ、そうですかい…まあ、少尉が良いって言うならそうしますが…」


「で、どうしたんだ班長」


「おう!そうだった、中佐、中佐のブレードナイトの件なんですが…」


「うん? アウディのか? なんかあったのか?」


「ええ、損傷したジェネレーターはあったんですが、リアクターの方が在庫切れしてんでさあ!」


「修理出来ないのか?」 バッ!


「いや、出来なくもないんだが、中佐の操縦に耐えれるかどうか…」 フリフリ


「ああ、隊長ってば機体性能の限界を超えて動かしますからねええ」 アハッ


「そうそう、俺も一度真似してみたけど、あれは別次元、同じ様になんて出来ないぜ!」 フリフリ


「アランの言う通り、もう無茶を通り越してアレは無理って言うやつだね」 ウンウン


「あのなあ…お前ら、そんなこと言うけど、いずれお前達も俺と同等の力を持ってもらう予定なんだぞ!」 ジッ


「「「 はあッ?(えッ?)」」」 ババッ!


「いやいやいや…隊長、俺たちなんてまだまだ、どう足掻いたって隊長並みになるには、なあ…」 ははは…


「そ、そうですよ、私なんてもう随分と力を得たと思っているんですよ! これ以上強くなんて、なるのかしら…」 ウ〜ン…


「いやッ! マイロッ ジェシカッ! 隊長がああ言ってるんだ、俺はもっと強くなりたいッ! そう、隊長と一緒にッ! 隊長の背後を任せてもらえるくらいにッ! 力があれば…俺がもっと強ければ、ザッツはあんな事にはならなかった…俺は強くなりたいッ!」 ググッ!


「「 アラン… 」」


「そうだな、アランの言う通りだッ! 俺が間違ってた、強くなろうぜ!」 二ッ!


「そうね、そうすれば私も【ミレイ】様の傍に付き、あの方を守れるッ!」 グッ!


「ああッ! 俺達はまだまだ強くなれるッ! 頑張ろうぜッ!」 グッ!


「「 おおッ!(ええッ!)」」 ギュウッ! タンタン タンッ!


3人は、自分の右手の拳を握り、お互いの拳を軽くタッチした。


「ふふん! お前達ッ やる気になったかッ!」 ニイッ


「「「 隊長ッ!」」」 バババッ! ザザッ!


「俺達をもっと、もっと強くしてください」 サッ!


「「 お願いしますッ! 」」 ササッ!


「おうッ! 任せておけッ! ちゃんと『頼んどいてやる』からなッ!」 グッ! ニイッ!


「「「 へッ⁉︎ 」」」 ビクッ!


「うん? どうしたあ?」


「あ…あのう、隊長が訓練で力を付けてくれるのでは?」


「はあ? いや違うぞ」 フリフリ


「ねえ、今『頼んどいてやる』って、言わなかった?」


「ああ、俺もそう聞いた、隊長、誰に頼むんですか?」


「ふふん! そりゃあ、お前達、【アニス】に決まってんだろ」 ニイイッ! グッ!


「「「 ぎゃああああッ! 」」」 ジタバタ ジタバタ


「あああッ あああッ! アレかッ! あそこへ行くのかッ!」 ガクガク


「死んじゃう、今度こそ私死んじゃうんだわ… うう…」 シクシク


「ううッ! た…隊長おお…」 ブルブル


「大丈夫だって、現にほれッ! 俺はピンピンしてるぜ!」 バッ!


「「「 隊長だからですよッ! 」」」 ババッ!


「うおッ! だ、だが俺だけじゃねえぜ、アリー姉…この艦の艦長、【ビクトリアス】大佐だって、あの時は泣いて喜んでたぞ!」 ははは…


「「「 (絶対ウソだッ!) 」」」 ジイイッ


彼らの思惑は正解で、以前、アニスはレオハルトとアリエラの2人に、能力と恩恵を与える為、例の異空間へと導き訓練を、試練を与えた。 その時、レオハルトは意気揚々とこなして行ったのに対し、アリエラの方は息も絶え絶えとなり、『泣いて喜んだ』じゃなく、『泣いて許しを乞い、叫んでいた』のであった。


結果的に、アニスはそんな事お構いなしに続け、レオハルトとアリエラは、大幅に能力と魔力を上げる事に成功したのだった。


「では隊長、レイラ様も同じように?」


「はああ? レイラ姉さんにそんな事させられるかよッ! あんな目にはアリー姉だけで充分なんだよッ!」 グッ


カツカツカツ ザッ!


「ほう…レオン君、私だけで充分とはいったいどう言う事なのかな…」 ニタア〜


「えッ! うわあああッ! アリー姉ええッ!」 ババッ!


そう、いつのまにか、ブレードナイトハンガーデッキ内に、戦闘空母「フェリテス」艦長の【アリエラ・フォン・ビクトリアス】大佐が、仁王立ちで構えていた。


「ひッ! あ、ああ…あッ! ちょっと所用を思い出したッ! お前らッ! 班長ッ! あとは頼んだぜ!」 ダダダッ!


「あッ! コラッ! 待たんかッ! レオンッ!」 バッ カカカカッ!


「「「 あははははッ! 」」」 


アラン達3人が笑う中、2人は走って、ブレードナイトハンガーデッキを出て行った。


「やれやれ、さて、どうしたものかのう…」 スッ!


整備班長は腕を組み、ジッとハンガーデッキの「アウシュレッザD型FAR アウディ」を見ていた。

          ・

          ・

          ・

ー神聖艦「ルシェラス」艦内ー


ドガガガガガッ! チュンチュチュンッ! バンバン ギン ガンッ!


タタタッ! シュン ササッ! タン バッ! シュンッ! スタタタッ!


「ん!《シャイン.クラック.アロウッ!》」 キュンッ! 


シュパパパパパパーッ! シュンシュシュシュンッ!  ドカドカカッ!


『ピッ! ビーーーッ!』 ドガアアアアンンーーッ! ボオオンンッ! 


ガシャンッ! グシャアアッ! メラメラ カラカランンン…


ピッ ピコピコ ピポッ!


『侵入者ッ! 破壊者ッ! 消去シマスッ!』 ピッ ガシュンッ! チャキッ!


ドガガガガガッ! バンバンッ! シュシュシュンッ!


タタタタタタッ! シュンッ!


「ん、まだこんなに…《クリアーッ!》」 パアアアンンッ! バシバシッ ビシッ!


キュンキュンッ! サッ ササッ! タンッ! ババッ! 


ピッ ピコ ピッ ピッ ジャキッ!


『侵入者ッ!』 バババババッ! ドンドンッ!


ドガアアアアンンーーッ! バラバラ…


シュバアアーッ! サッ!


「《ヴァーヴァル.ランスッ!》」 キンッ! ドババババーッ!


ピッ! シュババッバババーーッ!


「ビーーーッ!』 ドカッ ドコドコッ! ドオオオオオンンンーーッ!


ガシャンッ メラメラ モクモク カラン カラカラ…


レオハルトとアラン達が、戦闘空母「フェリテス」で修理、補給を受けていた頃、ガーナ神教団、神聖艦「ルシェラス」艦内で、アニスはガーナ神教団大司教【フィラウス】大司教を追いかけ、その途中で大量の警備、戦闘ドローンを相手に、1人で戦闘をしていた。


ボウウンンッ! メラメラ パチパチ モクモク ボウボウ 


テクテク テクテク スタッ!


ピッ ピッ ピッ ピコ ピコピポッ! ガシュンッ! ピッ!


「ん〜、そこを退いてくれないかな? 君たちが邪魔するから、大司教が逃げちゃうよ…」 ザッ!


ピッ ピコ ガシュンッ! ピピ


『侵入者 排除スル』 ピッ ブオンッ!


『『『 排除 排除 』』』 ピッ ピピッ! ガシャガシャッ! ブンッ!


ドガガガガガッ! シュシャシャシャシャシャッ! バババババーッ!


「ふうう…《アルテミスリングッ!》」 キンッ パアアアンンッ! ヒイインン


バババッバッ! パシュパシュパシュパシュッ! シュンシュシュシュンッ!


アニスは絶対防御の魔法を発動し、通路にひしめく多数の警備、戦闘ドローンの攻撃を難なく防いでいた。


バババババッ! シュンシュンシュンッ! パシュパシュパシュパシュッ!


「ね、無駄だって分かったでしょ? もうやめにしないか?」 ヒイインン ヒイインン


ピコッ! ピッ ビーッ! ジャコッ! シュウウウウ…


「わッ! なにそれッ!」 サッ!


今まで、アニスに対しフォトン銃やフォトングレネードを使っていた警備、戦闘ドローン達が、より破壊力の大きい武器、フォトンランチャーをそのボディーから出した。


ピッ ピピコッ! ピッ ピピピピピ ビコビコッ!


『侵入者ヲ殲滅 目標ヲ補足』 ピッ


『『『『 補足 補足 補足 』』』』 ピッ ビコココッ! ピッ!


「え〜…諦めてくれないんだ…う〜ん」 ヒイインン ヒイインン


ピッ 


『発射ッ!』 ピッ グイイインッ! ヒイイッ バシュウウウーーッ!


「えええッ! ちょっとは言うこと聞いてよおおーッ!」 ヒイインン ヒイインン


『『『『 発射 発射 発射ッ! 』』』』 ピピッ! グイイインッ!


ヒイイインンッ! バシュバシュバシュウウウーーッ! シュワアアアアアーー!


警備、戦闘ドローン達は、構えたフォトンランチャーから一斉に、フォトンロケット弾を発射し、アニスに向かって飛んでいった。その数、18発、そんな物がここで爆発すれば、この一区画は跡形もなく吹き飛んでしまう数だった。 アニスはそれを見て、防御魔法を解き、攻撃魔法に切り替えた。


ササッ! シュウンン… バッ!


「はああ…しょうがないね…《クリア.グランデ.フェルトッ!》」 キュインッ! 


シュゴオオオオーーーッ! ジュワアッ! ジュジュジュオオオッ!


『ピッ ピピッ⁉︎ ビビイイーーーッ!』 ジュワアアアアーーッ!


『『『『 ビーーッ! 』』』』 ジュンッ ジュワアッ! ジャアアアアアッ!


《クリア.グランデ.フェルト》、放った先の対象物を周りに危害を与える事なく、魔素還元し、フォトン粒子となり消え去ってしまう、アニスの固有魔法の一つである。 広い通路いっぱいにいた、警備、戦闘ドローン20体程は、自身達が放った、フォトンロケット弾と共に消えて行った。


シュウウウウ… テクテク スタッ


「さて…あれ? アイツどこ行ったんだ?」 キョロキョロ


テクテク キョロキョロ… テクテク キョロキョロ… キラキラ…


「ん? あッ あああーッ! アイツ転移水晶を使ったんだああッ!」 ババッ!


アニスの足元には、指定された場所に転移できる水晶、転移水晶のかけらが散らばっていた。 そう、フィラウス大司教は、アニスがドローン達相手に戦っている隙に、ここでその転移水晶を使い、何処かへと転移して行ったのであった。


「うう…せっかく見つけたのに…どっかに行っちゃったよ…」 はああ… テクテク


アニスは再び、フィラウス大司教を探し始めた。

          ・

          ・

ー神聖艦「ルシェラス」 ブリッジー


キラキラキラキラ シュウウン パッ! ドサッ ドタ!


「ハアハアハア、い、いったい…いったい何なのですかあッ あの娘はあッ!」 ハアハア…


まるで宮殿のような神聖艦「ルシェラス」のブリッジ、そこにフィラウス大司教は転移水晶で転移してきたのであった。


ダンッ! グググッ…


「あのような少女が、ブレードナイトを…アレだけの数のドローンを…」 ググッ


ダダダダ ザッ!


「大司教様ッ! 王城上空に帝国大陸艦隊、こちらに向け布陣、いかがいたしましょう」


「我が方のブレードナイト隊は何をしておるのですッ!」 ババッ!


「はい、第一隊、先遣ブレードナイト隊は全滅、第二隊、ブレードナイト隊は今現在、王城上空付近で帝国ブレードナイト隊と交戦中、数をへらされております」 サッ


「クッ…どいつもこいつ…私の邪魔ばかりしおって…」 ワナワナ


「大司教様?」


「主砲は使えそうですかッ⁉︎」 バッ!


「いえ、まだ制御室の修復作業が完了致しておりません、後、数時間はかかるかと…」 サッ


「ぬうう、『ルシェラス』を奴らに向けなさい!」


「は? 大司教様?」 


「『ルシェラス』の艦首砲、『フォトン衝撃砲』を使用します! 急ぎなさい!」 バッ


「は、はいッ 大司教様ッ!」 サッ タタタ


「ふふふッ!(山をも消し飛ばす力、皇帝よ、貴方を守る艦隊共々その王城ごと消え去るがいいッ!)」 ググッ!


ピッ カチャカチャ ザワザワ ワイワイ ピコ ポン!。


「『ルシェラス』、艦回頭ッ! 艦首を王城方向へッ!」 カチャカチャ ピ ピコ タンタン ピピッ!


「艦回頭開始ッ! 左舷1番から13番ッ、右舷20番から34番ッ!噴射開始ッ!」 ピピ タン!


ガシャッ! バウウウウウウウウーーッ ゴオオオオーーッ! グッ ググググッ!


超巨大ラウンドシップ、神聖艦「ルシェラス」は、その巨体をゆっくりと回し始め、艦首を王城方向へと向け始めた。


バウウウーーッ! ババッ! バウウウーーッ! ゴゴゴゴ

          ・

          ・

ー王城周辺上空ー


ヒイイイイイーーーッ! ギュワアアアーーッ!


ピッ ピピピピピ ビコッ! ピッ! カチッ!


ブオオオオオオーーッ  シュババババッ! 


『うッ! うわあああーッ!』 ドカドカッ! ビシッ! ドオオオオンンンーーッ!


ピッ!


『敵機撃墜ヲ確認シマシタ』 ピッ


「よおおしッ! これで全部だなッ!」 ギュッ! 


『隊長、上空制圧完了しました』 ピッ


「おうッ! 全機そのままの位置で待機、被弾した者は『フェリテス』へ帰還せよ」 ピッ


『『『『 了解ッ! 』』』』 ピピッ!


「ふうう…あとはあの艦隊だな…」


戦闘空母「フェリテス」のブレードナイト隊は、教団側のブレードナイト隊を全て撃墜し、王城周辺空域の制空権を確保する事に成功した。


『隊長ッ! アレをッ!』 ピッ


「むッ! 巨大艦が動き出した?」


ゴゴゴゴ…


「なんだ?…」 ピッ カチカチ ブンッ! パッ!


「フェリテス」のブレードナイト隊隊長は、操縦席のメインモニターを最大望遠にしてその様子を見た。


ゴゴゴゴ  バッ バババーーッ! バッ! バッ! シュウウウウーーッ! ピタッ


「(艦首をこっちに向けたのか、いったい何を…ッ!)いかんッ!」 グッ ギュウッ!


ヒイイイイインンンッ! バウウウウーーッ! シュバアアアーーッ!


「全機俺に続けッ! 奴の動きを止めるッ!」 ピッ


『『『『 隊長おおおーッ! 』』』』 ババッ! ピピッ!


バウッ バウウウウーーーッ! シュバアアアーーッ!


「奴ら、ここら一帯を消し去るつもりなんだッ!」 ビーッ


ブレードナイト隊隊長は、回頭を終えた「ルシェラス」の艦首が、何やらフタのようなものが開き、そこに巨大な砲口が現れたのを見て、全機を引き連れ「ルシェラス」へと向かって行った。それを撃たせないために…

          ・

          ・

ー戦闘空母「フェリテス」ブリッジー


ピッ ピッ ビコッ! ビーーーッ!


「副長ッ! 敵大型艦艇、動き始めましたッ! 定点回頭ッ! 艦首をこちらに向けてますッ!」 カチャカチャ ピッ ピコッ!


「艦首を? (まさか攻勢に出るのでは…)」 ふむ…


ピッ ピーーーー!


「ブレードナイト、ベイル隊、敵艦隊に突入ッ!」ピッ


「なッ⁉︎ 至急艦長をブリッジへ、『フェリテス』全艦、第1級戦闘配置ッ! 主砲発射準備、ブレードナイトデッキッ! 全機発進体制ッ!」 ババッ!


「アイサーッ」 カチカチ ピッ タンタン ピコビビッ!


ピッ ポンッ! ビーーーッ ビーーーッ!


『全艦第1級戦闘配置ッ! ブレードナイト隊は発進体制をッ! 繰り返します 全艦…』


ピッ ピーッ!


『艦長、至急ブリッジにお越しくださいッ!』 ピッ ポンッ!


ビーーーッ ビーーーッ ビーーーッ


ピッ プシュウウウーーッ カツカツカツ


「何があったのッ⁉︎」 ザッ!


「艦長ッ! 敵に動きがありました。 巨大艦、当方に向け回頭ッ! 攻撃してきますッ!」 サッ!


「うん?…なるほどねえ、確かに副長の言う通りだわ…」 ジイイ…


戦闘空母「フェリテス」の艦長、【アリエラ】は、「フェリテス」のブリッジ内にある大型モニターに映る、ガーナ神教団の巨大艦、「ルシェラス」の動向を見てそれを察知した。


「デルタ艦隊ッ! 戦闘体制ッ! ブレードナイト隊は?」 ババッ!


「はッ 現在当艦のブレードナイト隊、ベイル隊が敵艦に向かっております」 サッ!


「ダメッ! すぐに引き返しなさいッ!」 バッ


「艦長?」


「嫌な予感がするの…急いでッ!」 サッ


「はッ 直ちにッ!」 サッ!


副官は先行して攻撃に向かったブレードナイト、ベイル隊12機に帰還命令を出した。

          ・

          ・

          ・

ーガーナ神教団 神聖艦「ルシェラス」 ブリッジー


ビーッ! ビーッ! ビーッ!


「我が方のブレードナイト隊全滅ッ! 敵ブレードナイト隊が当艦に向け接近中ッ!」 ピコッ!


「ふふふ、いくらでも来るがいい…我が教団の力を見せてくれるわッ! 『フォトン衝撃砲ッ』用意ッ!」 ババッ!


「はッ! 艦首フォトン衝撃砲発射用意、フォトン粒子圧力上昇 臨界まで後30秒」 ピッ 


ゴウンッ! フィフィフィフィイイイイイイイインンンーーッ!


ビビッ ビコビコッ! ビッ! ビーッ! ピコッ!


「フォトン衝撃砲発射準備よしッ! チャンバー内正常に加圧ッ! 臨界点ッ!」 ビコッ!


ピピピピピッ! キイイイイイインンンー!


「ふふふ、まずは接近してくる敵ブレードナイトですッ!」 サッ!


「砲撃目標固定ッ! 敵ブレードナイト部隊ッ! 照準固定ッ!」 ビコッ!


「殲滅せよッ! フォトン衝撃砲ッ 発射あああーーッ!」 バッ!


「発射しますッ!」 カチッ ピッ!


ブオオオオオオオオオオオーーーッ! シュバアアアアアアアーーッ!



ヒイイイイインンンーーッ!


「むッ! あッ あれはッ!」 カアアアアッ! ブワアアアアアアアーッ!


『たッ 隊長おおおおーーッ….』 ピッ シュワアアッ ドオオオオオンンンーーッ!


『ギャアアアーーッ!』 ジュウウッ! バアアアンンーーッ!


シュバアアアーーッ! ジッ ジジジッ ジュワアッ!


「グッ…こ、これが敵の切り札か….うわあああッ…」 バッ ドオオオオンーーッ!


シュオオオオオオオーーーッ!   シュウウウウウ……


戦闘空母「フェリテス」のブレードナイト隊、ベイル隊は、「フェリテス」からの帰還命令を聞く前に、神聖艦「ルシェラス」の艦首、「フォトン衝撃砲」の直撃を受け、12機全てが消えて行った。



ピッ ピッ ピコッ!


「フォトン衝撃砲発射終了、目標に命中、敵ブレードナイト隊全滅ッ!」 ピコッ!


「ふふふ、ああっはははははーーッ!」 ババッ!


フォトン衝撃砲の威力を見て、フィラウス大司教はブリッジ内で叫んでいた。


「どうだ見たかッ! これが我が教団の真の力、神の力なのだああッ!」 バアアッ!


ピッ ピッ ピッ ピコッ!


「王城正面、アトランティア帝国 大陸艦隊ッ! 総数6ッ!」 ピッ ピコッ!


「全く邪魔な存在ですね…『フォトン衝撃砲ッ』第2撃ッ 発射準備ッ!」 サッ!


「はッ! 『フォトン衝撃砲』第2撃発射体制ッ!」 カチカチ ピッ ピピ タンタン


「ふふふ、艦隊の次は皇帝、貴方とその国民ですぞ!」 ククク…


「『フォトン衝撃砲』発射準備よしッ! 目標敵大陸艦隊ッ!」 ピコ ビコビコ


「消え去るがいいッ! 『フォトン衝撃砲ッ』発射あああーッ!」 ババッ!


「発射します」 カチッ ピッ!


フィイイイイイッ! ブオオオオオオオオオオオーーーッ! シュバアアアーーッ!


膨大な魔力の破壊エネルギーが、 王城前面に布陣をしている戦闘空母「フェリテス」のデルタ艦隊に向け発射された…


ドオオオオオオンンンーーッ! グワアアアンンーーッ!

          ・

          ・

          ・

テクテク テクテク ピタッ


「ん? アリエラお姉ちゃん? それと…レオンだッ! 近くにいるんだあッ!」 バッ! タタタタタッ!


アニスは2人の気配を感じ、艦外へと駆け出して行った。


「レオンッ レオンレオンッ! レオオオンーッ!」 タタタタタッ!


タタタ ガチャッ! バンッ! ヒュオオオオオーーッ! バサバサ…


「なッ! レオオオンーッ!」 グッ!


ドオオオオオンンンーーッ!


アニスは艦外への扉を見つけ、それを開けて外に出た、そこで見えたのは、王城前面のデルタ艦隊の艦が火を吹き降下していく姿だった。






いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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