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第192話 アニスとリモートライナー

ー帝都アダム ガーナ神教団本部ー


この世界の人が作った信仰神、「ガーナ」の神を仰ぐ総本部がここアトランティア帝国皇城横に存在していた。帝国の行政を担うその建物の地下、巨大な神殿が備わっており、そこに入るには、『ガーナ神教団』に帰依し、入信した者のみ入る事が許された場所であった。


その神殿のさらに奥、教団から訓練を受け、選ばれた者のみしか知らぬ所に、『ガーナ神教団 聖なる軍団』の本部がそこにあり、世界各地の『ガーナ神教団』設備、正信者、司祭、司教、戦力などを管理、指示、監視をしていた。


ー『ガーナ神教団』軍団管理室ー


その部屋は、神殿とは全く異質の部屋で、巨大なモニター画面や、コンソール、まるで要塞管理室のような場所で、神とは縁遠い場所であった。そこにはこの世界で起きている「ガーナ神教団」の決起侵攻具合が報告されていた。


ピッ ピッ


『ゼルファ神帝国内、達成率12% 進行中、パルダ聖国内、達成率22%進行中、ウーリウ公国内、達成率8%進行中、グリアス王国内…』 ピッ


アトランティア帝国以外の国の、「ガーナ神教団」の決起達成率、その国の強さに応じて、達成率が現れていた。


『アトランティア帝国内、達成率4%進行中…』 ピッ


そんな報告がされている中、奥の部屋の向こう、中は薄暗く、そこには人が1人、入れるくらいの丸いカプセルが無数に並んでいた。


ピッ ピッ ピッ ピコッ! ピーッ!


プシュー! プシュー! プシュー! ウイイインン! ウイイインン! ザッ!


その数多くのカプセルの最前列に並ぶカプセルのうち、5つのカプセルがフタを開き、中から、黒いヘルメットに上下黒に赤ラインの入ったスーツを着た、まるでブレードライナーの様な者達が出てきた。 彼らは、カプセルから出てくると、かぶっていた黒いヘルメットを脱ぎだした…


パチッ! ググッ! ガバッ バサッ! フリフリ…


「ふうう…いやあ、やられたやられた…」 ははは…


「ああ、参ったぜ… 流石、この国のトップエース、【レオハルト・ウォーカー】だ、手も足も出なかった…」 はああ…


「他の連中はまだ接続稼働中かあ…まあ、【レオハルト・ウォーカー】の様な強敵ライナーなんざそういないからな、他の国に攻めた奴らはラッキーだぜ!」


「でもよう、これで随分と経験値が溜まったはずだぜ! 次やる時は勝てるんじゃないか?」 グッ


「そうだよ、この調子でいけばブレードライナーでもない俺達でも、あいつらより強くなれるんじゃねえか?」


「この調子でいけばなッ、確かに経験値は上がり、それを組み込んだ我らが『ガーナ神教団』の最強ブレードナイト『アラドAR88』なら、『ウルグスパイアー』は勿論、あの最強傑作機『アウシュレッザ』にだって勝てる!」 ググッ!


「「「 おおー! 」」」 ザワッ!


その様な者達の中でただ1人、冷静に判断をする者もいた。


「フッ…(経験値とその性能だけならな…だが…ブレードライナーを舐めちゃいけない…奴らの魔力は俺達のそれとは全然違う…そう…違うんだ…)」


ここにいる者達は、レオハルト中佐やグレイ中佐の強襲巡航艦「ライデン」を襲撃した無人軍団、『ガーナ神教団』の『聖なる軍団』をリモート技術で操っていた者達だった。 元々は一般市民と帝都学園や、宮廷学園の卒業生などで、魔力不足や技量不足など、とてもブレードライナーにもなれず、軍にも入れなかった者達ばかりで、「ガーナ神教団」は巧みに彼らを先導し、教団に入信させていったのだった。


そう、こここそが、白い艦隊やブレードナイト「アラドAR88」の遠隔操作、リモートをする中枢、コントロールルームだった。


「ん? なんだ【ゲスパス】のヤツ、まだ繋がってるのか…さすがはLv.5、シンクロカプセルからまだ出てこない」 ジイッ…


1人の青年操縦者が、まだ稼働中のカプセルを見て、腕を組み言った。そのカプセルには、接続稼働中というランプがつき、中で【ゲスパス】と思しき人物が動いていた。


「ああ…アイツ、俺達が【レオハルト・ウォーカー】とやり合ってる時にさっさと森の中に入ってどこかに行きやがったぜ!」


「また単独行動か? 勝手が過ぎるぜ!」


「まあ、ヤツの経験値は2万を超える頃だろ? 操縦レベルも、もうすぐLv.6になるはず、【レオハルト・ウォーカー】のようになりたいんだろッ!」


「Lv.6かあ…もう一端のブレードライナーと一緒じゃね?」


「まあなッ…なればそうだろうな、なれば…」 ジーッ!


ガチャガチャッ! ゴトゴト バタバタ ギシギシ…


その時、ゲスパスという者が入っているシンクロカプセルが、派手に揺れ、中で当の人物が激しく動いていた。


「ゲスパスのヤツ…また派手に動いてるなぁ…何やってんだ?」


「大方、敵の大群とでも出会って戦ってんじゃねえか? そのうち、俺達みたいに「アラドAR88」がやられ破壊されれば、接続が切れエジェクトしてくるさッ」 ヒラヒラ…


「敵の大群かあ、経験値がまたたくさん得られそうだな…」 う〜ん…


彼等はこの設備で、リモートによりブレードナイトを操縦し、傷ついたり死亡したりはせず、安全に戦い方を覚え経験を重ねて行く。 それを経験値という数字にして、次のブレードナイトに反映し、徐々に強くなっていった。 


自分達はいつまでも闘い続ける、『不死の戦士』経験値をどんどん上げ、際限無く強くなり続ける。最終的には誰にも負けない、それこそ神のような強さを目指していた。


ビーッ! ビーッ! ビーッ! パカパカ パカパカ!


「不味いッ! 非常警報だッ! 早くッ! ゲスパスのシンクロカプセルを停止しろッ!」 バッ!


「ああッ!」 ダダダッ! カチカチ ピッ ピピッ!


いきなり、ゲスパスの入っているシンクロカプセルから警報音と非常パトランプが点灯回転し、事態の異常を知らせた。 普段なら、そこまでいかなくても、シンクロは解かれ、中にいる操縦者は外に出される、エジェクト機能が作動されるのだが、今回まだそれが為されず、いまだに接続されたままだった。


ガタガタッ! バタバタ ギシギシ! 


「ゲスパスのヤツ…一体何と闘ってるんだ?…」


ビーッ! ビーッ! ビーッ!


警報音は鳴り続け、シンクロカプセルはいまだ接続稼働中であった。

          ・

          ・

          ・

ー演習場 「銀翼クラス」野営地ー



「ん、《ガイエリアス.ファングッ!》」 シュザッ! シュバアアアアーーッ!


ビーッ! ビーッ!


『標的至近ッ! 当機ノ背後デス!』 ピーッ!


『後ろだとおおおーーッ!』 ピッ ガシュンッ! クルッ ギュアンッ!


そう、今、アニスが戦っていたブレードナイト「アラドAR88」を、遠隔操縦していたのが【ゲスパス】であった。 彼は眼前の白銀髪の少女が一瞬で消え、その直後「アラドAR88」の接近警報を聞き、驚きその方向へ「アラドAR88」を振り向かせた。その瞬間、彼はアニスの神級剣技をもろに受けてしまった。


シュザアアアアアーーッ! ビシイイイッ! ドオオオン!


『うおおおおおーーッ!』 ピッ  ビーッ!ビーッ!ビーッ!


ギュオオオッ! ドンッ! ガシャアアーンッ! バラバラバラ…シュウウウ…


アニスの神級剣技を受けたブレードナイト「アラドAR88」は、その威力に吹き飛び、13mもの巨体が後方に10mほど飛ばされ、地面の土を巻き上げながら倒れ伏してしまった。


シュウウウ… ピーッ ピーッ ピーッ ピッ!


シュンッ! スタッ! テクテク ザッ! ヒュウウウ…バサバサ…


地面に倒れ伏した「アラドAR88」の近くにアニスは舞い降り、近づきその様子を見た。 剣技の勢いの風が、アニスの青みがかったセミロングの白銀髪と私服のコルセットスカートを靡かせていた。


『グッ…くそうッ! 一体なんだありゃあッ⁉︎ 全然見えないじゃねえか…』 ピッ


操縦者のゲスパスは自分の身に、一体何が起きたのかさっぱり分からなかった。「アラドAR88」が警告を放ち、機体の向き替えた瞬間、吹き飛ばされ地面に倒れていたのだ、当の本人は何も分からなかった。ましてやリモートという遠隔操作中、分かるわけがない。その場で体験しなくては、カメラや通信などで分かるわけがなかった。


ピッ ピピッ! カチカチ ピッグイ ギュッ! ピッ


ブオンッ! グバアアッ! ガシュンッ! ピッ ピッ


「ん? すごいな、《ガイエリアス.ファング》を受けてその程度か…意外と頑丈なんだな…」 ザッ チャキッ!


地面から起き上がった「アラドAR88」を見て、アニスは再び神器「アヴァロン」を構えた。


『ふははははッ! この『アラドAR88』、その程度の攻撃など取るに足らんッ!」 ピッ ブオンッ!


「ん、じゃあ少し…本気で行くよ…」 ググッ!


『でまかせを言いおって、さっきので限界なはずだッ! 』 ピッ!


ガシュンッ! ガシュンッ!


そう言って立ち上がった「アラドAR88」は、再びアニスに向かっていった。


ガシュンッ! ガシュンッ! ガシュンッ! ポロッ ドオオオンッ!


ピッピーーッ! ビコビコッ! ビーッ!


『なッ! 何が起きたああッ⁉︎』 ピッ


ピコッ!


『左腕駆動システム応答無シ、左腕ガ消失、戦闘能力ガ30%ダウンシマシタ』 ピッ


『左腕が取れただとおおッ!』 ピッ ガシュンッ! 


ブレードナイト「アラドAR88」は二、三歩ほど歩いた途端、左肩から下、腕自体が地面に落ちてしまった。


「あ、腕が取れた…もう諦めて帰らないか?…」 ザッ!


『帰る? バカがッ! これもいい経験値ッ! 感謝するぜえッ!」 ピッ ブオンッ! ドドドドッ!


ゲスパスは「アラドAR88」の左腕が無くなった事も経験値と喜び、そのまま右手に装備されているライトニングセイバーを振りかざし、アニスに突進していった。


「経験値か…そんなに経験値が欲しいのか…」 シャッ! サッ! タタタッ!


『ああ欲しいねッ! 経験値をもっと稼ぎ、貯めッ! 俺は神の強さを得るんだああーッ!』 ピッ ドドドド ビュンッ! シュバアアアアーーッ!


ブオンッ! ビュン シュバッ! ブンブンッ!


ゲスパスは「アラドAR88」を突進させ、アニスにライトニングセイバーを振り回した。それをアニスはものともせず、全てを巧みに交わしていった。


「そうか…そんなに経験値が欲しいなら好きなだけあげる…」 ニコ サッ! タタッ!


『なにッ⁉︎』 ピッ ビュンビュンッ! シュザアアアアアーーッ!


シュンッ! シャッ! フッ


『なッ! どこだッ! また消えやがったッ! 後ろかッ⁉︎』 ギュンッ! クルッ! クルッ! 


ゲスパスが「アラドAR88」のライトニングセイバーを振り下ろした時、アニスの体は残像を残し忽然と消えた。ゲスパスは、眼前から再び消えたアニスを探し、また背後についたかと思い「アラドAR88」を回転させ後ろも探したが見つからなかった。


『いないッ! どこだッ!』 ピッ ガシュンッ! クルッ! クルッ!


「ここだよ!」 シュンッ! ピタッ!


ピッピピーッ! ビコビコッ!


『目標ッ! 当機ノ真下、直近デスッ!』 ピッ


『何いいッ!』 ピッ グワアアッ! ババアアーーッ!


「ん、《フューズッ!》」 パアアアンンーーッ! 


『うおッ! このおおッ!』 ピッ ブオンッ! ビュンッ! ビジュウウウーッ!


シュンッ! サッ!


ピッ ピコンッ!


『目標ヲ、ロストッ! 見失イマシタ』 ピッ ポン


アニスは「アラドAR88」の真下で、何やら魔法を発動した瞬間に、高速移動でその場を離れ、「アラドAR88」のライトニングセイバー攻撃を交わしていった。


『おのれえッ! ちょこまかと動きおって…うッ! いッ!痛えええッ! ああああッ!』 ピッ ガタガタ ガシャガシャ! ガクンッ!


ゲスパスはアニスに悪態をついた瞬間、猛烈な痛みに彼は襲われた。


『ぐわあああッ! 痛えええッ! なんだこの左腕の痛みわああッ!』 ズキンズキンッ!


ブレードナイト「アラドAR88 」はその場で片膝をついて、ゲスパスが叫んでいた。

          ・

          ・

          ・

ー「ガーナ神教団」軍団管理室横 シンクロカプセル室ー



リモート技術、遠隔操作をするカプセル室内のカプセルの一つ、ゲスパスの使用しているカプセルが異常事態を表しながら稼働していた。


ガタガタ バタバタ ギシギシ


ビーッ! ビーッ! クルクル パカパカ!


「おいッ! まだ停止できないのかッ⁉︎」 ババッ!


ピッ ピピ カチカチ ピッ タタッ! ビー!


「やってるんだけど解除しないんだッ! どうなってんだッ!」 カチカチ ピッ


「強制解除スイッチはどうだッ⁉︎」 ザッ


ピッ カチッ! ブーッ!


「ダメだッ! 拒否されたッ! 解除できないッ!」 ピピ


「(強制解除スイッチが拒否だと⁉︎…何で拒否なんかするんだ? そんなことありえんだろッ⁉︎ ゲスパスに一体なにが起こってんだッ!)」 ググッ!


ゲスパスの仲間達は、懸命に彼を助けようとシンクロカプセルを操作したが、何をやっても無駄であった。そんな中、ゲスパスは自分のシンクロカプセル内で暴れ回っていた。それは、今まで経験したことのない痛みをカプセル内で感じ、それから逃げようとカプセルを操作していた。


「(うううッ! 痛えッ痛えええッ! 冗談じゃねえッ! 早くエジェクトしなけりゃ狂っちまうぜ)」 ピッ ピッ  カチカチッ ピッ ピッ ガタガタ…


彼はカプセル内の強制終了エジェクトスイッチを何度も、何度も押した。 しかし、スイッチはまったく作動せず、遠隔操作中のブレードナイトとは繋がったままで解除できなかった。


「(早くッ! 早くしろおおおッ! 痛えええッ!クソッ 動けッ! 解除だッ! エジェクトしろおおッ!)」 ピッ カチカチ ピッ ピッ


ゲスパスは、エジェクトや強制終了スイッチを何度も押したが、それらは全く作動しなかった。

           ・

           ・

           ・

ー演習場 「銀翼クラス野営地ー



『うおおおおッ!』 ピッ ガタガタ ガシュン ガシュ!


アニスの見ている前で、ブレードナイト「アラドAR88 」は地面で暴れていた。 操縦者の動きを完全にトレースするリモート技術、操縦者のゲスパスが痛みで暴れている様子がよく見て取れた。


「ん、どう? 経験値はたくさん取れたかな?」 ニコ


『うぐぐ…貴様、一体何をしたああッ! グググ…ハアハア…』 ピッ ガシュンッ!


「《フューズ》…《フューズ.リアクト》、あなたの精神をその子に融合したんです」


『ゆ、融合だとおッ! うぐッ! 痛ううう… そ、そんなこと…』 ピッ


「ん? 経験値が欲しいのだろ、だからもっと取りやすい様に、そのブレードナイトに繋げてあげたんだ」 ニコ


『はああッ⁉︎ 何をバカなッ! 痛えッ!ぐう…』 ピッ ガシュン…


「そう…痛いよね、経験値というのはただ動き、戦っただけじゃダメなんだ、その時に一緒に経験する恐怖と痛み、それらを同時に感じないとダメなんだよ。 だから今、あなたはそのブレードナイトと同様、左腕を失った感覚を共有している事になってるからね」


『なにッ! そ、それじゃあ…』 ピッ


「そう、例えばこんなふうにッ!」 サッ! キュインッ! シュババババーッ!


アニスは無詠唱で何の前振りもなく《ライトニング.ランス》の魔法を放った。


シュシャシャシャシャシャーッ! ドカドカドカッ! ビシイイイッ!


『ギャアアアアーッ! 痛えええッ! ひいいいッ! 痛ええッ! 痛ええッ!』 ピッ ガタガタ ガクンッ!


「どう? ブレードナイト達の痛み、少しはわかった?」 ジリ…


『ひいいッ! ひいいいッ!(むッ、無詠唱魔法だとおッ⁉︎ 何だよコイツはッ! 『連れてまいれ』だあッ⁉︎ こんなの無理だろおッ! 連行どころか触れさえもできねええッ! このままだと俺が持たねえッ!)』 ピッ ガクガクガク 


「さあ、終わりにしようか…」 チャキッ ザッ!


『うう…うわあああッ! 来るなああッ!』 ピッ ブンブンッ! ビュンッ! 

ビュビュンッ! シュバアアアアーーッ!


「ん、《縮地ッ!》」 シュンッ! サッ! ササッ! ヒュッ!


ゲスパスの攻撃をアニスは高速移動の《縮地》で華麗にかわしていき、「アラドAR88」との間合いを詰めていった。


シュンッ! タタッ サササアアーーー!


『くそうッ! くそおおおッ!』 ピッ ガシュン ブンブンッ! ジュワアアッ!


クルクルッ! チャキッ! シュシャッ!


アニスは持っていたミドルダガーの神器「アヴァロン」を手の中で回し持ち替え、「アラドAR88」に攻撃を出した。


「ん、神級撃滅剣技ッ!《アルテナ.グラン.バスターッ!》」 シュッザンッ!


ヒイイイイインンンッ! バシュウウウウウーーッ! ギュワアアアーーッ!


『なッ! 眩し…い… ぎゃあああああーーーッ!』 ピッ ピピーーーッ!


ジュワアアアアーーッ! ドガアアアアンンーーッ! バアアアーーッ!


ゲスパスの操縦する「アラドAR88」は、アニスの神級剣技によって光の中に溶け、爆発四散していった。


ビュワアアアアーーッ… クルクルッ! チャキンンッ! テクテク ザッ!


そこにはアニスただ1人が、青みがかった白銀髪とスカートを靡かせ立っていた。

          ・

          ・

          ・

ー「ガーナ神教団」軍団管理室横 シンクロカプセル室ー



ビーッ! ビーッ! クルクル パカパカ!


「まだかッ!」 グッ!


「ダメですッ! わッ わあああッ!」 バチッ バチバチバチッ! ビビッ!


「いかんッ! 離れろおおッ!」 ババッ!


「わあああッ!」 ババッ! バチバチバチッ! ビガアッ!


ドガアアアアンンーーッ! ボウウッ! バアアアーーッ!


ビーッ! ビーッ! ビーッ! 


『火災発生 火災発生 消化シマスッ!』 ピッ シュワアアアアーーッ!


ゲスパスのシンクロカプセルは、遂に解除できず、その場で爆発炎上してしまった。 火災は自動消化装置が働き、炎は消し止められたが、中の搭乗員、ゲスパスは帰らぬ人となり、彼の経験値と今回の戦闘データーは全て失われていった。


シュウウ… カタン…カラカラ…


「一体なにが…ゲスパスの身になにが起こったんだ?…」 ギュッ!


操縦者の青年は、カプセルの破片を手に取り、壊れ黒焦げになったカプセルを見ていた。







いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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