第191話 アニスと聖なる軍団
-演習場 東区上空-
演習場、中心から東に5km、その上空800m付近で強襲巡航艦「ライデン」と演習場に侵入してきた白い艦隊5隻の乱戦が起きていた。1対5、どう見ても「ライデン」にとって不利な状態であったが、「ライデン」は単艦善戦し、互角以上の戦いを行なっていた。
ドガアアアアーーンッ! メキメキ バラバラバラ… ドオオンンッ‼︎
「敵駆逐艦A大破ッ! 撃沈を確認ッ!」 ピッ ビコッ!
「よしッ! 左転舵いっぱいッ!」 ババッ!
「アイサーッ! 左転舵いっぱいッ!」 グイッ! ピッ ピコピコ!
ババッ! バウウウウーーッ! ゴゴゴッ!
ビーッ! ビーッ!
「左舷方向、敵駆逐艦Bッ! 雷撃ッ! 雷数4ッ!」 ピピ
「迎撃ッ! 左舷ッ対雷撃兵装ッ!『ハウンドロック』全弾発射ーッ! PDS起動ッ!」 バッ!
「アイサーッ! 左舷『ハウンドロック』全弾発射ッ!」 カチカチ ピッピピ ポン!
バクン バクン バクンッ! ドババババーッ!
転舵した「ライデン」に敵駆逐艦の空間魚雷が迫ってきたが、グレイ艦長の指示の元、左舷側に装備してあるミサイルポットより、ナセルが順次開かれ、そこから対空間魚雷用の迎撃ロケット弾が発射されていった。
「回避ッ! 機関最大ッ! コース120 マーク18 PDS起動ッ!」 ピピ ポンポン ビーッ!
シュワアアアアーーッ ドガアアアアーーン! バババッバッ ドガンッ ドオオンンッ!
「敵空間魚雷全弾迎撃ッ! 敵駆逐艦Bッそのまま接近ッ!」 ビコッ!
ビッビイーッ! ビコビコッ!
「緊急ッ! マーク23ッ オレンジ チャーリーッ! 敵巡航艦発砲ッ!」 ビコッ!
「なにッ⁉︎」 グッ!
ビコッ ピピピッ ピーッ!
「直撃しますッ!」 ピーッ!
ドカドカアッ! ズウウウンンッ! グラグラグラ…
「うわああッ!」 ドオオオン! ミシミシッ! グラグラ…
ビーッ! ビーッ!
「何処をやられたあッ! 被害報告ッ!」 ババッ!
ピッ ピッ ビコビコッ! タタタタタタ! ポン
「敵フォトン弾 艦中央に命中ッ! さ…されど被害無しッ!」 ピッ ピピッ!
「「「 おおおーッ! 」」」 ザワザワ ガヤガヤ…
「ふうう…(さすが最新鋭艦、巡航艦の主砲に耐えるとは、凄い防御力だ…)」 ふむ…
交流戦2日目の早朝、交流戦が中止と決定したとされたその日、演習場に突如として現れた白い艦隊、それと同時に中央管理棟の爆発、強襲巡航艦「ライデン」の艦長【アレックス・グレイ】中佐は、それぞれの対応に追われていた。
「よしッ!反撃する、CICッ! 敵の巡航艦を黙らせろッ! ブレードナイト隊は残った駆逐艦を迎撃ッ! 一気に畳み掛けるッ!」 ババッ!
「アイサーッ!」 ピッ カチカチ ピコ!
「CICよりアップル、アプリコット小隊へ、敵駆逐艦を撃破せよ」 ピッ
ピコッ!
『アップル小隊受信、攻撃に入る、オーバー』 ピッ
『アプリコット小隊受信、攻撃に入る、オーバー』 ピッ
シュワアアアーッ! バウウウウーーッ!
「アップル1より各機へ、聞いての通りよ! 対艦兵装ッ! 行くよッ!」 ピッ
『『『 了解ッ! 』』』 ピピッ!
ギュワアアアーーッ!シュゴオオオオオーーッ!
「アプリコット1より各機へ、対艦兵装ッ!アップル小隊に続くッ ついて来いッ!」 ピッ
『『『 了解ッ! 』』』 ピピッ!
ヒイイイイインンンッ! バウウウウーーッ!
上空制空権確保していたブレードナイト隊のうち2小隊、アップルとアプリコットの各小隊が、眼下にいる敵駆逐艦2隻に対して、2小隊8機が急降下していった。その駆逐艦の先頭にいた巡航艦に、強襲巡航艦「ライデン」の主砲が狙いを定める。
ビコッ! タンタン カチカチ ピピッ! ピコン!
「主砲転回ッ! 目標ッ マーク23 ッ 距離1800ッ 速度40ノット 敵巡航艦ッ!」 ピピッ! タンタン ビコッ!
グイイイーン ガシュンッ! ククク…ピタッ!
「目標補足ッ! 対艦フォトン徹甲弾ッ! 狙点固定ッ!」 ビコッ! ピーッ!
「主砲斉射三連ッ! 撃てええッ!」 バッ!
フィイイイイイッ! ドドドオオオンーーンッ!
強襲巡航艦「ライデン」より連装2基4門が三斉射、計12発もの対艦徹甲弾が、40ノットの高速で移動する敵巡航艦に吸い込まれていった。
シュバアアーッ! ガンッ ゴンゴンッ ドカドカドカッ! ドガアアアアーーンッ!
バリバリバリッ! ボンッ! メラメラッ モクモク…ドオオオンッ! ズズズ…
「主砲ッ! 全弾命中ッ! 敵艦沈黙ッ 降下していきますッ!」 バッ!
「「「「 うおおおッ! 」」」」 ワアアーッ! ザワザワッ!
敵巡航艦が「ライデン」の攻撃で力無く落ちていくところを見て、「ライデン」のブリッジ内は沸き立っていた。艦長のグレイだけは、その様子をジッと見ていた。
「ふむ…(艦橋、艦中央部、機関室に各4発ずつ…轟沈だな…)」 サッ
グレイの予測した通り、「ライデン」の主砲弾を一気に受けた巡航艦は、艦橋は跡形もなく吹き飛び、艦中央部には大穴を開け炎と煙を吐きながら、機関は完全破壊され停止し、高度を維持できず急速に地表へと降下していった。文字通りの轟沈であった。
ヒュウウウッ! ドオオオンッ! ボウンッ! メラメラ…
被弾した巡航艦は地表に落ち、爆発四散していった。
ビュオンッ! タタタタタタ ピッ ピピ! ビコビコッ! ポンッ!
「空域全体のジャミング消失ッ! センサー、通信ッ! 全て復帰ッ! 戻りましたッ!」 ピコッ!
演習場全体にフォトン波動波を出し、長距離通信やセンサーを遮断していた巡航艦が、大破し爆発したので、「ライデン」の機能が全てが元に戻っていった。
その上空から8機のブレードナイトが残った駆逐艦に襲いかかっていった。
ヒイイイイインンンーーッ! ビコッ! ピピピピピッ! ポンッ!
「ケスラー、あんた達は左のをッ! 私達は右のを攻撃するッ!」 ピッ
『了解ッ! アシュリー少佐ッ!』 ピッ
「さあッあんた達ッ! 私についてきなッ!」 グイッ! バウウウウーーッ!
『『『 了解ッ! 』』』 バウバウバウウウーーッ!
アシュリー大尉の「アップル小隊」は「アウシュレッザ」が2機、「ウルグスパイアー」が2機の戦闘攻撃隊で、今回の様な乱戦艦隊戦が得意な陣容であった。アシュリー少佐の「アウシュレッザ」に続き、全機が全速急降下していった。
「うわああ…アシュリー少佐やる気だねえ…では、我々も行くよッ!」 グイッ!
『『『 了解ッ! 』』』 グイッ! バババッバウウウウウウウーーッ!
アシュリー少佐のアップル小隊とは違い、アプリコット小隊は対ブレードナイト専用の格闘戦闘隊、本来艦船を相手にはしないのだが、今回はそうも言っておられず、一応装備されている対艦重フォトン銃を持つ3番機に攻撃を任せ、他は護衛で敵艦に降下していった。
ギュワアアアアーーッ! ビコッ! ビコビコッ! ピピッ!
「テリー君、君に任せたよ!」 ピッ ギュワアアアーーッ
『りょ、了解しましたッ!』 ピッ ギュワアアアーーッ
アプリコット小隊の3番機「アウシュレッザD 型ライナー」(アラン、マイロと同型機)を操るブレードライナー、【テリー・タティウス】准尉、去年学園を卒業し1年を経てブレードライナーになった新人ライナーである。 今回、強襲巡航艦「ライデン」の補充ライナーとして乗艦していた。
「テリー君、緊張してる?」 ピッ
『だ、大丈夫ですッ!』 ピッ ガクガク…
「そう、大丈夫だよケリー君」 ピッ
『え⁉︎ ケスラー隊長?』 ピッ
「アプリコット小隊のみんなで君を援護するッ! 落ち着いて攻撃するんだ!」 ピッ
『はッ…みんな…』 ピッ ピコッ!
ケリー准尉は、自分の左右に位置する仲間のブレードナイトをモニター越しに見た。
『テリー、隊長と俺達が援護するんだ大丈夫だぜ!』 ピッ
『そうよ! がんばってね!』 ピッ
『ありがとう! みんなッ!』 ピッ
「小隊諸君、おしゃべりは後だッ! ケリー准尉、目標駆逐艦まで500m、攻撃用意ッ!」 ピッ
『了解です』 ピッ
ギュワアアアーーッ! ピッ ピピピピピ ピーッ!
『テリー准尉、敵駆逐艦、射程内デス!』 ピッ
『照準ッ! 撃てーーッ!』 ピッ カチッ!
ヴォムヴォムヴォムヴォムッ! シャシャシャアアアアーーッ!
ドガガッガガッ! ドオンンッ!
シュッ! シュウシュウシャアアアーッ!
「よしッ! そのまま敵艦のわきを抜けて左へ離脱ッ!」 ピッ
『『『 了解ッ! 』』』 ピピッ!
シュバッババアアーーッ! ギュウウウンンーーッ!
ドオオンンッ! ヨタヨタ… モクモク…
アプリコット小隊の攻撃を受けた駆逐艦は、撃沈こそしないが攻撃力と速度を失い、ゆっくりと動いていた。その時、ケスラー大尉の「アウシュレッザD型F40ランサー改」が警告を出した。
ビー ビー
『警告、右舷方向、友軍機4機急速接近、注意セヨ』 ピッ
「友軍機、アシュリー少佐の隊か…」 グッ
ドゴオオオオーーンッ! バラバラ メラメラ ゴゴゴ ズドオオオオン!
「いいわッ! 上出来よッ さあ全機離脱ッ!」 ピッ
『『『 了解ッ! 』』』 ピピッ! ギュウウウンンッ! シュアアアアーー!
ケスラーのアプリコット小隊のすぐ横を、アップル小隊の4機が標的の敵駆逐艦C
を撃沈しながら、高速で駆け抜けていった。
「ヒューッ! さすがアシュリー少佐、きっちり撃沈していくぜ!」 ピッ ピピ
『凄い、あの子達『ウルグスパイアー』よね、なんであんなに速いの?』 ピッ
アプリコット小隊の紅一点、【エレン・フォン・アスター】准尉はアップル小隊に配属になった同級生の2人のブレードナイトを見て驚いていた。 自分は高速戦闘機「アウシュレッザ」なのに、彼らは戦闘攻撃機「ウルグスパイアー」で自分たちより速く動けていたからだった。
「エレン准尉、それは後で説明してあげるよ」 ピッ
『ケスラー隊長…わかりました、絶対ですよ!』 ピッ
「ああ…よし全機離脱ッ!」 ピッ グイッ! バウウウウーーッ!
『『『 了解 』』』 ピピッ! グイッ! バウウウウーーッ!
シュシャシャシャッ! シャアアアアーーッ!
「やはりあのままじゃまずいよね」 ギュツ! ピピピピ ビコツ!
カチッ! ブオオオオオオー-ツ!
ケスラー大尉は、煙を吐き、ヨタついていた敵駆逐艦Dに向け、フォトンライフルを連射した。
ドドドドドッ! ガンガンッ! ドカッ! ドゴオオオオンンーッ!
ケスラー大尉の止めの攻撃で、敵駆逐艦Dは爆発炎上し、地表に落ちていった。
強襲巡航艦「ライデン」とその所属ブレードナイト隊によって、侵入してきた未確認艦隊は一隻の駆逐艦を残し撃沈、もしくは無力化していった。残った一隻の駆逐艦も、全くあらぬ方向に進み、どんどん遠くへ去っていった。
「敵駆逐艦B、進路1.223 マーク20 速度29ノット 戦場を離脱しますッ!」 ピッ ビコビコッ!
「離脱する艦はほっておけッ! それより中央管理棟へ急げ、生徒、職員の救出が先だ!」 ババッ!
「「「 アイサーッ! 」」」 ザザッ!
「通信士ッ 大陸艦隊本部に緊急通信ッ!」 ババッ!
「アイサーッ!」 ピッ ピコピコ カチカチ ピッ!
グレイは、この演習場での事を報告するために、大陸艦隊本部に連絡を取った。帝国全体に注意喚起を行うために…
カチャカチャ ピッ ピコピコ ポンッ!
「こちら強襲巡航艦『ライデン』、大陸艦隊本部コンタクト』 ピッ
・
・
カチカチ ピッ タンタン ピコ!
「こちら強襲巡航艦『ライデン』、大陸艦隊本部コンタクト』 ピッ
・
・
「艦長ッ! 艦隊本部との通信、繋がりませんッ!」 クルッ! ギッ!
「ふむ…………」 う〜ん…
「艦長?」
「通信士ッ レオハルト中佐を呼び出してくれ、それなら繋がるはずだ!」
「了解しました」 ピッ ピコ カチカチ ピッ
「こちら『ライデン』、アルファー1、レオハルト中佐 コンタクト」 ピッ
・
・
『こちらアルファー1、レオハルトだ、受信』 ピッ
「おお、無事だったか…」 ふうう…
レオハルト中佐との通信がしばらく取れていなかったので、連絡がつきグレイは安心した。
「レオン無事だったか」 ピッ
『ああ、途中未確認のブレードナイトと空戦に入ったが撃退してやったぜ!』 ピッ
「やはりそっちにも出たか…」 ピッ
『ああ、だが奴ら、全部無人機だったぜ!』 ピッ
「無人?…そうか、だからか…」 ピッ
『そっちにも何か来たのか?』 ピッ
「ああ、真っ白な艦隊が5隻な… だが一隻を残し全部仕留めた」 ピッ
『ほお…流石はグレイ、艦長の腕は鈍ってないみたいだな』 ピッ
「俺じゃないよ、この艦の性能と、ブレードライナー達のおかげだ、とにかくお前は一度帰還しろ!」 ピッ
『了解した。また後でなグレイ』 ピッ
そう言ってグレイとレオハルトの通信は終わった。
「ふうう…」 ギシッ!
グレイは通信が終わると艦長席に深く腰掛けた。
ピッ ピピ タンタン ピコッ! ビビ!
「敵駆逐艦B探知圏外に出ました! 周辺空域に敵影なし!」 ピコッ!
「戦闘解除、ブレードナイト隊、全機帰還せよ!」 バッ
「アイサーッ、アルファー、アップル、アプリコット、全小隊帰還せよ!」 ピッ
『アルファー 了解』 ピッ
『アップル小隊 了解』 ピッ
『アプリコット小隊 了解』 ピッ
上空にいた全てのブレードナイトが、母艦である「ライデン」の着艦デッキへ消えていった。
「いったい…この世界で何が起き始めたんだ…」
グレイは着艦してくるブレードナイト隊を見て、今、起きている事の状況を考えていた。
・
・
・
ー演習場 「銀翼クラス」野営地ー
交流戦用野営地であったそこには、アニスと壊れて動けなくなった判定ドローンが2体、その内の一体は、EG-6、アニスの担当判定ドローンで自我意識を持っていたドローンだった。
「EG-6…」 ナデナデ…
ガサガサガサッ!
「ん? なんだ? 何か来る…」 スタッ!
ガササササーッ! バアアアーーッ! ピッ ピピ ヴオン!
シュー シュー ガシュンッ! ヒュウウウンン… ピッ ピッ
動かなくなったEG-6を、アニスは優しく撫でていたその時、真っ白な物体が森から現れ、アニスの前に着地した。そう、レオハルトとアウディが見失った白いブレードナイトだった。
「ん?……ブレードナイト?」
ピッ ジーッ! ピコ ヴオン!
『【アニス・フォン・ビクトリアス】だな、貴女を『ガーナ神』の名の元に、連行する』 ピッ
「ん? 連行? また『ガーナ神』か…しかし流暢に喋れるブレードナイトだな、君にも自我があるのか?」
『はははッ! ブレードナイト『アラドAR88』、神機兵に自我などあるわけが無い、面白いことを言うやつだな』 ピッ
「『アラド』? 神機兵? 自我がない…じゃあ、お前は誰だ! 中にいるブレードライナーなのか?」 ザッ!
『貴女に名乗るな名どないが、ブレードライナーではない、我々は『ガーナ神』様の為に存在する、聖なる軍団である』 ピッ
「聖なる軍団ねえ…ブレードライナーでないのにブレードナイトに乗って操縦できるのか?」 はて?
『ふふふ、確かに、操縦はしているが、中には乗ってなどおらん!』 ピッ
「乗ってない? どうやって…」
『知らぬだろうが、リモートという技術だッ!』 ピッ
「リモート? なんだそれ?」
『ふふふ、遠隔操作だよ。我々は危険を冒してまで戦ったりはしない、こうして遠隔操作でブレードナイトや戦闘艦艇を操り事を成す。実に人道的、平和的だと思わないか? 『我が教団の被害は最小、我々の障害となる者達への被害は最大に』という事だッ!』 ピッ
「障害? それはお前達教団の勝手な解釈じゃないのか?」
『なるほど、大司教…いや我が教皇様が仰った通りの娘だな…この神機兵を前にして、それ程の気質と言動、物怖じしない態度、『連れてまいれ』の指示にも納得がいく!』 ピッ
「ん? そういえば、【ラステル】と【レイラ】を攫ったのもお前達か?」 ザッ!
『ほうう、そこまでわかってるのか、これはますます貴女を教皇様の前に連れて行かねばならんな!』 ピッ
「遠慮しとくよ、教皇の所には私自ら出向くし、ラステルとレイラは私が取り戻す! だから、お前は帰れ!」 スッ!
『はははッ! 本当に面白いやつだ、その気丈、いつまで持つかな? だが、私もこのまま帰れないのでね!』 ピッ
ギュオオンッ! ガシュン ビシュウウーッ! ブオン ブンッ!
『貴女を連れて帰る! その体、五体満足でなくても連れて行くぞッ!』 ピッ ヴオン!
アニスの前に立ちはだかっていた白いブレードナイトは、いきなりフォトンソード、ライトニングセイバーを起動し、アニスにそれを突きつけた。
ヴオンンン…ジジジジ…
「わかった…相手になる…」 ザッ! スッ チャキッ!
アニスは突きつけられた巨大なライトニングセイバーをものともせず、自身の腰裏にある神器「アヴァロン」を抜き構えた。
「手加減なしだけど、いい?」 グッ!
『はははッ!この神機兵とやりあう気か? 正気とも思えんが、その心意気はよし。いいだろう、掛って来るがいい!』 ピッ ガシュンッ! ヴオン!
「じゃあ、《縮地!》神級迎撃剣技ッ!…」 シュンッ! シャッ!
『なにッ! 消えただとおおッ!』 ピッ ガシュン ガシュン!
シュンッ! パッ!
「ん、《ガイエリアス.ファングッ!》」 シュザッ! シュバアアアーーーッ!
ビーッ! ビーッ!
『後ろだとおおおー-ッ!』 ピッ ガシュン! クルッ ギュアン!
アニスは、神機兵の眼前から一瞬で消え、その背後に現れた瞬間、神器「アヴァロン」を使い神級剣技を放った。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。