第187話 アニスの決意
ー交流戦 演習場出口付近ー
ザザッダダッ! ガサガサ バサバサッ! ダダッ!
ハアハアハア! ババッ! ダダッダダッ! ハアハアハア!
アニス達が食事をしていた頃、この演習場の出口の1つ付近に、1人の男が息を切らし走っていた。
「ハアハアッ! クッ…クソッ! あの司祭めッ! なにがッ『我が教団の最強の象徴』だッ!どれもコレもなんの役にも立たなかったではないかッ!」 ザザッ!ダッ! バサバサッ!
文句を言いつつ、血走った目を見開き、暗くなってきた演習場を出口に向かって走っていたこの男、「金扇クラス」の交流戦メンバーで、アニス達に魔核弾頭「アトム」を撃ち込んだ【レスター・フォン・ランバート】だった。 彼は「ガーナ神教団」司祭に促され、アニス達を攻撃したのだが、そのどれもがアニスやレオハルト達に阻止され、その司祭も逃げてしまったため自身も逃げている最中だった。
ガサガサ ザザッ! ダッ! ザザーッ
「ハアハア、と、とにかくここまで来れば暫くは見つかるはずない、ハアハア…す、少し休もう、ハアハア…」 ドサッ!
彼は息を切らし走り疲れたのか、その場にあった岩に腰を下ろした。
ハアハアハア… ふうふう…
ガサガサッ! ガシュンッ!
「うッ! 誰だッ⁉︎」 ババッ! ジャキッ!
走ってきた方向の草藪が揺れ、何か音がした。彼はそれに反応しフォトンライフルを構えた。
ガサッ バサバサッ! ガシュンッ! ブオンッ! ピッ
『【レスター・フォン・ランバート】無許可武器仕様、判定『失格』退場シテクダサイ』 ピッ
「な、なんだ、判定ドローンのEG-8じゃないか…驚かせやがって…」 サッ
そこに現れた判定ドローンEG-8を見て、レスターは銃を下ろした。その時、反対側から声が聞こえてきた。
「困りますなあ、勝手な事をしてもらっては…」 ガサガサ ザッ ザッ!
「誰だッ!」 ババッ
「ふふふ…レスター殿…わたしですよ」 ザッザッ ピタッ
「なッ⁉︎ 貴様ッ! どこに逃げておったッ!」 ババッ
そう、そこに現れたのは白い神官服を着た「ガーナ神教団」の司祭、【ダナトス・デルニア】がそこに立っていた。
「おや、正気に戻られたようで、随分とお疲れのようですなあレスター殿、ふふふ」 ニッ シャッ!
「貴様あ… ウッ!」 ドシュッ!
「あなたの役目は終わりました。まあ、『薬の効果』と『アトム』の試験評価をしていただいた事に関しては礼を言いますぞ、レスター殿」 ふふふ…
「うがッ ぐうう…く、薬だと…」 ガクンッ ドサッ! ボタボタボタ!
レスターはダナトスに短剣で刺され、血を流しながら膝から崩れていった。
「ええ、そうです。あなたには本当に感謝していますぞレスター殿、我が教団が開発した『神薬』、誰もが服従し、我々の意のままになる薬『ベルザリオ』、よく効ききましたぞ、ですが最後がいけなかった。少し感情的になると、ああも制御出来ないとは…薬に改善の余地がありそうですなあ…」 ニヤ
「私を…私を実験台にしたのかッ!」 ブルブル ポタタ…
「実験台だなんて人聞きの悪い、私はあなたにほんのちょっと、気分を良くなってもらうためにあの薬を食事に混ぜただけですよ、レスター殿」 ニヤニヤ
「しょッ、食事にだとッ! こ…この様な事をして…タ、タダで済むと思ってかッ⁉︎」 ググッ ボタボタ…
「ああ、私なら大丈夫ですよ、誰も見ていませんしね」 サッ!
「うう…は、判定ドローンが…監視…してるぞッ!…」 うう…
「判定ドローン、こいつの事ですかな?」 ザッ ザッ ゴンゴン!
ダナトスは判定ドローンEG-8に近づき、EG-8のそのボディーを拳で叩いた。
ピッ ピピ ピコン
『問題アリマセン、正常デス』 ピッ
「なッ⁉︎… 」 ボタボタ…
「ね、言ったでしょ、わたしは大丈夫だと」 ぐふふ
「なぜ…判定ドローンが…」 ウググ…
「おや、もう長くはありませんな、なにも知らないでは心残りでしょうな。 私からの慈悲で 教えて差し上げましょう」 ニヤ
「はッ?…い、いったい…なにを…」 ポタポタ…
「フフフ、このEG-8ッ! あなた方はコレを判定ドローン、EG『Egutable Gradener』(公正な採点者)と思っているそうですが、本当は違うッ! コレらの本当の正式名称は、『Epoc Governanser』(新時代を支配する者)我々『ガーナ神教団』と共に活動する、我らの神兵なのだッ!」 ガハハハ!
「なッ…わ、私は…いったいなんの…為に…いた…の…」 ガクンッ ドサッ…
ダナトスに全てを聞き、レスターは後悔の念を抱きながら、その命を消した。
「ふむ、死におったか…EG-8よ、この者の始末と報告を頼む、穏便にな!」 サッ
ピッ ピコン
『【レスター・フォン・ランバート】、自責ノ念ニ駆ラレ逃亡、行方不明ト認定シマス』 ピッ
「ふむ、良いだろう それで報告とこの者の処分をしておいてくれ!」 クルッ! ザッ ザザッ!
ピッ ピコン
『問題アリマセン、全テ正常デス』 ピッ ガシュン ガシュン ギュイン!
ババッ! バウウウウーーッ!…
ダナトスがその場から去ると、EG-8は、亡骸となったレスターを抱え、何処かへと飛んでいった…
・
・
・
ー交流戦 「銀翼クラス」野営地ー
食事の済んだアニス達は、夜も更けてきたので、その場に焚き火を焚き、野営テントを3張り建て、野営に備えていた。レオンとアラン達男性陣は、野営テントを張った後の休憩で、焚き火を囲んでコーヒーを飲んでいた。 アニスとジェシカはかまどの辺りで夕食の片付けをしていた。
カチャカチャ ゴシゴシ キュ キュ
「ん、コレでよし! ほいッ!」 サッ! シュワアアンン! スッ ススッ!
アニスは洗い終わった食器や調理器具類を異空間に放り投げしまっていった。
「はああ…ほんと、便利よねえ、その能力」 はああ…
「ん? なんだジェシカも持ってるじゃないか?」 スッ
アニスはジェシカの腰にある小さなポーチを指さした。
「ああコレ、コレも収納魔法の魔道具なんだけど…」 ん〜
「だけど、どうしたんだ?」 うん?
「アニスちゃんのように、大量には入らないのよ。そう、この魔道具、ポーチ内は5m四方くらいの空間だから…」 ナデナデ
「5m四方か…確かに私のそれよりはるかに小さいな、だが、誰でも持てるのではないのだろ?」
「ええ、能力のない私達にはこの魔道具を持つのが精一杯、アニスちゃんやレイラ先生のように、能力を持ち、魔力さえあれば、いくらでも入るんだけどねえ」
「あ…そうだな…(私の場合は異空間庫だから無限に入るんだけどな)」 ははは…
「それよりアニスちゃんッ!」 ギュッ!
「えッわッ! な、なにッ!」 ギュッ!
ジェシカにいきなり両手を掴まれアニスは驚いた。
「なにじゃないわよッ!」 ババッ!
「えッ⁉︎」 ピク
「レオンさんの事よッ! 返事ッ! するんでしょッ!」 ギュッ!
「えッ あ、ああ…うん、どうしようかと…」 うう…
「私はお似合いだと思うわ♡」 ニコ
「ジェシカ…そう…ありがとう…」 カア…
「頑張って、私、応援するから♡」 ウフ♡ ニコニコ
「ん…ちょっと、考えてくる…」 トボトボ…
「そうね、しっかりねッ!」 サッ! タタタタッ!
そう言ってジェシカはレオハルト達の焚き火の方にかけて行った。
「レオンとか…」 トボトボ テクテク…
アニスはレオハルトの事を考えながら、辺りを歩き始めた。
テクテク トボトボ ガサガサ テクテク…
「(ん〜、レオンは悪いヤツじゃない、いや、一緒にいるとこう…なんか落ち着くんだ! だが、それだけで一緒に…レ、レオンのお嫁さんになると言うのは…良いのかなあ…)」 テクテク ガサガサ
アニスは色々考え事をして歩いていると、そこに声をかけてきた者がいた。
『Lst.アニス今晩は、どうしたのですか浮かない顔をして?』 ピッ
「えッ⁉︎ あッ『アウディ』、君かあッ!」 タッ! スッ!
アニスが立ち止まり、声の聞こえた方を見上げると、そこにはブレードナイトの「アウシュレッザD型FAR アウディ」が地面に片膝をてて待機していた。
『Rog.久しぶりですね。お体の方は良いですか?』 ピッ
「ん、大丈夫だよ」 コクン
タタタッ! ヨジヨジ よっと…スタッ!
アニスは「アウディ」に駆け寄り、よじ登って彼の肩に座った。
「アウディ、君の方はどうだい? 機体に異常はなかった?」 スリスリ…
「Rog.もちろん、異常などありません。貴女が創造した機体ですよ、そんな事あるわけがないじゃないですか』 ピッ
「そうか…じゃあ、しっかりと彼を…レオンを守ってくれているんだ…ありがとうアウディ」 ニコ
『Rog.それが貴女から命じられた唯一の命令でしたから、当然です』 ピッ
「ん、そうだね…」 コクン…
『Lst.アニス、いつもと様子が違いますね』 ピッ
「ん、そうかな…やはり君には分かるのかな?」 フッ
『Rej.違います。アニス、貴女は何者ですか? なんの為にここにいるのですか? 自分が誰か思い出してください』 ピッ
「えッ⁉︎ アウディ?」 スッ
『Lst.アニス、貴女の感情に何らかの変化を感じます。感情の起伏現象が激しく起きており、隆起、沈降が大きくなっています。対処してください』 ピッ
「私が? えッ! ちょっと待て…(私は…アニス…いや違うッ!、私は…そうだッ! 私は、私は創造者【アニライトス・ディオ・ジオス】、神をも超える唯一無二の存在ッ!)」 ババアッ!
『Lst.思い出しましたか? 我が創造者ッ! アニス!』 ピッ
「ああ! 私は創造者ッ! 6大女神の1人、女神【エレンディア】が作りし少女、アニスの身体になった創造者【ジオス】だッ!」 スクッ ババッ!
『Rog.そのとうりです、我が主人。いったいどうしたのですか?』 ピッ
「ん、ああ…多分このアニスの身体と周りの者達の影響だろう。すっかり少女になっていた…いや、この身体にはもうすでに…やっぱり、目覚めていたんだな…」 あはは…
『Rej.アニス、それはどう言った意味でしょうか?』 ピッ
「ん? ああ…すまんアウディ、この事は君が生まれる以前、今から500年以上前の事だッ!」 ニコ
『Lst.500年ッ!この世界の初期の頃の事ですか?』 ピッ
「ん、しかし、よく気がついたな?」
『Lst.最近のアニスは言葉使いが少しおかしかったからですね。少女だったり男性だったり、時には女性も、かなり混在してました』 ピッ
「う〜ん、そんな事が…自分では気が付かないものだな!」 ふむ
『Lst.それで、本当のアニスはどんな言葉使いなのですか?』 ピッ
「ん、そうだな…今の言葉使いが元の私なのだが、この世界の最高神、女神【ダイアナ】がな、この身体に合った口調をっと言うわけであのような喋り方をしてたんだ」 うん!
『Lst.ではアニス、コレからはどちらの言葉遣いをしますか?』 ピッ
「そうだな… やはり、ダイアナの言う通り、この世界の者にとってアニスの様な少女が男性口調はおかしいから女性、少女っぽくしよう。 まッ、たまに元の私が出るかもだがな」 ははは…
『Lst.それだけですか? 口調以外、他にもあると思いますが?』 ピッ
「流石アウディ、しっかり見てるな」 コクン
『Rog.やはり他にも?』 ピッ
「ああ、ある。先も言ったとうり、このアニスの身体は6大女神の1人【エレンディア】が作ったものだ」
『Rog.はい、そう聞きました』 ピッ
「だから、本当の私、ジオスは別にあり、この身体に収まってると言う事だ」
『Rog.理解します』 ピッ
「本当のジオスがあると言う事で、この【エレンディア】が作った少女に、アニスに別の自我が目覚めてしまったんだ」
『L、Lst.はい?…何ですかそれは? 理解が追いつきませんが?』 ピッ
「つまり、アウディ、君と同じなんだ」 ニコ
『Lst.私と同じですか?』 ピッ
「ん! どうも私は気に入った物に、気付かず自我を求めてしまう癖があるようなのだ」 うん…
『Rog.それについては否定しません。 例を挙げれば、私『アウディ』、カルディナ軍港、湾岸接舷ナビゲーションの『フリー』、そしてそこにいる判定ドローン『EG-6』、他にも気付かずにしているのでは?』 ピッ
「ん? EG-6?」 スッ!
ガサガサ ガシュン ガシュン ピッ ヴォン!
「あッ いたあ」 スッ!
ピッ ピコン
『アニス、コンナ所デ、何ヲシテイルノデスカ?』 ピッ
「ん、ちょっと考え事があってね、このアウディと相談してたんだ」 ニコ
『Lst.初めましてEG-6、ブレードナイトのアウディです』 ピッ
ピッ ピコン
『友軍機 ブレードナイト『アウシュレッザD型』ト確認シマシタ。私ハアニスノ守護ヲスル機動ユニット、『ガーナ神教団』製造、機体No.EG-6デス』 ピッ
「また『ガーナ神』かあ…アウディは何か知ってるかな?」
『Rog.私の知る限りですが、『ガーナ神』とは実在しない、この世界の者達が作った神の名で、一部の者が多数の者を従えさせる為に創り出した虚像の神です』 ピッ
「やはり存在しない神か…私も聞いた事がない名だなとは思っていたからなあ…」 ふむ
『Lst. 今や『ガーナ神教団』は、この世界全体にその名が広まり、各国にその神殿や教会などが点在しています』 ピッ
「ん? 世界全体? じゃあ、ダイアナは? この世界の本当の神、絶対神【ダイアナ】はどうなってるのだ?」
『Lst.『ガーナ神教団』から拒絶され、邪神扱いされています』 ピッ
「おいおい、そんな事をしたら【ダイアナ】から神罰が落ちないか?」
『Rog.その可能性は非常に高いと思われます、しかし、未だにそれらしい事は起こっていません。アニス、おそらく貴女がここにいると言う事が何か関係があるのではないのでしょうか?』 ピッ
「私がか?」
『Rog.私にとって、神とは貴女以外認めません。貴女の言う絶対神【ダイアナ】でさえ、貴女には逆らえないと確信しています』 ピッp
「ん、まあな、確かにあの娘ダイアナは、意見は言うが私には逆らわない、むしろ私に従う方だろうな…」
『Lst.やはりアニス、貴女は偉大な人だ。私も貴女にしか従いません』 ピッ
「ん? だけどレオンとはどうなんだ?」
『Rog.レオハルト中佐は特別ですね、彼は私にとって面白い友人の様なものです。またアニス、彼自身を貴女は私に守る様、指示を出されてます。何よりアニス、貴女が好きな男性ですから』 ピッ
「なッ! あうッ アウディッ!…」 カアアッ!
『Lst.アニス、やはり貴女はレオハルト中佐に特別な感情があるみたいですね』 ピッ
「うう…はああ…そうなんだ、アニスの中に彼を慕ってる部分がある、だが私はそれを拒否できない。コレが女性の持つ『異性を愛する心』恋心と言うものなんだろうな…」 はは…
『Rog.アニス、それで良いと思います。この世界で生きる貴女にとって、その感情は自然のことなんです』 ピッ
「そうか…そうだな、この世界にいる間はその流れに任せよう。 ん、アニスもその方がいいだろ?」 スッ!
トクンッ!
アニスは自分自身にそう問いかけ、右手を胸に当てた時、アニスの中から、アニスしかわからない声が聞こえた。
『(☆○◇…◎★□ッ?)』
「ん、やっぱりいたね。大丈夫、私がうまくやるから」
『(◇☆○◇☆?)』
「ああ、悪いようにはしないさ、それとも私がしようか?」
『(⁂☆★ーッ!)』
「あはは、冗談だよ。君は本当にレオンが好きなんだな」
『(○◇…◎☆○…?)』
「ん、そうか…わかった、レオンの事は任せろッ! いや、任せてねアニス」 ニコ
『(◎☆○!…♪)』
「うん、その時はよろしく」 ニコ
トクンッ!
『Lst.アニス、大丈夫ですか?』 ピッ
「ん、大丈夫だよ、何とかね… 」 コクン
『Rog.アニス、表情もよく、感情も安定してきました』 ピッ
「んッ! アウディ…とにかく私はこの世界にいる間、アニスとして、この世界の人々と共に過ごして行こうと思う。まあ成り行き次第、レオンの事もあるしね」 二コ パアアッ!
『Rog.そう、それがいいでしょう、それこそが貴女らしい本来のアニスの姿です』 ピッ
「んッ! EG-6もよろしくね」 コクン テンテン
ピッ ピコン
『アニス…了解シマシタ、ナオ、私ハコレヨリ接続ヲ切リ、独立行動ヲシマス』 ピッ
「ん? 独立? 良いの?」
『問題アリマセン、正常デス』 ピッ
「あははは、君はいつも正常だね」 テンテン
『Rog.流石はアニス、もう少女の仕草ができてますね』 ピッ
「ん、今後ともこんな感じだよ、よろしくねアウディ!」 サスサス
『Rog.了解です。 さあ、レオン達の所へ、みんな、待ってますよ』 ピッ
ぴょんッ! スタッ! パッパッ!
「ん、じゃあみんなのところに行くね」 サッ!
タタタ…
アニスはアウディの肩から飛び降り、服の乱れを直してから、レオン達のいる焚き火の方へかけて行った。
・
・
・
パチパチ メラメラ ボウッ! メラメラ…
ズズズッ ゴクン ふうう…
「はああ…(いきなり『一緒に来い』は強引すぎたか…)」 ん〜…
レオンは焚き火にあたりながら、コーヒーを啜り、アニスに告白した件について思案していた。
「隊長、大丈夫ですよ」 グッ
「うん? アラン何がだ?」 ズズ… ゴク
「いやだなあ、アニスちゃんの事ですよお」 ニヤ
ブホッ! ゴホゴホ
「なッ! 何故わかるッ⁉︎」 ハアハア
「だって、隊長…さっきからずうっとアニスちゃんの方見てますから」 ニヤニヤ
「はああ、バレバレか…まあ男としてはだなあ、告白した相手の反応が気になるのは当たり前だろ?」 タジッ
「あら隊長、それに関しては男も女も、関係ないですよ。女だって告白したら同じなんです!」 ババッ
「そ…そうか、そうだな、すまん…」 ペコ
そこへアニスが、アウディの元から駆け寄ってきて、レオハルトに話しかけてきた。
タタタ ザザッ!
「ん、レオン、ちょっと良いかな?」 ニコ
「おッ おおッ! いいぞ」 スクッ!
「じゃあ、私からの返事をします」 スッ
「おう! さあ来いッ!」 ババッ!
「「「 わああッ!(きゃあ♡)」」」 ザワッ! ドキドキ!
アニスに言われ、レオハルトはアラン達の前に出てきて、仁王立ちで腕を組み、アニスの返答に構えた。
「ん、じゃあ…」
まだ就寝前の夜、アニスはレオンに返事をした。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。