第185話 再会 アニスとレオン
ー交流戦 演習場上空ー
シュゴオオオオオーーーッ シャアアアアーーッ!
ピッ ピッ ピッ ピピッ!
「流石アニス、あの状況を元に戻したか…」 ピコッ! カチカチ
『Rog. レオン、アニスなら当然の結果だと思います。あの娘、アニスにかかれば、あの様な事は、造作も無い事です』 ピッ
「はは…そうだな…俺もそう思う…(わかっちゃいるが、こうして目の当たりにすると改めて、アイツの力は凄えぜ!)」 ギュッ!
交流戦演習場上空を警戒飛行していた【レオン】とブレードナイトの「アウシュレッザD 型FARアウディ」は、先程、地上において起きた出来事について会話をしていた。 突然起きた想定外の魔力拡散爆発、それに伴う高温と魔素毒の大地が、一瞬眩き、光ったと思ったら、元の大地に戻っていた。 その中心に、アニスらしき人影を捉えての会話だった。
ビッー! ビコビコッ!
「うん? どうしたアウディ?」
『Lst.レオン、アニスが危険です』 ピッ
「なにッ⁉︎ どういう事だそれはッ⁉︎」 ギュッ!
『Lst.先程の、大きな爆発の惨事を覚えてますよね』 ピッ
「ああ、でもそれはアニスが全部処理しちまったんだろ?」
『Rog、アレは完璧でした。しかし、今、それ以上の危険が迫ってます』 ピッ
「アニスでも無理か?」
『Rej.分かりません ただ…今、アニスに向かって禁断の力が迫ってます』 ピッ
「禁断の力? アウディ、詳しく言ってくれ」
「Rog.私のセンサーには、ブースター付き魔核弾頭『アトム』と結果が出てます』 ピッ
「『アトム』だとおッ! それを先に言えッ!」 グイッ! カチカチッ! ピッ!
ババッ! ヒイイイイッ!バウウウウウウウウーーーッ!
演習場上空を警護飛行していた【レオハルト・ウォーカー】中佐の「アウシュレッザD型FARアウディ」は、急旋回し、スラスターを全開にして、アニス達のいる方向へ飛んでいった。
キイイイイイ――ッ! シュバアアアーーーッ!
ピッ! ピピッ!
「こちらアルファー1ッ!『ライデン』コントロール・コンタクトッ!」 ピッ!
『こちら、「ライデン」コントロール受信ッ!』 ピッ
「緊急だッ! 艦長をッ! 【グレイ】中佐と変わってくれッ!」 ピッ
『アルファー1 了解ッ!』 ピッ
・
・
『グレイだッ! どうしたレオン?』 ピッ
「艦長ッ! すぐに『ライデン』を出してくれッ! その艦で中央管理棟に横付けしてフォトンフィールドを張るんだッ!」 ピッ
『なにがあった?』 ピッ
「何処かのバカが、魔核弾頭を撃ちやがった! 『アトム』だッ! その艦のフィールドなら防げる! 早急に頼む!」 ピッ
『「アトム」だとッ⁉︎ 今から動いて間に合うのかッ⁉︎』 ピッ
「大丈夫だ艦長ッ! 発射された『アトム』はロケットランチャー発射のブースター付きだッ!目標に当たる前にホップアップして、ロフテッド軌道になるッ! 上空10000mまで登って落下するやつだッ! 落下着弾まで後10分ほどあるッ! 万が一のことを考えて、中央管理棟他全員を保護してくれッ!」 ピッ
『わかった、「ライデン」は緊急発進する、お前はどうするのだ⁉︎』 ピッ
「俺は出来るだけの事をする、皇太子達は『アルファー3、4』を向かわせ退避させるッ!」 ピッ
『レオン…気をつけろよッ!』 ピッ
「ああ、任せろッ! オーバー」 ピッ
そう言って、レオンは強襲巡航艦「ライデン」との通信を切り、周辺空域にいる仲間、アルファー3、4に指示を出した。
「アルファー1よりアルファー3、4ッ! ケスラーッ! ハリスッ! 聞こえるかッ⁉︎」 ピッ
『アルファー3ッ! ケスラー大尉ッ!受信ッ!』 ピッ
『アルファー4ッ! ハリス中尉ッ! 受信ッ!』 ピッ
『『 隊長ッ! 』』 ピッ
「お前ら、聞いたな?」 ピッ
『『 はッ! 』』 ピッ
「よしッ! 俺とアシュリー少佐の2人で魔核弾頭の処理にあたる、お前らは皇太子殿下、及びアニス達の保護、脱出をしてくれッ!」 ピッ
『隊長達だけですか? なんなら我々も…』 ピッ
「ダメだッ! 皇太子を…アニスを頼むッ! これは命令だッ!」 ピッ
『『 了解しました 』』 ピッ
「頼んだぞ…」 サッ!
レオハルトの指示を受け、ケスラー大尉とハリス中尉のブレードナイト「アウシュレッザ」は、二手に分かれ、それぞれの救助対象者の元に飛んでいった。
「さて、アシュリー少佐、悪いが付き合って貰うぞッ!」 ピッ
『ふふ、アルファー小隊2番機として、当然ですわ…レオン隊長…』 ピッ
「すまない…よしッ! 行くぞッ!」 ピッ グイッ!
バウウウウウウウウーッ! シュゴオオオオオーーッ!
『了解ッ!』 ピッ グイッ!
バウウウウウウウウーッ! シュゴオオオオオーーッ!
レオハルト中佐とアシュリー少佐の2機のブレードナイト「アウシュレッザ」は、スラスターを全開にして、最大速度で目標に飛んでいった。
・
・
・
ー演習場 中央管理棟ー
そこには両交流戦メンバーの担任教師とアニスの姉、【レイラ・フォン・クリシュナ】他、多数の教師、職員が詰めていた。
「ううん…まだ映らないの!」 イライラ…
「もうすぐですッ!」 カチカチ ピピッ!
ピコ ピピッ! ポンッ!
「やった…映像ッ! 映りますッ!」 ジジッ! パッ!
今まで真っ黒な状態の大型モニターが輝きだし、アニス達の状況がそこに映っていた。
「やっと映ッ…ええッ⁉︎ どうなってるのコレは⁉︎」 バッ!
「そ、そんな…」 プルプル…
「どうなってるッ! 何ともなってないぞッ! 元のままだッ!」 ババッ
「生きてる…よかったああ…」 ペタン…
ザワザワ ガヤガヤ …
管理室内は、再び慌ただしくなった。大型モニターに映ったそこには、豊かな森や綺麗な小川など、先程の惨事が嘘のような状態で、絶望視されていた交流戦参加者も全員、何事もなかった様にそこに映っていたからだった。
「大気温度 21° 周辺空域に魔素毒の反応なしッ! 異常魔力消失! 全て標準値ですッ!」 ピコピコ
「参加メンバー全員の生存を確認ッ! 救護班出ますッ!」 タンタン ピコ
「一体これは…(いいえ、おそらくは、アニスちゃんね…あの異常なまでの膨大な魔力、こんな事ができるのはあの娘しかいないわ…まったく…なんて凄い娘なんでしょ)」 ふふ…
レイラはこの事態を収めたのがアニスだと確信し、そんなアニスの強大な能力に微笑んでいた。そんな時、また管理室内が騒がしくなってきた。
ビーッ! ビーッ!
「上空、700mッ! 表敬訪問艦、強襲巡航艦『ライデン』ッ! 降下してきますッ!」 ビコビコッ!
ピッ ブンッ! パッ
復旧した大型モニターには、上空からゆっくりと此方に降下してくる大陸艦隊所属の表敬訪問艦、強襲巡航艦『ライデン』が画面いっぱいに映っていた。
「『ライデン』がッ⁉︎ 一体…なぜ?…」 ジッ…
ビーッ! ポン
「『ライデン』より入電ッ! 映像通信入りますッ!」 ピッ
ブンッ! パッ!
『強襲巡航艦『ライデン』艦長の【アレックス・グレイ】中佐だ!』 サッ!
「グレイ、お久しぶりですね」 ニコ
『うん?…なッ! レイラ様ッ! なぜこの様なところに…』 バッ
「あら、私は帝都学園の教師ですよ、いてもおかしくはなくて?」
『うッ…確かに…そのとうりですな』
「それでなにがあったのですか?」
『おっとそうだッ! 緊急事態です! 今からこの管理棟自体を『ライデン』のフォトンフィールドで覆い尽くし防御しますッ! 衝撃に備えて下さいッ!』
「グレイッ! 一体なにがッ⁉︎」 ババッ
『話は後ですッ! とにかく衝撃体制をとってその場から動かないようにッ!』
「わかったわ、後で説明してください」
『了解しました!』 サッ! ブンッ!
「ライデン」から映像通信は切れ、管理室内は静まりかえっていた。
『全員ッ! 聞いてのとうりです。『ライデン』の指示どうり動いてください。後、『銀翼クラス』の準備棟にも使いを! 残ってる生徒を直ぐにここへ避難誘導してッ!」
「「「「「 はいッ! 」」」」」 ザッ!
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
ザワザワ ガヤガヤ バタバタ…
管理室内は再び慌ただしくなり、其々の責務をこなしていった。
「(巡航艦がフォトンフィールドを張ってまでなんて…アニスちゃん達は大丈夫かしら…)」
レイラは、演習場にいるアニス達の心配をしていた。
・
・
・
シュゴオオオオオーーッ!
「アルファー1より各機へ! 状況はッ⁉︎」 ピッ
『アルファー3 現着ッ! 皇太子殿下を捜索しますッ!』 ピッ
『アルファー4 現着ッ! アラン達と合流しますッ!』 ピッ
「よしッ! 急げよッ!」 ピッ
『『 はッ! 』』 ピッ
ピッ ビコビコッ! ピピッ!
「うん? アウディ、どうした?」
『Lst.レオン、魔核弾頭ホップアップッ! 急上昇加速、ロフテッド軌道に入りました。着弾まで約7分!』 ピッ
「大丈夫だッ! まだ7分もある」 ギュッ!
レオンとアシュリーの2機のブレードナイトは、魔核弾頭の予想落下ポイントに向かって行った。
ー交流戦 演習場ー
「殿下ッ! そちらは危険ですッ! 早く準備棟の方へッ!」 バッ!
「ええいッ! 構うなッ! 逃げたければその方達だけ準備棟に避難すれば良かろうッ! 私は行くぞッ!」 バッ! ザッ! ザッ! ザッ!
「「 殿下ああーッ! 」」 ババッ
アニス達のいた場所から少し離れた「金扇クラス」側の野営地で、皇太子の【ラステル】が1人、大きな魔力を感知した方向へと歩いて行った。その後ろから、同じ交流戦メンバーの【ラテッシュ】と【カロト】の2人が声を上げて、ラステルを止めようと叫んでいた。
シュゴオオオオオーーッ!
ピッ ピコッ!
「こちらアルファ―3、ケスラー、皇太子を発見ッ!これより保護、離脱するッ!」 ピッ
『ライデンコントロールよりアルファー3、了解、慎重に行動せよッ!』 ピッ
「そんな事、いわれるまでもないぜ」 カチカチ ピッ
バシュユウウウ―― バッ!バッ!
ケスラー大尉のブレードナイト「アウシュレッザD型F40ランサー改」は、皇太子ラステルの姿を確認すると、速度を落とし、地上へと降りて行った。
ババーーーッ! ガシュンッ! ピッ ピッ ピッ
「うわッ!いきなり降りてくるとは、この無礼者めッ!」 ババッ!
ヒュウウンンン… バクンバクンッ! ザッ!
いきなり近くに降り立ったブレードナイトから、コクピットのハッチを開け、中から1人の青年ライナーが出て降りてきた。
「ご無礼いたしました、皇太子殿下、大陸艦隊、強襲巡航艦『ライデン』所属、アルファー小隊3番機【ケスラー・ハイトレット】大尉で御座います」 サッ!
「ムッ! 大尉だとッ⁉ 高級士官のあなたがなぜこの様な振る舞いを⁉」
「はッ! 殿下、緊急事態です。あちらのご学友と一緒に、このブレードナイトにて避難をしてください」 サッ
「避難だと?」
「はッ、(堅っ苦しいのは苦手なんだよ、早くしてくれ!)」 ニッ!
ラステルは、後ろにいた2人とケスラーの両方を見て決断した。
「危急の様だな…」
「はッ!」
「わかった…大尉、あなたに任せよう」
「了解しましたッ!」 サッ
ヒイイイイイッ! バウウウウウーーッ!
アウシュレッザのコクピットには4人はきついが乗れなくもなく、その場にいた全員がケスラー大尉の機体で避難をしていった。 その一方、アニス達のいた「銀翼クラス」の野営地には、ハリス中尉が降り立っていた。
シュウウウウ…. ピッ ピッ ガシュンッ! バクンバクンッ! ザッ!
「さッ!早く乗ってください!」 バッ!
「ハリス中尉」 テクテク
「ア、アニス少佐ッ!」サッ
「「「「「 少佐ああーーッ⁉ 」」」」」 ザワッ!
「ん、その少佐はなしッ!」 ビシッ
「え、いや…しかし…」
「いいから!なしッ!」 ジッ!
「は、はい」
「で、ハリス中尉、避難とは?」
「はい、間も無くここに魔核弾頭が落ちます」 サッ
「「「「「 魔核弾頭ッ! 」」」」」 ババッ!
「魔核弾頭? なんだそれ?」 うん?
「危険なんです、だから早く、こいつに乗れるだけ乗って避難をッ!」 バッ!
「「「「「 えッ! 」」」」」 ザワッ!
アニス以外の者が、絶望視していた。(どう頑張っても3人、それ以上は…)と言う感じだった。
「ん、ハリス中尉」
「アニス…さん、何でしょうか?」
「私と英雄の3人を残して、ジェシカとザッツ、それとヒルツだったかな? この3人を乗せて避難しなさい!」
「「「「「 アニスちゃんッ! 」」」」」 ババッ!
「ん?」
「私、アニスちゃんとジェシカ達を残して行けないよ!」 うう…
「アルテ…ありがとう でも大丈夫よ」 ニコ
「ジェシカ…」 うう…
「そうだぜ!それとザッツ、お前もだ、早く避難しろ!」 ザッ
「アラン…いや、お前が残るんなら俺だって!」 ババッ!
「今のお前じゃダメだッ!」 バッ!
「アランッ! どう言う意味だッ!」 バッ!
「ん、アラン、君は障壁を張れないだろ?」
「えッ…転入生…障壁ってあの魔力をふんだんに使う魔力障壁のことか?」
「アニスだ…そう、その魔力障壁、君は張れるのか?」
「く…そ、それは…」 うう…
「ちなみに、アランやマイロ、ジェシカの3人はしっかり張れるよ」
「アラン達がッ⁉︎」 バッ!
「ん!」 コクン
「本当なのジェシカ…」 スッ
「ええ…私達3人共、張れるわ…それも結構強力なやつが…」 コクン
「そっか…もうそんなにも力の差がついちゃったんだ…」
「ウソだッ!俺はそんなの認めないぞッ! 俺だッ うッ!」 シュンッ!
トン! ドサッ!
イキリ叫んでいたザッツの背後に、アニスが一瞬で現れて、彼の首元に一撃を与え、彼の意識を刈り取った。
「「「「 アニスちゃんッ! 」」」」
「ん、悪いが時間がないんだ、ハリス中尉、彼を頼みます」 ザッ
「えッ! あ、はいッ!」 ダダダッ! スクッ!
ハリス中尉は気を失って倒れているザッツを抱え、愛機のブレードナイトに運び込んだ。
「アルテもハリス中尉の機体に乗って」
「アニスちゃん…わかったわ、また後でね!ジェシカもッ!」 サッ! タタタッ
「ええ、アルテまたね…」 サッ
バクンバクンッ! ヒイイイイインンンッ! バウウウウウーーッ!
アルテ、ザッツ、ヒルツの3人は、ハリス中尉の機体で避難して行った。
「ん、さて諸君、ちゃんと障壁は張れるのかな?」
「はは…実はまだしっかりとは…」 ポリポリ…
「私もです」 えへ…
「僕もですね…」 フリフリ…
「じゃあ、宣言どうり、『強力な魔法障壁』が張れる様になろうか」 ニコ
「「「 ええーッ! 今⁉︎ 」」」 ババッ
「ん? いや、あの物騒な物を始末してからかな、どうやろうかな…」 スッ!
「「「 えッ⁉︎ 」」」 くるッ! ババッ!
キイイイイイーーッ! ギュワアアアーーーッ!
アニスが指さした方向を3人が振り返り見上げると、遥か上空のそこには今まさに高速落下中の魔核弾頭があった。
「「「 ぎゃあああッ! 魔核弾頭だああッ! 」」」
「さて…」 ザッ
アニスが腰裏の神器「アヴァロン」に手を掛け構えた時、アニス達の上空をものすごい勢いで通り過ぎた二つの大きな影があった。
シュゴオオオオオーーッ! バババアアアーーッ! ピッ ピピ
『よおッ! アニスッ! ここは任せろッ!』 ピッ シュババアアーーッ!
『ハ〜イッ! アニスちゃんッ! そこで待っててね』 ピッ ビュウウウーー!
アニス達の上空を2機のブレードナイトが通り過ぎて行った。
『Lst.アニス、お久しぶりですね、あとはお任せください』 ピッ
「レオンッ! アウディッ! アシュリーもッ! 相変わらずですね」 ニコ
「おいッ! 隊長達だぜッ!」 バッ!
「ああ、また何かするつもりだよ、あの人は」 はああ…
「でもでも、アシュリー少佐もいるのよッ! 絶対大丈夫よッ!」 ギュ!
シュバアアアアーーッ! ピッ ピッ ビコビコッ! ビッ!
「よしッ! よく捉えたアウディッ! 流石だなッ!」 ギュッ!
『Rog.レオン、目標は時速400km程度の速度です、私からしたら止まっているのも同然の標的です』 ピッ
「はいはい…全くお前は製作者そっくりだよ! 凄え凄えッと! 行くぞ!」 グイッ! ピピッ! バウウウウウーーッ !
『Rog.目標補足ッ! フォトンソードッ! 最大出力ッ!』 ピッ ピピピピピ!
『隊長ッ! 目標、捉えましたわッ!』 ピッ
「いくぜッ! アシュリーッ! 俺がやつの弾頭をぶった斬るッ!お前はそれを受け取れッ!」
『了解ッ!』 ピッ グイッ! バウウウウウーーッ!
キイイイイイーーッ ギュワアアアーーッ!
ピピピピピ ビコビコ ピーッ!
「今だあああッ!」 カチカチ ギュッ グイッ!
ブオンッ! ビシュウウーーーッ! ジュザンッ! ババアアーーッ!
『Lst.魔核弾頭、起爆信管と共に本体より切断を確認ッ!』 ピッ
「よしッ! アシュリーッ! 受け取れええッ!」 バシュウウウーーッ!
『了解ッ!』 シュバアアアアーーッ! ガシイイッ!
『Lst.アシュリー機、魔核弾頭、起爆信管部を捕獲、確認しました』 ピッ
「やったぜえッ! 後はコイツで終わりだああッ!」 ピッ ビコッ!
ジャキッ! ヴァムヴァムヴァムッ!
ドンッ! ガンガンッ! ビキッ! ドガアアアアーーンッ!
「よっしゃああーーッ!」 ビュウウウーーッ!
レオンは魔核弾頭「アトム」の起爆信管と弾頭部分をブレードナイト用フォトンソード、ライトニングセイバーで即座に切り落とし、残った推進部、ロケット本体をブレードナイト用フォトンライフルで射撃し撃ち落としてしまった。
『Lst.目標を完全破壊、緊急事態は解除、レオン、貴方は本当に凄いですね、あの様な小さな物を正確に斬り、撃ち落とすなんて…』 ピッ
「うん? アウディ、俺は凄かねえよ。 本当に凄いのは俺やお前に、この力や能力をくれたアニスだよ」
『Rog.それには同意します。アニスは神なのですから』 ピッ
「またお前はそんな冗談を…まあ確かに、俺にとってもアイツは神…いや女神…かな」 ニコ
『隊長! 作戦終了です。帰還しましょう!』 ピッ
「ん〜、アシュリーすまん、俺は一旦下に降りる、先に帰ってソレを処分してくれ」
『ああッ! また1人だけなんか楽しい事しようとしてるッ!』 ピッ
「ちッ ちげえよッ!」
『はっは〜ん、アニスちゃんでしょ? 隊長も隅におけないわねえ♡』 ピッ
「ああッ! 早くそいつを持って帰還しろッ!」 バッ!
『はいはい、邪魔者は行きますね、レオン隊長♡』 ピッ バウウウウウーーッ
弾頭部分を持ったアシュリーの機体を見送ると、レオンは自身のブレードナイト「アウシュレッザD型FARアウディ」を、地上に向かって下ろして行った。
バウウウウウーーーッ シュウウウウ… ジャキンッ! シュウウウウ…
バクンバクンッ! ザッ! ヒョイ!
アウディのコクピットからレオンが降りてきて、アニス達の方に手を挙げ、声をかけた。
「よおおッ! アニスッ! 元気してたか?」 サッ!
バッ! タタタタッ! ガバアアッ! ギュウウッ!
「レオンッ! レオンレオンッ!」 ギュギュウウウウッ!
アニスはレオンの姿を見て、急に走り出し思いっきり彼の名を叫びながら抱きついた。
「うおッ!…アニス…また会えたな…」 ナデナデ…
「うう…レオン〜…会いたかったよおおお…」 エグ…エグ…
アニスは久しぶりのレオンの温もりを感じ泣いてしまっていた…
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。