第181話 交流戦1日目
-交流戦演習場上空ー
キイイイイイーーーッ バウウウウーーッ!
アニス達3回生の交流戦が始まった演習場上空を4機のブレードナイトが上空警戒として飛んでいた。
『こちらアルファー1、演習場上空異常なし』 ピッ
『ライデンコントロールよりアルファー1へ、了解、引き続き上空警戒をしてください』 ピッ
『アルファー1了解、引き続き上空警戒にあたるオーバー』 ピッ
『ライデンコントロール了解 アウト』 ピッ
シュバアアーッ!
上空警戒に当たっていたのは、レオハルト中佐率いる強襲巡航艦「ライデン」所属の、アルファー特別小隊のブレードナイト隊だった。
強襲巡航艦「ライデン」 ブレードナイト「アルファー特別小隊」
指揮官 レオハルト・ウォーカー中佐 「アウシュレッザD型FAR アウディ」
アシュリー・ヴァン・ケリー少佐「アウシュレッザD型R2 レグザ」
ケスラー・ハイトレット大尉 「アウシュレッザD型F40 ランサー改」
ハリス・カルヴィー中尉 「アウシュレッザD型LS ビエラ」
シュバアアアアーーッ! ゴオオオオーーッ!
「ふむ…始まったようだな…」 ピッ ピコ!
『隊長ッ! こうやって編隊を組んで飛ぶと、以前の『ライデン』小隊を思い出しますね』 ピッ
「ああ、思い出すなあ、俺とアシュリー、ケスラーとハリスの2機編隊、2セットの一個小隊、最強の『ライデン』アルファー小隊だったな…」 ピッ ピコン!
『そうですわねえ、いやああの時は楽しかったわあ…階級に縛られず、自由に動けましたものねえ…』 ピッ
『アシュリー少佐は自由すぎたんですよッ! 貴女の自由のせいでレオン隊長がどんだけ艦長や軍上層部に怒られたか….』 ピッ
『なによお、もう済んだことにグダグダ言わないのッ! そんなんだと女の子にモテないぞお…』 ピッ
『なッ! アシュリー少佐こそ、恋人1人いないじゃないですか』 ピッ
『あらん、私の心配をしてくれるなんて、随分と言うようになったわねケスラー』 ピッ
『いや、そう言うつもりじゃあ…はは…』 ピッ
「やれやれ、まあいつものことか…コイツらは階級が上がって部下もおり、それぞれの小隊長だってのに…こう言う集まりになると、昔とちっとも変わらんな..」 ククク
『Lst.レオン、なにがそんなにおかしいのですか?』 ピッ
「ああ、アウディーすまん、なに昔を少し思い出してな」
『lst.昔? アニスと出会う以前の事ですか?』 ピッ
「そうだ、まだ俺が少尉に任官したばっかりの頃さ」
『Log.確かに昔ですね、その頃は私もアニスもいませんでしたから』 ピッ
「うん?アウディ、お前はともかく、『アニスがいなかった』とはどう言う事だ?」
『Rej.その質問には答えられません』 ピッ
「ふむ、相変わらず謎が多いんだよなあ、アニスもおまえも…」
『本当、聞いてると隊長のアウシュレッザって特別よねえ』 ピッ
『全くだ、まるで人間みたいに対応するもんな』 ピッ
『隊長、どうしたんですかその機体?』 ピッ
「ん?まあなんだ、この機体はあるヤツから借りてるんだ、正式には俺のじゃない!」 ピッ
『『『 えッ⁉︎ 』』』 ピッ
『隊長、それはどう言う事ですか?』 ピッ
ビーッ!
『Lst.左舷地表付近、戦闘による発光点』 ピッ
「全員、おしゃべりは後だ、交流戦戦闘が始まった。周囲警戒を厳とせよ!」 ピッ
『『『 了解ッ! 』』』 グイッ! バウウウウーーッ!
「ライデン」特別小隊は、周辺空域を広範囲に警戒するため、各ブレードナイトのスラスターを全開にして、編隊を解き、大空に広がっていった。
ヒイイイイーッ! ピコ ビコビコ!
「さて、ラステル…お手並み拝見といきますか…」 グイッ! ピッ バウウウウーーッ!
レオハルト中佐の「アウシュレッザD型FARアウディ」は、高度を下げ、交流戦の会場である演習場に近づいていった。
ー交流戦演習場内ー
ドゴオオオオンン! パラパラパラ…
「よしッ! 掛かったッ! ラルクッ! フィンッ!援護射撃ッ! ヒルツッ! 俺と一緒に突っ込むぞッ!」 ババッ!
「「 了解ッ!援護射撃ッ! 」」 ダンッ ダンッ ダンッ!
「よしッ! 今だッ!」 バババッ!
「おうッ!」 ババッ!
交流戦の先端は、「銀翼クラス」のメンバーが張った罠に「金扇クラス」のメンバーがかかり、その爆発から始まった。
ザッ! ダダダッ! チャキッ! ドンッ ドンッ!
「銀翼クラス」のリーダー、【ザッツ・フォン・ユンカース】は【ヒルツ・フォン・モーゼル】と共に、爆発のあった所へ、突撃用フォトンライフルを撃ちながら突っ込んで行った。
モクモク モヤモヤ… ユラッ!
「いたッ! そこだああッ!」 ヴァムッ ヴァムッ ヴァムッ!
爆煙の中に人影らしきものを見たザッツは、すかさず手に持っていた突撃用フィトンライフルをセミオートで撃ちまくった。 が、煙が晴れ、銃弾が襲ったそこには誰もいなかった。
「くそッ! 確かにいたはずなのにッ!」 バッ!
とその時、ザッツの背後に1人の男子生徒が現れた。
シュンッ! ザザッ! チャキッ!
「確かにそこには俺がいたさッ!【ザッツ】」 ニコ!
ババッ クルッ⁉︎
「なッ⁉︎ アッ…アランッ!」 ザザッ!
「じゃあなッ!」 ドンッ!
「わあああーッ!」 ビシッ! ビリビリビリッ! クタ…バタン…
ピッ ピコン
『【ザッツ・フォン・ユンカース】胸部ニ銃撃、判定『即死』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
判定ドローンのEG-12が、登録者であるザッツに、判定を下した。
「悪いなザッツ…もう、お前と俺とは実力差があり過ぎるんだ…さて次はッ!」 シュンッ!
アラン、マイロ、ジェシカの3人は、数週間前まではザッツ達と何ら変わらない同級生同士だった。しかし、彼等はアニスによって、その能力、魔力、身体機能の全てが向上し、もう学園生であるザッツ達とは雲泥の差がついてしまっていた。
先程も、ブレードライナーでもほんの一握りの者しか使えない体技、《縮地》を使い、襲って来たザッツを交わし、瞬時に彼の背後に周りフォトン銃を1発、ザッツの胸元に撃ち込んだのであった。
ザッ! ザザザザッ! ババッ!
「いた、たしか…【ヒルツ】に【フィン】か…」 シュンッ! チャキ
高速で移動中のアランが次に見つけたのは、ザッツと行動を共にしていたヒルツとフィンの2人だった。彼等にもアランの動きが見えず、接近を許してしまった。
ババッ! ザッ! チャキ! ドン ドンッ!
「ぎゃッ!」 ビリビリ! ドタン…
「うわッ!」 ビリビリ! バタン…
ピッ! ピッ!
『【ヒルツ・フォン・モーゼル】腹部ニ銃撃、判定『5分後ニ死亡』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
『【フィン・フォン・キーゼル】左脇腹ニ銃撃、判定『出血多量ニヨリ行動不能、約15分後ニ死亡』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
「ふうう…俺の分はここまでかな、さてアイツらはちゃんとやってるかな…」 シュンッ!
あっという間に、アランは3人の「銀翼クラス」のフォワード3人を倒して消えていった。
・
・
・
シュンッ! バシイイッ! ビュンッ! ブオンッ ブオンッ!
「流石はアレッタ、よく交わしましたね」 ビュンビュンッ! ブオンッ!
「ハアハアハア…ジェ、ジェシカッ! ハアハア…流石英雄と呼ばれるだけの事はあるわねッ! ハアハア…」 ブオンッ!
ザッツ達とは少し離れた所で、英雄のジェシカと「銀翼クラス」のアレッタが、ライトニングセイバーを手に戦っていた。互角に見えるが、全力のアレッタに対し、ジェシカの方は、まだ本気を出していなかった。
ブオンッ! ブンブンッ! クルクルッ パッ!
「ジェシカッ! 全力で行くわよッ!」 ブオンッ! ババッ!
「ええ、アレッタ、本気で来なさい!」 ブン! ピタッ!
「はああああッ!」 ブオンッ! ダダダダッ!
ライトニングセイバーを派手に振り回し、アレッタはジェシカに切りかかっていった。それに対し、ジェシカは、ライトニングセイバーを構えたまま微動だにせず、切りかかってきているアレッタをジッと見ていた。
「ふふ…(少し前は、私もこんなんでしたね、力の差がこうも有ると、相手の動きがこんなにも遅く感じるんですね)」 ブオンッ! シュンッ! ババッ!
「はあああッ! えッ⁉︎ 消えたッ!」 ブンッ!
アレッタがライトニングセイバーを、ジェシカに向け振り下ろした時、ジェシカは一瞬にアレッタの目の前から姿を消した。
「どッ! どこにッ!」 ブオンッ! キョロキョロ
シュンッ! ザッ!
「アレッタ、ごめんね!」 ザシュッ! シュバアアーッ!
「えッ⁉︎ キャアアアアーッ!」 ザバアアアアー! ビリビリ! ストン…
ピッ ピコン!
『【アレッタ・フォン・サイマン】腹部裂傷ニヨリ行動不能、判定『即死』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
「ふうう…アレッタ、またね」 スッ! シュンッ!
ジェシカは地面に倒れているアレッタに軽く手を触れ、その場から高速移動で消えていった。
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「はああッ! このッ このッ このッ!」 ドンッ ドンッ ドンッ!
シュンッ! シャッ! シャッ! ダダダッ!
「うん! 当たらない 当たらないッ!」 ヒュンッ! シュンッ!
そこには、高速移動で飛んでくるフォトン弾を交わし、「銀翼クラス」のミッドフィルダーのフレディに近づいていく、英雄のマイロがいた。
「くそおッ! 何で当たんないんだよおッ!」 ドンッ ドンッ ドンッ!
フレディは装備の「ステアーAUG/3A」を撃ちまくっていた。
シュンッ! ザッ!
「はい、そこまで」 ニコ
「ひッ!」 ビクッ!
ドンッ!
「ぎゃあああッ!」 ビリビリ!
ピッ ピコン!
『【フィン・フォン・キーゼル】胸部ニ銃撃、判定『即死』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
「余裕余裕…やっぱ、力の差が大きすぎるんだよ」 ササッ! シュンッ!
マイロはすでに2人、【ラルク】と【フランツ】の2人を接近射撃で倒しており、いまもまた【フィン】をその高速移動で射撃し、相手を気絶させた後、その場をすぐに立ち去った。
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バシュウウウウウーッ! ビシッ! ドオオオンッ!
「うわああッ! いったい何処から⁉︎」 パラパラ…
「急いでッ! すぐに次が来ますッ!」 ババッ!
バシュウウウウウーッ! ビシッ! ドオオオンッ!
「ぎゃあああッ!」 ドタドタ…バタン…
「ランハートッ!」 ババッ!
ピッ ピコン!
『【ランハート・フォン・マーデリング】爆破ノ衝撃ニヨリ全身裂傷、行動不能、判定『10分後ニ死亡』ライフガ1ツ消エマス。リ・スタートハ10分後デス』 ピッ
「そこにいて、ランハート」 チャキッ! カチ ブオンッ!
アルテは1人残され、ライトニングセイバーを起動して構えた。
・
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「ふむ…女子生徒1人か…やりずらいな…」 キリキリ…
アルテのいた場所から約300m、長距離用狙撃スナイパーフォトン銃「ステアーSSG69/7R」のスコープを除く皇太子【ラステル】の姿がそこにあった。
「流石はラステル様、この距離であの威力、感服しました」 ペコ
「いやあ、同じチーム入れて光栄です殿下」 ササッ!
「わ、私もですぞ!」 ペコ
ラステルの脇には、急遽メンバー入りした貴族の子弟達3人が、ラステルに媚を売るかの如く付き従っていた。
「では諸君、相手は女性と1人だ、君達の実力も見ておきたいのだが?」 チャキッ!
ラステルはスナイパーフォトンライフル銃を肩に担ぎ、残った「銀翼クラス」の女生徒を指さした。
「いえいえ、我々はラステル殿下の護衛をしなくてはなりません、殿下から離れるなどできません」 ふふふ
「そうですぞ! 殿下をお守りするのが我らの使命、どうぞこの場に留め置いてください!」 ペコ
「ラステル様に何かあれば一大事、その時は我らが力、見せましょうぞ!」 ぐふふ
「……そうか…」 ザッ ザッ ザッ!
「殿下何処へ?」
「一度野営陣地に戻る!」 ザッ ザッ ザッ
「しかし… まだ1人残ってますぞ!」 バッ
「興が覚めた、なんならお前達がやるがいい」 ザッ ザッ ザッ!
「待ってください! 1人では危険ですぞ!」 バタバタバタ!
ジ〜…
ラステルは銃を抱え、歩きながら横目で彼等を見た。
「ふん、(全く、彼等はいったいここに何しに来たのだ? 鬱陶しくて敵わん!)」 ザッ ザッ ザッ
こうしてラステルは他の貴族子弟と共に、その場を離れた。
シ〜ン… そよそよ ザワザワ… ジッ! ブオンッ!
「… 撃ってこない…見逃してくれた?…」 ジッ
アルテはその場でジッとしていたが、相手からは一向に攻撃はなかった。やがて規定時間の10分が立ち、ライフを1つ減らした【ランハート】が目を覚まし立ち上がった。
「うう…いててて…」 ムクッ!
「あ、ランハート、目が覚めた?」 バッ!
「ああ…しかし、すげえ攻撃だったぜ、なんだありゃあ?」 ふうう…
「おそらく、狙撃ね」
「狙撃ッ! でもあんな爆破力のある狙撃だなんて。見た事ないぞ!」
「ラステル様よ! 彼の方の攻撃に間違いないわ!」
ガサガサ バサバサ ザッ ザッ ザッ
「いやああ、やられたやられた… 皇太子いや、英雄の3人かな? アラン達やっぱり強いぜ!」
ガサガサ ザッ ザッ
「おッ! ザッツ…はは…お前もやられたか…」 フリフリ…
「なんでだよ…」 ググッ
「ザッツ…」
「アイツは…アランは俺と友達だったんだぞ! それなのに…」 うう….
「そうね…ザッツ、これが今のアラン達の実力…英雄の力よ…悔しいけど、今の私達では歯が立たないわ」 スッ
アランは悔し涙を浮かべながら唇を噛んで震えていた。
「くそう、こうも一方的にやられるとはねえ、なんかいい案はないかな?」
「こうなったら1人を全員で当たる『フルアタック』だ!」 バッ!
「おいおい、それはあまりにも卑怯じゃないのか?」
「そのぐらいの力の差があるんだッ! このままではすぐに全滅だぞ!」 グッ
「わ、わかった。みんな、もいいね?」 バッ
野営地に集まった「銀翼クラス」のメンバー全員がうなづいた。
「よしッ! 再アタックだ!」 ババッ!
「「「「 おおッ!(ええ…) 」」」」 バババッ!
・
・
・
彼らは再度アラン達に挑み、結果は散々だった。交流戦開始からたった3時間、「銀翼クラス」のメンバーは殆どが今日の分のライフを失い、戦闘継続ができなくなっていた。当然、「金扇クラス」の方は無傷、誰もライフを失っていなかった。
「ハアハアハア… ザッツ…この後どうするの?…ハアハア…」 ドサッ!
地面に座りアルテは生き残っているザッツに問いかけた。
「どうもこうもねえよ、生き残っているのは俺たち3人、この人数じゃ何も…」 ググッ
「そう……(せめて…アニスちゃんがいれば…)」 はああ….
交流戦初日、ここ「銀翼クラス」の野営陣地にはザッツ、アルテ、ヒルツの3人がライフを1つ残し、疲れ切って地面に座り込んでいた。
「まだ、昼過ぎだよ、この後どうするの」
アルテは疲れ切って座り込んでいるザッツに尋ねた。
すでに武器弾薬を使い切り、魔力も残り少なくなっていた自分達に、あの英雄達3人に何ができるのか? あまりに物力の差を見せつけられ愕然としていた。
「これほどとは…アランのやつ、自分だけ強くなりやがって…」 ググッ
初日の交流戦終了まで後3時間弱、それまで残ったライフ1つを3人だけで守れるのか? 無理だ守れるわけない! そんな不安しか湧き出てこなかった。
「はああ…アニスちゃんさえいてくれたらなあ…」 ふうう…
アルテがそう考えていた時、すぐ横の草藪から1人の少女が出てきた。
ガサガサ ババッ! タン テクテク
「ん、いたいた、アルテ、遅くなってごめんね」 テクテク
「アニスちゃんッ!」 ガバッ! タタタ ガバッ ギュウウ!
アルテはアニスの姿を見ると、急に立ちあがって駆け出し、アニスに抱きついた。
「ア、アルテ!」 ギュウウ!
「アニスちゃん…うう…」 ギュウウ!
「アルテ、大変だったみたいですね」 スッ ナデナデ
「うん…英雄が…アラン達3人が強すぎるの、何をやっても通じないし…」 うう…
「ん、アラン達がねえ…」 ウ〜ン
アルテがアニスに抱きつき話している所に、リーダーのザッツがアニスに叫んだ!
「お前ッ!何やってたんだよ! 遅いじゃないかッ!」 ババッ!
「ん? ああ、すまない、ここにはもっと早くきたんだけどねえ…」
「何ッ⁉︎ じゃあなんでもっと早くこなかったんだ!」 グッ
「ん、まあ色々とあったんだ!後で説明するよ!」
ドンッ! ガシュン ガシュン ピッ ピコン
『アニス、『金扇クラス』ガ動キ始メマシタ迎撃ノ準備ヲ!』 ピッ
「ん、わかった、EG-6ありがとうね」 ペチペチ
「え⁉︎ 今…判定ドローンが情報をくれたの?」
「そうだよ、なんかへん?」
「なんで判定ドローンが参加メンバーに情報を教えるのよッ!」 ババッ
「だってEG-6、君はおかしいらしいぞ!」 テンテン
『ソレヲ、アニスガ言イマスカ? 私ヲコウシタノハ貴女自身デスヨ!』 ピッ
「え〜、私に責任があるの?」 うん?
『ソウデスネ、私ヲ生ミ出シタ責任ハアルト思イマス』 ピッ
「ん、じゃあそう言う事で…」 ニコ
「「 理由になってないッ! 」」 ババッ!
その時、アニスとEG-6だけが、異常に高い魔力を持った者の反応を感知していた。
『アニス…』 ピッ
「ん! 1、2、3…3人…この魔力量…ああ、アラン達か…あれから随分と力をつけたみたいだね…」 うん
『内包魔力量ハ3人共、学園生ノソレヲ遥カニ超エテイマス。未知ノ高速移動デ接近中!』 ピッ
「未知? ん〜…ああ、『音速走破』だね、ある程度力を持ったものが取得できる走破術だよ」
「アニスちゃん…わかるの?」
「ん、長い距離を即座に縮めて接近する術なんだ。アルテ達だって練習すればできるよ」 ニコ
『アニス、間モ無ク来マス!』 ピッ
ザザザーーッ! バババアアーッ! タタタタアンッ! ザッ! シュウウウ…
森の中から現れたのは、紛れもない帝都学園3回生の英雄、アラン、マイロ、ジェシカの3人だった。
シュウウウウ…チャキッ! ブオンッ! ビシュウウーー!
3人はそれぞれの武器を構え、ザッツに問いかけてきた。
「ザッツ、3回目だ、これで今日は終わりにしよう!」 チャカッ!
「くく…アラン…おまええッ!」 ググッ! チャカッ!
ザッツも手持ちのフォトン銃を構えた。
「アルテ、貴女もよ、ここで降伏してくれますか?」 ブオンッ!
「ジェシカ…私は…」 ブルブルブル…
「アランもジェシカも、2人とも優しいねえ、いきなりはやりませんか…」
「当たり前だろ、こんなの交流戦って言えるかよ! 俺達が交流戦に参加した時点で、勝敗は見えてたんだ。こんなのになんの意味があるってんだ!」
「アラン…」 スッ!
ジェシカがアランの言葉に同意を得た時、1人の少女の声がアラン達の表情を変えた。
「ん、アラン、意味ならあるよ!」 サッ! スタッ!
「なッ⁉︎ 」 ババッ!
「ええッ⁉︎」 ササッ!
「はああッ⁉︎」 ザザッ!
その声に三者三様の、反応を示した。
「やあッ! みんな元気そうだね!」 サッ!
「「「 アニスちゃんッ‼︎ 」」」 ババッ!
「んッ!」 コクン ニコ!
アニスとアラン達、一月ぶりの再会であった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。