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第179話 アニスと周りの早朝動向

ー帝都学園教師棟ー


交流戦当日の早朝、教師棟の中は既に準備の為慌ただしかった。


バタバタ ザワザワ ドタドタ バサバサ…


「キャサリン先生ッ! 選手各位に連絡はつきましたか⁉︎」 バタバタ


「はい! 1人を除いて全員定時には演習場に来ます」


「では、その1人と早急に連絡をとってください!」


「はい、すぐにッ!」 カツカツ!


「アシュア先生の方は予定どうりですか⁉︎」 ザワザワ


「はいッ 教頭先生! 既に演習場、準備棟に集まってますわ!」 ドタバタバタ


「流石は『金扇クラス』、キャサリン先生も見習って欲しいものですな!」 ガヤガヤ


「当然ですわ、(こちらには、英雄の3人の他に、なんと皇太子殿下も参加されるのよ。遅刻なんてさせられないわ)」 ふふん!


教師棟の中は、交流戦準備に大わらわだった。

          ・

          ・

          ・

ー演習場 グランドシップ待機設備上空 強襲巡航艦「ライデン」ー


ピッピピーッ!


「副長!帝都学園より受信」 ピッ タタタタタタ


「うん、連絡が来たか、それで内容は?」


「はッ 読み上げます」 スッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大陸艦隊 強襲巡航艦『ライデン』へ


貴艦の来訪を歓迎します。ようこそ帝都学園へ。


交流戦開始時刻は0900時


交流戦参加者は参加準備を、0700時に迎えに参ります。


帝都学園 交流戦事務局


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「以上です!」 サッ!


「わかった、艦長には報告しておく」 サッ!


「はッ!」 


通信文を読み終えた、若手の通信兵はキビキビとした動きで、元の自分の席の戻っていった。


「さて、艦長に伝えますか…」 カツカツカツ!


ピッ プシュウウウー


副長は、艦長の向かった貴賓室へとブリッジを出ていった。

          ・

          ・

          ・

ー強襲巡航艦「ライデン」 貴賓室ー


「では、殿下も参加されると?」


「ああ、今回はそうさせてもらう」


「しかも、アラン達英雄の3人もですか?」


「うん、『金扇クラス』の担任からの要請でもあるからね」 ニコ


「しかし、あの3人と殿下ですか、力の差がありすぎませんかな?」


「まあね…でも、聞いたところによると、今回の『銀翼クラス』は、結構強いという話なんだが…艦長さんは聞いてるかな?」


「私がですか? いや、そんな話聞いてませんな」 ふむ…


その時、部屋の呼び鈴が鳴った。


ピピーッ!


「うん? 誰だろう?」


『副長のシュトラウスです。学園より連絡が有りました』


「私の副長だよ、殿下」


「よし! 入れッ!」 バッ


ピッ プシュウウウー


「失礼しますッ!」 サッ! カツカツカツ


「副長、すまんな」


「いえ、コレが学園からの連絡内容です」 スッ!


「んッ!………」 カサ…


「艦長さん、学園はなんと?」


「殿下、あまり時間はなさそうですぞ」 サッ!


グレイは学園から来た通信文を読み、それを皇太子殿下、ラステルに渡した。


「時間がない? ……」 スッ! カサ… ガタタッ!


ラステルは渡された通信文を読み、急に立ち上がった。


「0700時だとおッ!」 サッ!


「後、10分も無さそうですな」


「すぐに準備をッ!あと、アラン達にも連絡!」


「畏まりました、殿下」 サッ


「では、我々も準備します。これにて失礼をッ!」 サッ!


ラステルは、交流戦準備棟に向かうための準備を執事に言い渡し、グレイ達は貴賓室を出ていった。

          ・

          ・

          ・

ー強襲巡航艦「ライデン」 兵員食堂ー


アラン達3人は、艦内の兵員食堂で朝食後の時間を潰していた。


「なあ…アラン、俺達本当に参加しても良いのか?」


「マイロ、もうラステル様が決めて、選手名簿も出したんだぜ、出なきゃラステル様が恥をかくぞ!」


「わかってるけどよう…はああ、じゃあ、手加減でもしないといけないかな?」


「そうだな…下手に相手をしたら、相手を怪我だけで済ませられない! その方が賢明だな」


「わかった、出来るだけ手を抜いて、それと無く勝てば良いか…」


「あなた達、そんな事したら『銀翼クラス』の生徒に失礼よ! 全力でやりなさい!」 バッ


「良いのかジェシカ、1日どころか、数時間で終わっちまうぞ?」


「それでも、私達は彼らにとって英雄なのッ! 手を抜いたなんて知れたらガッカリするわよッ⁉︎」


「そうだな…」 ふうう…


「アラン…」


「ジェシカの言う通りだ、英雄の俺達がそんな事したら…それはもう、彼らにとって俺達は英雄じゃなくなる。彼らの為にも思いっ切りやろうッ!」 ババッ!


「うんッ!」


「アラン、ジェシカ…わかった、俺もそうするよ、全力で相手しよう!」 コクン


アラン達がそう決意した時、入り口から皇太子付きのメイドが彼らの前にやってきた。


ピッ ブシュウウー  スタスタスタッ


「おはようございます、英雄の方々」 ペコ


「「「 おはようございます 」」」 ペコ


「殿下より言付けをお持ちいたしました」


「言付け? なんだろ?」


「では、『英雄諸君、0700時に学園より迎えが来る。準備を整え、連絡艇発着デッキに集合せよ』だそうです。それでは…」 ペコ


「「「 えええーッ⁉︎ 」」」 ガタタッ!


「ちょッ! わッ! もう7分しかないぞ!」 バッ! 


「きゃあーッ! わたしまだ何もしてないッ!」 アワアワ!


「と、とにかく急ぐぞッ!」 ババッ! 


「「 おう(ええ)ッ! 」」 ダダダッ!


3人は自室に急いで駆け出していった。

          ・

          ・

          ・

ー強襲巡航艦「ライデン」 ブリッジー


ピッ ブシュウウー  カツカツカツ ザッ!


「あ、艦長それに副長ッ!」 ババッ!


「ああ、いいッいいッ! それで、学園の方は動いたのか?」


「はい、地上の待機設備に連絡艇が、間も無くこちらに向かって発進するようです」


「では、こちらも受け入れ体制を整えんとな!」 スッ!


「アイサーッ 連絡艇発着デッキッ! 帝都学園より連絡艇が着艦する。受け入れ用意ッ!」 ピッ


『こちら着艦デッキッ! 了解しました!』 ピッ


「さて、我々も交流戦の準備をするとしようか」


「はい、艦長!」 サッ


「レオハルト中佐を呼んでくれ」


「アイサーツ! 艦内通信」 ピツ!



―「ライデン」 ブレードナイトハンガーデッキ―


ポンッ!


『レオハルト中佐、艦長がお呼びです。至急ブリッジまでお越しください』 ピッ


「うん? グレイのやつ俺に何の用だ? おいッ!」


「はッ中佐殿ッ!」 サッ


「俺はちょっとブリッジに行ってくる。こいつの整備の続きをやっといてくれ」


「はッ! 了解しました」 ババッ!


ピッ プシュウウウーッ カツカツカツ


レオンはグレイに呼ばれ、整備途中だった自分の愛機ブレードナイト「アウシュレッザD型FARアウディ」を、ほかの整備員に任せ、ブレードナイトハンガーデッキを出ていった。

         ・

         ・

         ・

ー帝都学園 演習場グランドシップ待機設備場ー


ヒュウウウンン…


「上空待機中の強襲巡航艦『ライデン』まで飛びますッ! 準備は良いですか?」 カチカチ ピッ!


「ええッ! いいわッ! 発進してッ!」 ババッ!


「了解! 発進しますッ!」 ピッ ピポッ! グイッ!


ババッバアアアアーーッ! ヒュウウウンンッ! シュウウウウーーッ!


帝都学園の連絡艇は勢い良く発進し、強襲巡航艦「ライデン」に向け飛んでいった。


連絡艇に乗り込んでいたのは、学園の連絡艇専属ライナーと4回生「黄金獅子クラス」担任の【レイラ・ヴァン・クリシュナ】であった。 彼女はアニスの女子寮棟への手配をしている最中に、校長に呼び出され、今回の出迎えの役割を請け負ったのである。 


この学園に、王族のラステルが3回生の英雄達とやってくる。そを任せられるのは、やはり王族からの教師、【レイラ】にと、校長からの指示であった。昨晩からその事で話があって、アニスのところに帰ってこれなかったのだった。


「全く、あの校長は私をなんだと思ってるのかしら(事務局のやつら、ちゃんとアニスちゃんに部屋を開けたんでしょうね!)」 ふん!


「レイラ先生、仕方がないですよ」 カチカチ ピッ 


「うん?」


「王族の皇太子、ラステル様でしょ? 出迎え出来るのはレイラ先生しかいませんって!」


「ラステル坊やねえ…まあ、兄の忘れ形見だから、面倒は見るけど…出迎えぐらい私じゃなくてもいいと思うわ」 はああ…


「ははは…皇太子様を坊やですか…」 ピッ タンタン 


「当然でしょ、わたしから見れば全然子供なんだから…(それに引き換え…アニスちゃんよねえ…あの娘は本当にすごいわ、私…いえ、恐らくこの国では誰にもあの娘を超える事なんてできないんじゃないかしら…さらに彼女の兄、ジオス様♡…うふふ、本当に良い娘を妹にできました)」 ニコ


「レイラ先生、『ライデン』です。着艦ベイに入ります、シートに座ってベルトを閉めてください」


「えッ⁉︎ あ、お願いします」 ストン カチャ!


「『ライデン』管制、こちら帝都学園連絡艇コンタクト」 ピッ


『こちら『ライデン』コントロール、受信、連絡艇、艦底部連絡艇用ハッチを解放する。着艦に備えよ』 ピッ


「連絡艇、了解 着艦体制」 ピッ


ガコンッ! グゴゴゴゴッ! ゴオオオンン… パパパパッ! ピコン!


「ライデン」の艦底部中央部が開き、誘導用の光のラインが現れた。 その中央を一本の赤い光のラインが現れ、連絡艇の光の受光部にそれが当たった。


「誘導用のライン受信ッ! 自動着艦開始」 ピッ ピコン! ピコン! ピコン!


『ライデンより連絡艇、誘導ライン接続、着艦開始ッ!』 ピッ


シュオオオオーッ! シュウウウウ……


誘導ラインにより、連絡艇はスムーズに『ライデン』の艦底部、連絡艇発着デッキに吸い込まれていった。


『着艦ッ!』 ピッ


ガコンッ! ヒュウウウンン…….


『連絡艇着艦、作業員は直ちに作業にかかれ』 ピッ


「着艦、オールクリア…レイラ先生、着きましたよ」


「ありがとう、帰りもよろしくお願いします」 ペコ スクッ! コツコツ


「了解です」 サッ! ピッ カチカチ タンタン


バン、ウィイイイインン… タンッ! カツカツカツ! ザッ!


レイラは颯爽とした姿で連絡艇を降り、強襲巡航艦「ライデン」に乗艦した。


「【レイラ】姉ッ! じゃない、先生ッ!」 フリフリ


「ああ、ラステル、遠征演習出発以来かな」 フリフリ ザッ!


連絡艇着艦デッキに降りたったレイラの前に、自分の甥っ子、帝位継承者第1位の【ラステル・ヴェル・アトランティア】が、帝都学園の制服を着て仲間達と共にそこにいた。


「ラステル…いえ、皇太子殿下、お迎えに参りましたわ」 サッ ペコ


「レイラ姉え、そんなに畏まなくても…」 はは…


「いいえ、あなたはもう立派な帝位継承者第1位の男の子です。この間までとは違います」 サッ


「はああ…では、これも命令で、『レイラよ、以前のように振る舞え!これは命令である!』」ババッ


「はい…それでは…相変わらずね、ラステル、朝ごはんはちゃんと食べましたか?」


「うん、それそれ! ああ、食べたよレイラ姉」 コクン


「それで…あちらにいるのが件の英雄と?」 ちら…


レイラの見た方向に、なんとか出発準備のできた英雄、アラン達3人が姿勢を正し立っていた。


「ああ…私の同級生、3回生『金扇クラス』の【アラン】【マイロ】【ジェシカ】の3人だ。今回の交流戦のメンバーでもある」


「そうですか…(ふ〜ん、確かに魔力量、身体能力は学園生徒のソレを遥かに上まるわね)」 ジッ


レイラは連絡艇発着デッキの隅に並んでいる3人の若者を見た。彼女は王族特有の特殊能力をいくつか持っており、今回もその一つの能力で、英雄であるアラン達3人を《鑑定》の能力を使って見ていた。


「レイラ姉、今、彼らを観たでしょ?」


「んふ♡ ええ観ました。流石に英雄ね、凄い魔力と身体能力…」 ニコ


「だろ、私もびっくりさ…少し前の彼らは取るに足らない、いち学園生だったんだけど、この間の遠征授業で彼らに何かがあったんだと思う」 う〜ん…


「何かねえ…(恐らくアニスちゃんだわ、ジオス様が『アニスには人の能力を上げることができる』って言ってましたし…しかし、改めてこうして力を付けた彼らを見ると、アニスちゃんの能力は凄まじいものね…これは、あまり世に知れたら良くないわ)」 コクン


「なあ、レイラ姉は彼らのこと、何か知らないか?」


「彼らからは聞いてないの?」


「それが、一度聞いたんだけど…ある人物から『口外するなッ!』と言われてるらしいんだ!」


「ある人物?(ああ、レオン君ね、彼ならそう言う判断するわ。流石、王族の血を引く者、いい判断だわ)」 うん…


「皇太子の俺の命令でも言わないんだぜ! 余程の人物か、あるいは口外出来ない魔法でも掛かってるんじゃないのかなあ?」 ふむ…


「ふふ、そうかも知れないわね(彼らなりに、口外しない方がいいと決めているはずだわ。下手をすれば、アニスちゃんを怒らせ、その能力を全て失う。そんな事にはなりたくないはずだから…)」


「先生ッ! 学園長から早く来るようにとに事ですッ!」


「わかりましたッ! さあラステル、連絡艇アレで準備棟まで行きます、すぐに乗ってください」


「わかりました、おいッ!みんな行くぞッ!」 サッ!


「「「 はッ! 」」」 ダダダ


皇太子のラステルとアラン達3人は、レイラと共に連絡艇に乗り、「金扇クラス」準備棟へと降りていった。

          ・

          ・

          ・

ーアトランティア帝国 帝都アダム 宮殿内ガーナ神殿奥執務室ー


「いよいよですな」 ゴク


「ああ、いよいよだ。準備は怠っておらぬな!」 


「それはもう、全てこちらの思惑通りに…」 ふふふ…


「ここにきてラステルの奴が参加するとは、何という僥倖!」 ググッ


「これも我等、ガーナ様の思し召しですぞ! アルテア公【ゼレオ】様」 ニヤ


「わかっておる、成功した暁には其方たち『ガーナ神教』をこの世界最強の神として、信仰を深めてやるッ!」 ババッ!


「ははッ! そのお言葉、忘れませんぞ」 ククク…


公爵のゼレオと大司教のフィラウスが、何やら怪しげな話をしていた時、その執務室に1人の神官が入って来た。


ガチャ ギイイイイ


「失礼します。大司教様」 ペコ


「何用じゃ、今はお客人を招いての大事な話中だぞッ! 緊急時以外は来るなと申したではないかッ!」 バッ


「はい、存じ上げておりますが、その緊急事態が起きました」 ペコ


「なにッ! なにが起きたッ⁉︎ 申してみよッ!」 ザッ!


「はいッ! 我らが従順なるしもべが1体、こちらの応答に反応しません!」


「なんだとッ! 故障か?」


「いえ、探査魔力を放ったにですが、なにも異常は見られませんでした。ただ…」


「ただ、なんじゃ⁉︎」


「はい、探査魔力の返信に、一文が添付されてました」


「一文? こちらに返信を、返事をしたと申すのか? しもべごときが?」


「はい、しかし、どうも要領の得ない内容で…」


「なんと返ってきたのだ?」


「はい、『我、創生ノ従者、我ノ自由ヲ邪魔スル事ナカレ』です」


「なんじゃそれは、狂っておるのか?」


「まあまあ、大司教殿、たかが1体ではないか、他の19体は正常なのだろ?」


「どうなのだ⁉︎」 バッ!


「はい、他のは全て正常です」


「ならば問題ないではないか、もし邪魔をするならその1体は、他の19体に処分させて仕舞えば良い」


「なるほど…公爵様の言葉も一理ありますな」 ふむ…


「であろう」 グフフフ


「うむ、ではその1体はそのままで、予定通り事を運ばせよ! 良いなッ!」


「はい、わかりました。では失礼いたします」 ペコ


ギイイイイ パタン


「ラステルが参加する今回が千載一遇のチャンスなのだ! 失敗は許されん!」 ググッ


「大丈夫ですぞ、ゼレオ様 我が教団が心血注いだしもべ達です。必ずや満足のいく結果をお見せできましょうぞ!」 ニヤッ


「うむ、期待しておるぞ! フィラウス大司教殿」 ニヤッ


「間も無くですな…」


「間も無くだ…」


「「 グッワハハハハッ! 」」 


ガーナ神殿奥の執務室で、帝位継承者第2位の公爵【ゼレオ・ヴェア・アルテナ】とガーナ神教団、大司教【グレイシス・ビン・フィラウス】の2人が笑っていた。

          ・

          ・

          ・

ー帝都学園 女子寮棟横の空き地ー


トテトテ…タタタ…トテタタ…トトト…


「うわああッ! ニールッ! コイツ止まんないよおおッ!」 テンテン! バタバタ


「なんで鳴らすのッ⁉︎ 時間以外ならないのにッ!」 カチッ! カチッ!


トテトテタタタ…トトト…


「ダメだッ! 止まんないッ こうなればッ!」 グッ ヴォン! ズオオオッ!


「ア…アニスッ! そ、それなにッ⁉︎」 フルフル…


「ふふふ、これぞ破壊できないものは無いという神の鉄槌ッ!《スレッジハンマーッ!》」 グイッ!


トテトテトト…タタタ…トトト…


「ぎゃあああーッ! やめてッやめてええッ! ニールの宝物おおーッ!」 ババッ!


「アーッハハハッ! これで喰らえええッ!」 ブン!


トトト…タタ… ピタッ! シ〜ン…


「ん? 止まった?」 ピタッ


アニスがニールの目覚まし時計を止めようとした時、突然その音は鳴り止んだ。


『アニス、内臓電池ガ切レタミタイデス、目覚マシ時計ハ停止シマシタ』 ピッ


「ん、そうか、内蔵電池…ってなんだ?」 はて…


「うう…よかったよおお…ニールの『ウォッカ』ちゃん!」 ギュウー


ニールは音の止まった目覚まし時計を大事そうに抱えていた。


交流戦開始まで約1時間前の出来事であった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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