表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/311

第168話 交流戦準備前

―帝都学園 演習場―


ピッ ピッ  ピポッ!


「登録完了? なんだろコイツ?」 テンテンッ!


アニスはそれを軽く叩いてみた。


『身体、精神共ニ正常デス、行動可能デス』 ピコ


「え、なんだなんだ?」


「EG-6、明後日の交流戦で審判を務める判定ドローンよアニスちゃん!」トコトコ


「おはようッ! アニスちゃん!」 フリフリ トコトコ


「ん! あッ アルテッ! アレッタッ! おはようッ!」 サッ!


アニスに声をかけたのは、同じ交流戦女子メンバーのアルテとアレッタだった。


「ええッ! おはようッ!」 ニコ


「会いたかったよ! アニスちゃん」 ニコ


「はい、私もです」 ニコ


3人は交流戦会場の入り口で朝の挨拶を交わした。


「で、コレが審判をするんですか?」 コンコン


ピッ ピピッ! 


『コレデハアリマセン、EG-6 ワタシハ公平、平等ヲ、モットートスル審判ドローンデス』 ピッ


「おお、なんだコイツは、自我があるのかな」 ペチペチ


「いやいや、そんなものはないよアニスちゃん」 フリフリ


「あはは、そうだよ、EG-6は競技や模擬戦、交流戦専用のドローンよ。自我なんてそんな物は付いてないよ」 あはは!


「そっか、君にはないんだ…」 テン


『正常デス』 ピコ


「ん、交流戦の時はよろしくだね」 コクン


『了解シマシタ』 ピッ ピコ 


「アニスちゃんって不思議ね」


「ん?」


「ほんとう…ドローンをまるで友達みたいに扱うなんて、初めて見たわ」 


「え? そうなの?」


「ええ、特に男子なんか『いい練習の的だぜ!』とか言って、フォトン銃で射撃練習するのよ」


「ん、そいつは酷いな… 君は大丈夫かい?」 ペチペチ


『正常です。問題アリマセン』 ピコ


「うん、正常だね、気をつけるんだぞ」 ペチペチ


『了解シマシタ』 ピコ シュウウンン…


そう答えると、EG-6、審判ドローンは電源を落とし静かになった。


「あれ? 寝ちゃったのかな?」 テンテン


「あははッ! アニスちゃん、おもしろいッ」 ククク


「うふふ…さあッ、アニスちゃんも行きましょ!」 ニコ サッ


「ん? どこに行くの?」 クル


「どこって…演習場にはその格好じゃダメよ。ちゃんと着替えて用意しなくちゃ」


「ん? 着替えるの?」


「あ! そっか、アニスちゃんは転入生だから知らないんだ!」


「ああそうだったわ、ごめんなさい」 ペコ


「ん、いいですよ、それでどこで着替えるんですか?」


「あっち、あそこにある演習準備棟に全て用意してあるわ」 スッ!


アルテが指さした方向には、青い屋根の大きな建物が立っていた。


「あれが準備棟…大きいですね」 うん


「そうね、中は男子と女子で分かれてるの、だから安心して」 ニコ


「安心? なんで?」


「まあ…そのね…ほら着替えといったら…」 モジ


「男子かッ⁉︎」 ババッ!


「ええ、アニスちゃんが来る前、半年前も交流戦があったの。その時はまだ男女別々ではなく、交代制で着替えてたんだけど…」 うう…


「ああ、男子がやらかしたな?」 うん?


「ええ…まあ…ね…」 はああ…


「ほんとッ! 最低な奴らよッ! 女の子の着替えを覗くなんてッ!」ググッ!


アルテは呆れ顔でため息をつき、アレッタは怒りに震えていた。


「はは…でも、今回からは大丈夫なんですよね?」


「ええ、かなり厳重に見張るそうですから」


「今度やったら、私が叩きのめしてやるッ!」 ググッ!


「はは…よろしくね、アレッタ」 サッ


「まっかせてッ!」 グッ


「「「 あはははッ! 」」」 


「さあ、行きましょ」 


「ん!」 テクテク トコトコ


3人は青い屋根の大きな準備棟に向かって歩いて行った。 遠くから見ても大きかったが、近くに来ると尚更だった。


「おお、大きですね」 ほおお!


「まあね、一応、ここで交流戦に使用する全てのものが揃ってますから」


「ん? 全て? そういえば何が必要なんだろ?」 はて?


「じゃあ、中に喫茶コーナーもあるから、そこで説明するね」 ガチャ ギイイ


「さあアニスちゃん! 入って入って」 グイグイ


アルテが扉を開けて入り、それに続きアレッタがアニスの背中を押しながら中へと入っていった。


トコトコ テクテク


中は広いホールになっており、正面に受付カウンター、その左の2階への階段が男子用、右の階段が女子用のに分かれていた。


「なるほど、ここで男女分かれるのか、コレなら覗きなどできないね」 うん!


「アニスちゃん! こっちこっち!」 ガタタ


一回ホール右側はちょっとした喫茶コーナーで、丸テーブルに椅子が4脚のセットが5セット、置かれていた。そこのカウンターはまだ誰もいなく、まだ飲食はできなかったが、相談や説明などをするには丁度良い場所だった。


カタン スッ!


「ん、座り心地も良い、感じのいい場所ですね」 ニコ


「そうね、これでカウンターに誰かいれば何か頼めたんですけど…」 ふう…


「アルテそれは無理よ、今日は休校日だもの、誰も来ないよ」


「残念ね、美味しい紅茶とお菓子のセットがあったのに…」


「私が出しましょうか?」 ゴソ


「「 え? 」」


「紅茶とお菓子なら用意できますけど…」 ヴオンッ!


カチャカチャ トントン ストン タンッ!


アニスは異空間より、紅茶セットと茶菓器を出し、何もないテーブルの上に3人分の紅茶を準備し始めた。


「今、淹れますね」 スッ! ボウッ! メラユラユラ… ポコ…


アニスは卓上ミニコンロに小さな火をつけ、その上のミニポットでお湯を沸かした。


「わああ、アニスちゃん凄い、コレなあに?」 ジー


「ん、持ち運び便利な、携帯湯沸かしセットです」


「へええ、便利な道具ねえ…」


ぷくぷく ぱかぱか… プシューッ


「ん、沸いたね」 スッ! コポコポコポ トトト…


沸いたお湯を紅茶の茶葉が入ったティーポットに入れ、茶葉を中でジャンピングさせる。3分ほど蒸らしたらティーカップにティーストレーナーを置きそこへ注ぐ、後はミルクポットにシュガーポットの両方を揃え、お茶菓子に焼き菓子のクッキーを添えて完成。


カチャカチャ スッ! パカッ!


「さあどうぞ、アールグレイです。ミルクを入れると美味しいですよ。お口に合えば幸いです♪」 ニコ 


アニスは紅茶を淹れ、ミルクと砂糖を添え茶菓器の蓋を開けて2人に渡した。


「わああ、ありがとうアニスちゃん」 スッ!


「じゃあ、いただくね」 スッ!


「「 いただきます 」」 コク…


「「 ッ! 美味しい… 」」 コクン


「はあ…アニスちゃん、とっても美味しいわ」 コク


「ほんと、何この美味しさ、お店で飲むのと変わらない…いや、それ以上かも…」 コクン


「ん、よかった。 じゃあ私も…」 コクン


3人は喫茶コーナーでアニスの淹れた紅茶を堪能していた。


カチャ…


「じゃあ、アニスちゃん」


「ん?」


「交流戦の事を説明するね」


「ああ、そうだった。それを聞かないとダメだったね」 コクン


「あはは、そうだよ。それを聞かなきゃね」


「ふふ、じゃあまず交流戦とはお互いのクラスの実力を測るものなの」 


「実力…魔力のことかな…」


「正解、それでね、これはブレードライナーになれるかどうかの資質を見極めるテストでもあるの」


「ブレードライナーか…」 ふむ


「アニスちゃん?」


「2人はブレードライナーになって、ブレードナイトに乗りたいの?」


「目指して慣れるのなら、なりたいし、乗りたいかな。 でも…」 


「ん?」


「人を傷つける戦場には出たくないわ」 ニコ


「私もそうね、ライナーまでで、いいかなあ」


「ん、そっか…(たぶん、このままではこの2人、ライナー資質無しとなって外されるだろうな…ライナーを決めるのは最終的には軍、及びその官僚だ。戦場に出たくないなんてライナーは要らないし、なれないから…)」 う〜ん


「でね、各クラス、チームはお互いに10人ずつ、男女の比率は無しだね」


「ふむ、じゃあ全員男子とか女子だけと言うのもありなんですか?」


「ええ、それでも良いんですけど、バランスが悪いから、それはないわ」


「なるほど」


「次に交流戦のフィールドだけど、この演習場全てを使うの」


「広すぎません?」


「『より実戦に近い状態を』という事らしいわ、だから10人なんて、散らばったら何処にどう隠れているかわからなくなるの」


「そう! それでアニスちゃんが見たさっきの審判ドローンが1人につき1台、付き添うのよ」


「ん、交流戦中に何かあったらいけないし、その人の評価判定もできるということか…」


「そういう事…」 コクン


「じゃあ次にチームの事だけど、簡単に言えばオフェンスとディフェンスね」


「ん、攻めと守りか…」 ふむ


「ええ、オフェンスはただひたすら、相手チームの人員を減らす事を前提に動くわ」


「その方法は?」


「ほとんどが、模擬弾を使ったフォトン銃の撃ち合いね」


「ん、(そう言えば、アランやマイロもよくフォトン銃で訓練してたっけ)」


「交流戦中は、外部との連絡は無し、相手を全て行動不能にするか、2泊3日の時間を全て使い切るかで、交流戦終了よ」


「それで、ディフェンスなんだけど…」


「ん、そう言えば何を守るんだろ?」


「はああ…主に男子よッ!」 フンッ


「え? 女子が男子を守るの?」 あらまッ


「違う違うッ! もう、アレッタいい加減なこと言わないの!」 メッ


「だってそうじゃない」 ウ〜


「ん? どういう事ですか?」 はて?


「つまり、ディフェンスは、攻撃中のオフェンスを、敵のオフェンスの攻撃から守る事、つまり…」


「弱っちい男子の盾になれって事なの!」 プン


「え、じゃあディフェンスは相手を攻撃しちゃいけないのですか?」


「「 は⁉︎ 」」 ピタッ


「だから、男子なんかほっといて私たちが相手を攻撃するって事なんですけど…」


「アレッタッ!」 ババッ!


「アルテッ!」 ババッ!


「「 それよッ‼︎ 」」 ガタンッ! バババッ‼︎


アルテとアレッタは同時に立ち上がり同じ言葉を叫んだッ‼︎


「アニスちゃん、ありがとうッ!」 ガバッ ギュウッ!


「うわッ!」 ガバッ ギュウッ!


アレッタはアニスに感謝しながら抱きついた。


「ええ、こんな簡単な事なんでもっと早く気がつかなかったのかしら」 


「先代…いえ、もっと前の先輩たちが『オフェンスは攻撃、デフェンスは守り』って決めたのがいけないのよ!」 ギュウウ!


「そうね、これもアニスちゃんのおかげね、 で…いつまでアニスちゃんに抱きついてるの?アレッタ」 ジッ


「え⁉︎ いや、アニスちゃん柔らかいし、いい香りもするし、なんか離せなくって…」 えへへ…


「ずるいッ! 私も抱きたいのにッ!」 ババッ!


「うぎゃ!」 ギュウウッ


アルテも負けじとアニスに抱きついた。


「アレッタの言うとおり、柔らかくていい香り…持って帰りたいくらい!」 ギュウウ


「でしょう、アニスちゃんが欲しいッ!」 ギュウウ


「あ、私もッ! ああ…癒されるうう…」 ギュウウ


「あ、あのう…そろそろ…」 モゾッ!


「あッ ごめんなさい」 スッ


「ごめんね アニスちゃん」 サッ


「ふう…では、今回はデフェンスの私たちも攻撃すると言う事でいいですか?」


「「 もちろんッ! 」」 コクン


「それでは、オフェンスの男子にも言っておかないといけませんね」


「男子は昼からしか来ないから、来るまでに着替えと装備を整えましょ!」 サッ 


「そうね! さあ、アニスちゃんも行きましょ!」 グイ 


「ん?」


「ここの2階に、装備と着替えがあるから、ね!」 ニコ トコトコ


「はい、では案内をお願いします」 ペコ テクテク


「うふふ、楽しくなってきた」 トコトコ


3人は建物の2階、準備更衣室に向かって階段を上がっていった。

          ・

          ・

          ・

ーアトランティア帝国 大陸艦隊 カルディナ軍港修理1番ドッグー


アニス達が交流戦会場にいた頃、ここカルディナ軍港修理ドックに一隻の大型艦が修理を続行していた。 BCV-197007G 戦闘空母「フェリテス」が先の戦闘で受けた損傷を修理していた。


ウィイイイインン! ガコン! ガンガン ダダダ ダダダッ!


「オーライ オーライ ストーップ!」 ピピイーッ! ドンドンッ!


バチバチバチッ! ジッジジジジッ! ヒュウウンンン! ガコンッ!


「ようしッ! B班、C班ッ! 主砲の取っ替えにかかるぞおッ! 気合い入れろおッ!」


「「「「 おおーッ! 」」」」 ババッ! ガコンッ!ガコンッ! ガガガッ!


戦闘空母「フェリテス」は大規模修理の真っ最中だった。そんな「フェリテス」の艦長室で、艦長の【アリエラ・フォン・ビクトリアス】、現在アニスの最初の姉が、高速映像通信をしていた。

          ・

          ・

          ・

『だから頼みますッ!』 ペコ


「いや、それ無理だから! 諦めなッ!」 フリフリ


『ええーッ 『フェリテス』で行った方が俺に箔が付いてカッコ良いんだ! 何とかなりませんか?』


「無理って言ってんだろ!『フェリテス』はいま修理中! 動かせないよ」


『何とかなりませんか、【アリエラ】おばさんッ!』


ガンッ!


「誰がおばさんだああーッ! 私はまだ28だあッ!」 ガアッ!


『うわあッ! ご、ごめんなさい』 ペコペコ


「全く、【ゼオス】の奴は息子にどういう教育をしてたんだか…とにかく、あんたは皇太子なんだから他を当たってみなッ!」


『他って言ったって…』 シュン…


「はああ…(まあ、17やそこらの学生、それがたとえ皇太子と言えど、軍艦を融通するような者はそういないか…)」 ふうう… ジロッ…ッ!


戦闘空母「フェリテス」の艦長、アリエラは、自分の甥っ子にどうしたもんか悩んだ。 その悩み顔の目を、艦長室の窓の外に向けると、反対側の第3デッキ、B01ベイに真新しい新鋭艦の姿を見た。


「これだッ!」 ポンッ!


アリエラは手を叩きあることに閃いた。


「【ラステル】、『フェリテス』じゃないが良いのがある。それなら紹介するわッ!」


『本当! アリエラおばさんッ!』 ババッ


「だから…おばさんじゃないッ!って言ってるだろうがああッ!」ガアッ


『ああ…た、度々ごめなさい』 ペコペコ


「はああ…いい? 今からそいつに掛け合うから待ってなさい」


『ありがとうございます』


「じゃあ、後で連絡するから」


『お願いします』 ビッ ブン…


両者は一旦高速映像通信を切り、アリエラは大陸艦隊本部に通信を継ないだ。


カチッ ポンッ!


「艦隊本部、こちら『フェリテス』艦長、コンタクト」 ピッ


『「フェリテス」艦長、艦隊本部受信』 ピッ


「艦隊本部、第3デッキ、B01ベイの新鋭艦、強襲巡航艦『アキュラス』艦長に継ないでもらいたいオーバー」 ピッ


『艦隊本部より「フェリテス」艦長へ、現時点において強襲巡航艦「アキュラス」は存在しません』 ピッ


「はああ⁉︎ 何言ってんだコイツ」 ガッ!


「ふざけるなッ! 今、私の目にはちゃんと第3デッキ B01ベイに『アキュラス』が係留されてるのが見えるぞッ! いい加減なことを言うなッ!」 ピッ


『艦隊本部より「フェリテス」艦長に返信、強襲巡航艦「アキュラス」は本日、0900時にてコードを破棄、新コード「ライデン」となり、明日0830時 出港予定です』 ピッ


「はあ⁉︎ 『ライデン』ッ⁉︎ 『アキュラス』が『ライデン』になったのッ⁉︎」 ピッ


『本日、大陸艦隊総司令官【ワイアット・フォン・エイプス】大将の名で変更がされてます』 ピッ


「総司令が…まあいいわ、艦隊本部、強襲巡航艦「ライデン」艦長に継ないでくれる?」 ピッ


『了解しました……通信、継なぎます』 ピッ ポン!


ジ ジジジジ ポン!


『よう! アリエラ、元気そうだな!』


通信モニターに中佐の襟章をつけたグレイ艦長が映し出された。


「お陰様でね、どう新鋭艦、強襲巡航艦の艦長の席は?」


『うむ…まだ馴染んどらん!」 キュ キュ


「貴方ならすぐなれるわ」 ふふ


『そのつもりだ! で、何か用があるんだろ?』


「ええ、貴方にしかお願いできそうにないの、聞いてくださる?」


『うわあッ! なんだよ!それ、おまえ、また何か企んでるな⁉︎』


「やあねえ、何もないわよ。ただ、ちょっとお願いがあるだけ♡」 パチッ!


アリエラはグレイの写っているモニターにウィンクを一つしながら頼んだ。


『だああッ! やめろッ!わかった、わかったからッ! で何だ言ってみろ!』


「明日出港するんでしょ、目的地はどこ?」


『いや、決めてない。新鋭艦だからな、それぞれの慣らしを兼ねた帝国内周遊ってのになる』


「じゃあそれに、ある人物を乗せて、明後日早朝には帝国学園に連れてってほしいのよ」うふ


『まあ、そんなことなら構わんが、誰を乗せるんだ?』


「ああ、私の甥の子だよ!」


『甥っ子? おまえの甥の子って…』


「【ラステル・ヴェル・アトランティア】よ! じゃあ頼んだわよ!」 ピッ ブン!


『えッ⁉︎ あッ! ちょッ… 』 ブンッ!


アリエラはグレイに強引に頼むと返事を待たず高速映像通信を切り、再び甥っ子のラステルに高速映像通信を継ないだ。


カチカチ ピッ! ジジッ ブン!


『あッ! アリエラおば…』 ビクッ!


「ああッ⁉︎」 ギラッ!


『いえ、アリエラ姉さん…』 コソコソ


「全くもう、ラステル、手配したから。明日早朝0830時出港のふねだから、0730時に第3デッキB01ベイに行きなさい」


『えッ 本当! どんなふね、かっこいい?』 ババッ!


「格好なんかどうでもいいでしょ軍艦なんだから、名前は『ライデン』、いい?忘れないでね!」


『でも一応知りたいじゃないか』


「あんまり駄々こねると、断るよ!」 ジイイッ


『いえ…明日準備して自分の目で確かめます』 ペコ


「そうしなさい。で、護衛はどうするの?」


『それなら大丈夫、同期で英雄のあの3人を連れて行くから』


「ああ、あの子達ね…」


『じゃあ、交流戦の視察準備もするからこれで切るよ』


「ラステル、あなたはこの国を背負う男になるのよ、行動は慎重にね」


『わかってるよ! アリエラおばさんッ!』 ピッ ブン


「だからッ! おばさんじゃないいいーッ‼︎」 ガアッ!


アリエラが叫ぶ前に高速映像通信は切れ、艦長室で1人叫んでいた。


「おばさんなんかじゃないよね… グレイ…」 はああ…


艦長室の窓から、反対側の第3デッキB01ベイに係留されている新鋭艦、強襲巡航艦「ライデン」を見てため息をするアリエラだった。


ー帝都学園 演習準備棟2階、女子更衣室ー


「ぎゃあああーッ! やめてえー! 見ないでええーッ!」 ババッ!


「わああ、アニスちゃん綺麗な胸」 ジロジロ


「ほんと、白い透き通るような肌ね、それに綺麗な膨らみ」 


「ねえ、アニスちゃん」 ジリ


「うう…な、なんです…か?…ふ…2人とも…」 グスッ ふるふる


「「 ちょっと、ちょっとだけでいいから、 ねッ♡ 」」 ニコニコ


「いやあああーッ!……」


休校日の演習準備棟から、アニスの可愛い悲鳴が聞こえてきた……





いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ