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第167話 休校日

―帝都学園 女子寮棟横 空き地―


チュンチュン チチチ  サアアアアーー


学園内に日が登り、朝日が充満してきた頃、ここ帝都学園内女子寮棟横の空き地に、アニスはテントを張って寝泊まりしていた。


バサッ テクテク  う〜ん…


「ん、今日もいい天気だね」 ウン


テントから出てきたアニスは、私服姿で、朝日の登った空を見ていた。 軽く足を開き両腕を広げ目を閉じる。そしてアニスは創造者の能力を使用した。


「《リ.ディテクションッ!》」 パアアアアアアアーーーーンッ……

          ・

          ・

          ・

「ん………反応なしか……まだしばらくはこの世界にいなくてはならないか…」


アニスは元々この世界の存在ではない。この世界は元々、アニスと共に【次元幽閉】され、消え去る世界だったが、それをアニスの能力で存続可能な世界になったものであった。 この世界は救われたが、完全なる隔絶世界となり、アニスは元の世界に戻る事が現在できていなかった。


元の世界、異世界アークに戻る為のゲートはいつ顕現するかわからない。その為アニスは時折、こうして探査能力を使って、この世界全体を見ているのであった。


「ふう…ま、いつかは見つかるかな…しかし、この身体にもずいぶん馴染んだね…このまま女の子でやって行くしかないか…」 サッ テクテク


憲兵総本部の事は昨日の出来事で、あれからアニスはニールやグレゴリー、ウィリバルト達と別れ、1人でこの学園に帰ってきた。 その時はもう日もすっかり暮れており、誰もいなかったので、ここにテントを張り、一夜を過ごしたのであった。


結局、総本部での事は、青年憲兵の暴走という事で片付けられた。当の本人は、刑務ドローンと「対人兵器 タドン」との戦闘に巻き込まれ殉職、その所業を多くの憲兵が見ていたので、被疑者死亡で片付けられた。


また、この事はアニスとグレゴリー、ウィリバルトの3人だけの話だが、ニールを誘拐した犯人は、極秘裏に捜索中となった。 おおよその犯人はベルター中尉なのだが、彼は現在行方不明で、おそらく逃亡中とのことだった。


全てをグレゴリーとウィリバルトの2人に任せ今日の朝を迎えたのである。


「さて、今日はどんな1日かな」 テクテク スッ! キュッ! ファサッ!


パチンッ! ボウッ! メラメラ カチャカチャ ジュウウ….


アニスは白銀髪の髪を束ねポニーテールにし、私服の上からエプロンをつけ、火の消えていた竈門に指を鳴らし火をつけ朝食の準備を始めた。


ポコポコポコ ジュウウ トントントン ザッ! カシュカシュカシュッ!


「ん〜 今朝はサンドイッチに野菜スープ、食後に紅茶かな」 ふんふん♪


材料は野菜のオニーとニジン、キャベ、芋類のカルトを全て細かく刻み、水洗いしておく。空の鍋を火にかけ中にバターを塗る、最初に細かく刻んだオニーを入れ、しんなりしたらニジン、次に芋類のカルト、全てに火が通ったらキャベを投入。キャベもしんなりしてきたらここで水を入れ塩、コショウ、そしてコンソメ入れて煮詰める。約10分ほどで出来上がり!


「かんたん野菜スープの完成ッ! 後はコレをかまどの横にずらして保温っと」 ゴト


アニスは手際良く、野菜スープを作った後、サンドイッチ作りに入った。


「もうこれは簡単、卵を茹でた後潰してマヨネーズを混ぜる、白いパンを二つに切って、中に水洗いした野菜のレターの葉を置きそこに、さきほど作った卵のマヨネーズ和えを入れて挟む、ただコレだけで完成」


ブオン! ドンドンッ! カチャカチャ! カランッ! トトト カチャ


アニスは異空間よりミニテーブルと椅子を出し、その上に卵サンドイッチと野菜スープ、それに氷を入れた果実ジュースを添えて席についた。


「ん、美味しそうにできたッ! では、いただきまーす♪」 カチャ


「あら、本当、美味しそうですね」 コツコツ ニコ


アニスがそう言ってスプーンを手に取り、野菜スープを食べようとした時、背後から声がかかった。


「ん?…あッ!」 クルッ!


そこに現れたのは、4回生「王金獅子クラス」担任、現在アニスの姉でもある【レイラ・ヴァン・クリシュナ】であった。


「レ、レイ…」 ピクッ!


「うん?アニスちゃん、レイなあに?」 ニコニコ


「ううんッ! お姉ちゃんッ!」 ブンブン ババッ!


「はい!アニスちゃん、そうですよ、お姉ちゃんですよ」 ニコニコ


一昨日、半ば強引に姉妹になった姉のレイラであった。


「それより本当に美味しそうね。 頂いても?」 ニコ


「はい、どうぞ、まだありますから」 カランコロン トトト


アニスはレイラの分の氷を入れた果実ジュースを注ぎながら、彼女の朝食を準備した。


「どうぞ」 スッ カチャッ!


「ありがとう、アニスちゃん ではいただくわね」 スッ! カチャッ パクッ


レイラは野菜スープから口に運んでいった。


「まあッ! 物凄く美味しい、お野菜も食べやすいしスープのこの風味、アニスちゃんとてもいい味ですよ」 モクモク コクン


「ありがとうございます。じゃあ、私も…あむッ」 パク もぐもぐ


「ふふ、(食べる姿も可愛いなんて…本当、いい娘だわ)」 スッ パク モクモク


2人は帝都学園の早朝、清々しい空気の中で朝食をとっていった。


「ふう…ごちそうさま。美味しかったわ、アニスちゃん」 ニコ 


「お粗末様です」 カチャ カチャ コポコポ トトト


アニスは食後の紅茶を注いで、レイラに渡した。


「どうぞ」 スッ カチャ フワア〜


「あらいい香り、ありがとうアニスちゃん」 スッ コク


「どうですか?」


「ええ、とっても美味しい紅茶です」 カチャ


アニスも紅茶を飲み、ひと段落したところでレイラから話しかけてきた。


「アニスちゃん、憲兵総本部の件、無事で良かったわ」


「ん? お姉ちゃんは知ってたんですか?」


「ええ、すぐに対応したんだけど、アニスちゃんの方が行動が早く、私が色々手配してたんですけど、必要なかったみたいね」


「そうなんですか…ありがとうございます」 ペコ


「いいのよ。(本当、この娘は凄い。たった一晩でこの帝国の宰相と憲兵総監、2人の上級大将と懇意を通じるなんて、普通できないわ。アリエラが言ってたとうり、いつの間にか強固な人脈を築く、そうね、私もその1人ですものね)」


「ん?」


「うふふ、なんでもないですよ」 ニコ


レイラはアニスのような得難い人物を妹にできて心底喜んでいた。


「ところで、お、お姉ちゃんはこんな朝早く何をしてたんですか?」


「え? 私ですか?」


「ん!」 コクン


「そうですねえ、可愛い妹の動向調査?」 うふふ


「ひッ! それは…」


「ウソですよ」 ニコ


「はあ…で、本当は?」


「今日と明日は休校日、明後日からの交流戦の準備で朝早くから来てたんです」


「休校日ッ!… ってなんですか?」 はて?


「あら、アニスちゃんは知らないのね」


「はい、知りません」 コクン


「休校日とは、学校のお休み、生徒たちが学園に来ない日ですよ」 ニコ


「ああッ それで誰もいないのかあッ!」 キョロキョロ


そう、いつもならそろそろ生徒達の声が聞こえそうなものだが、今日は全くその気配がなく、静かなものであった。


「あッ でも、」


「ん?」 


「交流戦のメンバーだけは今日明日と準備や訓練などで昼過ぎには来ますよ」


「あ、そうか、いきなり交流戦じゃ作戦も何もないからね」


「そういう事です」 コクン


「という事はキャサリン先生も来てるのですか?」 カチャ カチャ


アニスは朝食で使った食器類を片付け始めた。


「ええ、当然です。担任ですからね、もう来て交流戦会場の安全点検をしてるはずですよ」 コクン


「そっか、じゃあ昼過ぎにはアルテやアレッタに会えるんですね」 ゴソゴソ


アニスはテントの中を除いて、必要になりそうな物を探していた。


「そう言えば…」


「ん?」


「アニスちゃんって、どこで寝泊まりしているの?」


「ん、ここ」 スッ!


「え? ここ?」


「はい、ここの、このテントです」 スッ


「テントッ⁉︎ アニスちゃん、テントで寝泊まりしてるのッ⁉︎」 ババッ!


「は、はあ〜…そうですが…」 コクン


「何やってんのよ事務局はッ!」 ガッ


「うわあッ!」 ビクッ


「アニスちゃん、ちょっと行ってきますね」 ニコ


「え! あ、あの…お姉ちゃんどこへ…」


「うふふ、ちょっと 」 ニコ カツカツ


レイラは笑顔でその場を離れていった。


「ん? ま、いっか」 ゴソゴソ スッ!


アニスはテントの中に入り、制服に着替え出した。


ゴソゴソ バッ! ファサッ! キュ


「そういえば、レオンは元気かな? しばらく会ってないとなんか寂しい…ん⁉︎ 私は今、何を言おうとしたのだ?」 カアアッ…


着替えながら自然と口から出たのは、ブレードライナーのレオハルト中佐の事だった。


「なんでレオンの事を…はは…まさか…」 ドキドキ


アニスの顔が赤く高揚していた。


「ええいッ! 落ち着けッ!」 ブンブン パンッ!


「ふうう…コレもこの体がなせることか…私の心が変化している?…」


「ん?この加護は…そうか、ダイアナの加護がこの身体に作用し始めたんだ。だからレオンを…」


アニスは心境の変化に気づき、それがこの世界の最高神、女神ダイアナの加護と認識した。


「う~…まあ、なんとかなるかな」 サッ テクテク


アニスは帝都学園の制服に着替え終わり、テントから出て空を見上げた。 雲ひとつない青空が広がっていた。


「ん、じゃあ交流戦会場でも見に行こうかな…」 テクテク


アニスはそう言って、学園内にある緑豊かな演習場へ歩いて行った。

          ・

          ・

          ・

―アトランティア帝国 大陸艦隊本部 カルディナ軍港ー


ビーッ ビーッ ビーッ


『A18デッキ 駆逐艦『エルロン』定期哨戒任務出動、作業員は退避』 ポン


『0930時、第3任務部隊が帰還予定、B05デッキからB18デッキまで帰還準備』 ポン


ゴゴゴゴッ シュゴオオーーー!


『駆逐艦『エルロン』出港用艦船電磁カタパルトへ』 ポン


『各作業員は退避』 ポン


軍港内は相変わらず、喧騒を見せ、数多くの人が動いていた。そんな中、中央制御センターのある建物の奥、総司令官室の中も騒がしかった。

          ・

          ・

          ・

「だからッ! ちょっと変えるぐらいいいだろッ?」 ババッ!


「いや、しかしなあ…」


「俺はアレには乗らねえぞッ!」 フンッ!


「それじゃあ乗るふねがないぞ!」


「かまわんッ! なんだったら、あそこの曳航船の船長でもやってやるわッ!」


ダンッ! ガシャアアーンッ!


「おいおい、そう怒るなよ【グレイ中佐】、お前にそんな物に乗せれるわけないだろ!」 まあまあ


「じゃあ、いいだろ?」 うん?


「だがなあ…」


ビーッ!


『駆逐艦『エルロン』定時哨戒任務にて発進します』 ポン


ドドドドドッー…


「くそう…いいなあ、あのふね、取っ替えてくれないかなあ…」 グッ


ここアトランティア帝国の帝国艦隊本部 カルディナ軍港では、今一隻の最新鋭駆逐艦『エルロン』が、定時哨戒任務の為、軍港より発進して行った。 それを見ていたのは、元駆逐艦『ライデン』の艦長だった【アレックス・グレイ中佐】だった。 彼はここでさらに強力な最新鋭艦を受領している最中なのだが、彼には彼なりのこだわりがあるようで、艦隊司令の【ワイアット・フォン・エイプス大将】に駄々をこねていた。


「グレイ、もうお前に廻せる駆逐艦は無いんだ、そう駄々をこねるな、諦めろ。巡航艦に乗れ、乗組員が泣くぞ!」


「うッ! それでも俺は『ライデン』が良かったんだよッ!」 バッ!


「全く、お前は幼馴染みの頃からちっとも変わらんな!」 はあ…


「なあ、頼むよお…なんか無いか? 『ライデン』みたいなヤツ


「ふむ…『ライデン』みたいかあ……」 う〜ん


グレイの頼みにワイアットも苦悩した。が、あることを思いついた。


「ああッ!」 ポン


「うん? なんだワイアット、どうしたんだ?」


「ふふふ、グレイあるぞ!」 カチャカチャカチャッ! ジ〜ッ!ガシャン!


「うん?」 


そう言うと、ワイアットは自身の机に備え付けの電算機を打ち始めた。そして一枚の書類を印刷し、グレイに差し出した。


「ほれ、グレイ、コレならどうだ?」 サッ


「グレイは一枚の書類をワイアットから手渡され、それに目を通した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


発令書 ワイアット・フォン・エイプス大将 発行


告 【アレックス・グレイ】中佐は本日付で新鋭艦『アキュラス』の艦長の任を

   解き、新たに、新鋭艦『ライデン』の艦長に任命する。


  艦体番号 ACC-196611A       署名    印


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「グレイ、コレで気が済んだか?」


「お、おおおッ! 『ライデン』ッ! なんだ、ちゃんとあるじゃないか!」


「じゃあ、さっさとそれにサインしろ!」


「当然ッ‼︎…」 カキカキ ポンッ! サッ!


グレイは渡された書類にサインをし、花押を押して、ワイアットに渡した。


「うん、確かに。グレイ、コレでもうお前はこの艦の艦長(・・・・・・・・・)だッ!」 サッ


「よし早速観てくる!」 ダダダッ!


グレイは意気揚々と司令官室を出て行った。それを見送ったワイアットは机の上の通信機をとってとある所へ連絡を取った。


ピッ 


「私だ、第3ベイ整備長はいるか?」


『はッ! こちら第3ベイB01デッキです』


「ああ、整備長、大至急やってほしい事がある」


『はッ なんでしょう?』


「うむ、やってほしい事とはな、………」


『は?なんですかそれは、よろしいので?』


「かまわん、書類の方は私がなんとかしておく」


『わかりました、すぐ出来ますのでお待ちください』


「うむ、すまんな」


『了解しました』


ピッ


「コレでよしッ! すまんなグレイ」 ふふふ



ー第3ベイ通路ー


ダダダッ!


「第3ベイ 第3ベイっと…おッ! 副長おおーッ!」 ババッ!


「えッ! あ、艦長ッ!」


「副長、やったぞ!」 バッ!


「は? 一体何を…」


「『ライデン』だよ『ライデン』、新しいのがあったんだ!」


「え、そんな話聞いてませんが?」


「ほれ、ワイアットからの発令書の写しだ、間違いない!」 バッ


「本当だ、艦長が『アキュラス』から『ライデン』への変更になってますねえ…」


「だろ、あの野郎隠してたんだよ、きっと! さあ我が新鋭艦『ライデン』に会いに行くぞ!」 ダダダッ!


「あッ! 艦長ーッ!…… 全く、あの人は…ん? あれっ! この写しのこれって…」


副長は書類の写しに、あることに気づいたが、既に艦長のグレイは行ってしまった後なので、そのことを言う事ができなかった。


「まあ、艦長のサインもしてあるし、書類に不備もない。いいのか」 ザッ ザッ ザッ!


そう納得し、艦長の元に向かった。


ー第3ベイB01デッキー


「ここかあッ! 私の『ライデン』ッ!……って、なんだあッ!コレはああッ‼︎」 ババッ!


第3ベイB01デッキ、そこに係留されていたのは、新鋭強襲巡航艦『アキュラス』が、艦名の所を『ライデン』と書き直されており、そこに存在していた。


「『ライデン』…俺の『ライデン』があ…」 ワナワナ


「ああ、艦長、どうですか新生『ライデン』は?」


遅れてやって来た副長が、グレイ艦長に聞いて来た。


「見事な艦です。素晴らしいですね、艦長」 うん!


「くそおッ! ワイアットの奴う! 撤回してくるッ!」 ババッ


「無駄ですよ!」 フリフリ


「なにいッ!」 ババッ!


「もう発令書に自筆のサインと花押をしたんですよ、変更はできません」


「くううッ!我が一生の不覚ッ!」 ググッ


「艦長、生まれ変わった『ライデン』を見てください」 スッ!


「うん?…ふむ…」 ジッ


「我々もですけど、『ライデン』も成長したんです。そう、駆逐艦から巡航艦に…」 うん!


「成長…か……『ライデン』…そうだな…」 ザッザッザッ スッ!


グレイは新鋭強襲巡航艦『ライデン』の艦体に触れた。


「うん、艦型ガタイは変わったが、お前は俺の…俺たちの『ライデン』だッ! 宜しくなッ!」 コンッ!


「では、艦長 ブリッジの方へ」 サッ


「ああ、行こう!副長!俺たちの休日も終わりだッ!」 スッ! カツカツ


「アイサーッ!」 カツカツ


ー新生新鋭強襲巡航艦『ライデン』ブリッジー


ピッ ピコ ポンポン 


「システムオンライン、出港準備」 ピッ ピコ!


「機関始動 フォトンリアクター臨界へ」 ポンポン ピッ!


ヒュウウウウウウーーーーンンッ!  ビコ ビココ ポン!


「火器管制システム、アップデート、全システムオンライン」 ピッ タタタ タンタン ピコ


「艦内空調、環境システム作動確認、設定開始」 ピコ ピコ


「フォトンジェネレーター始動 第1から第4機関ユニット、アイドリング正常」 ビッ ビビッ!


ブリッジ要員は忙しく新鋭艦の機関動力の始動と初期設定を行なっていた。


ピシューッ カツカツカツ


「艦長ーッ」 ババッ!


「ああ、いい、そのまま続けてくれ」 カツカツ ギシッ!


グレイは艦長席に座り、ブリッジ内を見渡し、艦内放送のスイッチを入れた。


カチッ! ポンッ!


『全艦に達する、艦長のグレイだ。こうして新しく生まれ変わったふねに、また君達と共に出港出来ることに、私は神に感謝する。コレからまた様々な任務が待ち受けているだろうが、全員で乗り切って行こうじゃないか! コレからも宜しく頼む! 以上だ』 ピッ


「「「「「 おおーーッ‼︎ 」」」」」 ドッ!


新鋭強襲巡航艦『ライデン』の艦内はざわめきたった。


「艦長」


「うむ…よし、副長! 『ライデン』出港だッ!」


「はッ! 通信士ッ!」


「アイサーッ 全艦『ライデン』発進準備ッ!」 ピッ


「了解、物資、弾薬搬入急げッ」 ピッ


「こちら『ライデン』コントロール、カルディナコントロール、コンタクト」 ピッ


『こちら、カルディナコントロール、ん?『ライデン』?こちらのコードでは貴艦は『アキュラス』になってる。どう言うことか?』 ピッ


「艦長、どうしますか?」 スッ


通信士は艦長のグレイに聞いてきた。


「通信士、こっちに回せ」 スッ


「はッ  どうぞッ!」 ピコ


「カルディナコントロールッ! 艦長のグレイだッ!」 ピッ


『グレイ艦長、カルディナコントロール受信』 ピッ


「本艦は本日付で艦名変更、『アキュラス』から『ライデン』になった。今後、本艦は『ライデン』で頼む!確認してくれ、どうぞ」 ピッ


『………確認取れました。大陸艦隊本部より艦名変更要請あり、貴艦をこれより新コード『ライデン』とします』 ピッ


「うむ、では、本艦の発進を要請ッ!」 ピッ


『カルディナコントロールより『ライデン』へ、入港する艦隊あり、貴艦の発進許可は明日0830時になります』 ピッ


「ああ、それでいい 準備する」 ピッ


『カルディナコントロール了解 オーバー』 ピッ


「と言うわけだ、明日早朝出港だッ!」


「「「「「 アイサーッ‼︎ 」」」」」


こうして、新しくなった『ライデン』は出港準備に入った。

         ・

         ・

         ・

ー帝都学園 学園敷地内ー


テクテク テクテク ピタッ


「ん? なんだコレ?」 ペタペタ コンコン


アニスは交流戦会場入り口にある、大きな黒い球体を見つけそれを軽く叩き見ていた。


「う〜ん、何処かで見たことあるよね」 サスサス ペタペタ


するとそれはいきなり動き出した。


ヴオンッ! ピッ ピッ ギュウウウンンッ!


「うわあッ! 動いたッ!」 ザッ!


ジーーッ! カシュン!


それはいきなり立ち上がり、アニスをじっと見つめていた。


ジーーーーッ ピッ! 『確認シマシタ…』 ピッ……


アニスはその場で、ソレの動向を見守っていた。



 

いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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