第165話 アニス、行動する
ーアトランティア帝国 憲兵隊総本部ー
ドウウウンンッ! パラパラ メラメラ!
憲兵隊総本部内は、いたるところが炎に包まれ始めた。そんな中、アニスは倒れて動けなくなっている、2人の人物に近づいていった。
テクテク テクテク テクテク スタッ!
「ニール、大丈夫ですか?」 スッ!
「う…ううッ…」 ピクッ
ニールはアニスの呼びかけにも応じず、気絶したままだった。
「大丈夫、ニール…今助けます」 スッ!
アニスは倒れているニールの身体に右手を当て、治癒の能力を使った。
「んッ!《リ.ライフッ!》」 キュインッ パアアアンンッ!
ニールの周りを光の輪が囲み始め、出血していた血は止まり、傷口はあっという間に塞がり傷跡も無くなった。苦痛の表情を浮かべていたニールが穏やかな顔になり、呼吸も穏やかになってきた。
シュウウウウ… パアアアンンッ!
ニールの身体を包んでいた光が弾け、彼女の治療は終わった。
「うッ…こ、ここは…」 パチッ スク フラ…
「気がつきましたか?」 ニコ
「え…アニスお姉さまッ!」 ガバッ! ギュウッ!
「もう、大丈夫みたいですね…」 サスサス
ニールは目の前にアニスがいて、思わず抱きついてしまった。
「そうだッ! 私撃たれたんだッ! えッ!」 バッ! ササッ!
ニールはアニスより離れ、撃たれた脇腹に手を当ててみたが、そこには出血どころか傷跡もなく、綺麗な自分の肌が可愛いヘソと共に見えていた。
「ん、可愛いですね」 ニコ
「あ…恥ずかしいです…」 ババッ カア…
ニールは咄嗟に、見えていたヘソを隠した。
「ん、…さて、この人は?」 テクテク ササッ
アニスは10数発のフォトン弾を身体中に受け、大量の血を流し、横たわっている大佐に近づいて、体の状態を見た。
「ハアハアハア…ハアハア…ウグッ!…ハアハア…」 タラタラ…
「ふむ…(もう…あまり持たないか…)」 サッ スッ ススッ!
「アニスお姉さまッ! その方を助けて下さいッ!」 ババッ! トコトコ
「ん? ニールはこの人を助けたいの?」 クルッ
「はい…この方は身を挺して、襲ってきたあの兵器達から私を守って頂きました」 スッ
「ハアハア…ハアハア…」 タラタラ…
「ん、そっか、ニールの命の恩人だね」 ニコ
「はい…ですから、助けてくださいッ!」 ペコ
ニールは涙目で、アニスに大佐の治療を懇願した。
「ん、わかった、この人も治すね」 コクン
「アニスお姉さま…」 ギュッ!
アニスはニールにそう言うと、右手を大佐の体に触れ、ニールに施したのと同じ、治癒の能力を使った。
「《リ.ライフッ!》」 キュインッ パアアアンンッ!
大佐の身体も、ニールの時と同様、光の輪が身体を囲み、彼の出血を止め、傷口が塞がって行く。身体に残っていた銃弾は、傷口から出てきて落ち、その傷口も痕を残さず消えていった。荒かった呼吸も落ち着き、大佐の顔色は良くなっていった。
「ア…アニスお姉さま…凄いッ! 傷口が完全に消えて、血が止まってる…(凄い治癒能力だわ、アニスお姉さまのコレは魔法なんかじゃない…アニスお姉さまって一体…)」
ニールはアニスが大佐を治療していくのを見て驚いていた。自分の見知っている治療魔法とは全く別の、異質の治療方法だったからだ。
シュウウウウ… パアアアンンッ!
最後に光が弾け、彼の治療は終わった。
「ん、終了っと」 スッ
「アニスお姉さまッ! この方はもう…」
「ん、治ってるよ、じきに気がつきます」 ニコ
「よかったあ〜…」 ヘナッ
ニールは大佐が助かった事に安心し、その場にへたり込んだ。
ドゴオオオオーン… バンバンバンッ……
総本部のどこかで、未だに銃声と爆発音がしていた。
「アニスお姉さま、これからどういたしますか?」
「……」 ギュッ!
アニスは無言で手を握り、銃声や爆発音のする方を見ていた。
「アニスお姉さま?…」 スッ
「許せない…かな…」 ボソッ テク…
「えッ?」 ピクッ
「見境なしに、人を傷つけ、その命を奪う…やっぱり許せないよね…」 テクテク
「アニスお姉さまッ! どこへッ⁉︎」 バッ! スタッ!
ニールは再び立ち上がり、アニスに尋ねた。
「ん、ニール、ここでその方と待っていてください…」 テクテク
「で…でも…」
「ああ、そっか…ちょっと待って」 ピタッ スッ!
アニスは立ち止まり、床に落ちていたニールに渡した自分のライトニングセイバーを拾いあげた。
「…やっぱりコレじゃあダメだったか」 カチッ! ビシュウウーッ ヴオンッ!
拾い上げた自分のライトニングセイバーを起動し、その状態を見た。
「いえッ! お姉さまのライトニングセイバーは完璧ですッ! それどころか、それを持っていますと、いつもより体の動きが良くなるんです」
「ん、それでも、ニールは銃弾を受け、傷ついたんですよね…」 カチッ! シュンッ!
「はい…でもそれは…」
「大丈夫です、少し加えますから…」 キンッ! シュバアアーッ!
「え? きゃあッ!」 バッ
アニスの手元にあった、ライトニングセイバーの本体を左手に持ち、右手をその上にあてた。すると、ライトニングセイバー本体が眩く光り、その表面に、神語であるヒエログリフが刻まれ始めた。
ジジジジッ! ジジジッ! ババババッ!
「(攻撃力増大、身体能力上昇、魔力消費量過少、自己修復、自動攻反撃、使用者絶対防御…よし、これなら…)うんッ!」 スッ!
パアアンン――ッ! シュウウウウゥゥ……
アニスの手元には、創造者であるアニスの特殊付与がされた、この世界に唯一無二の神級武器「ライトニングセイバー『シリウス』」が誕生していた。
カチッ! ビシュウウーッ! シュゴオオーーー!
「ん、ちょっと出力が大きすぎる! コレじゃあ、相手が蒸発してしまうじゃないかッ! 危ない危ない…」 グッ!
シュウウウウ… ヴオンッ! シュンッ!
「ん、コレでよしッ! あとは…」 カチッ シュン! スウ〜ッ!
アニスは調整したライトニングセイバー本体に満足したのか、起動停止し、さらにライトニングセイバーの本体をひとなぞりした。
「よしッ できたッ! はいニール、コレならもう大丈夫ですよ」 スッ
「アニスお姉さま…一体コレは… 」 スッ チャッ
ニールはアニスよりライトニングセイバーを受け取り、それを確認していた。
「ニール、それなら誰にも負けない。それにソレ自体が貴女を完璧に守る。大事にしてね」 ニコ
「え? アニスお姉さまッ! コレを私にくださるのですかッ⁉︎」 バッ!
「ん、ソレに銘を付けました。『シリウス』、使って下さい」 コクン
「『シリウス…』」 カチッ! ビシュウウーッ! シュンッ! ヴオン!
「ん、使えそうだね」
「凄いッ! 青白いフォトンソード… 」 ブンブンブンッ! ブオンッ! ザンッ!
ニールは試し振りをし、新たなライトニングセイバーの感触を確かめていた。
「アニスお姉さまッ! コレもの凄いですッ!」 カチッ シュン サッ! タタッ
ニールはライトニングセイバーの起動を停止し、両手でそれを持ってアニスに近づいていった。
「ニ、ニール?」
「アニスお姉さま、私、コレを一生の宝物にします。いいえ、もうコレは家宝だわ、我が家の家宝にします」 ギュウッ!
「はは…じゃあ、ここでその方と待っていて下さい。必ず戻ります」 ニコ
「はい! お姉さま、お気をつけて!」 スッ
「ん、じゃあ!」 キュンッ! シュンッ! サアアアアーッ!
「消えた…流石お姉さま…凄いです…」 ポツン
アニスは一瞬でその場から消え、まだ稼働して無差別攻撃をしている「対人兵器 タドン」のいる方に向かった。
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王城から一台の公用車両が出てきた。グレゴリーとウィリバルトの2人を乗せた車両であった。
「グレゴリー、そんなに心配するな。すぐに見つけてやる」
「すまんな、ウィリバルト 手間をかけさせる」
「なに、皇帝陛下の命がなくても俺は動いたさ、それに【ニール】の嬢ちゃんにも久しく会ってなかったからな、ちょうど良かった」 フッ
「ニールには私が小さい時から鍛えてある、そんじょそこらの者には負けはしないのだが…」
「余程、卑劣な手段でも使われたのだろ」
「ニールにもしもの事があってみろッ! 俺がこの手で始末してやる」 ググッ
「あ、ああ…(俺? すんげえ怒ってやがる、コリャ犯人は死んだかな…)」
車両が王城を出て、しばらくした頃、車窓の外に突然巨大な火柱が上がった。
ドゴオオオオーンッ‼︎ ボウワアアーーッ! バッバッ モクモクモク
「「 うわあッ! 」」 ガクガク ガクンッ! キキイイーーッ!
2人を乗せた車両は急停車し、その場に止まった。
ガチャッガチャッ! ババッ!
「何事だああッ!」 ザッ!
「おいッ!ウィリバルトッ!」 スッ!
急停車した車両を降り、グレゴリーが指さしたそこには、炎と黒煙を吐き出し燃え盛る憲兵隊総本部がそこにあった。
ドオオオンッ! ボウンッ! バンバンッ! メラメラ
「なッ! 総本部が…」
ウ〜ッ ウ〜ッ ウ〜ッ カンカンカン!
帝都内の消防隊であろう、サイレンを鳴らし、何台もの消防車両が、火災を起こしている帝都憲兵隊本部の方向へ向かっていった。
「ウィリバルト乗れッ! 総本部へ急ぐぞッ!」 ババッ!
「あ…ああッ‼︎」 ザッ! ババッ!
バンバン! ブウウウンッ! シュアアアアーーッ!
2人はすぐさま車両に乗り込み、猛スピードで、総本部に向かった。
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ドオオオンッ! メラメラ ボウッ ボウッ!
憲兵隊総本部の外周りには、同建物の憲兵や職員達が遠回りに、自分達の燃え盛る建物を見ていた。
「おいッ! どういう事だよこれは…」 ザワザワ
「俺に聞くなよ」 ザワザワ
「中にまだ残ってるヤツいるんだろ? 大丈夫か?」 ガヤガヤ
「囚人どもは大丈夫だ、奴らは地下3回の牢獄だ、そこまで火は回らんだろうし、例の対人兵器はあそこには体がデカすぎて入れないさ」 ザワザワ
「職員や憲兵はどうなる?」 ガヤガヤ
「バッジがある奴は大丈夫さ、それが無い者は…」 フリフリ ザワザワ
ドオオオンッ! ドガアアンンッ! タタタッ ボウボウッ! モクモク
建物内では相変わらず銃声と爆発音が聞こえていた。避難を終え、遠巻きにその様子を見ていた者達の中に、あのベルター中尉の姿があった。
「ふふふ(燃えろ燃えろおッ! 全部燃えて無くなってしまえッ!)」 ニヤッ
ベルター中尉がそんな事を思っていた時、背後にものすごい勢いで近づき急停車した車両があった。
ギュンッ! キキイイーーッ! バンバンッ! ダダダダッ! ザザーッ!
急停車した車両から出てきたのは、帝国宰相のグレゴリーと帝国憲兵総監のウィリバルトであった。
「おいッ! ウィリバルトッ!」 バッ!
「なんて事だッ!」 ググッ!
その2人が並んで姿を見せた時、まわりの憲兵や職員達がさわぎだした。
「お、おいッ! あれってッ!」 スッ ザワザワ
「そ、総監殿おおッ!」 ザワザワ
「け、敬礼ッ!」 ザッ バババッバーーッ!
そこにいた憲兵や職員の全てが、2人に向かって敬礼した。
「敬礼はよいッ! それよりこの状況はなんだッ! 誰か説明しろッ!」 ババッ
ウィリバルトはこの場にいる全員に問いかけた。だが、誰が説明できよう、ほとんどの職員、憲兵はいきなりの警報とこの惨状だ、皆が逃げるのに精一杯の状況だった。そんな中、1人の男が手を挙げた。
「総監殿ッ!私が一部始終を知っておりますッ!」 バッ!
「なに、貴様がか⁉︎」 ジッ!
そう名乗り出たのはベルター中尉だった。誰も名乗り出ぬ中、彼が名乗り出たのは、今回の事で、自分に要らぬ嫌疑がかからぬようにするためだった。 中尉の階級を持つ自分が先に報告をすれば、それが罷り通る。自分に疑いが掛かる事はないとの算段だった。
「中尉、それで、いったい何があったのだ?」
「はッ! さすれば御報告します。 捉えていた囚人が脱走! 憲兵を襲い、持っていた『対人兵器 タドン』制御装置を奪い起動させた次第にございます」 ザッ!
「ではコレは、その囚人が起こした事態だというのか?」 バッ!
「はッ! 左様にございますッ! (よし、コレで俺に嫌疑はかからない)」ザッ!
ベルター中尉は、一通りの報告が終わると、安心したのか、顔が綻んだ。
ドオオオンッ! バババッバーーッ!
「むッ! とにかくこのままではどうにもならん!」 ザッ! ザッ!
「そうだな、貴様の娘を探すにしてもコレではなッ! ザッ! ザッ!
2人はいまだに爆発音が聞こえる総本部を見て動き出した。それを見てベルター中尉は慌てて2人に問いただした。
「総監殿!一体どちらへ?」 バッ!
「決まっておろうッ! 中に入るのだッ!」 ザッ! ザッ!
「うむ、そうだ中尉、案内を頼む、中の様子は貴様がよく知っておるのだろう?」 ザッ! ザッ!
「え⁉︎ わ、私がですか!」 オドッ
「そうだ! 頼むぞッ!」 ザッ! ザッ!
「いや…しかし、中には『対人兵器』の『タドン』が…」 オドオド
「なにを言っておる、貴様も敵味方識別バッジがついておるではないか、それがついていれば安全だついて来いッ!」 ババッ!
「いえ…あ、その…(不味い! コレは非常に不味いぞ! 奴等がまだ生きてれば俺のことがバレてしまうッ!)」 ウウ…
ベルター中尉が2人の命令を躊躇していた時、彼等の正面、閉鎖されていた総本部の入り口付近が中側から外に向けて吹き飛んだ。
ドガアアンンーーッ! ブワアアアアーーッ! バラバラ ドンッ! ゴンッ!
「うおおおおーッ!」 ブオンッ! バババーッ!
「ぬうううーッ! 」 ブオンッ! バババーッ!
「うわあああーッ!」 ビュン! ゴロゴロゴロ!
3人に向かって、建物正面はも凄い勢いで爆発、粉砕され、その瓦礫や件の「対人兵器 タドン」の破壊された破片が飛んできた。 グレゴリーとウィリバルトは自身で防御魔法を展開し、その破片や爆風を防ぎ耐え凌いだが、ベルター中尉はなすすべなく、それらと一緒に吹き飛んでいった。
シュウウウウウ…. カラン コロコロ モクモク
「ウィリバルトッ! 無事かあッ⁉︎」 モクモク バッ! ババッ!
「ゴホゴホ! ああ、無事だ。貴様も大丈夫か?」 モクモク ババッ!
「うむ、私は無事だが、中尉が吹き飛ばされた! どこに飛んで行ったかわからん!」
「仕方なかろう! 瞬時に防御魔法を唱えるなど、ごく僅かな者しかいないのだからなッ!」
「ああ…そうだ むッ! ちょっと待てッ! 来るぞッ!」
カラン カラン ゴトッ! ズンッ! パラパラ… ウイイイイーーン!
ガシュン ガシュン! ピッ ピコピコ 『目標索敵中 目標索敵中』 ウイン!
「出たぞ! アレが『対人兵器 タドン』だッ!」 バッ!
「アレがか?…だが様子が変だ!」
グレゴリーが言うように、「対人兵器 タドン」は、2人の方ではなく、建物の中を捜査していた。が、その時、たった今現れた「対人兵器 タドン」が一瞬で外に向かって吹き飛んだ。
「《イグニ.グラン.バーストオオッ!》」 キイイイイインッ! ドゴオオオオーーンッ!
ギッ! ガッ! 『ガガ……アアア…』 ビジュワアアアアーッ‼︎ バアアアーー!
「「 うおおおおーッ⁉︎ 」」 ガバッ! ビュウウウーーッ バサバサ
ドガアアアーーンッ! パラパラ コン コロコロン…
「なんだ今のは?」 パラパラ
「わからん、とにかく高出力のフォトン砲か何かだ!」 パッパッ!
「何かってなんだ?」 サッサッ!
「うぬ! 中から誰か出てくるぞ!」 スッ!
「なに、憲兵か?それとも職員?」 スッ
大きく空いた総本部の正面から、1人の少女が姿を見せた。
「ん、コレで23っと、あといくついるんだ?」 ガラッ テクテク
そこに現れたのは、青みがかったセミロングヘアの白銀髪を揺らし、帝都学園に女生徒の制服で、汚れや傷が一切ないアニスが現れた。
「んッ!」 シュンッ! ババッ!
『敵対行動 攻撃開始』 ピッ ババババッ! チュンチュン ビシビシビシッ!
「ん、それえッ!」 シュンッ! ビシイイイッ! ガンッ!
ドゴオオオオーーン! ガン ゴンゴンッ! バアアンン! モクモク
「全く、不意に撃ってくるんだから…」 シュウウウウウ…
アニスは咄嗟の攻撃も難なくかわし、一瞬で「対人兵器 タドン」の背後に現れ、思いっきり、その綺麗な足で回し蹴りをし、タドンを蹴り飛ばした。
パチパチ ビビッ ウイイイイーーン! ガシュン ガシュン ブオン!
「ん? まだ動くか、《縮地ッ!》 神級迎撃剣技ッ!《ガイエリアス.グラン.ファングッ!》」 シュンッ! シュバアアアアーーッ
ガシュン! ビビ 『ビ ビビーッ!』 ザシュウウーッ! ドガアアアーーンッ!
「ん、コレで24ッ、もういないかな…」 シュウウウウウ… バサバサ…
アニスは稼働して、総本部内に残っていたタドンを全て破壊してしまった。その様子を2人の上級大将は、まるで夢でも見たのかと言う雰囲気で、その場に立ち尽くし、アニスを見ていた。
「おいウィリバルト、俺は夢でも見ているのか?」
「グレゴリー、夢ではなさそうだ。あそこにいる帝都学園の女生徒が『対人兵器』に蹴りを入れて吹き飛ばし、あまつさえ見たことのない技でそれを切って爆発させた。コレは紛れもない事実だ」
「何者だあの娘は…」 ジッ
「わからん、だが囚人には見えんな!」 ジッ
「ん⁉︎」 クル ファサア〜
2人がアニスを見ていたその時、アニスも2人に気が付いた。
「ん、他の人とは違うね、だれ? もしかするとコイツらを動かした張本人?」
スタッ! テクテク
アニスはグレゴリーとウィリバルトの2人に近づいて行った。
テクテク テクテク
「おい、こっちにくるぞ! どうする?」
「そうだな…一応話してみるか…」 ザッ! ザッ! ザッ!
グレゴリーは、こちらに近づいてくる銀髪の少女、アニスに話をするために近づいていった。
テクテク ザッ ザッ テクテク ピタッ ザッ ザッ ピタッ
アニスとグレゴリーの2人はお互いの距離、数mの所で立ち止まった。
「貴方が今回の騒動の張本人ですか?」 ニコ
「なッ‼︎」 ババッ!
グレゴリーはアニスの突然の質問に驚いた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。