第161話 アニス、憲兵に連行される
ー帝国学園 3回生教室棟 銀翼クラスー
テクテク トコトコ キイッ ヒョイ
「ああッ! アニスちゃんだーッ!」 わああーッ!
「おはようッ! アニスちゃん」 サッ
「はい、おはようございます」 サッ
アニスは、教室に入るとアルテとアレッタ、それにエマ達女生徒の皆んなと朝の挨拶を交わした。とにかく、3日振りに会う女生徒達は元気である。それに対して、男子生徒達の方は、皆、落ち着いていて、挨拶も「よおッ!」とか「やあッ!」の一言で済んでしまっていた。
ワイワイ ガヤガヤ ザワザワ
リンゴ〜ン♪ リンゴ〜ン♪ バタバタ ガタガタ
授業開始の合図がなり、皆が自分の席についた。
ガコンッ! キイイ バタン カツカツカツ ピタッ
「起立ッ」 ガタガタガタ
「礼ッ! おはようございますッ!」 ザッ!
「はい、おはようございます」 スッ
「着席ッ!」 ガタガタガタ
「皆さん 3日振りに…ヒイッ!」 ビク
キャサリンは生徒一人一人見渡して朝礼をしていた時、そこに特徴的な白銀髪の少女アニスと目が合い、思わず小さな悲鳴が口から漏れてしまった。
「ん? 先生、どうしましたか?」 ガタ
「ビ…ビクトリアス….さん?」 オドオド
「はい、ビクトリアスです」 ニコ
「ふう〜、そっちですね、おはようございます」
「なになに、アニスちゃん、先生と何かあったの?」 トントン
「ん、キャサリン先生とは別にないはずなんですけど…」 はて…
アニスは知らなかったが、これは今朝、職員室でのこと……
・
・
・
キイイ パタン
「おはようございます」 スッ カツカツ
「おはようございます」 スッ
「ああ、キャサリン先生おはよう」 サッ
「教頭先生! おはようございます」 ペコ
キャサリンは教職員室にて、後から入ってくる先生方や教頭先生などに挨拶をしていた。その時、4回生教員席の方からレイラがやって来て、キャサリンに話しかけた。
「キャサリン先生」 ニコ
「レイラ先生! さっきはすみません…」 ペコ
キャサリンは、先程レイラの前から逃げ出した事を謝った。
「んふ、いいのよ。それよりも、ちょっとお話があるんですけど、よろしくて?」ニコ
「は、はい!」 バッ
「では、こちらに…」 サッ コツコツ
「はい…」 コツコツ
キイイ パタン ガチャッ!
2人は以前相談に使った小部屋へと入っていった。
「あのう、それでお話というのは…」
「はい、貴女のクラスの生徒、【ビクトリアス】さんの事でちょっと…」
「か…彼女が何かしたんですかッ⁉︎」 バッ
「ん〜そうですね、したと言えばしましたし…と言って悪い事ではないので安心してください」 んふ♡
「ではいったい…」
「はい、彼女は今日から公爵家の次女となりました。接し方にはご注意をと伝えたかったのです」 ニコ
「なんだあ、そんなことでしたか、ビクトリアスさんが侯爵家なんて、知ってますよ」 ニコ
「キャサリン先生、違いますよ」 ニコ
「え⁉︎」
「侯爵家ではなくて、公爵家です。間違えないでくださいね」
「え…ええーーーッ⁉︎」 ガタガタ
「彼女は二つの家名持ちになりました」
「ふ、二つですか?」
「はい、一つは【ビクトリアス】侯爵家…」
「は…はい、でもう一つの方は…?」
「【クリシュナ】公爵家、つまり私の妹になりました♡」 ニコニコ
「ええーーッ⁉︎」 ガタタッ!
「これは決定事項です。ですから、彼女が【ビクトリアス】を名乗っているときは侯爵家扱いを、私の【クリシュナ】を名乗った場合は…」
「な…名乗った場合は?」 ビクビク
「んふ♡ 王族対応でお願いします」
「ひいいいッ!」 ガタガタ
「じゃあ、そういうことで、キャサリン先生」 ガチャ キイイ パタン
5分ほど、キャサリンはその小部屋で呆然としいた。その後、小部屋から出てきて今に至る。
・
・
・
「お、お静かに!」 パンパン
「わッ (また後でね)」 ヒソヒソ
「ん!」 コクン
「それでは、遅れた分、しっかり行きますよ!」 タンッ!
アニス達の授業は順調に進み、帝国学園午前のみの授業はあっという間に終わり、終業の鐘が鳴り響いた。
リンゴ〜ン♪ リンゴ〜ン♪
「以上、来週は『金扇クラス』との交流戦です。選ばれた方はしっかり、訓練と準備をしておいてください!」 タン
「「「 はい! 」」」
「では皆さん、ごきげんよう」 キイイ パタン
ガタガタ ザワザワ ワイワイ ガヤガヤ
「ふいいッ! 終わった、終わったあ」 ガタン
「全く、算術なんてまどろっこしいぜ!」 ガタ
「それな! で、昼食済んだらやるんだろ?」 グイッ
「まあな、今回だけは負けられないんだ!」 ググッ
「そうだな、皇太子殿下が観に来るらしいからな!」 グッ
「ああ、それに聞いたか?」 グイ
「うん? 他に何かあったか?」
「あったもんじゃねえよ! 来週の交流戦にはあの英雄!『ワンダースリー』の【アラン】少尉達3人も殿下の護衛としてくるんだぜえ!」 グッ
「本当かよッ! そりゃあすげえぜッ!」 グッ
「だろ! だからいっそう頑張んなきゃなッ!」
「おうッ! やってやろうぜッ!」
「まずは昼食を食ってからだッ!」 ガタッ
「おう!」 ガタタッ
ダッ ダッ ダッ キイイ パタン
男子生徒達はそう言って教室から出ていった。
「(ふ〜ん、アラン達、ここにくるのか….)」
「アニスちゃん! アニスちゃん!」 トコトコ
「ん?」 カタ
そこに声をかけて来たのは、交流戦女子元メンバーのエマだった。
「アニスちゃんはお昼どうするの?」
「ん? お昼かああ…(別に食べなくても良いけど、ここはみんなに合わせた方がいいかな?)」
「私達は、街に行って取ろうと思うんだけど、アニスちゃんも一緒にいこうよ」
「ん、そうだね、良いお店知ってたらよろしく」 カタタ
「うん、任せて!」 ギュッ!
そう言ってエマとアニスの女生徒達は昼食を取りに街へ向かった。
「アレッタ、私達はどうしようか?」
「そうね、昼食ぐらいアニスちゃんには皆んなに付き合ってもらったほうがいいわ」
「わかったわ、転入してまだ4日だものね。みんなと仲良くなって、それから私たちと訓練ってとこかしら」
「アルテ、その方がいいわ」
「それじゃあ、私達は、アニスちゃんが帰って来たらすぐ訓練できるよう準備しておこうか」
「そうね、じゃあ、キャサリン先生に訓練棟の使用許可と付き添いを頼みに行こうか?」
「ええ、そうしましょ」 ガタタ トコトコ キイイ パタン
アルテとアレッタは、昼食を取る前に、訓練棟の使用許可と付き添うを頼むために、教師棟に向かった。
ー帝都「アダム」 繁華街ー
テクテク トコトコ ザワザワ キャッキャッ
「で、どこで昼食をしますか?」
「そうね、この人数が一度に入れるのは…」 う〜ん
エマは頭に手を当てた。自分を入れて今は5人、そう大人数ではないが、皆が一緒のテーブルにつける店は、と記憶を辿っていた。
「『キッチンカフェ ワラク』、ここしかないッ!」 グッ
「うん『ワラク』いいね!」 コクコク
「わああッ! 久しぶりだよ!」 グッ
「私、あそこの『石焼グラタン』が食べたいッ!」
「あッ 私もッ! 中のチーズがとろけて最高なのッ!」 ウンウン
「ん、じゃあそこで…」
「では決まりね! 行きましょッ!」 サッ トコトコ
アニス達、銀翼クラスの女生徒5人は、繁華街の中にあるお洒落な店構えの、「キッチンカフェ ワラク」の扉を開けて、中に入っていった。
キイイ カランカラン♪
「いらっしゃいませえ! 何名様ですか?」 トテトテ
「あ、5人ですけどいいですか?」
「はい、こちらへどうぞ」 サッ
トテトテ トコトコ テクテク
店員に案内され、皆はその後についていった。
「こちらでどうぞ」 スッ!
そこは大きな丸テーブルの8人掛けの席が四つ、その一つに案内された。すでに二つは先客が来ていて、食事を始めていたが、大きなパーテンションで仕切られ、声は聞こえるが姿は見えないので、気にするほどではなかった。
「うん、ありがとう」 スッ
エマを始め皆は席につき、各々に料理を注文し、やがて注文した料理が来ると皆、昼食とお喋りに夢中になっていった。
「うん、美味しい」 モクモク ゴクン
「ね! 美味しいでしょ」 パクパク
アニスはおすすめの「石焼グラタン」を注文し、それを食べた。思いのほか美味しく、アニスも満足しながら食べていた。
「そうそう、アニスちゃん交流戦の選手でしょ?」 パクパク
「ん、」モグモグ
「ポジションは決まったの?」 ゴクン
「ん? ポジション?」 ングング ゴクン
「え? 聞いてないの?」 カチャ
「ん、」 カチャ コクン
「え〜っとね、アニスちゃん」
「ん?」
「交流戦は全滅戦ってのは聞いたよね」
「聞いた」 パクパク ングング ゴクン
「そこで、男子達は主にオフェンス、攻撃隊何だけど女子はディフェンス、後方支援と防御、を担うの」
「ん? たった3人だけでですか?(無茶苦茶だな)」
「そうなの、たった3人だけなの…」
「なんで?」
「う〜ん、男子達がねえ『俺がやるッ! 俺にやらせろッ!』ってのばっかでねえ、女子の枠を取ってったのよ。それにね、やっぱり女の子でしょ、男の子達と一晩外で過ごすのはちょっと…ね…」
「ああ…うん、わかる。だけどそれだけが理由じゃないよね」
「えっと…実は、『金扇クラス』の女の子達とは身分格差であまり仲が良くないから…」
「ん! ああ…ベルギット達の事か?」
「ええ、あの娘の家、侯爵家でも随分上の位置に籍を置く家柄だから、他の娘は逆らえないのよ」
「アルテやアレッタも?」
「あの2人と私だけは、家柄もお父様達の役職も同格なの、だから強く言えるんだけど、それをベルギットは嫌がって、私達を『銀翼クラス』に追いやったのよ」 グッ
「同格なのに?」
「私達も彼女を嫌ってたからね、万々歳よッ!」 テヘ!
「なるほど…『金扇クラス』の女子は何名出るの?」
「5人…」 パッ
エマは手のひらを開き、アニスに「金扇クラス」の女生徒の数を示した。
「男女半々か…『金扇クラス』の女子は強いのか、優秀だな?」
「違うわ、『金扇クラス』の男子がね…その…」
エマはあまり言いたくないのか、それともどう言っていいか言葉を選んでいるようだった。
「ん? エマ、言いにくい相手なの?」
「ええ…そのう…相手の男子選手は…」
バンッ! カッ カッ カッ! スタッ!
「皇太子殿下の従兄弟ッ!公爵家の【ゼビオ】様ですわッ!」 ババッ!
エマの話を遮るように、仕切りのパーテンションを勢いよく避け現れた女生徒がいた。
「ベルギットッ!」 ガタンッ!
「エマ、それと…」 ギンッ
いきなり現れたベルギットは、エマ、そしてアニスに目を向けた。
「ん?」 モグモグ ゴクン
「また会ったわね、【アニス・フォン・ビクトリアス】ッ!」 ビシッ!
「…ああッ! ベルギットだ!」 スッ!
ベルギットに指さされたアニスは、お返しっといった感じで、ベルギットの名前呼びながら指さした。
「なッ! 私を呼び捨てにするなんてッ!」 ウググ
「ん、『ベルギット・フォン・マイマイ』だっけ?」
「ちがうッ! 『ベルギット・フォン・マイヤー』よッ! 『マイヤーッ!』、『マイマイ』じゃないわッ!」 があッ!
「ん、知ってた」 パク モグモグ
「ウググッ! こ…このッ! このッ!…」 カカカアーッ!
アニスはベルギットを揶揄いながら、残りの「石焼グラタン」を食べていった。
モグモグ ングング ゴクン!
「いい加減食べるのをやめなさいッ!」
「ん、今終わったよ、ご馳走様あ!」 ニコ
「ククウウッ!」 ワナワナ プルプル
「ん? 震えてるよ? 寒いの? 羽織るもの貸そうか?」
「ちがあううッ! 貴女に怒ってるのよッ!」 バンッ!
ベルギットは丸テーブルを叩きながら叫んだ。
「ん?なんで?」
「貴女という人は…はああ…もういいわ…」 ふん
ベルギットはアニスのその表情を見て呆れ、怒るのをやめた。
「とにかく、今度の交流戦、タダじゃおかないからッ!」 ババッ! カッ カッ ピタッ
ベルギットはそう言って、その場を去ろうとした時、彼女はそのままの姿勢で立ち止まり、アニスの横にいるエマに一言謝った。
「エマ…この前はごめんなさい。まさか、この指輪にあんな力があるなんて知らなかったの…」 スッ カッ カッ カッ
そう言って、ベルギットは自身の右手の中指にある指輪を見せ、その場を過ぎ去った。一緒に来ていた「金扇クラス」の女生徒達も店を出ていった。
「ベルギット…」
「ん⁉︎ なんだあれ?」
エマはベルギットの突然の謝罪に驚いた。アニスはベルギットの中指にはめてあった指輪に注目していた。
「アニスちゃんって凄いわ…」
「ん、なんで?」
「あのベルギットが引いたのよ! いつもは勝ち誇って帰るあの娘が!」
「それよりエマ」
「なにアニスちゃん」
「皇太子の従兄弟、【ゼビオ】ってだれ?」
「アニスちゃん知らないの?」
「ん、まったく」 フリフリ
「えっとねえ、元々3回生「金扇クラス」には2人の王族がいて、1人が皇太子殿下の【ラステル】様、もう1人が殿下の従兄弟、【ゼビオ】なのよッ!」
「ふ〜ん(また、従兄弟か、なんか王族、貴族はそんなのが多いな)同じ歳なのかなあ?」
「ううん、ラステル様は、私達と同じ歳だけど、ゼビオはもう23歳よッ! 学生って歳でもないのにこの学園に編入して来たの!」 フリフリ
「ん、その歳で勉学が好きなのかなあ?」
「違う違う、あいつの目的は、女の子なのッ!」
「はい?」
「学園の中にいる女の子にちょっかいを出し、気に入った子がいたら、その権力で女の子を連れ去るのよッ! 噂では、『ラステル様の後釜を狙ってる』って言うのもあるわ」
アニスはこの従兄弟と自分の2人の姉の従姉妹とは随分違うものなんだなと思った。
「そしてその【ゼビオ】が、いやらしいゲス男がね、【ラステル】様の婚約者【ミレイ】様に手を出そうとしているのッ!」
「ほんと許せないわ!あの豚公爵ッ!」 ダンダンッ!
「うわああ…(豚公爵って初めて聞いた)」 はは….
そんな事を女生徒の1人、伯爵家息女の【ルーテシア・フォン・シーゲル】が喋った時、再びパーテンションが横にずれた。
「聞いたぞッ! だれだッ⁉︎ 今、公爵嫡男、【ゼビオ】様を侮辱したやつわあッ!」 ババッ!
そこに現れたのは、この帝都の憲兵隊隊員であった。中肉中背のがっしりしたその体型は、憲兵に相応しく、顔の表情はほとんど変化のない男性隊員だった。
「ヒッ! け、憲兵隊ッ!」 ガタタッ!
「きゃあッ!」 ガタンッ!
「ん? けんぺいたい?」
エマ達女生徒は皆驚き、その兵士に怯えていた。アニスを除いて…
「私は帝都憲兵隊ッ!ベルター中尉である! 貴様と貴様だなッ! 王族侮辱罪で憲兵本部に連行するッ! こいッ!」 グイッ!
そう言ってベルター中尉は、【エマ】と【ルーテシア】の2人の腕を掴んで引っ張った。
「い…いやッ いやあああッ!」 バタバタ
「は、離しなさいよッ! やめッ!やめなさいッ!」 ドタバタ
憲兵本部、そこに連行されれば、反逆罪に処され、ひどい拷問が待っている。2人はその事を知っていたのであろう、腕を掴まれた時、絶望の表情を見せ、泣き始めた。そこをアニスが止めに入る。
「ん、憲兵さん、少し待ってくれますか?」 ニコ
「なんだあッ 貴様はあ、関係ない者は下がっとれ!」 グイイ
「やだッ いやだよおおおッ!」 わ〜ん
「離してッ! いやあああッ!」 グスッ…
「だから、ちょっと待てない?(こんなに泣いてるのに、容赦ないやつだなあ)」 ジッ ブワアアッ!
「だから、貴様…へッ⁉︎…あわわわわ…」 ガクガク
「ア…アニスちゃん…」
アニスが憲兵を睨んだその時、その体からは殺気の篭った異様なオーラが立ち上り、部屋の中を充満していった。
「中尉さん…」 テク テク ジリ ジリ
「は…はいいいッ!(か…体が動かねえッ⁉︎ コイツいったい何モンだあッ!)」 ビシッ ガクガク
「その子達の代わりに私が行きます」 スッ! シュン… シュウウウウ…
「は⁉︎ おッ!(消えた⁉︎ 体が動くぞ!)」 ガクガク スッ
「いいですね!」 グイ
「お、おう…では貴様が代わりに来いッ!」バッ
「ん!」 コクン
「「「 アニスちゃんッ! 」」」 ババッ!
クルッ! ファサア〜
「エマ、すみませんがアルテ達に伝言を、お願いできますか?」 ニコ
「う…うんッ!」 コクン
「『ちょっと行ってきます』てね」 ニコニコ
「アニスちゃん…」
「アニスちゃん! 私のせいでッ!私、この事は一生忘れないからッ!」 ガバッ! ギュウ!
ルーテシアはアニスに謝罪しながら抱きついた。
「ルウ、 いや、ルーテシアさん」 サスサス
「はい…」 うぐうぐ グス!
「気にしないでください、エマもです。すぐ戻ってきますから」 ニコ
「アニスちゃん!」 ギュウッ!
そうアニスに言われ、エマもアニスに抱きついた。
「お、おいッ! そろそろ行くぞッ!」 グイッ!
「んっと、そんなに慌てなくても、ちゃんと行きますから」 トッテテ!
「「「「 アニスちゃんッ! 」」」」 ババッ!
「ん!」 ニコッ! フリフリ テクテク
こうして、アニスはエマとルーテシアの代わりに、憲兵隊本部に連行されていった。
「みんなッ! こうしちゃいられないわッ!」 グッ
「エマ! どうするの⁉︎」
「アニスちゃんを助けなきゃ!」
「「「 うんッ!」」」 ババッ!
こうして、エマ達「銀翼クラス』の女生徒達は、学園の教師棟へと走っていった。
「ん、こっちの方は初めてきたなあ」 ルンルン♪ テクテク
アニスは物見遊山な感じで、街の中を憲兵隊中尉の後について行った。
「ふん!(いい気なもんだッ! 憲兵本部に着いたら思い知るがいい)」
ザッ ザッ ザッ
憲兵はアニスの事を何も知らず、憲兵本部に連行して行った。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。