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第155話 アニス、交流戦メンバーになる

―帝国学園 銀翼クラス訓練場ー



ドゴオオオオンンーーッ!  パラパラ パラ…


「ん、やっぱりダメか、もたなかったなああ…」 テクテク


アニスは破壊された大的に近づき、その的のあったあたりを見渡した。


「ア、アルテ! 今のなに⁉︎」 


「……」 ぼ〜


「アルテッ!」 ユサユサ


「はッ! アレッタ…」


「アルテ、大丈夫? お水持ってこようか?」


「だ、大丈夫よ、ありがとうアレッタ」


「よかった…で、さっきのアレ見た?」


「ええ、見たわ…あんな魔法、文献でしか知らない。アニスちゃん…あなたはいったい…」 ジッ


アルテは大的の辺りで、その状況を見ているアニスを見て、アニスがただの侯爵家の少女では無いと思い始めた。


「わああッ! 凄い威力ッ! アレ、魔法なの?」 ワイワイ


「だぶんそうだよ! アニスちゃん、魔道具持ってないもん」 ワアワア


「でも、これって凄いことよね!」 ザワザワ


「凄いってもんじゃ無いわよ! 誰もあんな魔法使えないもん」 ワイワイ


「そうよね! じゃあ、今度の交流戦、アニスちゃんに出てもらったら勝てるんじゃない?」 ワイワイ


「「「「 それよッ! 」」」」 ザワッ!


アルテとアレッタ以外の女生徒達は、アニスの魔法に興奮し、来週あるであろう交流戦のメンバーにアニスを組み入れたらいいんじゃ無いかと喋っていた。


「アルテ、どう思う? 私は彼女達の意見に賛成したい。彼女を、アニスちゃんを交流戦のメンバーに入れたいわ」 グッ


「アレッタ…そうね、私もその意見には賛成だわ。ただ、エマにはなんて言おうかなっと思って…」 チラッ


アルテは、既にメンバー入りしていたエマに目を向けた。するとエマの方がアルテの方に駆け寄って来た。


タタタ ザッ


「アルテッ! 今の見たッ!」 ババッ


「エマ… あのね、ちょっと話が…」 


「アニスちゃんッ! 凄いよねッ! どう、今度の交流戦、私の代わりにアニスちゃんを入れてあげてくれない⁉︎」 ググッ


「 え⁉︎ 」 キョトン


アルテはエマの言葉に意表をつかれた。どう彼女に「アニスちゃんと代わって」と言おうか迷っていた最中に、エマの方からアニスを交流戦メンバーに進言して来たからだった。


「アニスちゃんなら間違いない! 今度こそ『金扇クラス』に目に物を言わせてあげれるわ!」


「エマ、いいの? アニスちゃんをメンバーに入れて?」


「なに言ってんのよ! あの大魔法見たでしょ!イイに決まってるじゃない!」 グッ


「エマ、ありがとう」 ギュウ!


アルテはエマの手を握り感謝した。


ヒュウウゥゥゥ…… サラサラ…


「ん、軽く撃ってこんなにもバラバラになるとは、なんて脆い的なんだ?」

 ヒョイ バラバラ…


アニスは破壊された的の破片を拾ったが、すぐに手の中で崩れ、粉クズになって落ちていった。


「「「 アニスちゃ〜ん! 」」」 フリフリ


「ん? は〜い!」 ザッ タタタ


アニスはアルテ達に呼ばれ、彼女達の方にかけていった。


タタタ トト スタッ


「それで、どうでしたか? 私の魔法は?」 ニコ


「アニスちゃん、みんなで話して決めたわ」


「ん? なにをですか?」


「あなたに、今度の交流戦に参加して欲しいの!」 ギュッ


アルテはアニスに手を握りながら、今度の交流戦の参加を促した。


「え⁉︎ でも、もうメンバーは決まったってさっき言いませんでしたか?」


「ええ、でも、そのメンバーのエマが、『ぜひアニスちゃんを参加させて』っということになって、今決まったの、どうかな?」 ニコ


「(ううッ これは断れないやつだ! 仕方ないか)はい、イイですよ!」 コクン


「ありがとう! アニスちゃんッ!」 ガバッ! ギュウウーッ


アルテはアニスに感謝しながら抱きついた。


「わッ! ア、アルテ…」 ギュウ


「あッ ごめんなさいアニスちゃん」 バッ!


「いえ、いいですよ」


「じゃあ、女子は私とアレッタ、それとアニスちゃん!この3人でいきます」


「「「「「「 はいッ! 」」」」」」 ザッ!


こうしてアニスは交流戦の女子メンバーに選ばれた。


「じゃあ、本格的な訓練は明日から行います、解散!」


「「「「「「「 はいッ! 」」」」」」」 ザッ!


バラバラ テクテク トコトコ ワイワイ


解散を聞き皆、おもいおもいにうごきだす。


「アニスちゃん、この後の予定は?」


「え? 特にありませんけど」


「じゃあ、私達とご一緒しません?」


「ん?どこかに行くの?」


「はい、街に出てお茶とかしません?」


「そう言えば、もう昼食どきですね、アニスちゃん、皆で行ってくるといいわ」


「ん、アルテ達は行かないのですか?」


「私とアレッタは教師棟に行って、メンバー交代を申請してくるから」 フリフリ


「ん、じゃあ、行って来ますね」 フリフリ


「夕方には寮に戻ってくださいね!」 


「はい」 コクン


アニスは他の女生徒達と学園街にある帝都内の繁華街へと出かけていった。



ー帝都学園 教師棟ー


ここは、帝国学園の教師達が集まっている建物である。1回生から4回生までの各クラスの担任が一同に集まり、教育課程や学習進行、各生徒のケアから貴族との連絡など、多岐にわたる仕事をしていた。


ガヤガヤ ザワザワ カキカキ バサバサ


「ふう、こんなものかな…あとは来週の交流戦の手配と、…」 ガリガリ


「ちょっとよろしくて?」 スッ!


「え⁉︎ あッ! レイラ先生! ど、どうぞッ!」 スッ!


『銀翼クラス』の担任教師キャサリンに話しかけてきたのは、彼女の大先輩にあたる、4回生『王金獅子クラス』の担任教師、【レイラ・ヴァン・クリシュナ】であった。白金髪のストレートロングヘア、スラっとしたモデル体型の美人教師で、さらにこの学園、最上級最強クラスの担任教師である。また、公爵家という王族との繋がりのある家柄の息女でもある。


「じゃあ、お言葉に甘えて…」 スッ!


その動きには洗練された優雅さがあり、教師でありながら王族の王女のような気品さがあった。


「そ、それで今日はいったいどのような御用件ですか?」 


「ふふ、そう畏まらなくていいのよ、キャサリン先生。今日はちょっとお聞きしたい事があって来たの、お時間宜しくて?」 ニコ


「は、はいッ だだッ 大丈夫です!」 コクコク


「じゃあ、お聞きしますね」


「はいッ!」


「あなたのクラスに転入した女生徒、【アニス・フォン・ビクトリアス】の事でちょっとお聞きしたいの」


「【ビクトリアス】さんの事ですか?」


「ええ、その【ビクトリアス】さんの事です」


「あのう、彼女がどうかしましたか?」


「キャサリン先生、彼女をどう見ましたか?」


「え⁉︎ どうって、レイラ先生?」


「あら、気が付いてなかったようですね」


「え…えっと、いったい、彼女は…」


「キャサリン先生、ちょっとこちらに….」 スッ! スタスタ


「は、はいッ!」 スッ! タタタ


「銀翼クラス」の担任教師【キャサリン・フォン・ブログ】は、「王金獅子クラス」の【レイラ・ヴァン・クリシュナ】に招かれ、別室へと入っていった。そこは6畳ほどの小部屋で、小窓とテーブル、椅子が4脚だけの部屋だった。


ギイッ パタン カチャ!


「さあ、お掛けになって」 スッ!


「はい、レイラ先生」 スタッ


キャサリンが席につくとその対面にレイラも席についた。


「あのう、レイラ先生、これはいったい」


「キャサリン先生、あの女生徒、【アニス・フォン・ビクトリアス】の事はなにも聞いてないのですか?」


「え、なにもって、私は今日、学園長に『彼女を頼む』としか聞いてないんですけど」


「はあ〜……やっぱり、とんだ手違いだったのね」 フリフリ


「え、手違い? レイラ先生、一体何のことですか?」


「あッ ごめんなさいね、キャサリン先生、今から話す事は誰にも言わないでください! いいですね!」


「は、はいッ!」 コクン


「彼女、【アニス・フォン・ビクトリアス】さんは、本当は私のクラスに編入予定の生徒でしたの」


「え…ええーーッ!」 ガタンッ!


キャサリンは、あまりの事に驚いて座っていた席から立ち上がった。


「【ビ…ビクトリアス】さんが、本当は『王金獅子クラス』の生徒だったなんて…」


「その様子だと、彼女の力も知らなかったんですね」


「は…はい…『王金獅子クラス』という事は、凄いんでしょうか?」


「これは極秘情報です。いいですか、彼女はその力、能力で『ゼルファ新帝国の軍艦を1隻、吹き飛ばし消し去った』そうですよ」 ジッ!


「へッ⁉︎ ええーーッ‼︎ (な、なにそれッ!聞いてないわよッ! 軍艦を消し去ったッ⁉︎ どんな能力なのよッ⁉︎)」 ブルブル


「でもまあ、編入は済んでしまっているからキャサリン先生には忠告に来たの」 んふ♡


「ちゅ、忠告ですか?」 ブルブル


「そう! 忠告ッ!」 ニコニコ


「何でしょう?」


「これは軍上層部でもある、とある最上級貴族から、『私に』きた忠告指示です」 ギンッ! サッ!


レイラは、キャサリンに、一通の封印が破られた手紙を差し出した。その手紙を彼女は受け取り中を確認する為、手紙を広げた。


カサカサッ! バッ!


「ヒッ!」 ガクガク ビクビクッ!


キャサリンは、戦慄のあまり膝が震えだした、あの大先輩であり貴族家最大権力者である公爵家のレイラ先生に、『指示』ができる最上級貴族からの忠告指示である。その手紙の用紙には、誰もが知るある刻印がされていた。体が震えるのも仕方がなかったのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー帝都学園 「レイラ・ヴァン・クリシュナ」宛ー


「『帝都学園 4回生「王金獅子クラス」担任教師、「レイラ・ヴァン・クリシュナ」に指示を申す、本日付でそちらに【アニス・フォン・ビクトリアス】なる少女を転入させる。「王金獅子クラス」にて受け入れ、彼女を補佐せよ。 忠告! 絶対に、かの少女の行動を妨げてはならない。怒らしてはならない。敵意を向け敵対してはならない。 以上を厳命せよ!』」 


 アトランティア帝国 王族機関宰相 刻印


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「お…王族機関宰相って…実質この国のNo.2じゃあないですかあーッ‼︎」ババッ!


パラッ  ひらひら  ひら


「は…はは…ど、どど、どうしようッ!」  ガタガタガタ


カサッ! スッ!


キャサリンが読み終え、震えた手から床に落ちた手紙を拾いながら、レイラがキャサリンに話しかけた。


「キャサリン先生、既に、【ビクトリアス】さんはあなたの生徒として決まってしまいました。あとはこの指示書のように…彼女を怒らせるような事だけはしないようにしてください。これはあなたと私だけの秘密ですよ」 ニコ


「で、でで、でも私では…」 ガタガタ


「大丈夫ですよ、キャサリン先生。私もできるだけ補佐をします」 スッ


「は、はいッ! お願いしますッ!」 ペコ


「では、今後の方針を検討しましょう」


2人は、個室では延々と、アニスとどう対応するか検討をしていった。



ー帝都アダム」 繁華街ー


担任のキャサリン先生の事は梅雨知らず、アニス達は繁華街のレストランに入り食事をしていた。


「ん〜ッ! 美味しいいッ!」 モグモグ


「ね、ここの料理美味しいでしょ」 パクパク


「もう、ここのお肉が最高なのよ!」 モグモグ


「学園の寮で出してくれるごはん、アレは美味しくないからねえ」 パクパク


「ん? 寮のごはん?」 モグモグ


「そう言えば、アニスちゃんは寮生活なの?」


「あッ! どうしよう聴いてないです」 カタン


「え⁉︎ アニスちゃん、今日寝るとこはどうするの?」


「ん〜…野宿でもいいかな」 うん!


「「「「 ええーーッ! 」」」」 ザワッ!


「ダ、ダメよッ! アニスちゃんッ!」 バッ!


「そうよッ! 女の子が野宿だなんて絶対ダメッ!」 ババッ!


「ん、でも、よく冒険者達は女の子でも野宿してるよ?」


「冒険者と一緒にしないでッ! いいッ⁉︎ アニスちゃんは貴族なの!綺麗なの!可愛いのッ!」


「あッ はい…」 


「そんな女の子が1人、こんな所で野宿なんかしたら悪い男に攫われてしまいますよ」


「じゃあどうしようかな…」


「とにかく、食事が終わったら一度学園に帰って、先生に聞いてみましょ!」


「ん、その方がいいみたいだね」 コクン


アニス達は食事を終え、代金を払い店を出た直後に厄介ごとに遭遇した。


「おい! おまえら『銀翼』の女共だろ!」 


アニス達6人の後ろから、声をかけて来た集団がいた。


クルッ! 


「わああッ こんなとこで会うなんて最悪…」


「うん、無視しましょ! 無視無視!」


「ん、何だアイツら? 知り合い?」 スッ!


アニスはその集団に指差して、エマに聞いてみた。


「なッ 貴様あッ! 俺達を知らないのか⁉︎」 ババッ!


「ん、知らない、だれ?」


「ア…アニスちゃん…」


「俺たちはなあ、あの英雄と同じクラス!『金扇クラス』のトップエリートだ!」 ババッ


「ん? 『金扇クラス』? トップエリート? そんなのがあるの?」


「アニスちゃん、アニスちゃん!」 トントン


「ん、なに?」 


「アイツらはね、私達の上のクラス、『金扇クラス』ってのがあって、大貴族や優秀な魔力の持ち主の集まりなの」


「ふ〜ん」


「おい!そこの女!」 ザッ ザッ ザッ 


声をかけてきた集団の中から1人、身なりのいい男子生徒が1人出てきた。


「ん、私?」 スッ!


「そうだ! おまえだ!」


「なんですか?」


「ふむ…美しい、なかなか可愛いじゃないか、よし決めた! おまえを俺の妻に、婚約者にしてやろう! 俺について来い!」 ババッ!


「はああ⁉︎ なに言ってんのよ! アニスちゃんは私達のクラスよ!」


「はん! クラスなど関係ないッ! 俺がそう決めたんだ! 誰にも文句はつけさせないさ! そう!教師だろうが学長だろうがなッ!」 ふふふ


「行きません」 フリフリ


「なにッ! この俺に逆らうのか⁉︎ この公爵家であり王位継承者第3位のこの俺にッ!」 ググッ!


「ん? 公爵家? 王位継承者第3位? (ああ、コイツがそうなんだ)」


「そうだ! 俺が皇太子の従兄弟、【ゼビオ・ヴェア・アルテア】だッ!」


「なんだ、皇太子の従兄弟か…それで?」


「ア…アニスちゃん!」


「生意気な女だ! だがその気丈さも俺に相応しい。ますます気に入ったぞ! ミレイのヤツもそうだが、やはり俺達、王族に連なる者の妻にはその性格の方がいいな」 ふふふ ジロジロ


「うわああ! アニスちゃん気をつけて、アレは何か悪いことを考えてる目つきだわ!」ビク


「「 うん、同感! 」」 コクン ビクビク


「ん、そのようだね」


「ムフフ、ミレイはラステルのヤツに取られたが、まあいい、俺はこの女にするとしよう!」

 バッ! ザッ ザッ!


ゼビオはアニス達の方に近付いて行った。


「ゼビオ様ッ! お待ちをッ!」


「なんだ【ガルッ!】俺の邪魔をするなッ!」 バッ!


ゼビオを1人の青年貴族が止めに入った。


「いえ、邪魔は致しませんが場所が悪いです」


「場所だとおッ⁉︎…… うッ! た…確かにまずいな、仕方がない…」 ササッ


ゼビオが控えたのは、その場の近くに憲兵詰所が存在していたからだ。今、ゼビオは皇太子殿下達の誘拐の嫌疑にかけられ保護観察中の身であった。今、何か事を起こせばすぐに連行されてしまう状態だったからだ。


「おい貴様ッ! 名はなんというのだ」


「『銀翼クラス』【アニス・フォン・ビクトリアス】」


「ビクトリアスだな、『銀翼』か、確か来週交流戦があったな」


「はい、ゼビオ様」 サッ


「よし、その時に俺の元に来い、いいなッ!」 クルッ! ザッ! ザッ! ザッ!


そう言って、公爵家のゼビオは去っていった。


「ほんとッ! 嫌なヤツッ!」 べーッ


「全くよッ! アイツのせいで何人の女の子が泣かされたか…」


「ん、皇太子殿下の従兄弟だぞ!そんなに酷いのか?」


「ええ…皇太子殿下様はとても良い御人なんですが、アイツはダメね!」


「そうなのですか?」


「野心家で陰湿な性格、何人もの女性を手込めにして泣かせ、妻にするとは言っておいて平気で捨てる、ゲス野郎です!」 ググッ


「(ん? このセリフ、どこかで聞いたな、どこだっけ?)」


「いいアニスちゃん、絶対にアイツについて行ってはダメよ!」 ガバッ!


「ん、大丈夫、絶対に行かないから」 コクン


「うん、その方がいいわ。さあ、アニスちゃんの今日寝泊まりするところを確認に行きましょ!」 サッ


「ん、そうだね、先生に聞けばわかるかもね」 スッ! テクテク


「じゃあ私たちもついていってあげるね!」 トテトテ


アニス達は学園の方に向かって歩いていった。

          ・

          ・

          ・

ザッ! ザッ! ザッ! 


「(「ビクトリアス」か…美しい女だったな…俺の妻に相応しい…)ガルッ!」


「はッ! ゼビオ様」 バッ! ダダダ


「ガルよ、あの女の事を調べろッ!」 ザッ! ザッ! ザッ!


「あの女と言いますと?」 ザッ ザッ ザッ


「うむ、『銀翼クラス』の『アニス・フォン・ビクトリアス』の事だ!」 ザッ! ザッ!


「はッ で、何処までを?」 ザッ ザッ ザッ


「爵位、家柄、趣味、友人関係、魔力や実力、そして奴の弱みを、その女の全てを調べろ! 来週の交流戦が始まる前までになッ!」 ザッ! ザッ! ザッ!


「はッ! 承知しました」 ザッ ダダダ!


ゼビオは、どうしてもアニスを手に入れたいのだろう、自分の子飼いの部下、【ガル】男爵子息に、彼女のことを調べるよう命令した。


「グフフ、ビクトリアスか…なかなかいい女だったな、絶対に俺のものにしてやる。次に会う時が楽しみだな!」ザッ! ザッ! ザッ!


ゼビオはそう言い、帝都「アダム」の繁華街へと消えていった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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