表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/311

第145話 アニスと神聖樹ノルン

―神帝都 中央制御タワー地下保管庫―


テクテク さわさわ そよそよ ささ~


アニスは広大な空間の中を1人、神聖樹目指して歩いていた。そこは地下であるはずなのに、優しい太陽のような日差しがあり、さわやかな風が吹いていた。ただ、その地にあるのは草花ではなく、無数のカプセル、数多くの人々が眠りについている睡眠カプセルの平原であった。


どのカプセルも正常を示すグリーンのランプが点滅し、アニスはその中の一つを除いてみた。中には綺麗な少女が安らかに眠っていた。


ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ


【神徒番号66785689番 『リリア・セリエス』 17歳 女性 状態 睡眠状態 睡眠時間135年86日14時間18分15秒…16秒…17秒…】


「ん、135年⁉︎ 、135年…そんなにも長く…ここにいる全てが……」 ザッ!


バアアアアアーーーーーー……


アニスは再び周り全体を見渡した。ここにいるほとんどの者が、この睡眠カプセルに入り長い時の中を、歳も取らずに眠り続けている。意識のみ取り出され、ユニットと言う入れ物に入り生活をしている。何年も、何十年も……


「この中の何処かに【ジェシー】や【ルイ】そして【個体No.D01 ダイアナ】もいるはずなんだが、なんて数なんだ。これは一度話を聞いた方がいいな…」テクテク


アニスは中央に聳え立っている大樹、神聖樹を見つめ、歩みを進めた。やがてその大樹の元にたどり着いた。それはあまりにも巨大な大木であった。


「神聖樹か…」 スッ! サスサスッ


シュワアアアアアーー パアアアンン… スタッ! ファササアアーーッ


アニスが神聖樹に手をかざしその木肌を撫でると、アニスの前に一人の綺麗な女性が姿を現した。その姿は20歳代半ば、細身の体で薄緑色の腰まであるロングヘア、白のワンピースを着た女性が立っていた。


「ようこそ、お待ちしておりましたアニス様…いえ、ジオス様…」 ペコ


「ん、やっぱり君か…【ノルン】 今はアニスでいい、久しぶりだね」 ニコ


「はい、アニス様…その…随分と可愛らしいお姿で」 ニコ


【ノルン】、彼女はこの神聖樹の化身でもあり1人の女神でもある。彼女は特別な女神で、ありとあらゆる全ての世界に存在する女神である。それぞれの世界で呼び名を変え、此処では神聖樹、他には、世界樹、宇宙樹、天空樹、知恵の樹、グリーンウッド、ドライアド、ユグドラシル、など様々である。すべての世界に同時存在する彼女だが、本体は一人で、その全ての世界を情勢を掌握している全知全能の神である。


「ま、まあな、この体は【エレンディア】が、この世界用に用意してくれたものだ」


「ふふ、知ってますよ、似合ってますわ、アニス様」 ニコニコ


「ハア〜、相変わらずマイペースだね君は…」 ハア〜


「ええ、それで、お話があるんですよね?」


「そうだ、君に聞きたいことがあってね…」 ササッ!


パアアアンンッ! ストッ! ストンッ ダンッ!


アニスは異空間より椅子とテーブルを出した。


「話が長くなりそうだから、お茶でも飲みながら話そうか」 ササッ!


「まあ、嬉しい、お茶なんて何千年ぶりかしら」 スッ! ファサッ


「そうだろうな、今、用意する」 カチャカチャ


アニスは紅茶セットを出し準備をした。テーブルには紅茶の他に焼き菓子とミニケーキを出し、ノルンに勧めた。


カチャカチャ コポコポコポ トトト…


「はい、できたよ」 サッ!


「ありがとうございます。では、いただきます」


カチャッ! コク コクコクン…


「ハア…美味しい、とても美味しいですわ」 ニコ


「ん、それは良かった」 コクン


「では、アニス様は何がお聞きになりたいのですか?」 パク サクッ!


ノルンは焼き菓子を一口つまみたずねてきた。


「この世界と此処の事だ」 コクン カチャ


「そうですね、良いですよ、答えましょう」 サクサク コクン カチャ


「ん、じゃっ早速、この世界のことをお願い」


「はい、この世界は、6大女神がお作りした特殊制御コア、『個体No.000Zfar01』が524年前に創生した、まだ若い世界です」


「524年前…ちょうど私が『異世界アーク』へ召喚された時くらいだな」


「はい、この世界はとある目的で創成されました」


「ん、それは聞いた。私を抹消、消滅させるために、この世界もろとも消すためだけに作った世界なんだろ」


「はい、よくご存知で」 ニコ


「特殊制御コアのフェリシアに聞いた」


「そうですか…ジオ…いえアニス様」 


「ん?」


「『個体No.F01フェリシア』を責めないでください」


「やっぱり何か訳があったんだろ?」


「はい、彼女はこの世界のため、最善の道を取ったに過ぎませんから」


「この世界のか…だが、もうそんなに長くはないのではないか?」


「そうです、アニス様がこの世界に現れた瞬間から、秒読みが始まった様です」


「秒読みか、なぜ直ぐに消滅しなかったんだ?」


「『個体No.000Zfar01』にとって、まだ準備ができていなかったのではないかと思います」


「ん、まだ何か企んでるな、違うかな?」


「おそらくは…」


「だが消滅は免れないのだろ?」


「はい、このままではもう間も無く、アニス様を消去、消滅する事に、ただ、トリガーがなんなのかそれはまだ分かりません」


「トリガーか、つまり時間が来てもそれが働かなければ消去、消滅しないと?」


「はい、 何かあるはずなのですが…」


「しかし、なぜ、私を消去、消滅させるのだ? 意味がわからん。君は何か知ってるかい?」


「はい、全てはあの、6大女神が特殊コア、『個体No.000Zfar01』を誕生させたことから始まったのです」


「『個体No.000Zfar01』ねえ…どんなヤツかまだわかんないんだよなあ」


「私は全て知ってますよ」


「えッ⁉︎ ノルン、知ってるの? それを全て教えてくれるかな」


「はい、そうあれは、607年前ですね、……」


ノルンを自分の知っていることを話し出した。


「アニス様がまだ、神界世界でジオス様だった時、この『異世界アーク』がまだ正常だった頃です、6大女神が集まって、『それぞれの分身を作って、一つの世界を任せてみよう』と言う話になって、6つの特殊コアを作りました」


「ああ、聞いた、たしかシンシアがエレンディアに持ちかけたヤツだ、それが女神シリーズ特殊制御コアになったんだろ」


「はい、A01からBCDEFの各01まで、それは素晴らしい制御コアでした」


「だが問題が起こった?」


「はい、誰がこの中でリーダーになるかで揉めてしまったんです」 フリフリ


「誰だっていいのにねえ」


「全くです。で、『それならその6つを束ねる上位の特殊制御コアを作ればいい』と言う事になりまして、6大女神の全ての力を一つにした上位の特殊制御コア、『個体No.000Zfar01』が生まれたのです」


「全く、無茶苦茶だな…」 ハア〜


「ふふ、ただ…それがいけなかった…」


「ん、いけなかった?」


「はい、6大女神の力を得た『個体No.000Zfar01』は、生まれてすぐ自我に目覚め、疑問を持ったのです」


「疑問?」


「『6大女神の力で誕生し、絶大な力を持った自分がいるのに、なぜ自分よりも上位の存在がいるのか?』と言う疑問です」


「あ、あれえ〜…それってもしかして私のことか?」


「はい、正解です」 ニコ


「それで、私を標的にした訳だ…」


「はい、『個体No.000Zfar01』は、自分以上の存在を認めなかった、それを排除したかった。そして、とある計画を立てたのです」


「計画か…随分と手がこんでいるんだろ!」


「それはもうッ! 膨大な演算処理と工程計算、異世界、神界などの周期計算、その全ての力の計算をしたのですが、どうしても計算できない物があったのです」


「ん? と言うと?」


「アニス様の、神界におけるジオス様の能力です」


「私の能力?」


「はい、こればかりは把握できなかった、計算できなかったみたいです」


「ふむ…私は、普段は滅多に力を使わなかったからね」


「はい、そんな時、チャンスが訪れました」


「チャンス?」


「ジオス様が、ご自身の能力を落し、特殊制御コアの自分たちが管理している『異世界アークに降臨する』と言うものです」


「あの時かあッ!」


「ええ、そして、ジオス様は異世界アークに降臨したのを見計らって、ジオス様のいた神界世界に向けて、別の神界世界、『第23神界世界』を衝突させようとしたのです。神界とのつながりを立つために…」


「神界世界を衝突だと? で、どうなった?」


「アニス様のいた神界世界は無事、第23神界世界は崩壊して消滅、魔素還元され消えていきました」


「なッ なんてことを…」


「その時、此処『異世界アーク』は神界世界から異次元空間に放り出されたのです」


「ん? なら、このままにしておけば、私は異次元の中で彷徨って消えるかもしれない、なぜ、こんな世界まで作って、私を消そうとするのだ?」


「『個体No.000Zfar01』にとって、大きな、とても大きな計算ミスが起こったのです」


「と言うと?」


「消滅し、無に帰するはずのアニス様が『異次元世界アーク』を創生復活させてしまった事です。さらに、自分と同じ特殊制御コア達を調整し、自分から離れて行った事、『個体No.000Zfar01』はその力に驚異を感じたのです」


「それでまず、異世界召喚で別の『異世界アーク』へ飛ばしたんだ」


「ええ、この消滅を前提とした、『偽の異世界アーク』を作るために、さらに『並行次元の異世界アーク』を繋ぎ、自分に批判的だった『個体No.A01 アリシア』を使い誘導したみたいですね」


「で、その間にこの偽異世界を作ったと?」


「はい、『個体No.000Zfar01』自身は元の世界に待機し、特殊制御コアの『D01ダイアナ』と『F01フェリシア』に此処を任せたんです。ただ、アニス様を消滅するために」


「おい、それってまさか…」


「ふふ、さすがジオ…いえ、アニス様、お察しのとうりです」


「『個体No.000Zfar01』は、『D01ダイアナ』と『F01フェリシア』の二人の特殊制御コアを私もろとも消すつもりだったのか⁉︎」


「正解です、あっ 紅茶のおかわりもらえますか?」 カチャ


「え? あ、うんちょっと待って」 コト ポコポコポコ


トトト カチャ


「はい、入れたよ」 スッ


「ありがとうございます」 コク コクン


「ハア〜、美味しいです」 カチャ


「それでか、そのことに気がついた『F01フェリシア』は、『D01ダイアナ』を此処へ確保した。この世界の住人と一緒に助けるために」


「それも正解です」 コク


「じゃあ、単素体ユニットとは…」


「ええ、『個体No.000Zfar01』の目を欺くため、『F01フェリシア』が考えた方法です」


「もしかして、アトランティア帝国の国民を拉致しているのも…」


「はい、此処へ連れて来て眠らせ、来たるこの世界の消滅に対し生き残るための処置です」


「なら、その事をなぜアトランティア帝国に言わない」


「アニス様、それも『個体No.000Zfar01』の目を欺くためです。誘拐拉致ということにしておけば、まさかこの世界から、アトランティア帝国の国民を救出のためとは思いませんから」


「そうか、此処は、保管庫ではなく『F01フェリシア』が作った緊急避難空間ノアズワークなんだな!」


「大正解です」 コクン カチャ


「ゼルファ神帝国国民、拉致誘拐され行方不明のアトランティア帝国の人達、その全てがここにいたんだ」


「はい、ただ少しやり方が強引すぎました。こちらのゼルファ神帝国の軍人に任せた結果、アトランティア帝国にとって、ゼルファ神帝国は、害敵とみなされ、今に至ってます」 ピッ パアアアーッ! 


ノルンがそう言って、空間にスイッチでもあるかの様に人差し指で叩くと、そこには大型の映像が映し出された。


ビュウウウーーッ! ババババッ! ドガアアアアー! ドオンンッ! バンバンバンッ! バアアンンッ!

シュゴオオオーーッ! シュウーーッ! ザンッ! ドガアアアアンンッ!


ゼルファ、アトランティア両国の国境周辺で起きている、大艦隊戦と、その上空で起きている数百のブレードナイトの空中戦、それが映し出された。撃墜され落ちていくブレードナイト、集中砲火を浴び火を噴きながら撃沈する巡航艦、それがリアルタイムで映っていた。


「なッ! こんなにも大事になってるのかッ!」 バッ!


アニスは椅子から立ち上がり、その光景を見ていた。


「はい、憎み合い、戦い合うことしか知らない彼等にとって、これは自然の成り行きなのかもしれません」


「そんな事はないッ!」


「アニス様?」


「彼等は…彼等は憎くて戦っているんじゃないッ! 自分と、自分の守るべき者のために戦ってるんだッ!レオンやアラン、ジェシカにマイロ、そして…マシューも…」


「アニス様……」


ヒュウウウッ! ドガアアアアンンッ! バババアアッ! ヒュッヒュンヒュンッ! ビシッ!

 ガアアアアンンッ! ゴオオンンッ! ドンドンッ! ドガンッ!


映像の中では、激しい戦闘が続いていた。相打ちで共に爆散するブレードナイト、炎に包まれながらも砲撃し突き進む駆逐艦、まさに激戦地となっていた。兵士達は親、兄弟、なかには恋人の名を叫び散って行く者も多数いた。


「アニス様、この後どうなさるおつもりですか?」


「ん、そうだな、せっかく此処までできた世界だ、『個体No.000Zfar01』の好きにさせない、どうせアイツはこの世界を捨てるんだ、もらっても構わないだろ。私がなんとかしようかな」


「ふふ、やはりあなたは何にも変わらない。何年、何万年、何億年経っても…どんな絶望の状況や状態、皆が諦めたどんな時でも、その一言で、事の全てを解決してしまう」


「ん?」


「知ってました? 第1神界世界に存在するとある1つの世界、確か【創造神シュウゴ】様の作った世界での大きな出来事、その世界はまだ人が住んでなく大型の竜だけの世界に、【中級神ミルア】様が謝って巨大隕石を落とした後、人が住める環境にした事を私は聞いて覚えていますよ」


「【ミルア】? ああ、あの《メテオストライク》の事か、あれは焦ったね」


「そうなんですか?」


「だってミルアってさあ、加減ってものを知らないんだもん」


「はあ?…」


「いや、最初、ミルアが落とそうとしたの直径36,000Kmもの代物だよ」


「さッ 36,000キロオオッ⁉︎ 」 ガバッ!


ノルンはその数字を聞いて椅子から立ち上がり驚いた。


「そう、36,000Km、んなモン、その世界の月より大きいんだよ、隕石じゃないって」


「でも、私が聞いた限りでは、直径50km程だと聞いてましたが…それをアニス様は防いだと」


「ん、まあシュウゴが泣いて『やめてくれえ〜』って言うもんだから、私がなんとかしたんだ」

          ・

          ・

          ・

それは今から32億6000年程前、当時ジオスは創造神シュウゴに呼ばれてとある一つの世界を見ていた。


『ジオス、見てくれよこの世界』


『ん、なんだ竜ばっかりの世界か?』


『そう、この青い星の世界、住んだ空気に綺麗な海、どれをとっても完璧な世界、そこに住む僕自慢の竜達、凄いだろ!』


『あははは、お前らしいや、竜、好きだもんな』


『で、この世界、名はどうすんだ?』


『ん〜それなんだよなあ、色んな名があるけど此処は奇抜に【地球】って名前にする』


『ん、【地球】かあ、いいんじゃないかな』


『そうか、ありがとう』


そんな会話をしていた時、後ろから声をかけて来た者がいた。


『ヤッホーって ジ、ジオス様ッ!』


『ん、なんだミルアじゃないか』 よッ!


『は、はい、こ、こんにちはです』


『どうしたんだい、こんな所で』


『え、ええ、そのう、シュウゴ様が何やら新しい世界ができたという事で、それを見にちょっと…』


『ん、そうか、コレだよ!見てッ!』 サッ!


『わあーッ 綺麗な世界ですねえ』


『だろう、僕の自慢の逸品さッ!』 フフンッ


『じゃあ、私がお祝いの流れ星を出しますね!』 グッ


『『 えッ! 』』 ピクッ!


『さあッ! 墜ちろおおおおッ!』 ジャンッ!


『お、おいミルアッ!なんか字が違うぞッ!『落ちろ』が『墜ちろ』になってるぞッ?』


『アハハッハーッ! 逝けええーーッ!《メテオストライク》』 パアアアンンッ!


『ギャアアアーーッ 逝っちゃダメだああーーッ!』 ババッ!


ビュヲオオオオオーーッ! ドドドドーーッ!グワアアーーッ


そこに現れたのは、直径36,000Kmの天体であった。それは現れた直後、シュウゴの作った新世界【地球】に向かって落下し始めた。


ドゴゴゴゴーーッ!


『ギャアアアーーッ! やめてッ! やめてくれえーーッ!』


『アーハハハーーッ! 墜ちろッ墜ちろおおおーーッ って、えッ!ギャアッ!』 ガンッ!


興奮したミルアの頭をジオスは叩いた。


『やめんかッ! バカ者ッ!』


『う〜、痛い…ってジオス様?』 キョトン


『ミルア、アレ、なんとかしろよ』 スッ


『アレ? どれ? え⁉︎ 何アレッ! ひっど〜いッ! 誰だッ! あんな事したのッ!って、えッ ギャアッ!』 ガンッ!


また、ジオスはミルアの頭を叩いた。


『お前だお前ッ! ったく、なんであんなもの落とすかなあ』


『えへへへ…』


『ハア〜』


『ジ、ジオスッ! お、俺の世界がッ 竜達の住む世界があッ!』 ユサユサ


シュウゴは泣きながら、ジオスにしがみついて来た。


『ああ、いいよ、俺がなんとかするから』 スッ! シュンッ!


ジオスはそう言うと一瞬でその場から消えた。


『『 ジオス? 』様?』


ドババババーーッ!   シュワアアンンッ! パッ!


その超巨大な天体は、地球の月軌道の内側に入って来た。ジオスはその落下してくる天体の前に現れた。


『全くあの娘は、加減てものを知らないかなあ…』 ググッ


ジオスは向かってくるその天体に向かって自身専用神器『アヴァロン』を構えた。


クルクルッ! チャキッ! ヴアンッ! ヴヴヴアアアアアンンン!


『はああッ! 神級撃滅剣技いッ!《スィンジーベン・グラン・バスターッ‼︎》』

 キュインッ! シュンッ!


ドガアアアアアアンンンーーーッ‼︎ バアアアアンンーーッ!


『『 おおおおッ! 』』


『地球』に落下していたその巨大天体は、ジオスの剣技により砕かれ、その世界の第四惑星の外まで吹き飛ばされ砕け散っていった。

         ・

         ・

         ・

「ハア〜やっぱり凄いですね」


「ただねえ、防いだ時に破片がちょっと落ちちゃってさ、その世界の竜達が絶滅しちゃったんだよね」


「え〜、それ大丈夫だったんですか?」


「ん、まあかわりに、他の種族を入れたら、やたらと繁殖してさ、のちに進化して、今までの世界とは別の人族ができた」


「今までの世界とは別の人族ですか?」


「ん!」 コクン


「それは一体どんな者達なのです?」


「いっさい、魔力を持たない人族、魔法を使えない人族が誕生したのさ」


「魔法が使えない⁉︎ そんなんで生きていけるのですか?」


「ん、あれから数万年、魔力が無く魔法が使えなくても、その世界の人族は繁栄しているよ」


「そうなんですか、【創造神シュウゴ】様の想像した世界でしたね」


「ん、その世界の名は『地球』、魔法も魔力も何にも無い、人族だけの世界、ちょっと小競り合いは多いけど、数多ある異世界の中では一風変わった世界だね、アッ 食べ物は美味しいよ」


ドガアアアアンンッ! ドドドドッ! ドオオオンッ! バアアアアンンッ!

 メラメラ…


今、映像には巨大な船が地表に落ち爆発四散した映像が映った。


「ん、放ってもおけんな、じゃあ始めようか…」 シュンッ!


アニスはそう言うと、その場から消えていった。








いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ