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共喰い  作者: 蜜柑箱
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呪い

「男女2人組であること。それが呪い発動の最低条件。私は男女2人にそれぞれ禁術である共喰いの呪術をかけた。呪われた2人は日を追うたびに目に見えて衰弱していった。」



体に不調を覚えてから3日が経つ。医者が云うに、僕たちは未知の呪いをかけられたらしい。そして未知の呪いのことは噂となりすぐに村中に広まったようで、村人のなかには僕たちへ同情の眼差しを送るもの、露骨に忌み嫌うものとまぁ様々だ。そんな中僕たちの呪いの噂が、かの深淵の魔術師様の元までも届いていたようで、今日その呪いについてお調べに来られるらしい。そうこうしているうちに、ふと庭先に目をやると何も無い筈の所に黒い靄もやのようなものが見えだした。あの方がいらっしゃったのだ。


何処からともなく深淵の魔術師が『ロン』と『エリス』の2人の前に現れ、

「成る程...確かに君達は少し珍しい呪術をかけられたようだね。これは共喰いの呪術か...」

「「共...喰い?」」

「そうだ、共喰いの呪術。これは数ある呪術の中でも難易度が圧倒的に高く、それでいて非常に協力な呪いだ。」

そう云うと深淵の魔術師は2人に共喰いの呪術について語り出した。


共喰いの呪術。それは術者の任意の人物2人に対して発動する呪い。呪い発動から10日が経つと想像を絶する痛みを伴いながら死に至る。解術の方法は10日以内に術者が死亡するか、10日以内に呪いにかかった2人のうちのどちらか片方の人物が死亡する事の2つだけ。


「つまり、僕にかかった呪いを解くにはエリスを殺す...」

「・・・」

「私にかかった呪いを解くにはロンを殺す必要がある...と...」

「術者が誰か分からない以上はそう云うことになるね」

「そんな...その術者って云うのを探すにも時間が...」

「無いね」

「深淵の魔術師様のお力でもどうにもならないのですか?」

「残念ながら」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

暫く沈黙が続くなか深淵の魔術師が

「力になれないのは非常に心苦しいのだが...そろそろ次の予定が有るのでね。」

そう云うと深淵の魔術師は黒い靄のようなものと共に姿を消した。

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