1話
緑豊かな大地が広大に広がる世界、ここがどこだかわかるだろうか?
日本の都会にこんな場所がある訳ない、かといって田舎の中の田舎でも今日日こんなだだっ広い草原があると思いますかね?
そうある訳ねぇんです、
ここは異世界のアルゼン王国の王城の庭、めちゃくちゃ広いがお城の裏にある庭だ。これが現実。
ちなみに湖の水面に映る俺の顔が世紀の大ブサイクを煮詰めたような豚顔に極度のデブ体型なのも目をそらしたいが現在だ。
嘆かわしい事に。
あっちなみに俺は前世フツメンでなんでか交通事故で逝っちまって気がついたらこの世界で赤ちゃんやってた、ちなみに第一王子。
理由はわからねぇんだが、この世界美醜逆転してる模様。
信じられねぇと思うが俺の豚面こいたこの顔が絶世の美男子らしい、まじで俺も信じられねぇ。
でもこれは紛れもない真実でどうにもならない出来事だ。
最初の頃は異世界転生キターと思ったんだけど、いかんせん美醜の価値観は違うわ、おまけに男女の価値観まで逆転してると来たもんだ、これの衝撃がわかるだろうか?
王子とは名ばかりの、文字通り前世でいうところのお姫様ポジションなのである。
社交界では麗しの窓辺の王子様と噂されていると聞く。
見た目は豚王子のこの僕がである、異世界とはなんとも不思議なものか。
……と、そろそろ時間か。
「殿下、お迎えにあがりました」
うひょおっっ、びびったぁ、急に後ろから声をかけられて驚いた
相変わらず気配の無い従者兼護衛さんだ。
「ううむ、では向かおうか」
「ハッ、」
ここでこうしてても仕方無いし、何よりこれから三大公爵家の当主とその娘との顔見せを兼ねた謁見なんだ、三大公爵家はいわゆる王の次に権力のある巨大な貴族で、それぞれリーフ家、ファイア家、アクア家、このうちの誰かの婿として俺は嫁がされる可能性が大きいんだが、その一発目の御披露目に遅れたら大変な事になる。うちの王家のしつけ役は怖いんだ、見た目からして皮のボンテージに網タイツ黒い艶のあるロングストレートにつり目、右目に泣きホクロの少し上に目尻のつり上がった美女なんだが、いかんせんこの世界だと超絶不細工らしい。
しかし代々うちのしつけ役を請け負う由緒正しい家柄の人でその見た目もあって学生時代は大層苦労をしたそうな、それもあってかはわからないけどかなりのスパルタなのだ。
怒られた時の事を考えるだけであそこが縮み上がる思いだ。
この異世界貴族は基本見た目がいい(前世のブサイク)場合がほとんどなのだが、先祖帰りなのか運が悪いのが積み重なったのか時々親のパーツを奇跡的に配置した不細工(前世の美少女)に生まれる貴族や平民がいる、そういう貴族や平民はブサイクと蔑まれるのだがその蔑まれる理由の一つに嫉妬が含まれる。
親の遺伝子を継承して奇跡的な配置で絶世のブサイクとして生まれた者は、そのほとんどが魔力や身体能力がとてつもなく高いのだ。
しかし残念な事にこの異世界はとてつもなくブサイクに厳しく、美人に優しい社会だった。そんな訳かブサイクは世間にその能力を正当に認めて貰える事は滅多になかった。
当初俺のしつけ役の紹介で代々マナーを営むシーツジ家の来訪の時に俺の母親、いわゆる現女王が散々騒いだのだ。
やれ可愛い王子をこんな不細工には任せられない、これは王家への戦線布告などと。
シーツジ家の当主もこれには顔を青ざめさせ震えた、俺はその時の躾の先生ミーナ・シーツジ先生の顔を、憂いを帯びた人妻のような横顔を俺は今でも忘れられない。あまりに色っぽすぎた、14歳の王都学院を卒業したばかりの美少女とは思えないくらいの色っぽさだった。
不覚にもその当時若干4歳だった俺は、はじめての勃起をこの場違いな瞬間にかましてしまうという、大変恥ずかしい状態になってしまった。
前世で例えるとブサメン見て乳首を目立つくらいにたたせてしまう美少女、くらい恥ずかし死ねる自体である。
その時は俺も目立つ下半身にパニックになったのと、もし先生を変えられるとしたらこの世界の美人(不細工)に変わってしまうと焦り、何を血迷ったのか熱烈な告白をしていた。
それはもうわめき叫びながら、この先生じゃなきゃ嫌だーっ!と。
鼻水を垂らし泣き叫びながら、おしっこを漏らして、不幸中の幸いなのか、失禁した結果、おっきした下半身を誰にも見られずにすんだのだが、それと共に何か失ってはいけないものを失った気がした。
これには女王も困惑して、この場を一時お開きにする事を決断する。後日ミーナ先生が俺の躾の先生に決まったと知って、俺は、小躍りした。
しかし躾の時間になるとミーナ先生は鬼になるのだ、普段の優しさはどこへその、文字通りそこには般若がいたのだ。
マナー教室こわいお……。
美醜逆転ものが読みたくて、自給自足。美醜逆転男主人公もの増えてくれ~~




