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  作者: 誰そ彼名無し
◎エス編
1/1

いち

窓から見える空が灰色。

廊下は真っ白、先は暗闇。ながぁく続く。


学校は帰り。

エスは靴音を鳴らす。

かつ、かつ、かつ


「エス」

呼び声に振り返れば、兄二人の顔が並んでいる。

「エス、最近はどうだい?」

「…普通」

それ以外にどう答えればよいか。

かつ、かつ、かつ


「全く、不愛想は『先代』譲りですなぁ」

「」

…はあ。

「…それはよく知らないけど」

かつ、かつ、かつ


エム、常に勝ち誇ったような顔をして、人の汚点を探してる。

エル、常にこの世の終わりみたいな顔をして、人の隙を探してる。


かつ、かつ、たん。

…僕は何を探してる?

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