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レヴィクトゥス  作者: 若葉
2/19

Part2

店を出るといったん小さなアパートに帰り、大きなリュックを背負った後、私物が残っていないか最終確認をしてアパートを出た。アパートを出ると、とりあえずルートを決めるべく地図を開く。とりあえず妹の行方と関係があるのなら行くべき場所はパリだろう。きっとパリには毒素の関係で入れてもらえないだろうが、行くだけ無駄ではないだろう。現在俺はミラノにいるから、その為にはアルプス山脈をロープウェイで超えなければならない。しかし面倒なことに、この時期は旅行客や地元民でごった返してる可能性が高い。俺は人混みが大嫌いだ。しかし、妥協するしかないようだ。気は乗らないが、これもマーニュの為だ。

ロープウェイ乗り場までバスで行くことにした。この時期旅行客が多いため自分のような大きなリュックを背負っている人も珍しくない。その為、周りから浮くことは避けられたようだ。バスに揺られている中、隣の人が読んでいる新聞を盗み見すると、そこにはパリの沼化から風評被害で関係の無いフランス南部には観光客が少ないらしい。現地の人には悪いが俺にとってはありがたい話だ。

実際にロープウェイ乗り場につくとガラガラという訳では無いが明らかに人は少ないようだ。アルプス山脈の奥のパリ方面を睨みつつ切符売り場の列に向かう。すると、何故か突然視界が真っ白になる。突然曇ったのか?それとも雪崩か?霧か?と、頭まで真っ白になっていると次は衝撃だ。背中全体に衝撃を受け思い切りうつ伏せに倒れてしまった。倒れてからも背中に質量を感じることからきっと人が当たって倒れてきたのだろう。と冷静に判断してる場合か!周りに散らばった資料を掴むように起き上がり尻餅をついたような状態になり振り向くと、いかにもか弱そうな女性が一人メガネをカチャカチャいじり、ボサボサな栗毛色の短い髪の毛をある程度整えている。おでこから垂れてくる血の温かさを感じながら一連の操作を眺めていると、初めてこちらに気づいたかのようにハッとした表情をした彼女は大声で「ごめんなさい!」と土下座をしながら言うのであった。他人の目線もおでこも痛い。この痛みに何故か懐かしさを感じながら謝る彼女を立たせてあげた。

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