プラン
浦島さんは、紙に年表をまとめて、おれたちに見せた。
「これが、キミたちとわたしたちの経験をもとに作った年表だ」
おれたちの未来で経験した出来事も網羅されていた。
「そして、今回のチャンスを逃した我々がとるべき行動、そして、執行者と対峙するタイミングはここしかない」
政さんは、落ち着いた声で年表を指さした。
その年代は、この後で判明している出来事の中で最も直近に存在している。
そう、2018年だ。
おれたちが、前世暮らしていた年代。
「隕石が落ちてくる前に、執行者に接触し奴を討つ」
浦島さんが力強くそう言った。
「でも、どうやって……」
桃太郎さんたちふたりを失って、もう聖槍は使えないはずだ。
不完全な状態で、あいつに挑んでも勝てるわけがない……。
「それについては、わたしに考えがある。信じてくれないか?」
政さんがそう言った。なにかを強く決めている目だった。
「わかりました」
おれは、力強くうなづいた。
※
「それでは、計画を発表しよう」
浦島さんが口を開いた。
「まず、ユウトとさくらのふたりは、時の泉を使って目的地まで行ってくれ」
「ふたりは?」
さくらが小さな声でそう聞いた。
「わたしたちは、この時代に残って、準備をする。約束の日の前日に集まろう」
「じゃあ、おれたちが約束の日の前に到着するかもしれない。そのために必要なものを、○○駅のロッカーに入れておいて欲しい」
「わかった。次に会うのは、400年後だな、ふたりとも」
おれたちはうんとうなづいた。
※
その後、おれたちは時の泉を使って、前世に住んでいた日本に向かった。
着いた日時は、惨劇の2日前だった。
おれたちは、指定した駅のロッカーに向かう。
そこには、何枚かの服と、現金、スマホが入っていた。
スマホの中には、浦島さんたちの連絡先が記録されていた。
「到着した」
おれは、メッセージアプリを使い彼らに連絡をとった。
「了解。合流は2日後だ。それまでは、ふたりの好きなことをしていてくれ」
おれたちは、顔を見合わせた……。




