終わりの始まり
「この世界はつまらない」
おれはいつもそう思っていた。
「生まれてからわずか十八年で、なにをわかった気でいるのか」
この不満を口に出したら、大人たちにそんなことを言われてしまうだろう。
じゃあ、おまえたちは、人生楽しいのかよ。
おれがそう返すと大人たちは、なにも言えなくなるだろう。
おれは嫌味なガキだった。
あの日の朝も目がさめて、天井を見つめながらおれはこうつぶやいた。
「人生ってつまらない」
心からそう信じていた。あんなことが起きるまでは……。
「なにを考えているの?」
「なんだ、さくらか。昔のこと」
ここまで、ずっと一緒に来た幼馴染だった。
「この世界のこと?それとも元の世界のこと?」
「どっちもだよ」
あの朝、世界はすべてが変わってしまった。この幼馴染のさくらを除いては……。
「そっか」
「そう」
短いが、おれたちにとっては十分な会話だった。
「ねぇ、ユウト? これが終わったら聞いて欲しいことがあるの」
「そんな死亡フラグ建てるなよ、縁起でもない」
「ごめん」
「わかってるよ。言わなくても」
「でも、口に出しておきたいの」
「なら、今言ってくれ。これが最後になるかもしれない」
「そうだね」
さくらは、空を見上げた。満月が美しく輝いている。
「 」
「じゃあ、行こうか」
恋愛をメインに、異世界転生×SF×バトル中心に描いていきます。