5話 初めての『殺し』で気を失う情けない俺です。
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精進して執筆します。
朝になると、隣にいる裸のジャニスを見て恥ずかしさが…。しかし、しばらく眺めていると妙な安心感を感じた。満たされたからか(?)今度はムラムラしてきた。これが若さゆえ…か。
目を覚ましたジャニスと見つめ合う。そのままジャニスはおはようのキスをしてくれた。幸せです。
「身体がベトベトしますね。お風呂に入りましょう」
「はい…」
情けないが返事するので精一杯だった。
お風呂に入りながらステータスの確認をする。
結局、ダウンロードを開始した後はジャニスとのラブラブチュッチュでそのまま就寝してしまったので。
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―リュウイチ フジムラ―
LV.1
称号:魔戦士の超越者
HP(773/773)
MP(667/667)
AP(722/722)
攻撃力:271
防御力:304
攻撃魔力:317
防御魔力:299
ちから:271
まもり:300
すばやさ:264
うんのよさ:218
―スキル―
東院流武術 西心流武術 北天流武術 南覇流武術 古式気闘武術 波動神明流武術
風神流剣術 業炎流大剣術 流水双剣術 大地剣闘術 闘覇魔剣術 天覇闘気剣術
―魔法―
回復系魔法 8属性魔法 生活魔法 召喚魔法 付与魔法 死霊魔法 古代魔法 神王魔法 暗黒魔法
アリエルの世界智識 全アリエル言語 鷹の目 心眼 気配察知 鑑定 解析 採掘 採取 命中率上昇 回避率上昇 隠密行動 解体 連続攻撃 身体強化 全闘気開放
―春の女神・アニエスタの恩恵―
『ダウンロードVer.3』
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うん。これだけ強ければ何とかなるよね。
しかし、これでレベルが上がったらどうなるんだろう?
お風呂でサッパリした後朝食を取って俺はジャニスに相談することにした。
「装備品ですか?一応、取り揃えてありますから見てみましょう。リスト、頼めますか?」
「承知しました。すぐに、ご用意いたします」
「お願いします」
リストが食堂から出て5分ほどで戻ってくるとリビングに装備品を用意したと言う。
その手際の良さに、俺はただ驚くだけだった。
「とりあえず、フルアーマ-モデルのモノとレザーアーマーモデルのモノを用意しました」
「うわー…フルアーマーのは重いですね。それに動き辛そう…」
「フルアーマーは重量が重い分防御力は高いのが特徴です。装備する場合は装着者の体躯に合うように調整します。レザーアーマーは軽く誰でも気軽に装備できますがフルアーマーと違い部分的な装備品なので剥き出し部分を狙われると防御は皆無でございます」
「重さの負担を取っても高い防御力を取るか、運動性を重視してレザーアーマーを取るか…」
「戦いのスタイルで決めるべきかもしてませんね」
「じゃあ…レザーアーマーで」
「かしこまりました。次に武器ですが…剣のタイプを3本、槍を1本、斧を1本ご用意いたしました」
綺麗に飾られた武器は右側から短い剣、通常の剣、両手で持つ大剣、突き刺すタイプの長槍に両刃の大斧だ。
短い剣は軽いがリーチが短い分間合いも狭まる。普通の剣は手頃な重さと片刃タイプで『刀に近い』感じだ。大剣は背中に背負うタイプのもので両刃の力押しタイプ。長槍は遠心力で振り回すタイプのもので、大斧はかなり重い。これじゃあ、レザーアーマーを選んだ意味が無いほどの重量だ。
考えた末、俺は3つの剣を選んだ。剣術を覚えたことで使ってみたいと言う気持ちができたからだ。
装備品の装着の仕方をひと通り教わり自分で付けてみる。背中の大剣に左の腰に2本の剣。ちょっと重くなったが気にするほどでもない。
「リュウイチ様、、用意できましたか?」
「…ジャニス。その恰好は?」
「もちろん。私もリュウイチ様と一緒に冒険者になります」
「本気ですか?」
「いついかなる時も一緒ですよ」
2人で出かけようとしたところで、メイドの1人であるイルマがレザーアーマーを装備して現れた。
「旦那さま、奥方様…イルマをお連れください。彼女は弓の上級使い。きっとお役に立ちましょう」
「足手まといにならぬよう頑張らせていただきます」
「どうしますか?リュウイチ様」
「いいんじゃないかな?」
RPGでも3~4人パーティと言うのは基本だしね。
ジャニスが持っているのは槍の様に長い柄で刃先が斧のような武器。中距離型と言える。イルマは弓使いなので後方支援型だ。パーティのバランスで考えれば近距離型が1人欲しいところだ。
とりあえず、イルマが操縦する馬車に乗って街中に向かう。馬車は専用の預かり場でお金を支払って預ける。2時間で銀貨3枚と言うことで前金で銀貨9枚支払っておいた。
冒険者ギルドで『ギルドカード』の発行の手続き中に講習を受ける。
冒険者としての心構えや規定のルール、依頼書の見方や受諾の仕方、レベル・ランクの上がり方、採取した素材の買い取りなどを教えてもらう。
冒険者としてルールを守る宣誓したところで、ギルドカードを渡して貰った。
早速、パーティランク1の依頼書から『薬草10束採取』を選んで受付を行う。
アーバントの大森林へは門から徒歩で10分ほどで着く。
警戒しながら薬草を採取していく。
心眼の能力が勝手に働き『薬草』の『生えている場所』を『矢印』で『表示』してくれる。しかもその『矢印』にはご丁寧に距離が表示されている。
これはこの世界の『スキル仕様』ではない。いや…厳密に言うと知識としては『ある』のだが、この世界の人でこの『合体スキル』は『使えない』のだ。それは、『知られていない』と言う理由であり、『知らない』ことは『出来ない』と言う理屈だ。
「こりゃ、楽に依頼達成だな」
次々に薬草を採取していく。気づけば30束ほど採取していた。まあ、群生地を見つけたおかげだけどね。
意気揚々と帰る道のり、依頼を達成できたと言う油断からかモンスターの接近に気づけなかった。
「ギャギャッ」
「――なっ!?」
木の陰から突然襲ってきたのは全身が青肌で腰にボロい布きれを巻いた人型のモンスター。
その顔は長くひん曲がった鼻と耳、剥き出しの口にギョロ目と言う何とも言えない醜悪な顔立ちだ。
「うわあああっ!」
「ギャ―――っ!!」
いきなりのことで思わず体が反応し、龍壱は剣を抜いて斬りつけていた。
モンスターの胴体から斜め上に向かって肉が切り裂かれ、断末魔ともに青い血飛沫が飛び散り龍壱は返り血を浴びた。
「あ…あ…ああああああああああああああああああああああっ……」
命を奪ったこと。血を浴びたこと。生々しい感触と共に龍壱の精神は崩壊し意識はそこで完全に断たれた。
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相手はモンスターだ。頭では理解している。殺らなければ殺られる世界で、殺して褒められることはあっても責められることはない。
でも…平和な世界で育った自分にとって『生物を殺した』と言うのはショックだった。
『人』と『モンスター』とでは意味が違うのかもしれない。
だが、『命を奪った』と言う事実が重く圧し掛かる。
「地球ではみだらに『命』を奪うのは『罪』になると言う『法律』があるのですね?」
「…女神様?」
「まあ、同胞を殺すっていうのは違うけどよ」
「生き物は他の生き物を摂取し生きていく…。それが自然の摂理」
「そうです~。どんな生き物も~他の命を奪って生きる糧にしてるのです~」
「神にとって全ての生き物の生き方は同じにしか映りません。生きるために他の命を奪うこと…それは当たり前のことですからね。ただし、自らの欲望のためや悪戯に他の命を奪うことは違うとは思いますが…」
「理屈では分かっているんです。でも…」
「おいおい…お前だって生きるために他の命を食っているんだぞ?綺麗ごと言ってんじゃねーよ」
「……」
何も言えない。確かに自分の手は汚してはいないだけで俺は生き物を食べて生きている。
自分の手を汚して命を奪ったという行為が…生々しい感触や血飛沫が『殺した』という事実を否が応にも突きつけられ、そのことがショックだったのだ。
「そうか…そうですよね。自分の手を汚さないだけで、普通に他の生物の命を食していたんだから…俺、甘えてたんですかね?」
「大甘」
「甘ちゃんです~」
「ぐっ……」
何も言い返せない。
だけど、少なくともモンスターを殺すことに対する罪悪感は薄れた。でも、問題は血に対する耐性かもしれない。こればかりは慣れるしかないわけで…。
「そろそろ目を覚まさなくてはいけませんね。あとはあなた次第です、龍壱さん」
「頑張れよ、リューイチ」
「がんばー…」
「応援してます~」
「…頑張ります」
女神たちに励ましの言葉を貰い俺の意識は遠のいていくのだった。