18 ヒョーゴ県を目指す
俺たちは新しい村を求めて、旅を始めた。
途中、もちろんモンスターにも襲われたが、なにせ俺は兵庫県だ。この最大HPでみんなの壁をやれば、どうとでもなる。
必死に(というほどでもないけど)牛獣人たちを守った。
そして、少しずつ、少しずつ足で歩いて、ついにアイウイ村へとやってきた。
「こんな水の少ないところで住めるの……?」
と案の定、牛獣人の子供に聞かれた。
「大丈夫、大丈夫。まあ、ちょっと待っててくれ」
俺はいくつもため池を作っていった。
これで村をやる分には問題ないだろう。
それと、村の経営に関しては、まずは呼び出したパンを売って、それでお金を稼ぐことにした。
若干、反則だけど、まずはお金が発生しないと何もできない。
これから、じわじわと牛獣人による新しい生活がはじまるのだ。
村の周囲は鎖を出して、ぐるぐると囲っている。これでモンスターの攻撃もひとまず防げるだろう。
俺としても、牛を助けることができて本望だ。
ニムニムも元気に俺を助けてくれている。すっかり、牛獣人の村の長をやっている。俺はニムニムのアドバイザーだ。
そして、その村での生活があって、一年後。
俺はニムニムと結婚式を挙げた。
ずっとアドバイザーをやっているうちに情が移ったというか……。最初はどっちからプロポーズしたかよくわからないが、なりゆきだ。
式は牛獣人たちが集まって、開いてくれた。
「今後ともよろしくお願いしますね、ヒョーゴさん」
この世界でも指輪の交換というのをやるらしい。ニムニムの指に指輪をはめる。
「うん、ここをしっかりとヒョーゴ県にしてみせる」
「えっ、県にまで広げるんですか? それは広すぎませんか?」
「まあ、俺が県が転生した姿だからな」
人間としての生活はまだはじまったばかりで慣れてないけど、まあ、そのうち人間の生活も板についてくるだろう。
次の夢は、がばっと土地を買って、マジで県を作ってやることかな。
この話で完結となります! ありがとうございました!




