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勉強も負けた
「夏子…!やったよ、あたし学年1位とった」
定期テストの結果は、M子が250人近くいる学年の中で一番に光り輝いたのだ。
「よかったね…」
わたしは素直に喜べなかった。なんせ、わたしはすべてM子に負けている。容姿も性格も勉強も…
「すごいねぇー!!さすがM子。才色兼備って感じ?」
いつも通り、りーがM子を褒め称える。
それを若干睨みながら、自分の順位を確認する。
「で、夏子はどうだったの?」
りーにふいに聞かれて、動揺した。
「…205位だった」
「大丈夫よ!うちも198位でそんな変わらないじゃん。一緒に頑張ろ!」
M子は学年1位になったことがとても嬉しかったらしく、笑みを浮かべていた。
その横顔も美しい。顎がシュッとしていて、鼻がツンと高くて。パッチリとしたお目目。
わたしとは大違い…
わたしは、ふーぅ、とため息をついた。