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ある探偵の摩訶不思議な事件録!  作者: まみさぶろう
【新月の夜に】
5/5

《伍》決断

サブタイトルをつけるのが難しくなってきた。


前回に引き続き、音葉&舞流の過去編。

そして一六八も登場。


三人にどのような過去があったのか、その目で確かめてください。

『愛する私たちの娘へ

あなたにこんな運命を背負わせてしまってごめんなさい。あなたがあの事実に気づく前に、あなたをこの館から離してあげればよかった。それか、私たちがあの事実、あなたと舞流ちゃんがツクヨミの使者だということを早く知っておけば、こんな事態は免れた。私たちが悪かったの。ごめんなさい…ごめんなさい…』

(音)「…やっぱり本当だったんだね。私たちがツクヨミの使者だったってこと」

(舞)「私は前からわかってた。何故か、音葉ちゃんには引きつけられるし」

「ツクヨミの使者の仕事って…」

「魂を…ツクヨミのために集めること。それも【新月の夜に】ね」


それから数ヶ月後、私たちはある子に出会った。それが 望月 一六八 だった。まだ一六八が8歳の時だった


出会いは一六八が迷子になっていた時に家に届けてあげたことから始まった。

その子は私たちといる時が楽しくてたまらないみたいで、いつもいつも一緒にいた。遊びに行く時も3人でいた。

そして一六八が12月24日が誕生日だってことも知った。

そして私たちは毎年毎年パーティをした。

何せみんな誕生日が同じなもんだから。

でも一六八が11歳の時、少しずつおかしな行動が目立つようになってきた。

急に私たちの部屋に居させてほしい、と言ってきた。


その時はまだわからなかった、一六八が私たちの過去について追っているということを。

でも12月21日、今年のパーティが間近って所で舞流が一六八のカバンの中から少し出ている【あるファイル】に気づいた。

「これ…」

「あの子、私たちのことをずっと、出会った頃から調べていたのよ」

「舞流…」

「うん。仕方ないけど、やるしかないよ」

「…」


(一)「ただいまー!」

「一六八…!おかえり」

私は咄嗟にそのファイルをタンスに隠した。

「音葉?どうしたの?」

「いや、べ、別に?」

「一六八、今年の私たちの誕生日の日は、新月が見られるのよ」

「そうなの?なら綺麗な新月見ながら誕生日迎えられるなんて最高だね!」

「そ、そうね。あはは」

「音葉〜?本当に大丈夫?熱でもあるの?」

「あ、あはは、少しあるかもね。まぁ大丈夫よ。誕生日までには治るから」

「うん…でも無理しないでね?」

舞流は、その時非常に怒っていた。

何故かはわからない。私たちがツクヨミの使者だという事に気付かれたから?

そんな事で怒ってしまうのだろうか。

昔の舞流ならこんな事をされても怒りはしなかっただろう。

こんなにも人は変わるものなのだろうか。

昔お母さんに見せてもらった、

胡蝶蘭と睡蓮は、何年経っても全然変わらなかったというのに。


「そ、そういえば、今頃だけど、一六八って私たちとあった頃からずっとその髪飾り付けてるわよね?」

「あぁ、これね、私のお姉ちゃんがくれたの。お母さんの唯一の形見だって言ってね」

「そうなの…じゃあお母さんは…」

「もう死んじゃったんだ。強盗にあって」

「…なんか悪いこと聞いちゃったね、ごめんね」

「いいのいいの!別にもう気にしてないし!」

「…お姉ちゃんとお父さんは?」

「お父さんも強盗に襲われて死んじゃって、お姉ちゃんは事故にあって…その後の行方はわからない。でもね、お姉ちゃん、事故に遭う前の日にこう言ってくれたの


『一六八、お父さんとお母さんはいない。けど、私があなたをずっと、お母さんとお父さんの代わりに護ってあげるからね』


って」

「良いお姉ちゃん。いつか見つかると良いね」


いつか_____。


いつかは一生やってこないと思うけど。


そして、この日がやってきた。

12月24日…新月の夜。

一六八を…一六八の魂を、私たちが奪う日が。

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