〈弍〉不思議なかくれんぼ
かくれんぼをする一行、様々な謎が出てくる一方、段々おかしくなってくる一行(ラップ風)、さて『かくれんぼ』は成功するのでしょうか?
《かくれんぼ》
ゲームが終わった後、4人でこの広い館でかくれんぼをする事になった。
当然のように鬼は私になった。
(淋)「じゃあ真実ちゃん、3分たったら私たちのところを探しに来てね」
(真)「わ、わかりました(3分って結構長くない?)」
(望)「じゃあ、スタート!」
「いーち、にーい、さーん……………
ひゃくななじゅうきゅう、ひゃくはちじゅう!
やっと数え終わった〜疲れたよ〜。もう探していいのかな?」
3分だと行くところも限られているはずだ、すぐ見つけよう。
…と、そうは言ったけど全然見つけられない…どうなってるの?
もっと奥の方に行ってみようかな。
というか、この館広すぎない?
何分後かに、ある部屋を見つけた。
「この部屋…」
そこには『資料室』と書かれた扉があった。
「この中に隠れてるかもしれないし、一応入ってみようかな」
その資料室の中には、この館の資料、土地の資料など色々置いてあった。
一番気になったのは…
【十弐月姉妹】の資料
「これは…あの人たちが何者かが分かるかもしれない…!」
「それは見ちゃダメ!!!」
「だ、誰!?って、望月…さん?」
「あ、あはは、み、見つかっちゃったね。かくれんぼなのに鬼に自ら見つかっちゃうなんてね」
「望月さん、これって…」
「とりあえずダメなの!!」
「何か、見られたらダメなものがあるんですか?」
「べ、別にそんな訳じゃないけど、とりあえずダメ!だからそれを私に返して!」
「わかりました…」
望月さんはそれを私から取り上げると、パーティをやった部屋で待ってる、と言って出て行ってしまった。
「そこまでして、隠したいものがあるのかな…とりあえず、他の2人を探そう」
その後何部屋も入って探したがいっこうに見つからない。
って、まだまだ奥があるみたい、行ってみよう。
「ここが一番奥の部屋かな?だいぶ古ぼけた部屋みたいだけど…」
!!!!!
「こ、これって…」
その部屋の中には、二つの骸骨が転げ落ちていた。
「い、一体誰の骸骨だろう…。って、あれ?これって…手紙?」
【愛する私たちの娘へ】
「これは…!
淋月さんへの、手紙!?
しかも、娘ってことは、淋月さんのご両親…?なんで書いてあるのだろう」
『愛する私たちの娘へ
あなたにこんな運命を背負わせてしまってごめんなさい。あなたがあの事実に気づく前に、あなたをこの館から離してあげればよかった。』
真実「あの事実…?何のことだろう…それに離しておけばよかったって…』
ガタガタッ…
あれ?あのクローゼット揺れてる…
ガチャッ…
「さ、淋月さん!こんな処にいたんですか!」
「あー、見つかっちゃったみたいね。さすがに音立てちゃったのはまずかったかなぁ…まぁ、とりあえずあとは舞流を見つければ終わりね、私はパーティをやった部屋で待ってるから、頑張ってね」
「は、はい!」
もしかして、私がこの手紙を読んだことに気づいた?それ以上手紙を読ませないために音を立てて自分を気づかせたの?でも望月さんみたいに手紙は取っていかなかったよね…
「…ってあれ?手紙が破けてる…いつの間に…それに、なんで望月さんが見つかったことを知っていたんだろう…ますます謎が深まっていく…」
あ、そうだ、最後の1人の月見さんを探さなきゃ!
もう探し回ってから一時間は経つだろうか、全然見つからない。
一旦パーティをやった部屋に戻ってみよう。
「あ、あれ?月見さん??」
「あ、真実ちゃん。もしかしてこれって見つかっちゃった系?」
「そ、そうなりますかね。というか、ずっと廊下を徘徊してたんですか?」
「そうそう、この館案外広いからね」
そんなはずない、私はすべての廊下、部屋を探し回ったのだ。
「…とりあえず、これでやっと3人は見つけました。つかれたぁ〜」
「そうみたいだね、さて、パーティをした部屋に戻ろう」
「はい!」
部屋に戻ると、望月さんは私を見て少しビックリした様子で、俯いてしまった。
「あ、みんな見つけたみたいですね。さすが探偵さん。普通の人なら何時間もかかってしまうのに、なんと50分で全員見つけてしまうなんて!」
「さて、次は真実ちゃんが隠れる番かな?」
「え、えぇ!?私1人で隠れるんですかぁ?」
「そう、もし真実ちゃんと同じ50分で私たちが真実ちゃんを見つけられなかったら、凄い景品あげるよ!」
「…わかりました。やります」
「じゃあ、隠れる時間は10分!」
『では、スタート!』
次はちゃんまみのかくれんぼから!