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第3章 風
散文詩です
私のまわりは風が吹いている
ごうごうと音を立てて
まるで私を逃がさないというように
私は風にたちむかう
自由になるために
ほんとうの自分をとりもどすために
つくりものじゃないほんとうの笑顔をとりもどすために
でも私は風にかなわない
そして風のなかにとじこめられる
私があきらめると風はやさしくなる
そよそよと私をいつくしむようにやさしくなる
風は命じる
おまえには使命があると
使命?
それを果たせばおまえは自由になれる
だから私はたたかう
自由になるために
ほんとうの自分をとりもどすために
ほんとうの笑顔をとりもどすために
だから私は負けない
私のまわりを風が吹いている
ごうごうと音を立てて
私はなんどでもたちむかう
いつかあの風のむこうに行くために
亜麻色の髪の乙女の第1部完結。
次作からは、独立した短編として書いて行きます。
読んで頂いて本当にありがとうございました。