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異世界でカボチャプリン  作者: マーブル
旅ロマンはハミングを歌いながら
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巨人のお供


【王国暦122年10月4日 3:42】


 タロス01、02を通行の邪魔にならないような位置に移動させてから、位置を固定する。

 夜明け前だというのに、北門には、すでに十名ほどの騎士団員がテントを立てて待機していた。

 こちらも、馬車通行の邪魔にならないような位置に立ててあった。


「おお、魔術師殿」

 暗がりでハッキリ顔が見えないけど、魔力波形はスタインのものだった。

「おはようございます。大変ですねぇ」

 限りなく他人事みたいに言うと、スタインは苦笑した。

「後で収容所の隣に、例のアレ、建ててほしいんだが」

 中指を立ててスタインは言った。何だろう、何かの冗談なのかな、コレは?

「ああ、はい、収容所の隣なんですか? 迷宮の方じゃなくて?」

「うむ、あそこなら騎士団も駐留しているし…………」

 一度スタインは言葉を切ってから、小声で続けた。

「麦泥棒で捕まえたやつもいるからな」

 なるほど、迷宮に難民キャンプを作っちゃうと、離れた位置に管理者を複数置かなきゃならない。泥棒さんとして捕まえた人間は犯罪者として管理する必要があるから、両者が近ければ兼任にできるだろう、という発想か。

 千五百人からの人間が収容所を襲撃したらどうするつもりだと一瞬、心配する。けど、壁は高いし、電撃柵はあるから大丈夫だろう。いやでも千五百人が一度に、一点に来たら死亡者続出だろうけど突破はできそう。


「川向こうに建ててもらうと思う。だから難民が収容所の攻撃をするには一苦労どころか、水死を覚悟しなきゃならないだろうな」

 スタインは私の憂慮にひとまずの解消策を出してくれた。収容所の西側には小さな川が流れている(流水便所の水源でもあり、放出先でもある)から、そこをバリケードの一つと考えれば大丈夫かな。

「わかりました。巨人はここに置いておけばいいですか?」

「ああ、後で道案内を兼ねて難民たちを先導してほしい。昼前には団体さんの到着だ」

「じゃあもう、結構近くまで来てるんですね」

「うむ――――」

 スタインの顔には緊張が見える。仕事の邪魔をしちゃいけないと思い、手を振って冒険者ギルド支部へ足を向けることにした。



【王国暦122年10月4日 4:04】


 冒険者ギルド支部に到着すると、早速ギルドカードリーダー/ライターの設置を始める。

「おはようございます」

「ああ、おはよう……本当に朝イチなんだな」

 エドワードは寝てないみたいで、気を張っているのか、目をカッと見開いていた。緩むと寝ちゃうんだとさ。


「早起きは三文の得と申しまして……」

「さんもん?」

 ヒューマン語スキルが日本語を直訳したけれど、上手く伝わらなかったみたいだ。ゴルドの下の通貨単位がないからだと思われる。眠そうなエドワードはさんもんを追求することはしなかった。そうそう、私に関しては訳のわからないことはスルーが正しいのよ。


『道具箱』からリーダー/ライターを取り出して、カウンターに固定していく。物理的な固定の他、エドワードの魔力波形を鍵にして魔力的にも固定する。この作業はあっという間に終わり、カウンター外側からも眺めて、位置を確認する。

「こんなものかな」

 四台のリーダー/ライターの設置作業が終わる頃、受付カウンター内部に、眠そうなフェイが登場した。


「サーバの方も増設しますので、もうちょっと掛かります。半刻もしたら説明を始めますので」

「……うむ」

 本当に眠そうだなぁ。早番の受付担当職員も数人、すでに出勤してきている。冒険者ギルドは二十四時間営業だけど、混み合う時間は限られているから、その時間に重点的に職員を配置するためにシフト制が組まれている。この発想って、恐らくは元の世界の発想で、フェイが導入したものだと思う。ちなみにエドワードは今日は深夜番かつ早番らしい。元の世界で言うと消防士さんとか看護士さんみたいな使われ方をしているなぁ。

「……朝イチでベッキーも来る。……あの娘は明日から産休だがな」

「あ、はい。聞いてます」

 そういえばベッキーさんが出産準備で実家に戻ってくるって話だったね。部屋は元々の自分の部屋、ちょっと前までカレンとシェミーが使っていた部屋にするそうな。


 一階での作業を終え、サーバルームに移動する。

 サーバはメモリの増設と()()()()の作業を行う。これは元の世界の感覚で言うと、メインメモリの増設というよりは、ハードディスクやSSDの増設に近い。稼働中に増設も可能(ホットスワップ)だし、意識して作ったからだけど、本当にサーバ用っぽいよね。


 以前に増設していたメモリパックに入っていたデータを、新設の方に丸ごとコピーする。コピーが終了したら古い方は引き抜いて再利用のために『道具箱』へ。ちょっと前に作った製品でも魔力効率が悪かったり、無駄にミスリル銀が厚めだったりするので、その辺りを改善して新型として再生する予定。メモリ関係は実際のデータ記録部である魔核の形状こそが重要で、これまでの球体より、四角く成形した魔核は魔力効率が段違いだ。


 このサーバも、いずれ、ミスリル銀の使用を減らした新型機に切り替えたいところ。その時点での最新、というのは作った直後から旧型になっていく。元の世界のCPUほどじゃないけど、進化が早いものだなぁ(他人事みたいだよねー)。

 ふと思ったけれど、私が魔導コンピュータや通信サーバの開発だけに注力したら、どうなるんだろうね。ムーアの法則を越えてしまうかもしれない。だけど、そんな凄い性能の魔導コンピュータが必要なのか、動かせる魔力が果たして存在するのか。

 その意味では新型ギルドカードを魔導コンピュータで管理するのは、需要を創造する点で私に望ましい状況だ。もはやどっちが目的で手段なのかわからないけれど。


 サーバ改良工事が終わったので受付へ戻る。

 少し日の出が遅くなっては来たものの、朝の受付ラッシュが始まりそうなタイミングだ。

 受付担当の人たちは普段よりも多い。ベッキーも出勤していた。

「あら、おはよう」

「おはようございます。お腹、目立ってきましたね?」

「うふふ」

 ベッキーは膨らんだ自分のお腹を優しく撫でてから、触ってみて? と私の手を取った。

「おお…………」

 心臓の音が二つ感じられる。リヒューマンなどとは違って、正常な営みが作り出した生命の神秘に軽く感動する。


「っと、説明を始めましょう。旧カードと新カードの交換は、もう始めていいんですか?」

「……構わない。……もう告知も出している」

 フェイが顎で示す先にある掲示板には『新型ギルドカードへの切り替えについて』と題された張り紙がしてあった。王都の冒険者ギルドと同じく、旧型>新型への切り替えは無料、紛失時の再発行が金貨三枚だった。脅し文句としては、『来月からは新型ギルドカード所持者のみが迷宮に入場できます』と書かれている。文字が読めない人もいるけど、これは重大な変更だから、噂として口頭で伝わるだろう。

「じゃあ、説明を始めます」

 私は宣言して、受付中に響く声で新型ギルドカードの取り扱いについて解説を始めた。



【王国暦122年10月4日 5:26】


 受付担当者が新旧カードの交換作業や文字入力にも慣れてきたところで、本格的な朝ラッシュが始まった。

「……文字の入力は、携帯機器ならいつものやり方で構わないと思うが、受付業務では専門のキーボードが必要かもしれないな」

 フェイが受付カウンターの裏側から、受付業務をする職員たちの背中を見つめながら言う。


「あー、うん、そうですね。大丈夫ならやりますけど。承認されたとして、もはやあれって魔道具じゃなくなるというかですね」

「……紛う事なき工業製品だからな……」

「一応、迷宮には似たようなものがあるので、言い訳は可能なんですけど、純粋に作るのが面倒なんですよ。バネを一つ一つ作らないといけないので……」

「……んっ、ならばバネを使わなくてもいいじゃないか。……タッチパネルみたいにすれば」

 おお、フェイからそんなアイデアがくるとは。

「ブリストから戻ったら考えますよ。今のやり方でも実用にはなりますから」

「……そうだな」

 慣れるのが早い職員の人は、すでにブラインドタッチで数字キーを叩いている。おー、元の世界の女子みたいだー。

「この後は領主の方に幾つか提案をしにいきますが……。ちょっとその前にですね、話しておきたいことがあるんですよ」

「……何だ? ……ふむ、支部長室へ行くか」

 内密の話です、と暗に伝わったようで、フェイは支部長室へと私を案内した。



【王国暦122年10月4日 5:33】


「……ふむ、何だ?」

 支部長室のソファに座ってすぐ、フェイが何事か、と訊いてくる。

「はい、実はですね、先代ノーマン伯爵のレイスを目撃しまして」

「……なんと……」

 おお、フェイをして驚いたぞ。


「それがですね、動かそうと思った巨人の肩に乗って、海や街をボーッと見ているわけですよ。死んだ自覚もないみたいで」

「……ふむ。……通常、レイスやゴーストが発生するのは、死亡現場か遺体周辺なのだがな。……いや待て、葬儀会場は確かに南港だったが……」

「考えにくいことですけど、移動したのかもしれませんね。死亡現場は領主の館の庭でしたっけ?」

「……うむ。……先代の件は掘り返すとアイザイアに悪影響があるかもしれんな」

「それには同感です。消滅させる方向で構いませんか?」

「……未練を残したままだと、消滅させてもいずれ再生する。……五年は復活しないと思うが」

「うーん、それじゃあ、一応何が未練なのか訊いてみますか。息子(アイザイア)に恨みがある、とかなら問答無用で消滅させないといけませんけど」

「……うむ、何ならエミー嬢を連れて行くがいい。……あの娘なら、港を歩くだけで浄化しまくりだろうに」

 あー、なるほどね。

「一応、同等スキルは私も使えます。清らかな気分にさせますよ?」

「……レイスは時々凶悪に化けるからな。……できれば複数人で対応した方がいい」

 フェイは安全策を採れ、という。エミーを連れて行かない方が安全にも思えるんだけどなぁ。


「……ユリアンに話は通しておくぞ。……いずれにしろ明日は娼館のガサ入れだ。……多少早く起きなければならんが」

 私が愚図っていると、フェイは勝手に話を進めた。エミーの経験にもなるし、ブライト・ユニコーンの戦闘経験にもなるから行ってみるかな。

「わかりました。日付が変わって二刻後くらいですね。殆ど寝られませんよ?」

「……私も参加しよう。……それならいいな?」

 軽薄な興味だけで言っているのではなさそう。対魔物ではフェイの助言は聞いた方がいいね。

「はい」

 と、私は頷いておいた。


「で、例の難民なんですけど。支部長は落ち着いてますねぇ」

「……これまでも少数ずつではあるが、王都からの流入はあったからな。……今更な話じゃないか、という気になっている」

 ああ、それで慌ててないだけか。


「それはそれとして、今回は先に難民として認定出来ている点が大きいといいますか」

「……ふむ?」

 ここで、携帯用ギルドカードリーダー/ライターを『道具箱』から取り出す。

「……ライディ○ンの盾……!? ……ゴッドブロック……まさか、そんな」

「いえ、ムー帝国の遺産ではありません……。よく正式名称をご存じですね……。これ、携帯用のギルドカードリーダー/ライターなんですけど」

「……うむ、防御行動にも技名を言うので気になっていたのだ。……で、どこがリーダー/ライターなんだ?」

「いえ、ここにカードを差し込んで、ですね」

 左腕に小盾を装着するように、携帯用リーダー/ライターを取り付けて、スリットにギルドカードを入れてみせる。

「……何でまた、こんな形にしたんだ……?」

「ら、ラーイ」

 思わず口から出る神秘の力。


「……で、この携帯用のリーダー/ライターがどうかしたのか?」

 フェイが呆れているので、本題に入ろう。

「ええ、実は、新型ギルドカードとは、違う場所にデータを書き込めるんです。絶対に開けられない場所に魔法陣を組んで差し込むことになるので、その組織の専用機になりますけど」

 フェイが首を捻る。補足してくれ、と言っている。


「つまりですね、冒険者ギルド専用のリーダー/ライター、領主の市民管理専用のリーダー/ライター、みたいに設定が可能なんですよ」

「……冒険者ギルドでは依頼の情報を書き込み、たとえば領主の館では税金の支払いを描き込める、みたいにできるのか。……カードは共通で使えるんだよな?」

「使えます」

 まあ、違う場所(クラスタ)に書き込んでるんじゃなくて、ヘッダをつけてアクセス制限をしてるだけだけどさ。

「……お前は、その携帯リーダー/ライターを、アイザイアに売り込みたいわけだな?」

「はい。携帯用というか専用機ですね。ノーマン伯爵の希望にも沿うと思いますけど。あの人、管理社会を作ろうとしてますよね?」

「……うむ、そうだな。……この世界の文明発展度で、それをやっていいのかは疑問が残るが。……お前はそれに便乗したいわけだよな?」

 言外には、『使徒』の思惑じゃないところで動こうとしている私に警告してくれているのだろう。私が道を間違えたら、この人(フェイ)が『使徒』の尖兵となって私を殺しに来るのだ。お互いにそんなことにはなりたくない、と思っているから、こうして忠告をくれているのだ。


「まあまあ、まだまだ、ゆるゆるですよ。この程度で管理社会とかチャンチャラおかしいってもんです」

 管理してる、って見せてるレベルだものね。本当の管理社会は、そうと見せない工夫が随所にされているものさ。

「……そう判断してくれるといいのだが。……少し心配ではあるな。……しかし、まあ、アイザイアには交渉してみるといい。……高価なサーバつきで購入してくれるだろう」

 そうなんだよね。戸籍管理に必要なサーバは、騎士団所有(騎士団自体、アイザイアの私物と言ってもいいけど)のサーバとは分けた方が効率がいい。

「この携帯リーダー/ライターを実演して売り込んでみますよ。仮にサーバは買われなくても、私が用意しますが」

 ククク、と邪悪な笑みを見て、フェイが引いた様子を見せた。

 なお、冗長性を高めるためには同型のサーバが三台は必要になる。一般の通信サーバは内部で(つまりソフトウェア的に)分割して擬似的に三台として運用してるけれど心許ないんだよね。なんで三台なのか、と言えば、古来スーパーコンピュータっていうのは三賢者の名前が付くものだ、というお約束でもあるんだけどさ。



【王国暦122年10月4日 6:15】


 冒険者ギルド支部の建物から出ると、すでに南通り、北通りは馬車の往来が激しい時間帯になっている。特にロータリー近辺は大混雑だ。


 迷宮方面から王都に直接行く馬車も増えてはいるし、例の集積所に一度穀物などは集められていたりもするから、これでも大分混雑は解消されてきたと言っていい。また、西通り(夕焼け通り)から南北通りに進入する馬車は(西通りが町営以外の馬車が通行禁止なので)基本的に皆無ということもあり、南から北へ向かう馬車はスムーズに流れている。


 ただ、東通りから北通りへ曲がろうとする馬車や、北門から南港へ向かう馬車などは渋滞になっていたりする。馬車が渋滞するということは馬糞も多いということなのだけど、せっせと馬糞を回収して側溝に落とす仕事をしている人たちもいる。

 曰く『衛生局』の人たちで、元の世界風に言えば清掃局とか保健所とか下水専門の水道局が一緒になったような部署の人―――に雇われている人―――だ。今のところは馬糞の処理は追いついているけど、一時的に混雑が解消されたとはいえ、ロータリーで渋滞する現状をなんとかしないと、いずれロンデニオンのように馬糞天国に戻ってしまうだろう。


 根本的な解決策としては、道をもう一本、バイパスして通すことだ。高架………は難しいだろうから、地下トンネルを掘って、アンダーパスにするとか。下水管さえ何とかすれば、石畳も含めて一週間くらいで工事は済むか。その間の交通をどうするか、って話にもなるから、やっぱり別途道は必要になるかなぁ。それに、下水管の工事は先日終わったばかりだし、すぐに掘り返すなんて、元の世界の日の丸国家みたいじゃないか。


 北門に到着すると、テントを張った、仮の難民登録受付所には、騎士団や冒険者()()の人たち、一見して疲労しているのでそれとわかる――――が並んでいた。その数は百人ほど。

「スタインさん」

「おお、魔術師殿。足の速い、元気なやつが到着し始めているんだ」

 足の速い難民…………。何か色んなものを想像してしまったけれど、百人もの小汚い人間が、虚ろな目をして地べたに座り込んでいる様子は、まるで被災地のようだ。いや、実際王都の治安の悪さは、彼らにとって災害に等しいのだろう。


「この後は冒険者ギルドでカードを作る……のか?」

 スタインが訊いてくる。段取りについてはあんまり説明されてなかったようだ。当初はそのつもりだったんだけど、冒険者ギルド支部の方は、今現在、新型カードへの切り替えで大混乱中だろう。

「いえ、あとで発行しましょう。今は収容を優先した方がよさそうです。登録直後に死なれては敵いませんから」

「そうだな」

「収容が終わったらカードを発行しましょう。ギルドカードではなく、市民(シビリアン)カード、とでも言えばいいかな。ポートマット住民より先に発行するのも変な話ですけどね」

「シビリアンカード?」

 スタインは思案顔になったけど、説明するより字面を口の中で唱えれば意味は通じるだろうから、説明しないで話を続ける。


「はい、一時的に、この難民さんたちを管理下に置きます。えーと、そうですね、収容所の隣に土小屋を建てて、そこに押し込めて静かにさせていればいいですね? 配給食などはそちらにお願いしてもいいですね?」

「あ、ああ」

 よくわかっていないスタインは放っておいて、タロス01の掌に乗り、簡易の演台とした。

「えーと、ポートマットの人は巨人より後ろにいてください」

「あ? ああ、おお」

 スタインと騎士団員たち、数人の冒険者たちが下がったことを確認する。同時に、難民たちの中に強い魔力の持ち主がいないことも確認する。


「うん、いけるかな。―――『威圧』」

 ぶぃん、と魔力の塊を投げる。

「っ!」

 座り込んでいた難民たちの動きがさらに鈍くなる。魔力によって威圧された状態で、私に注目せざるを得なくなる。

「――『統率』」

 赤いワーウルフや、キングゴブリンから入手したスキルを発動。このスキルは簡易洗脳とも呼べるもので、対象者は暗示に掛かりやすくなる。


―――スキル:統率LV8を習得しました(LV5>LV8)


 お、何かスキルレベルが上がったみたいだ。軍隊を指揮するつもりなんて無いけど、この場では役に立ちそうよね。

「―――『拡声』」

 すぅ、と息を吸って、


《みなさーん。ポートマットへようこそー。一時的な居住区へ案内します。巨人に付いてきてくださーい!》


 と、大声で叫ぶ。

 私の『声』を聞いた難民たちは、立ち上がる体力も気力も無かっただろうに、のっそりと立ち上がり、タロスがゆっくり歩き出すと、その後ろに従った。



――――次回、『ポートマットの聖者』にフェード・イン(インインインインイン…………)!





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