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第二話 猫と猫

 世間的には昼時、私はけだるい体をベッドから起こし何かないかと冷蔵庫を開けるが中は空。


しかたがないので、椅子にかかっているジャケットを羽織り相棒のベレッタPx4を二丁腰に下げ部屋をでる。


近所の市場まで徒歩10分、バイクも自転車ないので当然徒歩。


途中、暴漢や刺客に会うこともなく、難なく市場につく。


ミルクと食料を購入して家路につく。昼に起きて出かけたのが3時前、買い物を終えるともう夕方。


なんとも1日を無駄に過ごしているが誰かに叱られるわけでもないし、急ぎの仕事があるわけでもないので問題なし。


家に帰るためには細い路地裏のようなところを通らなければならないのだが、そこで私は頻繁に襲われていた。


職業上そうなるのは仕方ない。特に上から銃撃されたり、置いてあるゴミ箱やよくわからない荷物の陰に隠れての待ち伏せなど。


この前はいきなりRPG-7をぶっぱなしてきたバカもいて結構苦労している。まあこの生き方以外知らないので当分このままだが。


突然何かの気配を感じたので荷物を地面に落して、二丁のベレッタを取り出し構えると同時に目の前が真っ暗になる。


しまった。


内心舌打ちし、抵抗せずベレッタPx4を下ろす。そのまま動かずにいるともそもそと顔あたりで何かが動き少々くすぐったくなった。


何か変だ周囲から何も反応がない。


そーっと得物を腰のホルスターに収めることもできる。


周囲に警戒をしつつ手を顔に持っていくともふもふ。


どうやら、柔らかいぬいぐるみのような物体が張り付いているようだ。


私は、周囲を再確認。


殺気などの危ない気配は感じられないので顔に張り付いている物体ををつかむ。


「にゃ~」


と一鳴き。


内心ため息ついた、また猫かと。そして、とりあえずひきはがすと黒猫だった。


「今度はしゃべらないよな」


ついつい、独り言を吐く。先日の事があるからつい出てしまう。


黒猫は、ジタバタし始め自分の手から脱出したあとその辺にある壁などをつかい、俊敏な動きでジャンプ。


私の頭に着地してたれパンダならぬたれ猫になる。そして、


「にゃー」


と再度一鳴き。どうやら、自分の頭が気に入ったようだ。満足そうにたれている。


とりあえず、害はなにので放置することにする。


食料の入った買い物袋を拾い家路につこうとすると複数の殺気感じ、買い物袋を抱え路地の脇に飛び込んだ。


刹那、銃撃。さっき立っていたとこにハチの巣になる。


まさか、頭上の猫が協力者で引き寄せたのか?と思ったが、猫は、気持ち良さそうにたれている。


しかもかなりリラックスしているようなので、どうやら違うようだ。


とどうしても猫にも人間並みの知性があるという方向に思考を持っていてしまう。


私は、ゆっくりと顔を出す。すると複数の銃声と共に弾丸の雨あられ。夕日の逆光により刺客の顔まではわからなかったが、


人数とどんなタイプの得物を使っているのが分かった。


相手の得物マシンガンのような連続的な銃撃ではなく、割りと間隔を開けた銃撃なのでオートマッチックやセミオートのピストルタイプの銃、


もしくは、マグナムなどのリボルバータイプ。


血が騒ぐ。


逆境は、最高の媚薬。私をハイにする。


ここで、煙草ラッキーストライクに火をつけた。


「さあ、もっと、もっと私を追い込め」


頭に猫をのせながら銃をかまえ、怪しい独り言を言っている図は、はたから見ればシュールであるがそんなことはしらねえ。


私は、刺客が近くに来るのを感じさらに気持ちが高ぶる。そして、煙草の煙を吐くと路地の脇から飛び出しベレッタPx4のトリガーを引いた。


刺客は五人。そのうちの一人に命中し、銃弾をばらまき弾幕を張ってきた。


私は、自分に直撃コースの弾丸だけ撃ち落とす。


頭上の猫は、このいかれた音楽ロックにのって流れ弾をツイスト、ゴーゴー、などダンスを踊りながら回避。


今回の猫もただものではないらしい。全く大したものだ。


私はついつい笑みがこぼれた。


弾丸の雨の中、ダンスステップを踏むかのごとく駆け抜け敵までの距離を詰め、飛んだ。


そして、刺客の背後に回りまず一人。左のベレッタで頭をぶち抜く。続いてもう片方のベレッタでもう一人。


その隙に残り二人がナイフを抜いて挟撃を仕掛けてくるが両腕をクロスしベレッタのグリップの底で受け、はじき飛ばしトリガーを引いてあえなく THE END。


相棒たちをホルスターに収めると、一気にクールダウン。興奮状態からいつもの気だるい状態に戻る。


猫も、ダンスフィーバー状態から再度頭上でたれる。


「さて、帰るか」


と猫に向かって言うと


「にゃ~ん」


と猫も一鳴き。


私は、咥えたラッキーストライクをその辺に捨て火を消す。


そして、もう一本取り出して火をつけた。黄昏時の夕日が目にしみたが心地いい。


とここで終わればそれなりに締まったはずなんだが、ゴミ屑同然になった食料やミルクのことを思い出しもう一度市場に引き返すのだった。











食料などを買い直し家に着くとちょうどその時、携帯電話がなる。誰だと思って番号を見ると友人の番号だった。


「どうした?」


「どうしたじゃねーよ、やっとつながった。めずらしくお前から連絡するって言っておきながらまったく連絡してこねーじゃねーか!で今日は、どうするんだ?」


「・・・・・・・・」


思考数秒、一応脳内の記憶を掘り起こす。そういえば昨日連絡した。


「忘れてた。すぐ来い」


「おい忘れてたって。全く・・・・わかった。すぐ行くから前みたいにどっかに行くなよ」


電話を切って、煙草ラッキーストライクを1本取り出し火をつける。


この友人は私が何時も来いと言えばたいてい来てくれる。


何故だろうか。


特にイライラしている時や予定を入れていなくてもふらりと来てくれた事もあった。


そして、食事を作ってくれるし、文句を言いながらも掃除洗濯何でもやってくれる。


何ともまあできたやつだ。


いや出来た嫁と言うべきか。


「くくく」


楽しみになって鼻歌を歌っているとたれ猫が頭上で鳴いた。


..to be continued

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