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5. 授業

 一時間目の授業である、精霊学を聞きながら、リャナンはローンと名乗った青年のことばかり考えていた。

ニエル家と言えば裁判官や政務官などの国政に関わる人間を多く輩出している家だ。貴族の中でも名門で今回新しく即位した国王陛下と外戚関係にあったはずである。国王陛下と関係が深いからか、フランツェンになる者は少なく、今この学校にニエル家の者は居なかったはずだ。


(だから認定のことにも疎かったのか)


授業中にも関わらず自分の思考に没頭しさらにため息までつくリャナンは、ここで重大なことにたどり着いた。


(名門と言われる大貴族様に大暴言を吐いたのよね)


朝の自分の言動と先ほどのアリアラの「貴族の機嫌を損ねると予備認定すら通らなくなる」という言葉が合わせて思い出されてリャナンは思わず頭を抱える。もはや授業中であることすら失念している。というかそれどころではない。用意できない賄賂と貴族の機嫌を損ねたという事実にどうしようもない焦燥感が湧き上がってきてしまうのだった。


(あ~、もう。考えるのは止めよう)


無理やり思考を中断させて周りを見渡せば、隣に座っているリトルアが怪訝な顔でリャナンを見ていた。何か聞きたそうだが授業中なので私語をするわけにはいかないと葛藤があるようだ。

なんでもないと言うようにリャナンが首を振ると、リトルアは渋々ながらも授業を聞く態勢に戻った。リャナンもそれを見て、今度こそ授業を真面目に聞く。

 精霊たちがどのように花を渡り産まれてくるのかくるのかをとうとうと語る教師の話を聞く。精霊は目に見えないが、それでもそこにいるのだということをリャナンは信じ切れていなかった。節目のお祭りなどには人並程度には決められた祭事をこなすし、行わないことによる厄災も怖さはあるのだ。それでも、


(あんなに当然のことのように話されると引いてしまうのよね)


そんなことを言ったら目の前で熱弁を振るう教師は間違いなく剥いて怒るだろう。「貴方には信仰心が欠けています」と容赦なく糾弾を始めるに違いない。そんなことはごめんだ。リャナンは態度だけは真面目に授業を聞いた。

授業終了まであと三十分・・・。


更新遅くなりました。7月いっぱいはちょっとペースが落ちそうです。

申し訳ない。

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