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幸運で不運な灰色賢者  作者: いちた
プロローグ

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幸運な臆病者と、最初の勘違い

初めて投稿します!

なんならはじめての小説。。!


稚拙かもしれませんが良ければ見てください。。( . .)"

操作がわからない。。。




中堅実力派パーティー「鉄の爪」のリーダーである戦士ガルムは、忌々しげに舌打ちをした。



「ちっ、荷物持ちが一人飛んだだけで、こうも段取りが狂うとはな」



つい先日までいた臨時の荷物持ちが、理由も告げずに突然消えた。

次の任務まで日がないというのに、面倒なことだった。

彼は、日雇いの仕事を探す者たちが集まるギルドの掲示板へと、苛立ちを隠さずに足を向けた。



そこで彼の目に留まったのが、フィンだった。



灰色の髪をした、痩せ型の頼りない少年。

その瞳は、まるで常に何かに怯えているかのように、落ち着きなく揺れていた。


(…使えねえだろうな)


それがガルムの第一印象だった。しかし、他に選択肢もなかった。



ダンジョンの中は、ゴブリンの血と臓物の匂いが、湿った空気と混じり合っていた。

「…うっ」

パーティーの最後尾で、フィンは込み上げる吐き気を必死にこらえる。

彼の願いはただ一つ、この悪夢のような場所から生きて帰ること。それだけだった。



一行が十字路に差し掛かった時だった。

フィンの足が、突然縫い付けられたように止まる。

脳裏に、パーティーが串刺しになる、血塗れの「妄想」が浮かび上がった。



「ま、待ってください! 嫌な、予感がします…!」



「またか」とガルムは一蹴する。

斥候のセラが安全だと判断した道だ。

しかし、フィンのあまりの必死さに、ほんのわずかな疑念が胸をよぎった。

その時、フィンの足元の石が不自然に転がり、彼がバランスを崩して投げ出した矢筒が、前方の床で殺傷能力の高い槍の罠を作動させた。


「なっ…!?」

「…偶然か?いや、それにしても…」


ガルムの中で、フィンに対する最初の強烈な「違和感」が生まれた。


道中、不可解な幸運は続いた。フィンが何かに怯えて咄嗟に身をかがめた瞬間、彼の頭があった場所を、壁の死角から放たれた矢が通り過ぎる。


ガルムたちのフィンへの「疑念」は、次第に「こいつは、何かを持っている…?」という困惑と警戒へと変わっていった。



そして、一行はダンジョンの最深部へとたどり着いた。



そこは、粗末ながらも明らかに「玉座の間」だった。


そして、その中央に鎮座する一体の魔物を見て、ガルムは戦慄した。


ゴブリンキング。文献で知るそれは、ただ体格の良い、腕力の強いゴブリンの王のはずだった。



しかし、目の前にいる「それ」は、違った。



不釣り合いなほど肥え太った醜悪な肉体。

しかし、そのたるんだ瞼の奥で光る瞳には、獣の本能ではない、人間のような狡猾な知性と、残虐な愉悦の色が浮かんでいた。


粗末な玉座には、エルフのものらしき美しい頭蓋骨が飾られている。

(こいつは、違う…!)

ガルムは直感した。



これは、ただの魔物ではない。殺戮を楽しみ、支配を愉しむ、悪意の王だ。


戦闘は、絶望的だった。


王は、巧みな戦術でガルムたちを分断し、追い詰めていく。エリアスの魔力は尽き、セラも深手を負って倒れた。


「…ここまで、か…」


自慢の剛剣は折られ、盾は砕け散り、ガルムは死を確信した。

彼は、折れた剣を構え、最後の抵抗を試みようとする。王が、彼にとどめを刺すべく、その巨大な戦斧を振りかぶった。



(死ぬ。助からない。でも、あの人が死んだら、次は絶対に僕だ!)



隅で震えていたフィンは、ただ生き延びたい一心で、近くに転がっていたただの石ころを拾い、王に向かってやけくそで投げつけた。



その弱々しい一投に、彼の「幸運」が最大級に呼応する。



石は、王が振りかぶった戦斧の、柄に埋め込まれた装飾的な宝石に、ありえない精度で直撃した。宝石は、戦斧の力の源である魔法具の制御装置だった。



――パリン。



宝石に亀裂が入り、魔力が暴走。王の手の中で、戦斧が内側から砕け散った。


「なっ!?」


武器を失い怯んだ王。ガルムはその一瞬の隙を見逃さず、折れた剣の残骸を、その心臓に深々と突き立てた。



街に帰還した後、ギルドの酒場で、ガルムたちは祝杯をあげていた。



あの奇跡の逆転劇。

しかし、フィンの「幸運の代償」はすでに働き始め、彼らの記憶は曖昧な霧に包まれ始めていた。


「しかし、あの石の一撃…。私の理解を超えている…」

「ええ。そもそも、彼がなぜあのタイミングで石を…?思い出せない…」

「…理屈などどうでもいい」とガルムが言った。


「俺たちは、あの灰色の髪の小僧に救われた。それだけが事実だ。…そうだ、あいつはまるで、物語に出てくる賢者のようだ…**『灰色の賢者』**とでも呼ぶか」



彼らは、フィンのことを「得体のしれない、しかしとんでもない何かを持つ少年」として、強く認識した。



これが、フィン本人だけが知らない、最初の伝説の始まりだった。

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