第4話:影、交錯す──天下人に射す影
慶長四年、秋。
石田三成が佐和山城に蟄居してから、わずか三日──
徳川家康は、伏見・向島の屋敷を離れ、大坂城西の丸へと移り住んだ。
その動きは、政権の象徴的な変化であった。
「家康公が、ついに天下を取られたのか──」
京の公家たちはざわめき、 比叡の僧もまた、静かに口を揃えた。
「今や、世は徳川のものとなりにけり……」
EDO『大坂西の丸制圧:政権中枢への侵入完了。周囲反応:好意74%、警戒20%、敵意6%。』
だが、その静かな勝利の余韻に、水を差すかのような事件が起きた。
慶長四年(1599年)九月── 徳川家康、暗殺計画。
その首謀者として囁かれた名は、 加賀の前田利長、浅野長政、大野治長。
いずれも豊臣家に深く関わる者たちであり、 彼らが共謀し、家康の命を狙ったという。
EDO『警告:暗殺計画兆候捕捉。信頼度:中。計画詳細:不明。』
この報せを受けた家康は、表情を動かさなかった。 だが、瞳の奥に炎を宿していた。
「これが、忠義の姿か……」
彼は即座に、対処を開始する。
「前田利長を討つ」
その意志は揺るがなかった。
EDO『提案:加賀征伐計画立案中。対象:前田家勢力排除。』
表面上はまだ安寧の中にあるかに見えた政権だが、 内実ではもはや、疑心と策謀が渦巻き始めていた。
豊臣という名の遺産は、 家康にとっても、三成にとっても、 もはや鎖でしかなかった。
そしてその鎖を断ち切るべく、 男たちは動き出す。




