第1回─初めての出会い
星の瞬きが語りかける夜、私たちはいつも何かを願う。願い事が叶うという奇跡を、心のどこかで信じているからだ。
この物語は、星の国から降り立った小さな男の子と、希望を失いかけた女の子の出会いの記録である。彼らの出会いが、互いの運命を大きく変え、夢と光の新たな扉を開く。
星々が見守る中で、彼らの心はやがてつながり、暗闇に射し込む一筋の光となる。涙がこぼれる夜も、いつか笑顔に変わると信じている者たちへ——これはそんな奇跡の物語。
星空を見上げながら、老人が古い物語を思い出し、隣にいる少女にその話を語り始めた。
「昔、ある**男の子**がいて、彼は星の国に住んでいた。そこは希望と奇跡に満ちた場所で、男の子は150歳になってようやく、世界の様々な変化を静かに見つめることを許された。
毎日そのように世界を眺めていたが、ある日、ふと一人の女の子を見かけた。
女の子は道を歩いていて転んでしまい、雨の中で大声で泣いていた……。
泥だらけになって拳で地面を叩きながら、どうして自分だけが一人なのかと叫び続けていた。両親はどこにいるのか、と。
男の子はその絶望の叫びを見つめ、心の奥で驚きと困惑を覚えた……
希望と奇跡に満ちた場所に、こんなにも泣いている人がいるなんて。
女の子は地面を叩き続け、ついには手から血がにじみ出ていた。
彼は女の子が心配で、思わず星の国から地上へ降りることを決心した。
禁忌を犯して、その瞬間、彼の体から銀青色の光が薄れていき、そして……大雨の中、道に落ちてしまった。
突然の音に驚いた女の子は、思わず後ずさりした。
男の子はゆっくりと泥を払いながら、彼女に近づき、まるで珍しい生き物でも見るかのようにじっと観察した。
「何してるの?あんた誰?」と女の子が問いかけた。
男の子は汚れた袖で彼女の涙を拭った。
女の子は突然冷静になったが、またすぐに泣き出した。
「なんで泣いているの?」と男の子が尋ねた。
「関係ないでしょ!」と彼女は涙ながらに返した。
「泣くって、どんな感じ?」と男の子が続けた。
その言葉に女の子は驚いて、まじまじと彼を見つめた。「泣いたことないの?」
男の子は静かに首を振った。
女の子は泣き続けることができなくなり、目の前の不思議な男の子に心を引かれていった。
ゆっくりと近づき、男の子の奇妙な服装に目を奪われた。
月の光に照らされ、ローブの生地が水色と金色に輝いていた。
「何するつもり?」
彼女はその服に触れ、笑みを浮かべながら歌を口ずさみ、男の子のローブを脱がせようとした。
男の子は慌てて彼女を押しのけ、「ダメだ!」と叫んだ。
彼女は不満そうに眉をひそめ、「ケチね、なんでダメなの?」
「これがなければ、希望も奇跡も消えてしまうんだ。」と男の子は答えた。
「ふーん、そんなの信じられないわ。」
「本当だよ……なんで地面をずっと叩いてたの?」と男の子は尋ねた。
「見てたの?」
「ああ。」
彼女は空を見上げ、黙り込んだ後、低い声でつぶやいた。「パパとママに捨てられたの。弟や妹のために花を売っても、お金は全部酒や服に使われて……。」
「どうして君を捨てたの?」と彼はさらに聞いた。
「病気になったから、もう稼げないって……。」と女の子は悲しそうに答えた。
「何の病気?」
「心の病。黒い穴が私を飲み込もうとしているの。」
「怖い?」
「うん。」
男の子は彼女の頭に手を置き、「大丈夫、光をあげるよ。手を出して。」と優しく言った。
彼女の手に、男の子の光が宿り、暖かさを感じた。
「これ、すごい……どうしてこんなものを?」
「信じるほどに強くなる光だよ。黒い穴が来たら、この光を信じればいい。」
彼女は喜んで光を投げ上げ、砂のように降り注いだ。
「ほら、私、天使みたいでしょ?」と彼女は笑顔で言った。
男の子はその姿を見て、顔を赤らめた。
彼女は大笑いし、「私のこと、綺麗だと思う?」と尋ねた。
男の子は静かにうなずいた。
「ずっと一緒にいてね!」と言って、彼の手を引いた。「さあ、世界を見に行こう!」
「君の家族は?」と男の子が心配そうに聞いた。
「彼らは大丈夫、あなたがいればいいの。」
その夜、二人の運命が変わった。
老人は語り終え、遠くの空を見つめて黙り込んだ。
「どうしたの?」と隣の少女が聞いた。
「いや、夜風が波を立ててきた。危ないから、家に戻ろう。」と老人は言った。
二人は家の中に入った。
「ここで休むといい。ベッドはあまり良くないが。」
扉を閉めたあと、少女は老人が語った物語を思い返しながら眠りについた。
外の嵐の音が遠のいていく中、光に包まれて目を覚ました。
彼女はゆっくりと起き上がり、テーブルでお茶を飲む老人を見た。
「昨夜の話、続きを聞かせて!」
老人は微笑んで、「ゆっくり食べながら聞いていけ。続きはこれからだよ。」
物語の第二章が、この穏やかな朝に幕を開けた──
まるで昨夜の嵐が、ただの夢であったかのように。