陰謀の可能性
お読み頂き有難う御座います。
新システムになってから、前書き後書きよく忘れます。
「勇者……を?」
あの野郎、前世? いえ、作中? で私をテキトーに口説いてその気にさせた挙げ句ポイ棄てたのよ? しかも、市井に追いやった挙げ句惨死させた酷い奴なのよ?
今はお子様だけど、やりかねないポテンシャルを感じるわ。
あの金色の目がヤバイのよ。イケメンだからつい見つめてイラッとするのよ。
……ホノリアのイケメン好き属性、棄てたい!
「私を未来でポイって殺した奴なのに?」
「それを防ぐには、どうすればいいか考えよう。
未来のホノリアの周りには俺は居なかったんだよね?」
「うっ、し、死んでしまったと聞いたわ……」
うう、当時は何とも思わなかったけどエマヌエルがいないなんて滅茶苦茶悲しいじゃない。私ったら何を考えていたのかしら。
「だとしたら……きっと、俺がホノリアを助けられる気がするよ。未来は変えられる」
「エマヌエル……」
え、エマヌエルったら、滅茶苦茶良い子。
やだ、涙が出てきちゃったわ。うう、こっそり鼻水まで……。
「ホノリア、鼻風邪?」
「違うってのよ! 感動してんのよ!」
何でそういう所目ざといのよ!
乙女の顔面の粗はスルーしてよね!
「色々考えてみようよ。例えば……」
例えば、との前提で出されたアイデアは……私では思いつかないものだった。
「ハルミナ姉様を、熱波から救う?」
「そう」
「でも……」
今日も朝から走り倒してるしなあ。……よく倒れないわよね。どんな体力オバケなのよ。ワーワー歓声が聞こえるわよ。
「ハルミナ姉様の今日も騒がしい庭遊びをお諌めした方がいいかしら。熱波でなくても危険よね」
「俺らには強い陽射しだけど、普通にしてたら多分倒れない……。待てよ、ホノリア」
「何かしら」
「夢に黒い塊が出てきたよね」
「え、ええ……」
昨日から朝方にかけての夢では、黒い塊がいっぱい砂の上に転がっていた。
その中には『ホノリア』の体? も有って……。
「横陽射しの日に外に出されたのかもしれない」
「……何それ」
また知らない単語が……。そして、また横……。
「1年に1回、星の巡りの関係で、熱星がまるで直ぐ横に有るかのように近寄る日があって……」
「アツホシ……」
フツーに今もギラギラと光ってるアレ、太陽じゃないのね。流石異世界……。そういや何だかこう……若干光が白っぽい気がするわ。あれ、陽射しってそもそも白だっけ? 分からなくなってきたかも……。
「その熱星っていうのも、亡くなった人なのかしら」
「夜空には出ないから、別じゃないかな」
ややこしいな……。
「その熱星が、点滅して光る日があるんだ。その日に肌を守らず外に出ると、まるで熱星が真横で直火焼きされたかのようにされると言われている」
「こっ、怖いわ……」
流石異世界砂漠の国。そんな即死日が在るとか滅茶苦茶怖いいい!
「ホノリアが夢の中で殺されたのは何歳くらい?」
「ええと……大人だった気がするわ。勇者に騙された結婚の約束をしてたから……」
「成人が16だから、今から9年以内にあの煩い姉ちゃんが横陽射しに殺されると考えると……」
……今から最低9回、ハルミナ姉様を横日差しから守らないといけない訳か。
「そもそも横陽射しの日って、外に出ないのが常識よね?」
流石にハルミナ姉様もそれは……知ってて欲しいわ。さっき迄知らなかった私が言うのも何だけど。
でも、皇女だし、そんな即死日に外に出ようなんて馬鹿げたこと周りの者が止めるわよね……。それでも振り切って外に出たということは、よ。
「何かの罠にハメられたって事かも」
「罠に……」
という事は、夢のハルミナ姉様は、殺された可能性が高いってこと……?
うわー、陰謀論? あの家系図見たからには滅茶苦茶有り得るなー。
「勇者と話し合う必要が……ありそうね」
「嫌だけどね……」
滅茶苦茶嫌だわ……。
そもそもあの勇者と会話になるのかしら……。でも、ハルミナ姉様をガチで守れそうなの、勇者くらいだもんな……。
因みに、熱星のイントネーションは外干しと一緒です。




