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控室にて

悪役令嬢レイプのIFストーリーです。


主要キャラの関係性が思いっきり変わっています(笑



煌びやかな雰囲気の会場前の控え室にて。


「恥ずかしいよ……」


 顔を赤らめ、ぽつりグチをこぼすオレはパーティ会場の入り口に居た。




挿絵(By みてみん)

 エントランスに置かれている姿身に映るのは、月光のようなロングの銀髪でピンクのフリフリだらけのドレスを身に付けた、ジト目のヒロインのような気弱そうな女性。 ギャルゲーなら、間違いなく悪役令嬢からのいじめられポジションにいそうな感じだ。

 

 でも、コレが今のオレの姿だ。

 しかし、オレは言うまでも無く正真正銘の男。 しかしそれが化粧をされフリフリのドレスを着るハメになってこんな恰好をしていた。

 所謂、男の娘と言う感じだろう。

 でも、美は作る物という事らしく、メイクテクのおかげで下手な娘より可愛いかもしれない、夜道で出会ったら思わず飛びつくくらいだ。


 「貴様のような獣にも、恥と言う言葉があったのか?」

挿絵(By みてみん)

 姿見に映りこむおれの隣にきたのは、スーツをぴっちり着込んだ、オレより頭一つ高く肩幅も広いホストのようなさわやか系の金髪イケメン。

 白い軍服がよく似合いそうな感じのヤツだ。

 ギャルゲーなら、悪役令嬢から苛めらているヒロインを助けてくれる皇太子ポジションだろう。


 だが、コイツの正体をオレは知っている。 名前は木戸 亜由美。

 女性なのに男装しているヤツだ。 つまり、麗人だ。

 だがドレスよりこっちの方が余程にあってるだろう。彼女を見ていると、美は作る物という言葉が正鵠を得るのがよく判る。

 あの時の彼女の姿は、女神が舞い降りような光景だったのに、今はこの姿だからだ。

 


 「その恥ずかしがる顔も、なかなか様になっているな」


 彼女は、オレが顔を赤らめ、恥ずかしがる姿を満足そうに眺めていた。

 良い性格してるよ……。

悪役令嬢とよばれる性格の悪い彼女が男装して、いじめられるヒロインを助けるポジションに居るのだから、助けてくれる皇太子も居る筈もない。


 文字通り、地獄に鬼しか居なかった。


 「ショーツにブラまで付けさせられて、さらにはコンナ恰好になって、公衆の前に出されそうになったらみんなそうでしょ?」

 「恥ずかしいなどとは、恥知らずな食べ残しをする(けだもの)の言葉ではないな……。

 ――貴様は、あの画像をばら撒かれたいのか? 」


 彼女は涙ながらのオレの反論を、目じりをピクリ動かし、ほんの少しの怒気をはらんで切り捨てると、オレは「ごめんなさい」、と涙を流しながら即座に頭を下げた。

 何せ、下げるしか無いのだ。

 逆らったが最期、女装姿と言う恥ずかしい写真を撮られ、名前、生年月日、住所もろもろおろか、オレのスリーサイズに至るまで、その他一切のプライベートを知られていると言う弱みを握られているオレは、逃げる事もかなわず、コイツに逆らったが最期、良くてム所送り。

 悪くしたら、存在そのものがコイツの背後にある権力の前に消し飛ばされるだろう。

 まさに、生殺与奪に全てをこの娘に握られている訳だ。


 「貴様の立場が判ればいい、さあ行くぞ」


 彼女は、それを重々承知しているようで、ない胸を張りながらそう言うと、泣きそうなくらい恥ずかしがる表所を顔に貼り付けたオレを、パーティ会場に手を引きながらエスコートしてゆく。

 しかも腰に手を当てながら。

 

 どうして、こんなハメになったのか……。

 オレは、3日前の事を思い出していた。


"



 始まりは三日前。 バイトを切られ、クソ熱かったあの日。

 こいつと出合ったと言う、あの夜の悪夢のような出来事が、ユー○ューブの動画のように巡っていった。


 

 オレは夜道で女神のような彼女と出会い、美味しそうな巨大な天然黒マグロが坂から転がってきた僥倖と思いフラフラとついて行き、暗い公園の茂みに向かった この娘に考えもせずネコのように飛びついた。


 しかし、美は作る物という言葉はマジで正しかった。


 美味しそうなふわふわの肉まんにむさぼりついたつもりが、着色料と香料とパッケージにごまかされて、大きいだけがとりえのゴリゴリのスジ肉まんと言う、特売店ですら売ってないようなとんでもないシロモノに飛びついてしまっていた。

 そして、飛びついたはよい物の、彼女の上で食べ方どころか包みの開け方も判らず、まごまごしているうち、鋭い視線で射抜かれ恐怖にかられて逃げようとするが、彼女から稲妻のような当身を水月にくらい、オレは意識を刈られ捕まえられたのだった。


挿絵(By みてみん)

 そして気がついた場所は留置所の硬い床ではなく、ピンクのリボンなどの装飾が施された豪勢な部屋のふわふわベットの上。


 目の前には、漆黒のショーツとキャミを身につけた彼女が居て、小顔のイケメン面に満足そうな表情を張りつけオレの髪をなでていた。


 挿絵(By みてみん)


 「――!!」


 次の瞬間、ヤバイと思い、脱兎の如くドアに駆け出した。

 オレがピンクのキャミにショーツに着替えさせられていたと言う、服の違和感は二の次で。


新井(あらい)恭介(きょうすけ)!」


 ドアを目の前にして、名前を背後から咆哮されたオレは、直立不動でビクリと身を震わせた。

「ごめんなさい!!」

 そして、滝のような冷や汗をながしながら本能的に謝った。


 獅子のような咆哮。

 声からして、オレとコイツとは生き物としての格が違う。

 この娘は逆らってはいけない生物で、コッチが格下で食われる立場だと一瞬で判ったからだ。


 「ムダだ!」


 だが、亜由美はオレの謝罪をものともしなかった。

 ムダの一言で切り捨て、そのまま、大音声で言い放つ。


「私は貴様がいくら謝ろうとも、(のが)しはしない! どんな外道をして、非道を重ねようとも、お前を追い詰めて地獄にたたき落とす!」


 そう言うと、ずかずかと獅子のようにショートの金髪をゆらしながらオレの背後に近寄った彼女は、首根っこをつかんで床に引き倒し、あお向けのオレの上で馬乗りになると、オレの腕を彼女の足でブロックするようにのしかかった。


 挿絵(By みてみん)


 「命だけは助けて!!」


 腕を封じられたオレの体の震えが大きくなる。

 恐怖のあまりガクガクと震え、目線を筋肉だらけの似合わないキャミ姿の彼女から逸らす事が出来なくなった。

 命乞いしないと確実に此処でオレの人生は終わる、そう観念するしかない程の威圧感を彼女が出してたからだ。

 蛇に にらまれたカエルの心境が心の底からわかった気がした。

 心臓を見えない手でワシ掴みにされた状況かもしれない、瞬き一つで気配を悟られ、命の灯火を吹き飛ばしそうな状況だった。


だが、悪逆令嬢は、涙を浮かべプルプル震えるオレの上で腕を組み、


 「ここは広い屋敷の中の私室だ。 いくら貴様が泣いても叫んでも、例え私がお前の命を奪おうとも誰も来やしない」

 

 、百獣の王のような猛獣の笑みを浮かべ、首筋をつ~っと指でなでながら言葉を継いだ。


 「だが助けて欲しいなら、それは貴様の態度次第だ」

 「……」

 「貴様の女性にも間違われる華奢な体と、警戒心を持たせない童顔のその女顔、何より私に襲い掛かった貴様の度胸には、利用価値がある!」


 「?」


 亜由美の言葉に、オレの恐怖心が若干ながら薄らいだ。

 涙顔で青ざめ、怪訝そうな顔をするオレに、彼女は続ける。



「私の下僕になれ!

 そうすれば、私を押し倒した無礼は水に流し、貴様の望む物も与えよう!」


「……望む物?」


彼女の言葉に涙と表情を止める。

 ――一体何だよ……。


 「全てが終わった後、我がグループが経営する高級風俗店のプラチナチケットとカネをお前に渡そう。 

 其処にはアイドルも凌ぐ美女がよりどりみどりと揃っていて、好きなだけ女を抱ける。

 ――所謂、上流階級のハーレムと言うものだ、貴様ら男の夢だろう」


 「……」


 「もし、お前が香りに誘われ、オスの本能に従って私に襲い掛かったなら、悪い話ではないはずだ!」


 「…………」


 「選べ! 新井(あらい)恭介(きょうすけ)

 ちっぽけなプライドのために、私の手で全てを失うか!

 私の下僕となり、共に妹のレナと戦うか!

 貴様なら、どちらが自分にとってメリットがあるか理解できるサル程の頭があるお前なら、己の意思で選べるはずだ!」


 獅子のように咆哮する彼女を前に、オレは救いを求めるような目で彼女を見た。

 選択の余地は無かった。

 そして、オレは決断した。



「……ぼくは貴女の下僕になります。 助けてください」



 そうして、オレは彼女の下僕となった。


 その時は、こんな目に会うとはつゆとも知らずに。

嗚呼、これは……いろんな意味で終ったかも……。

書き上げてあるので、残りは早めに投稿します~。

次話は12時に投稿です。

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