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天使を堕とせ  作者: 幸人
4/5

第4話 落とす極意、そんなものはない。

短くなりましたが、なんか話のキリが良かったので切っちゃいました。お許しください。

「そういえばさ、陸矢くんって俳優さんになりたいんだっけ。ちゃんとそういうの考えてるの?」

コソコソと授業中に聞いてきたのは隣の席の凛ちゃんである。僕と2人の時はわりとどもったりしないみたいだけど好きな人の前ではどもるみたいです。これ春と凛ちゃんには内緒ね。

「あー、それは一応母さんのコネでオーディションは受けられるみたいな所がいくつかあったから受けようとは思ってるよ。」

聞いて驚け、うちの母親は元読モだ。(読者モデル。知らない人のために簡単に言えば道端のモデルじゃないけどいい感じにスタイルが良かったりする人である。ただ専属じゃないだけで普通にモデルみたいなレベルだけど。)


「お母さんって、あのモデルさんみたいに綺麗な人だよね。陸矢くん顔がいいって理由で小さい頃から色んなとこで写真取ってたもんね。」

自慢じゃないが親が事務所に連れていくと必ず他のところで子供服のモデルとかちょっと背伸びしたような服も着せられたのだ。いやいや着ていたが、あの時のおかげで出来た縁もあるのでバカにできない。

「でも俳優業界よりモデル面での方が仕事になると多くなりそうだし、やるんならしっかりとした学校にも通いたいんだよね。凛ちゃんはまだ決まってないんだっけ。」

「まぁどっかの妹馬鹿が早すぎるだけだよ。なんで妹に言われたから俳優になろうとしたの?本当におバカさんね。」

「あの乃亜がキラキラした目で言われたら凛ちゃんだってダメd「ダメだね。うん。」」

「………。」

こんの……凛ちゃんだって(うちの)妹馬鹿じゃんって言葉を飲み込み、授業に集中する。

「あ、そうだ。聞きたかったことがあるんだけどさ、いいかな?」

「え、どうしたの?」

「えーっと、ちひろちゃんのこと、好きなの?」

「それなんだけど…」

これは死ぬほど話が長くなるんだけどな…。

実際僕たちは幼なじみだからとかお互い想いあってるという理由で仲良くしているのかもしれない。僕自身は正直なんで仲良くしてるのか知らないのもある。『俺』が死んでこっちに来た時には既に仲良かったから。確かにちーちゃん、千紘は好きだ。でも『俺』としての心が何か難色を示しているのだ。僕としては無論OKだし、実際に付き合おうかドギマギしているくらいなんだ。


「好き、だとは思うな。まだ自分に正直になれないのかも。」

「なんだぁ、やっぱりぃ?」

「でも、中学を卒業したら俳優の学校に行きたいんだ。本当に恋人になるとしても俳優になってからにしたいし、ちーちゃんには申し訳ないけど、今告白されても断っちゃうかな…。」

「……そっか。」

「悪いね、なんか。もしかして聞いてきてって言われた?」

「いや、全然。ありがとね、本当のこと話してくれて。」

その言葉を皮切りに会話が途絶える。

いいんだ、これで。前世の記憶、ましてやイジってもらった顔なんかで、可愛い女の子と付き合おうなんて烏滸がましいことは許される話じゃないんだ。例え僕の人格に揺るぎない恋を抱いていたならそれはそれでいい、付き合うだけだ。ただ、今付き合うことが本当にちーちゃんにとって俺は正しいことなのか。まだ分からないんだ。




時間が過ぎ、授業が終わり昼休み。

「おーい陸矢〜。授業おつかれってことで飯奢る約束なんだけどー。」

「いやしてないから。何どさくさどころか堂々と奢られようとしてるの。しかもうちの中学給食だから。給食費は払わないよ。」

「帰りに買い食いするってことよ。何〜?もしかして勘違いしちゃったんでちゅか〜?」

「はいはいそうでちゅよ〜。僕が悪うござんした。」

「はい、家帰ったらマリカで捻り潰す。200cc覚悟しろよ。」

「僕の苦手なゲームで倒して楽しそうだね。まぁ後でストファイ覚悟してね。10秒あればその言葉二度と吐けないようにしてあげるよ。」

「こっっっっわ。売り言葉に買い言葉とか次元じゃねぇよ。馬鹿じゃねぇの…。」

「ね、ねぇ。陸矢。ほ、放課後空いてる?」

「え?」


おいおい、さっき凛ちゃんが言ってたのはたまたまだったのか。いや、絶対聞いてって頼まれたんだろうけど核心部分は話さなかったんだろう。優しい子なんだか、残酷なんだか。意を決するように話しかけてくれたにちーちゃんは本当に申し訳ないし、謝りたい。自分の都合で感情を振り回してしまった。今だって震えてるし、顔も赤い。最悪だ。もう何もかも。俺は振る。この優しい面だってやめよう。踏みにじる覚悟を決めて、口を開く。


「分かった。空けておく。」

周りからは歓声、と共に舌打ちやらひそひそと話す声が聞こえる。もう、後戻りはできない。





その放課後、僕はちーちゃんに告白された。

そして、















振った。

ちなみに最近作者は、HUNTER × HUNTER連載再開のニュースをきっかけにアニメを見始めました。ドキドキが止まらず、やべぇよと連呼しながら視聴してます。

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