真琴のスパルタ修行。(1)
ヨシノ、ソメイ、カエデ達が真琴の修業を受ける話です。
「サクラ様、ソメイ様とヨシノ様がお帰りになられました」
ヤエがソメイとヨシノの帰宅を告げに来た。
(旅に出た、その日に戻ってくるなんて情けない。お説教が必要みたいね)
「ヤエ、二人を地下室に軟禁しておきなさい。お説教をします」
「お待ち下さい。カエデ様達もご一緒です。しかも拘束されています」
(カエデ達も一緒。拘束されている)
何かトラブルでもあったのかな。
「全員を居間に連れて来なさい」
ソメイ、ヨシノ、カエデ、アヤメ、ツツジが居間に入って来た。
ソメイとヨシノは悔しそうな表情を、カエデ達は満足そうな表情をしていた。
「サクラ様、お久しぶりです」
「ご無沙汰しております」
「お元気そうで何よりです」
カエデ達が挨拶をしたが、ソメイとヨシノは無言だった。
「三人共、元気そうね。早速だけど、この状況の説明をしてくれる」
カエデ達に説明を求めた。
「私達が森に向かっていると、盗賊達を捕縛しているソメイ様達に出会いました」
「お二人に事情をお聞きしたら、無謀にも旅に出るとの事」
「危険なので、お二人を連れ帰ろうとしたのですが」
「一度、逃げられまして」
「追跡して、メジハの町で確保しました」
「二度と逃げられないように拘束しました」
カエデ達の説明を聞き、呆れました。
(一度、逃げられたのに、捕まるなんて情けない。カエデ達も八歳の子供に逃げられたなんて、修行のやり直しが必要みたいね)
「全員、修行のやり直しが必要ね」
「「「「「えぇ~」」」」」
五人が声を揃えて、叫んだ。
「そんな、どうして」
「お母さん、理由を教えて」
「私達もですか」
「サクラ様、どうしてですか」
「私達、失敗はしていません」
一斉に反論してきた。
「ソメイとヨシノ。一度、逃げられた相手に捕まるなんて、情けないわよ。カエデとアヤメとツツジ。八歳の子供に逃げられるなんて、恥ずかしくないの」
全員を睨み付けながら、理由を言った。
全員、無言になった。
「全員、納得したわね」
反論は許さないと釘を指した。
「サクラ様、ご来客です」
ヤエが来客の訪問を伝えてきた。
「どなたかしら」
「マコト様です」
意外な人物の名前を口にした。
「マコト様。直ぐにお通ししなさい」
「マコト様、お久しぶりです。ご無沙汰して、申し訳ありません」
マコト様が居間にお入りになると、直ちにご挨拶をした。
「サクラさん、お久しぶり。七年振りかしら」
マコト様は七年前と全く変わっていなかった。
「そちらに居るのが、ソメイ君とヨシノちゃんかしら。大きくなったわね。そちらの三人は確か、カエデさん、アヤメさん、ツツジさんだったわね。お久しぶり」
「「「マコト様、ご無沙汰してます」」」
カエデ達が直立不動になって、挨拶を返した。
「お母さん、この女の子は誰」
「知らない女の子だけど」
ソメイとヨシノがマコト様を見つめ、失礼な事を言った。
「ソメイ、ヨシノ。やめなさい。マコト様に失礼よ」
二人を激しく叱責した。
「サクラさん、構わないわ。この子達より年下に見えるんだから。二人共、私は二十九歳よ」
「二十九歳。嘘だ」
「お母さんより年上なの」
「それより先程、修行のやり直しとか言ってなかった」
マコト様がソメイ達を気遣って、話しを逸らしてくれた。
「此処に居る全員に修行のやり直しを言い渡したのです」
私は先程の事を全て話した。
「それなら私が修行をつけてあげるわ。サクラさんは優しいから、厳しい修行はさせないでしょう」
マコト様が全員に修行をつけてくれると言ってくれた。
「お願いします」
私は即答した。
「光栄です。マコト様に修行をつけてもらえるなんて」
「感無量です。世界樹のマコト様の修行なんて」
「とても嬉しいです」
(ちびオバサンの修行、つまらない)
(ちびっこオバサンに修業させられるなんて、面白くない)
カエデ達はマコト様の修行と聞いて、感動していた。それなのにソメイとヨシノは不満そうだ。
「それでは王都に転移します」
《スキル万能(転移)発動》
私は五人と共に王都に転移した。
「それでは修行を始めます」
《スキル万能(大結界)発動》
《スキル万能(二倍重力)発動》
王都の屋敷に転移後、直ぐに修行を始めた。
結界を張り、重力負荷を二倍にした。
「体が重いです」
「苦しい」
「キツイです」
「体が潰れそう」
「動きにくい」
「静かにしなさい。この結界の中は二倍の重力負荷が掛かるようになっています。皆には体力が続く限り、走ってもらいます。勿論、身体強化は禁止ですので」
「「「「「えぇ~」」」」」
「反論は認めません。走りなさい」
「今日はこれまでにします。皆、お疲れ様」
全員が限界まで走らされた。
≪スキル万能(体力回復)発動≫
「皆、基礎体力が足りません。明日は三倍重力にします」
「「「「「そんなの無理です」」」」」
「反論は認めませんと言ったでしょう。それでは屋敷に案内します」
「「「「「「「マコト、お帰り」」」」」」」
「「「「「マコト様、お帰りなさいませ」」」」」
十一人の女性と一人の男性が出迎えてくれた。
「皆、紹介するわ。此処で修行する事になった子達よ。右からヨシノ、ソメイ、カエデ、アヤメ、ツツジよ」
マコト様が屋敷の人達に紹介してくれた。
「私の仲間を紹介するわ。右からマリア、セイラ、ミオ、ラム、ラムの師匠で家主のホウマさん、弟子のノゾミ、カナエ、タマエ、使い魔のミコト、従属魔物のローズ、親友のマカオ、マリアの祖父のレカタさんよ」
そして屋敷の人達を紹介された。
歓迎の宴が開かれた。
「ヨシノちゃん達は全員エントですよね」
ホウマさんが私達の事を聞いてきた。
「はい、そうです。ホウマさん、マリアさん、セイラさん、ミオさん、ラムさん、レカタさんは人間。ノゾミさん、カナエさん、タマエさんはエルフ。ミコトさんは合成妖精。ローズさんはスクーグスロー。マカオさんは肌が黒くないけどダークエルフですよね」
「正解よ。よく分かったわね。他にラム達の使い魔が居るけど、敷地内の警備に出ているわ。最近、侵入者が多くてね。あなた達にも警備をお願いするかもしれないわ」
宴の最後にダンスパーティーが行われた。
「ヨシノちゃん、ソメイ君と一緒に私の部屋に遊びに来ない」
ホウマさんから誘われた。
(どうしよう。マコト様からホウマさんの誘いは断るように言われているけど)
私が迷っていると、マコト様が近づいて来た。
「ホウマさん、駄目ですよ。ヨシノとソメイはサクラさんの大事なお子さんです。手を出さないで下さい。勿論、カエデ達にもです」
ホウマさんに釘を指していた。
「皆に明日からの修行内容を説明します。起床は六時。朝食後、七時に庭に集合。三倍重力での走り込みを一時間。その後、ホウマさんの指示で家事を十二時まで行います。昼食後、十三時から十七時までスキルと魔法の実戦形式の訓練を行います。十七時から十八時まで反省会を行います。それ以降は自由とします。質問はありますか」
「実戦形式とは具体的には何をするのですか」
「二つのグループに別れての模擬戦を行います。あと個人別のスキルと魔法の練習です。他に質問は」
「模擬戦ですか」
「面白そう」
「グループ分けはどうやって決めるんですか」
「取り敢えず、明日はソメイ、ヨシノ、カエデ、アヤメ、ツツジで一つのグループ。ノゾミ、カナエ、タマエ、ローズ、ミコトでもう一つのグループにします。他には」
「使用するスキルと魔法に制限はありますか」
「即死攻撃は禁止とします。他には」
他に質問は無いみたいだ。
「無いみたいなので、解散とします」
次回もヨシノ、ソメイ、カエデ達が真琴の修業を受ける話です。




