(閑話)麻香緒の失恋。
麻香緒の失恋の話です。
第一章閉幕です。
「麻香緒が見当たらないけど、誰か知らない」
マリアさん達に麻香緒の居場所を尋ねてみた。
「いつもの所じゃないの」
「間違いない」
「毎日の日課ね」
「よく続くわね」
皆は心当たりがあるみたい。
「皆、居場所を知っているの」
「「「「多分、治療院よ」」」」
「治療院。麻香緒、何かの病気なの」
「違うわよ」
「愛しい人に会いに行っているのよ」
「愛しい院長様にね」
「お熱いわね」
(愛しい人。愛しい院長様。それってレオンさんの事だよね。つまり、麻香緒がレオンさんを好きになったと。ちょっと待って。レオンさんには婚約者がいるはず)
「皆、それは不味いわよ。レオンさんには婚約者がいるのよ」
「「「「嘘」」」」
(どうしよう)
私は途方に暮れた。
「レオン院長、お邪魔します」
麻香緒は院長室を訪れた。
レオンと見知らぬ女性が楽しそうに話していた。
(レオンさん、その女は誰ですか)
私が呆けていると。
「マカオさん、紹介します。私の婚約者のラルナです」
レオンが麻香緒にラルナの事を紹介した。
麻香緒に衝撃が走った。
「ラルナ、この人はマカオさん。世界樹のマコト様の友人の方です」
そして、ラルナに麻香緒の事を紹介した。
「初めまして。ラルナです」
ラルナが挨拶をした。
「初めまして。麻香緒です」
麻香緒も挨拶を返した。
「ただいま」
麻香緒が帰ってきた。
しかし、様子が変だ。
(嫌な予感がする)
「どうしたの。元気が無いみたい」
私は無難な言葉で声を掛けた。
すると、麻香緒が泣き出して、私に抱きついてきた。
多分、婚約者の事を知ったんだ。
(ゴメン。もっと早く話しておくべきだった)
私も麻香緒を抱きしめた。
麻香緒が泣き止むまで、そのままの体勢でいた。
大きな災厄は起こらず、七年の時間が経過した。
しかし、嵐の前の静けさである事を誰も知らない。
次回から第二章です。




