破壊神シヴァ、復活。
破壊神が復活する話です。
(この怨念は美味しい。これなら、あのアークデーモンを依り代にすれば復活出来るだろう)
ルバイラの怨念を糧にして邪悪な何かが復活しようとしている。邪悪な何かが赤い霧となってアークデーモンの遺体に流れ込んでいく。
やがて、全ての霧が流れ込んだ。
アークデーモンの遺体が赤く輝き始めた。
そして、赤髪で人間に似ている姿の魔物に変貌を遂げた。
(遂に復活した。この世界を破壊し尽くしてくれる)
三大邪神の一柱。破壊神シヴァが復活した。
(まだ満たされていない。もっと多くの糧を喰らうとするか)
シヴァは多くの糧を求めて飛翔した。
「テカの町の住民が消えただと」
国王陛下に異変が報告された。
「報告によると、何の痕跡も残さず姿を消したそうです。何かの異変が起きた事は明白です」
「大至急、調査団を派遣しろ」
その頃。シヴァは孤島に戻っていた。
遺跡の中に侵入し、奥の方に進んで行く。
最奥の部屋に入り、玉座に座った。
(さて、これからどうするか)
これからの行動に考えを巡らせた。
(取り敢えず、空中神殿を復活させるか)
「レガアビカウニウュチウクヨンデンシ」
古代言語の言霊を唱えた。
部屋の中央にある大宝玉が青く輝き、神殿が空中に浮かび上がった。
(次は魔装兵を召喚するか)
「ヨジウオニンカウョシイヘウソマ」
大宝玉が赤く輝き、魔装具に似た兵が次々と召喚された。
「魔装兵、神殿内の警備をしろ」
魔装兵に神殿内の警備を指示した。
(キメラを合成する為には素材を集めねばならん。多くの素材の生息する場所に移動するか)
「ロシウドイニョシバルスクソイセノイザソ」
大宝玉が青色に輝き、素材の生息する場所に神殿が移動した。
(虫どもの国か。奴等は防御力が高い。キメラの素材としては充分だ)
「ヨセャシウホヲムービクカホ」
大宝玉が緑色に輝き、神殿下部から光が放射された。
光は昆虫人を捕獲して神殿内に収納した。
「ロシウドイニチクソイセノノモマ」
大宝玉が青色に輝き、魔物の生息地に移動した。
「ヨセャシウホヲムービクカホ」
昆虫人の時と同じように魔物を捕獲して収納した。
「レナニラメキテシウゴツケ」
大宝玉が黄色に輝き、昆虫人と魔物を結合し、次々とキメラを合成した。
(弱い魔物しか集められなかったな。ドラゴンの生息地に向かうか)
「ロシウドイニチクソイセノンゴラド」
大宝玉が青色に輝き、ドラゴンの生息地に移動した。
「今度は元昆虫王国東部のイザソの町の住民が消えただと」
「今回は目撃情報があります。神殿らしき建築物が空に出現し、人々を捕縛したそうです」
「何だそれは。夢でも見ていたのか」
「同様の目撃情報が複数あります。夢ではないでしょう」
「取り敢えず、緊急会議を行う。重臣、学者を召集しろ」
「空を飛行する神殿に心当たりのある者は居るか」
国王陛下が学者達に尋ねた。
「おそらく、伝承に記されている破壊神の空中神殿かと思われます」
一人の学者が答えた。
「破壊神の空中神殿。つまり、破壊神が封印を破り復活したという事か」
「その可能性が高いと思われます」
会議場にどよめきが起こった。
「陛下、マコトに調査の依頼をします。場合によっては破壊神の討伐も依頼します。よろしいですね」
宰相が強い口調で進言した。
「分かった。承認する」
国王陛下が即答した。
「破壊神が復活ね。それの調査と討伐を依頼するって事」
「そうだ。この事件を解決出来るのは、お前だけだ。頼んだぞ」
(破壊神の復活か。厄介な事が起こったわね。嫌な予感が的中したわ)
「取り敢えず、イザソという町に行ってみる。位置を教えて」
《スキル万能(高速飛行)発動》
私はイザソの町に向かった。
(本当に誰も見当たらない。争った痕跡も無い。お手上げね)
(世界樹の幼女よ、破壊神の波動を感知した。ドラゴンの生息地の方向に向かっている。追跡を頼む)
バハムートから破壊神の情報が入った。
《スキル万能(高速飛行)発動》
ドラゴンの生息地に向かった。
(あれが空中神殿。ルバイラを倒した孤島にあった遺跡に似ている)
神殿に接近したら、弾かれたような衝撃がきた。結界が張られているらしい。
(接近出来ない。どうしよう)
ドラゴンの生息地の上空で神殿が停止した。
神殿下部から光が放射され、ドラゴンを捕獲して収納している。
ドラゴンに紛れて神殿内に侵入した。
神殿内部はSF的な雰囲気を感じさせる構造だった。
(SF映画の宇宙船の内部みたいな所ね)
神殿内を進んでいると、警報が鳴り響いた。
魔装具に似ているロボットモドキが私を捕縛しようと集まって来る。
逃げ道が分からず、取り囲まれてしまった。
「ずいぶん可愛い侵入者だな」
赤い髪をした男性が姿を現した。
(誰だろう。もしかして、この男が破壊神)
「久しぶりのお客様だ。歓迎しよう。付いてきたまえ」
(ずいぶん紳士的な態度ね。絶対に怪しい)
警戒しながら男性の後に付いていった。
「君は世界樹の幼生体だね。私は破壊神のシヴァ。昔の世界樹とは旧知の仲でね。最後は道を違えてしまった。私は封印されてしまったが、彼女を恨んではいない」
(信用出来ない。絶対に恨んでいる。私の勘がそう告げている)
「私をどうするつもりです」
真意を探る為に質問してみた。
「君に危害は加えない。私が世界を破壊するのを此処で見物してもらうだけだ。言っておくが神殿内ではスキルや魔法は使用出来ない。脱出は不可能だ」
とんでもない答えが返ってきた。
(冗談じゃない。早く脱出しないと)
《スキル万能(転移)発動》
転移のスキルが発動しない。
《スキル万能(邪眼)発動》
邪眼のスキルも発動しない。
〈体内探知攻撃魔法ボディーサーチファイヤー〉
攻撃魔法も使用出来ない。
私が動揺していると、魔装具兵に背後から羽交い締めにされた。
(しまった。油断した)
「魔装兵、お客様を部屋にご案内しろ」
私は抵抗出来ず、部屋に監禁された。
次回は真琴が仲間に救出される話です




