(閑話)真琴、前世の夢を見る。
真琴が前世の夢を見る話です。
ネタバレの要素があります。
「フラワーマスク、今日こそ私が勝つわよ」
「アニマルマスク、今日も勝つのは私よ」
二人の覆面レスラーが闘志を剥き出しにして闘っている。
「勝者、フラワーマスク」
フラワーマスクが勝利した。
(これは前世の夢。それも懐かしい夢じゃなくて、黒歴史の夢)
「マコト、元気が無いわね。体の具合いでも悪いの」
マリアさんが心配して声を掛けてくれた。
「そうじゃないの。前世の夢を見ただけ」
「前世の夢。どんな夢なの。教えてよ」
「ゴメン。悪夢だから思い出したくない」
(前世で覆面レスラーのアルバイトをしていたなんて教えられないわよ。そういえば、あの子は元気かな)
時は遡り。真琴が死んだ半年後の地球。
(何で死んだのよ。バカ、ばか、馬鹿)
アニマルマスクこと熊野麻香緒は悲しみのどん底にいた。
ライバルのフラワーマスクこと草野真琴が謎の死を遂げた為である。
麻香緒は悲しみを忘れる為に酒に溺れていた。
交差点を赤信号で渡り、自動車に轢かれて死亡した筈だった。
(あれ、此処はどこ)
見知らぬ場所で目を覚ました。
「ルバイラ様、お目覚めになられましたか。良かった。蘇生が成功して」
(憎い!憎い!憎い!ドライアドの女が憎い!三つ目のドライアドが憎い)
(何、何なの。誰かの意識が流れ込んでくる。この感情、怖い。誰か、助けて)
(見知らぬ黒人に声を掛けられた。いや、知っている。黒人ではない。私、違う。俺の配下の下級ダークエルフ。名前はカイハ。そして俺は上級ダークエルフのルバイラ。俺は三つ目のドライアドの女に殺された筈だ。そうか蘇生してもらったのか)
記憶が鮮明に蘇ってきた。
(あの三つ目のドライアドの女め。必ず復讐してやる)
俺は復讐を誓った。
「ルーン王国の簒奪が失敗しただと。原因は何だ」
「三つ目のドライアドが邪魔をしたようです」
「あのドライアドが原因か。俺があの女を殺す。獣人の国に誘きだせ」
「レッドドラゴンが倒されるとは、計算外だった」
「獣人の国と竜人帝国の開戦計画が失敗しただと。またしても、あの女の仕業か」
「カオスドラゴンの召喚に成功したのか。まずは大神殿を壊滅させろ」
「大神殿の壊滅は成功した。次は竜人帝国だ」
「竜人帝国の壊滅に失敗した。馬鹿な。ドライアドごときにカオスドラゴンが倒されるなんて」
「ミストドラゴン、ダークドラゴン、クリスタルドラゴン、ギガントドラゴン、四魔龍の召喚に成功した。ルーン王国を壊滅させろ」
「ドライアドに四魔龍が全て倒されただと。信じられん」
「三つ目のエントの従属に失敗。今度もあのドライアドの女が邪魔をしたのか。違うだと。邪魔をしたのは王樹の女」
真琴と麻香緒が再会する話です。




