真琴、麻痺草に進化する。
真琴が麻痺草に進化する話です。
【ライフ経験値が一定量に達しました。上級種に進化します。進化によりスキル再生を習得しました。麻痺耐性体になりました】
朝。目覚めたら、体の色が緑から青に変化していた。
「マリアさん、私は病気なのかな」
私は絶望的な気持ちで、マリアさんに尋ねた。
「真琴さん、落ち着いて。これは病気じゃなくて、麻痺草に進化したのよ」
マリアさんが優しい声で答えてくれた。
「麻痺草って何?」
「体を麻痺させる効力のある薬草の一種よ。青い色で麻酔薬の原料になるわ。とても貴重な薬草なの」
「それなら、増殖を一日に十回くらい実行するわ」
「真琴さん、絶対に無茶はしないでね。約束よ」
「分かっているわ」
「本当に麻痺草だわ」
「二度も進化するなんて不思議ね」
「やっぱり、解剖したい」
夕方。セイラさん達が遊びに来た。相変わらず、ラムさんは怖い。
「ところで、スキルを習得したって本当」
「どんなスキルなの」
「見てみたい」
「いいわよ。増殖というスキルよ」
《スキル増殖発動》
麻痺草が一つ出現した。
「真琴さんが二人」
「すごいわね」
「増えた方を解剖していい」
「やめて。私は本物よ」
ラムさんが増殖した方ではなく、私を掴んだ。やっぱり、怖い。
(そういえば、夢の中で再生というスキルを習得した気がする。まあ今は必要無いから確認はいいか。ラムさんに知られたら、本当に解剖されるわ)
「痛いわね。噛らないでよ。この馬鹿ネズミ」
夜中。私はネズミに噛られた。今は麻痺して動かなくなっている。
《スキル再生発動》
噛られた箇所が再生していく。再生を習得していなければ、大変な事になっていたわ。
次回も進化する話の予定です。