乙女の牙、誕生日パーティーに出席する。
王女様の誕生日パーティーの話です。
「皆、とても素敵ですよ。とても綺麗ですよ。とても魅力的ですよ」
私はマリアさん達のドレス姿に感動した。
「誉めすぎよ」
「やめて下さい」
「恥ずかしいよ」
「当然」
「マコトも可愛いわ」
「皆、そろそろ出発の時間だ。自転車は馬車に積み込んでおいた」
「レカタさん、一緒に行こうよ。自転車を造ったの、レカタさんだよ」
私はレカタさんを誘った。
「遠慮しておく。ああいう雰囲気の場所は苦手でな」
「冒険者パーティー乙女の牙です。第五王女テレサ様の誕生日パーティーに招かれました。招待状です」
マリアさんが招待状を衛兵に確認させる。
「間違いありません。お通り下さい」
私達はパーティー会場に向かった。
「あれって、ドライアドじゃないか」
「間違いない、ドライアドだ」
「何故、森の管理者がパーティー会場に来てるんだ」
出席者の視線が私に集中している為、居心地が悪い。
私達は会場の目立たない場所に移動した。
「王族の方々のご入場です」
国王陛下を先頭に王族の方が次々と入場して来た。
「皆の者。第五王女テレサの誕生日パーティーに集まってくれて感謝する」
王族の方々の挨拶が続く。
「皆様。本日は私の誕生日パーティーにお集まり頂いて、ありがとうございます。私は本日、七歳になりました。未だに未熟な身ですが、日々精進していく覚悟です。どうか私を見守って下さい」
王族の方々及び来賓の方々の挨拶が終わり、会場が自由行動になった。
「あなたが噂のドライアドね」
テレサ様が私に近づき、お声を掛けて下さった。
「テレサ様、お初にお目にかかります。マコトと申します。以後、お見知りおきを。よろしくお願い申し上げます」
「堅苦しい挨拶は不要よ。もっとフレンドリーにしていいわ」
(テレサ様が地球の言葉を使った)
私は驚愕の表情でテレサ様を見つめた。
「テレサ様、地球という世界をご存知ですか」
私は直球で問いかけた。
「地球?知らないわ。そんな世界があるの」
テレサ様は知らないと言った。しかし、手が震えていた。
(かなり動揺している。やっぱり転生者か)
「テレサ様にお誕生日のプレゼントをご用意しております。マリアさん、例のプレゼントを持ってきて下さい」
私はマリアさんに自転車を持ってくるように頼んだ。
「テレサ様、これは私達、乙女の牙からのプレゼントです」
マリアさんがテレサ様に自転車を見せた。
「自転車!」
テレサ様が驚き、呟いた。
「お気に召していただければ、光栄です」
私はテレサ様を注視した。
「初めて見るわ。これは何」
テレサ様は知らぬ存ぜぬを決め込むつもりだ。
「自転車という乗り物です。ハンドルという部分を手で握り、ペダルという部分を足で漕いで動かします」
私は自転車の説明をした。
「気に入ったわ。ありがとう」
テレサ様はあくまでも知らない振りをして、私から離れた。
「マコト、テレサ様はどうかされたの」
マリアさんが私に尋ねた。
「ここでは人目が多いから、後で話すわ。接待係の人に自転車の事を伝えるわよ」
私達は接待係の人に自転車の事を伝え、目立たない場所に移動した。
「皆に伝えたい事がある。乙女の牙、前に来てくれ」
国王陛下が私達をお呼びになられた。
「国王陛下、乙女の牙、参りました」
私達は前に出た。
「この度、乙女の牙の活躍でエルフの国との国交が成立した」
国王陛下が爆弾発言をした。
「おぉぉぉぉぉ」
会場が驚きの声で溢れた。
「更に、エルフの国から留学生が来る事になった」
国王陛下が二度目の爆弾発言をした。
「乙女の牙への褒美だが、彼女達は自由を好む冒険者だ。堅苦しい褒美は望まないだろう。よって金貨百枚と専用の称号を授ける事にした。マリアには乙女聖女。セイラには乙女騎士。ミオには乙女武神。ラムには乙女賢者。一番の功労者ドライアドのマコトには森の乙女管理者とする。それとテレサが乙女の牙に話したい事があるそうだ。後で別室に来るように」
三度目の爆弾発言が私達を直撃した。
「テレサ様、乙女の牙参りました。お話というのは何でしょうか」
マリアさんが尋ねた。
「堅苦しい口調はしないでいいわ。プライベートな話しだもの。マコトは見当がついているでしょう」
テレサ様の発言で、皆の視線が私に集中した。
「テレサ様が地球からの転生者という事ですね」
私の発言で、皆の視線がテレサ様に戻った。
「いきなり暴露しないでよ。皆が居るのよ」
テレサ様が抗議してきた。
「安心して下さい。此処に居る者は全て転生者です」
「全員が転生者!本当に」
「はい」
皆の視線が私とテレサ様の間を行来している。
この後、女子会が始まった。議題は現在の地球の情報。私に質問が集中して疲れた。
次回はエルフの留学生の話です。




