幽霊船との遭遇。
真琴が夢の世界を救う話です。
「霧が随分深くなったわね。あれが出て来るかもしれない」
「あれって何ですか」
「お約束の幽霊船よ」
「やめて下さい」
ヨシノが抗議してきた。
「もしかして怖いの」
「違います」
珍しくヨシノが怖がっている。
「変な船が接近して来るわよ」
「まるで沈没船みたい」
「本物の幽霊船かもね」
「面白そう」
不気味な船が接近して来る。
《スキル万能(探知)発動》
「人の気配はしないわね」
「ヨシノ、一緒に調査しよう」
ソメイが調査を提案した。
「嫌よ。調査なんて絶対にしないからね」
ヨシノが猛烈に拒否した。
「取り敢えず、私が調査して来る」
《スキル万能(高速飛翔)発動》
私は船に乗り込んだ。
甲板には何の異常も無かった。
船内に移動した。
船内にも異常は無かった。
(体が動かない)
体が麻痺したように動けなくなった。
「船が急に反転したわよ」
「凄い速度で離れていく」
「船が消えていく」
船が霧の中に消えてしまった。
(申し訳ありません)
突然、念話が入った。
どうやら女性らしい。
(貴女は誰なの。名乗りなさい)
(私はレム。夢の精霊です)
(その夢の精霊が何の用なの)
(世界樹の貴女にお願いがあります。私達を助けて下さい)
(随分、図々しいのね。人の体の自由を奪っておいて)
(強引だったのは認めます。それだけ切羽詰まっているのです)
(取り敢えず、体を自由にしてくれない)
(分かりました)
体が自由になった。
(それでお願い事の内容を説明してくれる)
(お願いを引き受けてくれるのですか)
(慌てないでよ。内容次第よ)
(実は一匹の獏が異常進化してしまい、自ら食糧の悪夢を造り出したのです。このままでは夢の世界の秩序が保てません。どうか獏を退治して下さい)
レムが事情を説明してくれた。
(内容は理解したけど。自分達で解決して欲しいわね)
(私達では獏を退治できないのです)
(分かったわ。引き受けるわよ。獏の居る場所に案内してくれる)
(はい)
私達は夢の世界に転移した。
(あれが獏です)
巨大な獏が悪夢を喰らっていた。
(弱点を教えてくれる)
(弱点は有りません)
(弱点は無しか)
《スキル万能(大邪眼)発動》
巨大魔物討伐用のスキル大邪眼を発動させた。
獏は簡単に絶命した。
(ありがとうございます。これで夢の世界は救われました。お礼に夢見の靴を差し上げます。この靴を装着すれば夢の世界と現世を転移出来ます)
(またお願いごとをするつもりじゃないでしょうね)
(違います。純粋にお礼のつもりです)
レムは慌てて否定した。
(視線を合わせようとしないという事は図星みたいね)
(本当です。信じて下さい)
(分かったわよ)
靴を受け取り、装着した。
私は現世に戻った。
皆から心配をしたと、怒られ、泣かれ、説教された。
次回は鉱石人と接触する話です。




