お菓子でおかしな事件
『トリックオアトリート!』
町中で賑やかな声が鳴り響く季節、不思議な遺体が次々と見つかるようになっていた
~山岸 進~
「先輩、また不審死です。今度は首をグミで絞められていたそうです」
「これで何件目だ。害者の共通点は?」
「まだ見つかってません
でも、全員お菓子で殺されています」
一件目は、飴とみられるナイフで首を刺され死亡。
二件目はガムで窒息死
三件目は、チョコレートを全身にかけられ全身やけどの重体
四件目は全身の血液を水飴に変えられての失血死…
その後も続き今回の事件に至る。
ただ、三件目と十四件目の被害者に関しては一命を取り留めたため、犯人の特徴を聞いたが二名ともカボチャの怪物と繰り返していた。
「山岸先輩!
今日は飲みに行きませんか?」
「おう、そうだな…」
「やっぱりジャック・オ・ランタン事件のことが気になりますか?」
世間ではこの事件のことをハロウィンの時期のお菓子のおかしな事件のことをジャック・オ・ランタン事件と呼んでいるらしい
「まぁな
でもまぁ、飲みに行こう」
行きつけの居酒屋で愚痴りあっているうちにすっかり出来上がってしまった
「気持ち悪ぃ…」
「お兄さん、トリックオアトリート」
「ん?どうした坊主、こんな遅くに歩いてたら危ないぞ」
「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ」
「ごめんな、おじさん今お菓子を持ってないんだ」
「そう…」
「じゃあ…」
「悪戯しちゃう!」
そのまま俺の意識は遠のいていった
~佐藤 幹夫~
先輩とは中学生の頃からの知り合いだ。
同じ部活に所属していた。
あの人は部長を務めていたが、そのときによく俺は虐められた
道具を投げられたり、蹴られたり…
だから先輩のことが嫌いだった
でも高校に行ってからは別々だったため会うことがなかったが、昔からの夢であった警察官になり、配属先にあの人はいた
それから復讐を誓った
ネットで見つけた黒魔術?のようなものを実行してみた。
それは実行者の怨みの強さによって強くなるようだがどうも上手くいったようでかなり強かった
ただ、代償というものがあるらしく体が少しずつ動かなくなってきている
それから巷でジャック・オ・ランタン事件と呼ばれるようになった
第一の被害者は小学生時代の嫌いな教師
第二の被害者は嫌いな同級生…
と俺の嫌いな奴がどんどん死んでいった
「先輩、犯人がみつけられなくて残念でしたね」
俺は体を餡子に包まれた先輩の遺体を見て呟いた。