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始まり

皆さんこんにちは、夜月です。こういう小説投稿は初めてなので、すごくわくわくします。あと自分は中国人ですから、日本語のレベルと語彙力は小、中学生程度しかないと自覚してます。なのでもし作品の中に日本語の使い方を間違えたりしたら、どうぞ遠慮なくご指摘ください。よろしくお願いします!

 世界創始の時――


 世界は表と裏に分かれた。表の世界は現世うつしよと呼ばれ、いわゆる人の世である。そして裏の世界は、霊界。仙人(せんにん)という不思議な力や術を使う者や、妖怪、妖魔という魑魅魍魎の類が存在すると謂われる世である。



 現世では大抵、ごく一般の人間しか存在していない。しかし稀に、霊力を持った者が生まれる。


 そういう人間は『霊力者』という。


 魑魅魍魎は自らの意思で姿を現さない限り、人間の目では目視する事は不可能だが、『霊力者』達は人ならざる物の存在の姿を視る事ができる。修練を積んだ者は霊界に住む仙人と同じく、霊力を使い色んな術を行使する事ができる。中には、高い修練を極めた『霊力者』が『仙人』になった者もいる。


 霊力について知識のある者は、霊力者を崇拝する。

 しかし、小さな村や里でしか生きてこなかった世間知らずは、霊力者を疎み、化け物扱いする。



 霊界に住まう仙人達は、人より数倍の寿命を有しており、人間の霊力者より格段に強い『霊術』を行使する事ができる。


 そして修練の最高峰に達した仙人は、天より『天劫(てんごう)』という試練を与えられ、それを乗り切った者は『仙神(せんしん)』という神の領域に至る。


 しかし歴史上、その高みに至った仙人は数えるほどしかいなかったと謂われている。



 そして妖怪という存在は現世にも霊界にも存在している。怪力のような馬鹿力を持つ妖怪や、人間よりも弱い妖怪。中には『妖術』という仙人の使う『霊術』に匹敵するほどの力を行使できる妖怪もいる。


 しかし人間からしてみれば妖怪も妖魔と同じ異形の存在だから、そのせいでよく人に同一視され、畏れられている。


 実際、仙人と妖怪は常に妖魔と戦いを繰り返している。ほとんどの妖魔は知性がなく、人を襲って災いをもたらすからだ。普通妖魔は現世へやってくる事はできないが、たまに両界に生じる次元の亀裂を通じて、現世に現れ、悪影響をもたらす。


 それを防ぐために、仙人は数多の妖魔を屠ってきた。中には妖怪と共に協力して妖魔を倒す一部の仙人もいる。まあ無論悪行を犯す妖怪もいるから、そのおかげで両者は共闘関係にも、敵対関係にもなり得る非常に曖昧な間柄である。――



 そして表と裏の世の間に、隙間とも言える世界が存在していた。


 それは――常夜、もしくは幽世(かくりよ)、彼岸、黄泉、呼び方は様々である。もしも常夜を形容するのであれば、『(くれない)の世界』、という一言に尽きる。


 暗紅色の天空、無限に続く川岸、岸のほとりに咲き乱れる無数の彼岸花。そして、天空の色が映った川岸と同じく無限と思われる程の、先が見えない紅き大河。人はそれを『三途の川』と呼ぶ。


 現世と霊界の人々は死後、霊魂となり、常夜を通って『三途の川』を渡っていく。生前たくさんの善行を積んだ者の魂は、渡った先にある極楽浄土へと昇天される。

 普通の罪なき人生を歩んできた者は輪廻の輪に加わり、転生を果たし次の生へと生まれ変わる。そして罪を犯した罪人の魂は、地獄に堕ちる。

 常夜では、ずっとそれらの景色を繰り返していた。逆に言えば、それ以外の景色なんてない。


 それも当たり前の事であろう。常夜とはあくまで亡霊が三途の川を渡るための通過点のような世界、そこに留まる者はいない。まさに永久(とわ)の時が続く世界、物事は何一つ変わらない。


 しかし、古より数万年の時を経て、やがて常夜には、七柱の神が生まれた。

 常夜の神々は三つの世界において至高の存在、『仙神』よりも更なる高みに在るのだ。そして七つの色が彼らを象っていた。


 ――黄、翠、蒼、紫、白、黒、そして緋。


 黄の神は、大地の力を司る神――

 翠の神は、風の力を司る神――

 蒼の神は、海の力を司る神――

 紫の神は、雷の力を司る神――


 この四柱の神は自然の力を司っていたが、残りの三柱は少し毛色が違う。


 白と黒の神は世界を支える根源たる『陽』と『陰』の力を司っていた。白の神は陽の神力を、黒の女神は陰の神力を持つ。


 そして緋の神は、同時に『陰』と『陽』の神力を有している三つの神の炎を行使できる。陽の力である『陽炎(ようえん)』と、陰の力である『劫炎(ごうえん)』、そしてその二つの性質を併せ持った、自身の色を象徴する『緋炎(ひえん)』という世の全ての物を焼き尽くせる緋色の神炎。


 故に緋の神は、七柱の常世神の中で最も強いとされる存在であったし、黄から紫の神には脅威だと認識されていた。だが、彼らも緋の神をどうこうできる訳でもないので、放置していたのが実情である。ただ、白の神と黒の女神だけが彼を友のように接していた。


 神々は自らの眷属である『死神』を生み出し、役目を与える。死神達を現世へ派遣し、現世に未練を持ち、いつまで経っても立ち去ろうとしない亡霊達を常夜へ連れて行く。そして深い執念のせいで悪霊と化した魂を屠るのも死神の役目。無論、もし妖魔に遭遇したら即斬り捨てる。そうやって現世と霊界の秩序を保っているのである。


 神々の仲は良いとも悪いとも言えない、基本は互いに不干渉なのだ。普段は己の神域で現世と霊界の観察をしていた。ただ稀に、現世や霊界で暴れ回る妖魔共に仙人と死神が対処しきれない時は、仕方なく神が協力し合って両界にて顕現し自ら妖魔を駆逐する。そんなふうに神々の間に均衡が保たれていたのだが――


 ある日突然、その均衡がとある悲劇によって崩れ去る事となった。


 神々に異変が生じた。何があったのかは判らないけれど、七柱の内四柱、黄、翠、蒼、紫の神が、一斉に緋の神域に対して攻勢をかける。しかも自らの眷属たる大勢の死神達を率い、総攻撃を掛けて、だ。


 四柱は力を合わせ、神術(しんじゅつ)を用いてとある謎の法陣を発動させた。隙を突かれた緋の神はその陣の中に強制的に封じ込められた。


 それはとても強大な法陣だった。緋の神の動きを封じるだけでなく、その力まで吸い取り奪う事ができる。最強の緋の神といえども、この未知の法陣に対して流石に手こずる。


 緋の眷属である死神達はこの法陣を解く(すべ)もなく、ただひたすらに、主を守るために死力を尽くして戦った。けれど、多勢に無勢では勝てるはずもなく、所詮は悪あがきにしかならない。緋の眷属達は攻め来る敵勢によって悉く消滅させられてしまった。


 眷属を殺されて、緋の神は激怒し、理性を失った。法陣にだいぶ神力を吸い取られたが、すべての力を振り絞って、陣を打ち破ったのだ。そして怒りに身を任せて、最強の名に相応しい力を振るい攻めて来た神々と死神共をたった一柱(ひとり)ですべて返り討ちにした。緋の神の本当の力は、四柱の神の想像を絶するものであったのだ。

 戦いの末、常夜は灼熱の業火に包まれていた。そして四柱の神は、緋の神によって粛清されたのである。


 勝ったとはいえ、緋の神も少なからず負傷した。それでもこのような仕打ちに緋の神は激しく怒り、心は憎悪に満ちていた。

 今まで自分のことを脅威だと思いながら敬遠していた神々が、ようやく痺れを切らして自分に牙を剥いたと、思ってしまったのだ。


 戦いを終えても、怒りを鎮める事はできなかった。彼は理性を失ったまま、暴走を始めた。このまま常夜だけに留まらず、現世も霊界も、全てを焼き尽くそうとした、その時――自らの神域より駆けつけて来た白と黒の神が止めに入った。


 四柱の神が緋の神に攻撃を仕掛けたと察知し、助太刀に来たつもりが、まさかこんな事態になっているとは思わなかった白と黒。

 二柱(ふたり)は緋の神と対峙した。最初は説得を試みたのだが、正気を失った緋の神には無意味なことだった。仕方なく力づくで止める事にした。


 緋の神は『緋炎』を、白と黒の神はそれぞれの『陽』と『陰』の神術を駆使し、互いを牽制し合う。力はほぼ互角に見えるが、若干緋の神が押しているようだった。


 このままでは二柱(ふたり)が負けるのは時間の問題である。それを悟った黒の女神は、とある秘術を使うと決めた。

 成功するかどうかはわからないが、それでも彼女は賭けに出たのだ。


 次の瞬間、緋と黒の力が交差した時、黒の女神が緋の神に術をかけた。結果、黒の女神は賭けに勝って緋の神の正気を取り戻す事に成功したのである。隣で見ていた白の神が、何故か驚愕の表情をしていたのだけれど。


 緋の神の怒りを鎮めたのは幸いだが、残念ながら手遅れだったようだ。満身創痍であったにも関わらず暴走していた緋の神は、生まれて初めて膨大だった神力が枯渇しかけていた。このままでは消え逝く運命であろう。


 消えてほしくないと願う黒の女神はある方法を思いついた。しかしそれを行えば、緋の神が多難な生涯を歩む事になる。それでも、生きていてほしいと心から願った黒の女神である。もし彼に躓く時があれば、自分が彼を支えようと心に誓って。


 この方法を行うには白の神の協力が必要だ。黒は白に力を貸してほしいと懇願した。覚悟を決めた黒の女神の目を見て、白の神は溜息をついて協力すると伝えた。


 友の気持ちに感謝する黒の女神。そして緋と黒は、白の秘術によって散りゆく光となって消えていった。


 常夜に残った神は、唯一、白だけとなった。



 そして更に数千年の時が経って、新たな物語が始まった。――――

ありがとうございました!

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