7.食わず嫌いはいけません!
ブックマークありがとうございます。
読んで頂けてとっても嬉しいです。
『ふぉおおおおおおおおっ!!なんじゃぁコレ!!』
皿に盛られた紫色の固形物。そこからは異臭が漂っている。
異世界の人ってこんなの食べてるの?!マジで?シュールストレミングも真っ青な臭さ(嗅いだことないけど)
皿に盛っているということは・・・食べ物なんだよね?
まぁ、郷に入っては郷に従えと言うから食べてみるしかないか・・・お腹は空いてるし・・・・・・女は度胸!背に腹は代えられない!!
しかし、ナイフとフォークらしきものがないな?自分で取りにいかなきゃならないのかな?言葉が通じればお店の人にお願いできるんだけど・・・・・・
私は周りをキョロキョロ見渡し、椅子を立った。
「*******」
セクハラうさ耳が何か言ってるが、こいつは無視。
店内を見渡しナイフとフォークがありそうなカウンターに近づく、あった、あった基本食堂って異世界でも同じような場所に置くもんだよね~
ナイフとフォークを取り出し席に戻る。
「********!!」
「******」
「***************」
三人とも何故か感心した顔でこちらをみてる。ホントなんなんだ?
ナイフとフォークを使って紫色の固形物を一口大に切る。ごくっと生唾をのみ覚悟を決めて口の中に入れようとしたら
「*****!!******」
美少女!!美少女が現れました。
栗毛色の巻き髪にパッチリお目目は紫色、縁を飾る栗毛色の睫毛は長く、目を伏せるたびにバサバサっと音がしそう。
小さい唇はチェリーピンク色に色づいてる。
ほっそりとした体に長い手足。
膝上丈のスカートから細い足が・・・羨ましい・・・いやいや、やはり頭の上に耳と腰辺りにでっかい尻尾が!!あの尻尾は・・・リス!!この子リスだわ~かわいい~
呆然としながら眺めていると、リスちゃんが近づいて私をまじまじと見る。そんなに見ないで照れちゃう。
「******」
「*********」
あっ!セクハラうさ耳が!!リスちゃんの頭を掴んでる。
リスちゃん逃げて~逃げて~って女の子の頭をそんな乱暴に扱って!セクハラ暴力うさ耳め!私の中の株価が最安値だよ!好感度だだ下がりだよおまえ!
猫耳イケメンが止めに入ってた。なんか苦労してそうあの人・・・・・・
ワイルド系イケメンは一人黙々と飲み物を飲んでる。マイペースだな・・・・・・
美少女リスちゃんが突如として登場したので忘れていたが私、今、食事中なのよね~。
さて匂いがキツイが、この未知との物体を味わってみましょう。
チーズとかくさやみたいに食べてみれば「やだぁ~美味しい~」ってこともあるしね。
偏見はいかん
食わず嫌いはダメダメ
いただきまぁ~す!!ぱくっ!
「もぐもぐもぐ・・・・・・」
ま・・・・まずい・・・・
予想通りのまずさ。
匂いもさることながら、舌触りが砂と藁を噛んだような感じで喉に通らない。
涙目になりながらもぐもぐと噛んでいると美少女リスちゃんが水を持ってきてくれた~優しい!流石美少女!!
水の力で流し込む。
異世界の水は私のいた世界と変らなかったのでホッとすると、トカゲさんが湯気の立った皿を運んできた。
「!!」
なにあれ?なにあれ?
私の皿のモノと別物だよ?っーかちゃんとした食べ物に見えるんですけど?
私の横にセクハラ暴力うさ耳が座り、ひとつ席を空けて斜め向かいにイケメン猫耳が座る。ワイルド系イケメンは立ち上がりコップを持ちながら猫耳イケメンの隣に座った。三人の前に置かれた料理は肉料理みたいで、香ばしい匂いが鼻腔を擽る。
うまそぉおおおお~
じっとセクハラ暴力うさ耳の皿を見つめていると、なんとうさ耳野郎が自分の肉を一口、フォークに刺して私の口元に差し出してきた。
これは!?
俗に言う「あーん」という行為でしょうか?
それは恋人同士が愛を確かめる行為の一つ「あーん」ではないでしょうか?
佐藤 恵29歳 今の今まで異性にそんな行為されたことがない。
コイツ・・・私に気があるのかしら?
たしか昔読んだ心理学の本で「あーん」させたい男性心理が、「この人は俺のモノ」「おまえが好きだ」アピールだと書いてあったな・・・
いい匂いがお腹や脳を刺激する。
いい笑顔のうさ耳・・・美味しそうな肉・・・いやコイツセクハラ野郎だし・・・いい匂いの肉・・・変態うさ耳・・・肉・・・肉・・・肉、肉肉~
嫁入り前の清らかな乙女だけど、このお肉の匂いには抗えない!
欲望に食欲に負けちゃってすみません。
でも今食べなければ、いつ食べられるの?
今でしょ!!
覚悟を決めて清水の舞台から飛び降りたつもりで、恵、いっきまぁああああす!!
イタダキマス!!
ぱくっ
「くぁwせdrftgyふじこlp!!」
目の前が真っ暗になった。
ぎゃぁああああ~間違って何回も誤爆投稿してしまってすみませんでした。