3.異世界の食べ物とファーストコンタクト
暫くすると人のざわめきが聞こえ始めた。
もしかして?町か村?いやそれよりも今の私の状況を考えなければと思うがお腹が空きすぎて集中できない。
馬車が止まり猫耳イケメンが声をかけてきた。するとワイルド系イケメンはまた私を抱き上げ馬車から降ろした。
降りてみて周りを見渡してみるとそこはRPGのような中世ヨーロッパの街の風景が広がっていた。
そして行き交う人々を見るとみんな何かしら頭に耳やらお尻あたりに尻尾やらがついている。
なるほど某イベント会場もびっくりなコスプレ会場なんですね。さすが外国やることもでかいですわー(棒読み)
なんてことあるかい!!
老若男女まさかの耳と尻尾付き!!
なんだよこの夢!いや夢なのか?
もうここまでくれば夢じゃないことはなんとなくわかった。
今流行りのライトノベルやマンがの異世界移転なのか?そうなのか?
「****************」
「********」
「**********」
いきなり女性の黄色い声援が耳に入った。
我に返るとイケメン三人が女性に囲まれている。
なにあれ?どこかのアイドル並みに騒がれている。
女性たちの目はハート形になって三人を見ている。まぁあんだけの美形だもんね。
『人々に囲まれてはじめてわかる彼らの美しさ』字余りじゃねーし!!
それよりも私はお腹が空きすぎておなかと背中がくっつきそうだよぉ~ひもじいよぉ~
女性に囲まれていたはずのセクハラうさ耳がいつの間にか傍に来て私を抱き上げた。その瞬間、鳴り響く非難じみた声。
すごいな~言葉がわからなくっても罵詈雑言って通じるのね~と自分の悪口雑言を言われているのに妙な関心をしていると声が小さくなって聞こえなくなっているというか・・・・・・なぜだ?みんな優しい眼差しで私を見てる?!
「********」
セクハラうさ耳は私の片頬をムニムニしながら微笑んでいる。っかうさ耳にまたセクハラされてるぅううう~逃げなきゃ貞操の危機!
腕の中から逃げようとするけどがっちりホールドされて身動きが取れない。
「*******!!」
「****」
「***********」
逃げようともがいていると次々と女性たちが何かを言いながら倒れていく
「え?何事?」
「**********」
うさ耳が話しかけてくるがわからんし人倒れてるし、一体どうなってるの?!と思っていたら頬に人肌のぬくもりが
「ちゅっ」
「*************」
私の頬に口づけたセクハラうさ耳は自分の顔を私の頬にすりすりと摺り寄せる。
第三者からみたらさぞ地獄絵のような図だろう
死屍累々のような女性たちとセクハラうさ耳美丈夫に(頬だけど)ファーストキスを奪われた30歳まじかの女
そんな事はモノともせずイケメン二人はある建物に入っていった。
もちろん魂の抜けた抜け殻の私もセクハラうさ耳に抱っこされて入った。
建物の中に入るとそこはたくさんのテーブルと椅子が並んだ食堂のような感じだった。
「******」
「*******、*****」
猫耳イケメンが店の奥に声をかけると、そこに現れたのは二足歩行で歩いてくるでっかいトカゲだった。
「とっトカゲぇえええ?!」
「********」
「********」
「******、*********」
猫耳イケメンと話したトカゲは私のそばに来ると舐めるように観察してる。
「********」
「********」
「**************」
トカゲと話し終えた猫耳イケメンはふっと深いため息をつくとセクハラうさ耳に私をそこの椅子に座らせるように言ったように見えた。
セクハラうさ耳は仕方なさそうに私を近くの椅子に座らせる。
すると一旦奥に戻ったトカゲが皿をもって現れた。
「ごはん!!」
高鳴る胸のトキメキ、異世界のご飯ってどんなの?という期待感ワクワクドキドキ
目の前に出された謎の紫色の固形物
『どうしてこうなった・・・・・』
佐藤 恵 29歳は頭を抱えた。