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20.もふもふパラダイス


綺麗に整備された庭園を抜けて林の中に入っていく。


いったいどこへ?


間引きされていな林の中は草木が鬱蒼と生えて薄暗いく獣道のようなところをエリックは歩く。

暫くすると開けた場所に出た。


エリックは私を丸太でできたベンチのようなところに座らせた。


「俺はこれから剣の練習を始めるからな、大人しくしててくれよ」


そう言いながら腰の剣を外し、ベンチにかける。

頷きながら剣の練習なのに外すの?と思っていたら木の枝に両足を掛けて・・・腹筋を始めた。


「逆さで腹筋って・・・」


簡単にやってるけど・・・


「すごい~すごい~」

「298・・・299・・・300よし!」


300回もこなすなんて!!どんな腹筋してるの?シックスパックか!!シックスパック!!と思ってたら今度はその枝を使って懸垂を始めた。


ひええええ~


「296・・・297・・・298・・・299・・・300」


あっという間に300回も・・・


「すごい~カッコいい!」


思わず拍手してしまう。素直に感動してしまった。ライ○ップもびっくりだよ!


木の枝から手を離しエリックは指の第一関節だけを地面につけて腕立て伏せのように動き出す。


なんか格闘技系の映画で見たことあるやつだ!!腕もぷるぷるしてないスゴイ!凄いよこのわんこさん


「すごいすごいですよ~エリックさん」


動くたびに尻尾が・・・ああ~もふもふしたい・・・でも触ったら怒るだろうな~触りたいけど、ここは拍手をして気持ちを紛らわせなければ・・・


「99・・・100・・・ふぅ~体がいい感じで温まってきたな」


そう言うと丸太に立て掛けといた剣を取り、広場の真ん中まで歩いて行った。


「あーそうだ。剣を振り回したり魔法を使ったりして危ないからそこから動くなよ~」


おおおお~エリックも魔法を使えるんだ~うさ耳だけだと思ってた。


了解いたしました~梃子でも動きませんぜ旦那!ぐっと親指をサムズアップするが、エリックは目を瞑り小声でブツブツと何か言っている。


すると青白い光が剣に走る。わぁお~


それから片手を地面につけてまた小声でブツブツ言ってる。

すると土がボコボコと言いながら凹凸しはじめ人型の形になっていく。

エリックの周りにはあっという間に十数体の土でできた人が黒い剣を振り回しながら囲んでいた。

あまりの出来事に声が出ない。

エリックは襲ってくる土の人型に剣で切って壊していくが、また形が元に戻りエリックへと向かっていく。


これは無限に続くの?エリックは大丈夫なの?

彼を見ると笑顔で楽しそうだ。


「今日は調子がいいな・・・あれもやってみるか・・・」


調子がいいのか・・・そうか・・・

目で追うと左手を木に当てて、また小声でブツブツ言ってる。

すると木がフルフルと震えて動き出したかと思ったらエリックは瞬時に離れた。

木の葉っぱが鋭い刃に変わり矢のようにエリックに降り注ぐ。


「きゃっ!!」


思わず目を瞑る。

恐る恐る目を開けたときは、エリックは両手に剣を持ち、葉っぱの刃をかわしながら土の人型を切っていく


「・・・すごい・・・」


今日何度目かの凄い・・・いやホント凄いって言葉しかでてこない。


「やばい!!」


エリック声に驚く。

何があったんだろうか?と周りを見渡すと今までエリックだけに向いていた土の人型と木がコントロールが失ったようにあちらこちらに動き出す。


「やばい!やばい!!」


エリックの焦る声。

黒い影がかかる。


「え?」


見上げてみると土の人型が私を黒い剣で切りかかろうとしていた。


「ぷぎゃぁあああああ~」

「危ない!!」


私の29年の人生がここで終わるのか?ぎゅっと目を瞑りながら短い人生を儚んでると頭からひんやりとぬるっとしたものがかかった。


「え?」


目を開けると泥みたいのがかかったらしく、目元を泥の付いてない手で拭う。

どうやら土の人型は泥になってしまったみたいだ。

よかった~命拾いしたよ。

いやマジで死ぬかと思った~

魔法は見ごたえあったけど、こんな危険な目に合うなんて・・・


「あ・・・マジでやばい」


いやホントホント。反省してよ!!

泥被っただけで済んでよかったよ!!

文句の一つでも言ってやろうと思ったところ、いきなりエリックに抱きかかえられる。そして猛スピードで走りだした。


「うげっ」


舌噛みそうになったじゃない!乱暴な

来た方向に戻ってるから屋敷に帰るつもりか・・・まぁ泥だらけだしね。

そんなに焦らなくってもいいのに・・・まぁ女性を泥だらけにしてそのままっていうのは紳士的に許せないのかな?


そう思っているといつの間にか屋敷の中に入り、知らない部屋に入った。

茶色で統一された家具や天蓋付きのベット、壁には幾つもの剣や斧が飾られてる。

そこを通り過ぎ白いドアを開けるとバスルームについた。


もしかして・・・


嫌な予感がする。


エリックの腕から逃れようとする。


「私一人で入れるから!!出てって!!」

「おいこら暴れるな!お前を綺麗にしないとアルとレイに怒られるんだよ」


だから一人で洗えるっていうの!

話聞けって!!


「大丈夫だから!!離して~!」

「あーもうめんどくせぇ」


ドレスのままバスタブに入れられ頭からシャワーを浴びせられる。


ん?

着たままでOK?


「あーくそっ、この髪飾りじゃまだな」


そう言いながら丁寧にひとつひとつ取り除いていくエリック。

結った髪を解され石鹸で乱暴に洗い出す。


「痛い~痛い~もうひとりで洗えるから、大丈夫だから。髪の毛洗ったら出てってよ。私、体洗うから。ああ、そうそう出たついでに着替えを持ってきてくれると嬉しいな~あ、それはマーサさんに頼んでね。痛い痛い~もう少し優しくして」


髪の毛を一通り洗い終わったエリックの手が離れる。私はリンスの代わりに使ってる香油がないか探す。石鹸だけじゃこの剛毛はごわごわになっちゃうのよ。


なんで香油を使っているのを知っているか?って・・・

いつもいつもお風呂は私が気を失っているときに終わっているが、朝の身支度の時にうさ耳とマーサさんが今日の髪の毛に付ける香油について話しているときに昨晩はバラの香油だったから今朝もそれでという話を毎日聞いてるからね。


うさ耳は色々な香油を私に付けて楽しんでいるらしい・・・変態め!


このバスルームには置いてないのかと周りを見渡すと全裸のエリックが立ってた。


見事な筋肉美を見れればよかったのですが・・・目線が丁度・・・そう高さがエリックの股間に・・・


「うぎゃぁあああああ~」


本日2回目の危険領域デンジャーゾーンの邂逅に気が遠くなった・・・






「うぐっうげっうぐっうぐっ」


気を失っている間に汚れた体は勝手に洗われ、ドレスも勝手に着せられた・・・

もう身も心も目も汚れてしまったよ・・・

汚れちまったよ・・・


「うぐっうぐっげっうぐっぐぅう」

「もう泣きやめ・・・何が気に入らない?ドレスを破ったことか?お気に入りだったのか?」

「違う・・・あんな凶悪なもの2回も2回も・・・・うぐっ」

「それとも着替えさせたドレスが気に入らないのか?」

「うわぁああああ~そうじゃない違う。もうお嫁にいけない」


しかしエリックはなぜか服を脱ぎだす。


「ぐひっうぐっ・・・えええええっ、ちょっとなぜ脱ぐ!!」


また危険領域デンジャーゾーンが見える見える・・・え?


エリックが四つん這いになったとたん、体が縮こまり手やら足に黒い毛が生えてくる。


「!!」


そこには精悍な黒い犬がいた。

可愛い~かっこいい~もふりたい!!


実家では犬を飼っていて・・・太郎元気かな?

太郎は撫でられるのが好きで、撫でまわすと興奮して失禁しちゃうバカ犬だけど可愛かったな~

太郎を思い出しなだらかな黒い背中を撫でる。


「わふっ!!」


毛並がいい~手触り最高~

ふっふふふふふ私のこの黄金の手(ゴールデンハンド)で撫でられた犬たちは虜になるのよ

お腹を優しく撫でる。


「くぅううん」


うんうん気持ちいいでしょ


「くぅうんくぅううん~わふっ」

「うふふふっ、もふもふさせてね~もふもふさせてね~」


楽しい~最高~やさぐれた心が洗われていく~


あの凶悪な2本の危険領域デンジャーゾーンなんて忘れそうだ


トロンとした目で眠りそうなエリック犬を夢中になって撫でていると頭から冷えた声がした。


「これは・・・いったいどういう事なのかな?」


振り返ると猫耳イケメンのアルが怖い顔をして立っていた。




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