2.セクハラ駄目ゼッタイ
ワイルド系イケメンに馬車の荷台に乗せられた。
そこでコートや手袋、マフラーを外しブラウスとフレアスカート姿になる。いや暑いの暑いの冬景色から日差しがきつい荒野は冬装備の私のライフを確実に減らしている。それに暑いの苦手だし、スカートの下に履いている厚手のタイツも脱ぎたいが、まさか男性の前で脱ぐなんてはしたない真似、いくら夢でも出来ないし・・・キョロキョロ周りを見渡すと猫耳イケメンが先ほど倒した怪物の頭を同じく荷台に乗せる。
「ひっ」
生首モドキと目が合って震えてると、うさ耳イケメンが傍に来てまた頭をナデナデするついでに頬もむにむに触りニコニコしてる。
さきほど、この怪物の青い血を被った私の体や服を指パッチンで綺麗にしたうさ耳イケメンは魔法が使える設定なのだ!
いや私の夢設定細かいね。すごいね私。と油断してたところお腹の肉を掴みながらいい笑顔で笑ってるイケメンうさ耳
「せっ、セクハラ!!」
「********」
怪物を解体して荷台に乗せてる猫耳イケメンとワイルド系イケメンの残念な子をみる感じでうさ耳イケメンいやセクハラうさ耳を見ている。
「*******」
「**********」
「********」
ちょっと揉むのやめて~痛い、痛いっちゅーの!!
それに三人の会話まったく意味が分からないけどなんとなく私の事を話しているのはわかる。
それも悪口みたいな類だとわかる。
セクハラうさ耳は満面の笑顔を浮かべながら両手で私の豊満なお腹をもみもみもみもみしている。呆れた顔の二人は何かを言ってまた作業に戻った。
いやぁああああ~一体いつまで揉むの?勘弁して~終いには胸まで触り始めた
「きゃぁあああああああ」
セクハラうさ耳は胸を触った後、スカートを捲り上げた。いくら夢の中でも嫁入り前の清らかな乙女のスカートを本人の許可なく捲り上げるのは万死に値する!!イケメンだから許されることではない!!
「なにするんじゃぁああああ!!」
セクハラうさ耳の頬に平手打ち食らわせた。
バチンと小気味いい音が響く。
呆然とするセクハラうさ耳に丁度荷台に荷物を載せにきたワイルド系イケメンがそれをみて大いに噴出した。
「********~」
「******」
「***********」
「*****************」
「******」
いやだから何しゃべってるのかわからねーよ!
私は触れ腐れながらスカートの裾を直し荷台に座りなおした。夢にしてはリアル過ぎる感触と手の痛さに頭の中がはてなマークでいっぱいになる。
夢だよね?夢だよね?
いやお腹を揉まれた時点でリアル過ぎねぇ?という疑問があったが、設定細かい仕様ということで無視させて頂きましたが・・・・・・それが悪かったのか?
いや、もしかしたら死んで死後の世界にいるのかも?
あははは・・・それなら死後の世界って超ハード・・・・・・いや死んでも痛みを感じたり人肌の触感や温度って感じるものなの?
そう思ってるといきなり馬車が動き出した。
馬車を御者するのは猫耳イケメンで荷台にはワイルド系イケメンとセクハラうさ耳が乗っていた。
セクハラうさ耳は私に近づこうとしていたが「寄るな触るな変態め!!」と叫んだらショボーンとした顔をしてワイルド系イケメンの隣に座った。まだワイルド系イケメンは肩を震わせながら笑っている。
なんか色々と失礼な奴らだな。助けてくれた命の恩人みたいだけどイケメンだから全てが許されるとは世の中が許してもこの私が許さない!!それにイケメン、イケメンって連呼してるけど私、イケメンにまったく興味なし そうナッシングなのだ。
私が興味あるのは・・・・・・・
「ぐっうううううううう」
大きなお腹の音が荷馬車に響いた。向かいに座ってる男二人が顔を見合わせている。
「ぐるぐるぐぐぐっつうううっ」
また大きく鳴った。顔がどんどん赤くなるのがわかる。
「*******」
「*********」
いや話しかけられてもわからんし・・・でもそうです。お腹が空いてます。
だって夕飯の時間はとっくに過ぎてるし・・・健康なこの体を維持するにはきちんと三食食べなきゃ持たないし・・・と色々なことを口走りながら首を縦に振り答えるとセクハラうさ耳はうんうんとうなずきながらにっこりと笑った。
意味わかってんのかコイツ?