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15.あの布たちの行方

「うふふふっ、今日はどんな髪型にしようか?」


上機嫌で私のセミロングの髪をブラシで梳くいながら鏡超しに、こちらを見つめてくるセクハラうさ耳は、サイドアップにしようか?それとも編み込みにしようかとうんうん呻りながら考えてる。

横にいる女性・・・マーサさんは編み込みなどいかがでしょうかと勧めてる。


そう今朝からみんなの会話がはっきり理解できるようになり、この女性はマーサさん、セクハラうさ耳はレイヴットって名前だってわかったんだよね~。


まぁコイツはセクハラうさ耳で十分だけどね。


あの猫耳イケメンはアル?だったかな。


「もうなんでもいいです。早く終わらせて」

「うんうん、そうだねそうだね編み込みにして白い小花を飾ろうか~」

「よろしいかと思います。」


朝からどっと精神的に疲れてしまって・・・・・・


だって・・・だって・・・お父さん以外の・・・モノを・・・


ぎゃぁああああああ~

消去よ!!消去!!脳内からデーターを消し去るのよ!!


ひゃぁあああああ~

なぜ思い出す!!なぜ反復して思い出す!!


でも・・・お尻のシッポは白くって丸々ふわふわして可愛かった・・・


じゃねーよ!!


こんなの思い出すなんて乙女じゃないわ痴女よ!痴女!破廉恥すぎる~


人が悩んでるのに、セクハラうさ耳は器用な手先で髪の毛を編み込んでいく。


「すっかりお上手になりましたわね」

「マーサの教え方がよかったからさ」


最初は手つきがイマイチだったセクハラうさ耳だったが、2,3回の練習でマーサさんよりも早くきれいに仕上げていく。


ポテンシャルが高い・・・なんなのコイツ


エロうさぎのくせに!!


造花の白い小花のヘヤピンを付けていく。

造花と言っても中心が真珠でできているとんでもない代物だ。


「うん、今日も可愛く出来た!!」

「ええ、愛らしいですわぁ~」


この二人・・・目が悪いんじゃないかな?


今日のドレスはシフォン生地をふんだんに使った淡い黄色のドレス。

言っちゃ悪いが、膨張色だよね?肥大して見える!!ひぃいいいい~


セクハラうさ耳はまた指を鳴らす。

どうやら私の体重を軽くする魔法みたいだ・・・便利だな。


抱き上げられて食堂室に向かう・・・あの二人の爆笑する顔が浮かぶ・・・


それにしても私、歩けるから降ろしてほしい。


「あのね、歩けるから降ろして?ねぇ、降ろして?」

「うんうん、今日のぷにぷにちゃんはおしゃべりだね~可愛い声いっぱい聞かせてね~」

「いや可愛いとかどうでもいいから、降ろして?そしてぷにぷにちゃんって何?私の名前?私、佐藤恵っていう名前があるんですけど・・・」

「クスクス、あ~もう可愛くって堪んない」


いやいや堪んないのは私ですよ!聞こえてますか?聞いてますか?!!


「レイヴット様はお嬢様が大好きなんですね」

「いや、マーサさん私お嬢さんという年じゃないですよ・・・恵でいいですからお嬢様はやめて下さい。」

「ふふっ聞いたマーサ、僕のこと好きなんだって~僕も大好きだよ~」

「いや違うし!!好きじゃーねし!なにどさくさに紛れて告白?!!え?いやいやお世話になってるのは感謝してるけど、付き合うとかそういうのは、まだお互いを知らないとわからないというか・・・・いやいや私マーサさんに話しかけたんですけど?」


いきなりの告白に顔が赤くなる。

セクハラうさ耳といえども、美麗な美形に「大好き」と言われれば悪い気はしないというか、私の人生ではまず一生ない事だろう。


「うふふっ赤くなって可愛い~はぁ~こんなに可愛いぷにぷにちゃんと今日離れて仕事に行くのやだな~」

「レイヴット様」

「わかってるよマーサ。ちゃんと仕事はするよ・・・」


何の仕事をしてるのだろう?


謎が多いぞこのウサギ。


そうしてるうちに食堂室についた。


やはりというか予想通り、私を一瞥したアル?とワイルド系イケメンは大笑いをしてる。

頬を膨らしながら、いいのいいのぷよぷよちゃんの愛らしさは僕とマーサだけわかってればいいからと席に着く。


今日も人こぶし大の焼きたてのパンと目玉焼きと野菜みたいなものが用意されてた。


三食似たような食事だけど、あの紫の固形物からみたらマシかと思いながらボソボソ食べる。

野菜も見た目はレタスみたいだが、食べてみると苦みがすごい。

苦い薬を噛んでるみたい・・・


三人は平気な顔して食べてるけど・・・どんな味覚してるの?


でも今朝うさ耳は私の涙を舌で拭った時、しょっぱいねって言ってたよね?

味覚は正常だと思うんだけど・・・・・・


「今日はレイは城か?」


アル?という人がうさ耳に話しかけてきた。


「ああ、魔導士団の定例会議」

「エリックは?」

「俺は特にないな。騎士団は明日顔を出す予定だ。」

「そうか・・・レイ、ぷにぷには今日一日エリックに預かってもらえ」

「「えええええええっ」」


二人してハモってる。


「マーサがいるからエリックはいいよ」

「俺もめんどくさい・・・・・・」

「いやいや私ひとりで留守番できますよ?」

「マーサは用事をお願いしてる。俺も色々と立て込んでる。ぷにぷにを一人にしていいのか?それとも魔導士団に連れていくか?あそこの連中、好奇心の塊だからぷにぷにが酷いことになると思うぞ?」


酷いことって何されるの?と青くなる私の顔をみたうさ耳は仕方がないなという顔をしながら


「悪いエリック今日一日、ぷよぷよちゃんを預かってくれ」

「レイがそこまで言うなら」



食事が終わり、ワイルド系イケメンことエリックが私を抱き上げる。


「いや歩けるし、降ろして」

「暴れるな・・・っーか下着付けてるのか?感触が柔らかいんだが・・・」

「ああ、その柔らかさを堪能するためにコルセットはつけてないんだよね~」


そうなのだ。コルセットはつけてないノーブラ状態なのだ。(パンツはちゃんとはいてるよ!ズロースだけど)


「レイ・・・」

「だってコルセット着けちゃったらお腹の肉掴めないじゃん」

「掴むな!!そう言えば私のブラとパンツはどこ?どこいった?!」


「今日は随分とコイツ喋るな」

「僕と離れたくないって言ってるんだよ。うふふふごめんね。今日はエリックといい子にしててね」

「いや違うし!ブラとパンツと洋服はどこいったの?どこいった!!」


「暴れるな・・・マジでレイと離れたくないのか?」

「ぷにぷにちゃん・・・仕事に行くパパを許してね。お土産いっぱい買ってくるからね」


うさ耳は濃紺のローブを羽織り三人で玄関に向かう。

馬車に乗り込んだうさ耳に向かって叫ぶ。


「だから~私のブラとパンツはどこなの?!!名前もぷにぷにじゃねーよ!!恵だから」


うさ耳の耳には届いておらず、ハンカチを目に当てながら今生の別れみたいな顔をして手を振る。


「なんでお前が泣いてるんだよ~泣きたいのはこっちだぁああああ~」


私の唯一の所有物どこいった!!教えてくれよ~


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